日米同盟が基軸
現在、核抑止のあり方や防衛費増額が参院選でも議論になっている。
公明党は、相手に核攻撃をためらわせる核抑止力は米国の拡大抑止(核の傘)に依存し、そして武力攻撃から自国を守る防衛力の強化は憲法の専守防衛の中で進める方針を示している。
国民の命を守る防衛論議は重要だが、一部にある核共有論や、最初に防衛費の増額ありきのような議論には戸惑う。
安全保障は外交関係に影響を与えるため、落ち着いた議論が要請される。なぜなら、不用意な政策論争をして日本の平和国家としての信用が損なわれ、世界から不信感と警戒心を向けられるようなら、かえって安全保障環境は悪化する。
核共有論とは、米国の核兵器を日米で共同運用して核抑止力を高めようとの考え方だ。しかし、核使用の判断を日本独自にできるわけもなく、日本が核の先制攻撃を受ける恐れもあると軍事専門家は警告する。何よりも国是である「持たず、作らず、持ち込ませず」の非核三原則に反する。岸田文雄首相も核共有論を明快に否定している。
日本は、核兵器を含む米国の抑止力に安全保障を依存している。これが米国による拡大抑止であり、公明党もその必要性を認めている。
拡大抑止を確かなものにするには日米同盟の信頼性向上こそが重要だ。2016年施行の平和安全法制はその役割を担っている。同法制は憲法が禁じる他国防衛の集団的自衛権は認めず専守防衛に徹した内容である。政府は現下の状況で防衛力の増強が必要と判断したら検討を進め、その結果、防衛費の増額となれば国民に説明すべきだ。
この平和安全法制を戦争法だと反対したのが共産党であり、立憲民主党も同様の主張だ。この参院選では安全保障に対する真摯な姿勢が問われている。