1月26日に、京都府京都市で会派行政視察を行いましたのでご紹介します。

視察先:京都市役所
調査項目:公衆無線LAN「Kyoto Wi-Fi」


写真 2015-01-26 10 28 39 まちのにぎわいづくりや立川への訪問客増、また防災面でも公衆無線LANの整備は急務となっており、私は昨年12月の市議会定例会の一般質問で、公衆無線LAN環境の整備促進を取り上げました。 市からは、情報通信技術が日々進歩していること、国・東京都や民間が行う整備促進も様子を見ながら、費用対効果も含め引き続き検討していくとの答弁でした。
 そこで既に市内のWi-Fi整備を進めている京都市で、費用対効果や運営状況などを調査し、立川市における整備促進の参考とするべく視察を行いました。1月26日当日はあいにくの雨模様となりましたが、重厚で趣ある京都市役所内にて、京都市産業観光局観光MIEC推進室の方々から種々ご説明をいただきました。
 
【これまでの取り組み】
 急速に普及している携帯情報端末を活用してより京都の魅力を発信するため、国内外の観光客にとって観光情報を入手しやすい環境を整備することを目的に公衆無線LAN環境を整備したとのこと。なお、公衆無線LAN整備事業の主な背景は以下の通りでした。
(1)外国人観光客は通信料が高額になることから携帯情報端末を気軽に使用できない
(2)外出先でも携帯情報端末等で快適にインターネットを使いたいというニーズがある
(3)既に使える施設でも契約している事業者が異なると利用できない

平成24年5月から整備運用事業者を募集開始、7月に事業者を選定しバス停や地下鉄、セブン-イレブン、公共施設などに公衆無線LANスポットの設置を進め、現在までに662箇所の整備が完了。平成26年12月に、より簡単な手続きで利用可能な仕組みを構築し、新たなスポットの整備を進めています。
 
写真 2015-01-26 11 26 08写真 2015-01-26 10 17 36
【整備の概要】
[当初整備]H24年7月~
運営事業者を2社選定し、それぞれ箇所を振り分けて整備
●KDDI㈱ バス停383箇所)、地下鉄駅(21箇所)、セブン-イレブン(124箇所)
●㈱インフィニティ 公共施設(122箇所)、商業施設(12箇所)
※接続認証については、メールによるゲストコード取得によって接続

[追加整備]H26年12月~
●㈱ワイヤ・アンド・ワイヤレス 観光関連施設、商業施設など(計760箇所予定)
※ゲストコードを取得する必要はなく、利用規約を読み「同意」ボタンクリックで接続
※当初整備のKDDI分についてはこの接続方法に変更済
 →追加整備事業者がKDDIの関連会社であったためスムースに移行できた
 
【経費負担等】
事業者の選定はプロポーザルで行い、整備費用などは運営事業者が負担。市と運営事業者の役割分担は以下の通り。

●運営事業者 wi-fiの整備・運用、設置施設の開拓
●京都市 設置施設の紹介、ステッカー作成やHPによる広報

なお、追加整備においては機器及び工事が設置施設側の負担となる。ルーター機器が約2万5千円、工事費が約1万円。従来使用しているインターネット回線を使用可能、新たに回線を設ける必要がある場合はその費用(回線設置、通信費)も必要となる。
 
【質疑の記録】
●接続方法の簡素化で利用件数は変化したか?
 ゲストコードが必要であった時と比べ簡易な接続方法に変更して利用者は約10倍程度となった。アクセスポイント毎の接続解析ができることから、曜日別や時間別の利用実態を把握することは可能である(今後の活用を検討中)。

●セキュリティについての考え方は?
 当初整備段階から通信の暗号化は行っていない。ゲストコードが必要な接続ではメールアドレスの特定ができた。簡易な接続方法に変更したが、利用端末固有識別番号のログをとることで端末の特定が可能。犯罪などに使用された場合には、運営事業者が必要に応じて警察へ情報提供することとなっている。

●国の整備促進との関係は?
 総務省・観光庁による整備促進協議会にPTメンバーとして参加している。

●1スポットで何台ぐらい同時接続可能か?
 約100台ぐらいは大丈夫。

●災害時にはログイン手続き不要で接続できるとのことだが、どの程度の災害か?
 対応のレベルは各事業者で設定しており基準は曖昧である。今後統一した考えも検討していく。

●同意画面からすぐにgoogleトップとなり観光情報など発信は無いが今後は?
 利便性を考え情報を押し付けないとのスタンスでやってきた。今後、有効な情報発信を検討していく。

●事業者が自費で整備をするメリットは?
 設置するルーターはKYOTO Wi-Fiを1回線もつが、自社の無線LANを飛ばすこともできる。バス停や地下鉄、公共施設などは民間事業者が単独でやろうとしても許可を取りづらいが、KYOTO Wi-Fiを整備するということで許可を得やすいため、このような場所にも自社通信網を拡大できるのがメリット。事業者も電話回線の負担軽減に無線LANを整備したいのでメリットがある。
 
【所感】
 国内有数の観光地であり、観光が市に大きな経済効果を生んでいます。観光振興、とりわけ外国人客の誘致に力を入れており、通信環境整備を重要視しているのがよく伝わってきました。市が負担する経費はステッカー作成や周知に関するもののみで、通信事業者のメリットもよく踏まえた上でwin-winの関係ができている。また、コンビニエンスストアが協力したことも大きく、セブン-イレブンだけで124箇所となっています。複数の通信事業者が入っているが、独自のステッカーにより利用者にとってわかりやすく、まち全体で使えるという安心感を生んでいるようでした。
 本市においても多摩の中核都市として多くの人で賑わっている状況であるが、より滞在時間を増やす、駅中心部以外にも人を回遊させる面では公衆無線LANの整備は急務であり、今回のような先進地域の事例を参考に検討を進める価値は大いにあると感じ、国や都による整備方針も注視しながら整備の促進を引き続き求めていきたいと思います。



【おまけ】
 
写真 2015-01-26 12 04 04 視察終了後、本庁舎内の市会議場を見学させていただきました。
 昭和初期に建設された本庁舎は、ネオ・バロック的骨格や細部装飾における東洋的モチーフといった特徴を持ち、近代建築物として歴史的・文化的価値があります。しかし、耐震性能不足、執務室の狭隘化、老朽化等の課題があることから市庁舎整備基本計画をとりまとめ、本庁舎及び市会議場は耐震改修のうえ保存・活用されるとのことです。

コメントは受付けていません。

瀬のぶひろ X
サイト管理者
立川市 瀬順弘
se_nobu@yahoo.co.jp