高齢施設の感染対策
厚生労働省は、2~3月に緊急事態宣言が出ていた10都府県の高齢者施設などで、職員に対するPCR検査を集中的に実施した。
今月12日までに2万以上の施設で実施され、検査数は集計中の東京都を除く9府県で約47万6000件となり、このうち陽性判定は115件だった。
自治体からは「無症状の感染者を早く見つけて、クラスターを未然に防げた」「感染拡大を最小限にとどめることができたと考えられる事例があった」といった声が寄せられているという。
高齢者施設のクラスターについて政府の新型コロナ対策分科会は、「感染した職員から生じる傾向が多い」と指摘する。感染すれば重症化しやすい入所者を守るため、職員にPCR検査を行うことは重要だ。
厚労省は、今月から6月にかけて集中検査の対象を拡大し、人口100万人以上の都市などにある約6万4000の高齢者施設などの職員を新たに対象とする計画を進めている。
集中的な検査の継続については、「4月以降も定期的に集中検査を実施したい」という自治体の声を受けた公明党が、3月に政府に支援を要望していた。
まして23日には、4都府県に緊急事態宣言の発令が決まり、感染拡大に最大限の警戒が必要となっている。高齢者施設のクラスター防止に、政府はしっかり取り組んでもらいたい。
高齢者施設の中には、検査で感染が判明した職員を業務から外した場合、運営に支障が出ることを懸念して検査に消極的な所もあるという。検査を促す手だてが必要だ。
具体的には、他の施設から応援職員を派遣する取り組みを進めたい。これは国の「地方創生臨時交付金」を活用し、職員派遣に協力する施設を財政面で支えるもので、実施する自治体が増加している。
今月から高齢者へのワクチン接種が始まった。同時に、クラスター対策にも万全を期すべきだ。