5月26日に、鹿児島市で会派行政視察を行いましたのでご紹介します。

視察先:鹿児島市役所
調査項目:空き家対策について


IMG_7750 全国的に空き家は大きな社会問題となっており、特に所有者がわからず放置された空き家の危険性が危惧されています。景観の問題以外にも老朽化や防災面、衛生面などの問題もあり、条例を制定するなど対策をはじめている自治体も増えてきています。 そこで自治体独自での先進的な取り組みをしている鹿児島市の空き家対策について勉強してきました。
 
 
【調査概要】

 鹿児島市では平成20年度から事務処理要領に基づき危険空き家に対する指導を開始したが、平成24年度以降相談件数が急増したこともあり、平成25年12月に「空き家等の適正管理に関する条例」を公布し、翌年4月1日に施行しました。条例の制定により法的拘束力を持つ指導や、庁内組織横断的な対応が可能となり、改善率の向上などの効果が見られています。この条例は市民の安全及び良好な生活環境を確保することを目的としており、主に「所有者の責任」「市による指導等」「市による支援や応急危険回避措置」などが定められています。また、この条例による対策とあわせて、危険空き家への対策について補助制度を設けることで市民の安全確保も図られています。

写真 2015-05-26 10 07 17 市民などから相談を受けると最初に状況や所有者等を調査し、必要に応じた助言又は指導を行います。危険な状態で指導に従わない場合は勧告、命令を出し、それでも対応がない場合には所有者等の氏名・住所を市が公表します。更に、著しく公益に反する場合には行政代執行で空き家を撤去できることとしています。空き家の状況により、建築物に関すること、草木等に関すること、火災予防に関することなど、相談の内容によって建築指導課、環境衛生課、消防局予防課が窓口となって相談に対応します。但し、項目がまたがる相談や、他部署が主となる相談もワンストップ窓口の考え方から、どこの窓口でもその場で受け、誰が受けても担当部署が対応できるよう、関連部署共通の空き家相談用の処理票を作成し活用しています。

 市では危険空き家への対応として、「支援」「応急危険回避措置」を行うこととしています。支援では、解体業者等の情報提供と飛散防止ネット等の貸し出しを行っています。解体業者等の情報提供については、危険な空き家を除去したい場合に関連業界団体の協会に所属する業者のリストを提示しています。飛散防止ネットは改築や建て替え、除去など、1年程度以内に改善を計画している危険空き家について、改善工事までの期間飛散防止ネットを貸し出すことで安全の確保を図っています。応急危険回避措置については、所有者が不明で、道路や公園など公共の場所に隣接する危険空き家に対して、市がバリケードの設置など最低限の対応をすることとしています。

 また、条例とあわせて危険空き家の解体工事補助を行うことによって対策を拡充し、市民の安全確保に努めています。この解体工事補助については対象となる条件が定められており、事前協議、補助申請をして審査を受け決定されます。また、以前より安全安心住宅ストック事業としてリフォームの助成も行っており、今年度からは空き家(1年以上住居者がいない)をリフォームして住居とする場合には補助率をアップするなど、空き家の活用も視野に入れた対策も行っています。

【所感】
 鹿児島市では危険空き家への対策と、空き家 クなど活用の 面から検討がなされたが、私有財産へどこまで介入するのかなどの議論もあり、市民の安全を確保する観での空き家対策として条例が制定されました。条例制定による効果が現れており、当初の目的とした市民の安全確保に大きく寄与している状況がわかりました。国の特別措置法全面施行によって一部条例改正が行われる予定とのことでしたが、基本的に自治体としての取り組みは継続しておこなっていくとのことであった。
 地方自治体と国の役割分担や、私有財産にどこまで踏み込むか、自治体の責務と役割は何か。市の実情をよく調査し対策を考えていく必要があるが、様々な面で参考となる視察となりました。


【おまけ】

写真 2015-05-26 11 28 29視察終了後、今年4月から業務を開始した市役所西別館にある議事堂を見学させていただきました。ここには全国でも珍しい親子室が設置されており、お聞きしたところ以前に小さな子どもを持つ保護者から「子どもと一緒に議会を傍聴したい」との意見が寄せられ、今回の新築に合わせて親子室を設置されたそうです。議場外の廊下から親子室専用のドアで出入りするようになっており、室内前面はガラスで議場内が見え、音声はスピーカーから出るため、中で子どもが声を出しても議場には聞こえないそうです。

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瀬のぶひろ X
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