進む高速道路のETC化❗

■管理コストの削減や感染症対策でも効果
高速道路の料金所における支払い方法は現在、係員と対面、あるいはドライバーが操作する無人の料金精算機で現金やクレジットカードを使う方法と、ETCのおおむね三つに集約される。このうちETCを利用する車両は、1日当たり約680万台で高速道路を走行する車両の9割を超える。
ETCは料金所をノンストップで通過できるほか、各種割引の適用や、サービスエリアやパーキングエリアなどから乗り降りできるETC専用のスマートインターチェンジ(IC)の通行など利用者の利点が多い。加えて、柔軟な料金設定による混雑の緩和や、人員確保が困難な地域でも料金所機能を維持できるなど、社会的な意義も大きい。
一方、有人ブースや料金精算機のある料金所は、首都圏と中京圏、近畿圏の都市部で計637、地方部で計883カ所に上る(昨年12月1日時点)。ETCの利用拡大に伴い、係員の人件費など料金収受コストは増え続けており、現金払いの車両1台当たりにかかるコストはETC搭載車の約6倍に及んでいる。
また、新型コロナウイルスの感染が拡大した昨年は、6月27日までに料金所の係員計9人の感染が確認され、同じ営業所のスタッフ数十人が濃厚接触者として自宅待機を余儀なくされるケースもあった。このため、名古屋高速の6料金所が一時閉鎖したほか、首都高速など11料金所がETC専用運用に一時切り替えることで機能を確保した。
危機感を抱いた国交省の審議会は対応を協議。9月に公表した中間報告では、ポストコロナ時代を見据え、ETC専用化による料金所のキャッシュレス化や非接触化を計画的に推進すべきとの考えを示していた。
■有人ブース、段階的廃止へ
国交省などが策定した工程表では、料金所の有人ブースを段階的に廃止し、ETCへの一本化を進める。
ETC利用率が高い都市部で先行して切り替え、5年後に最大9割まで拡大。10年後までに地方部を含む全線に広げる。人同士の接触がない料金精算機については、当面の間、ETCと併用する。実質的な動きは、警察など関係機関との協議を経て今秋以降に始まる見通し。
■クレジットカードを持たない人にも対応
ETC専用化における最大の課題は、クレジットカードを持たない人への対応だ。ETCは、一般的にクレジットカードの所有を前提に発行される専用カードを車載器に差し込んで使う。このため、クレジットカードの契約ができない人らが、専用化によって高速道路を利用しにくくなることが懸念されている。
そこで国交省などは、クレジットカードがなくてもデポジット(保証金)を預けることで申し込める、「ETCパーソナルカード」の利便性を高め、対応を強化する。
高速道路6社が共同で発行するパーソナルカードは、一般的な専用カードと同様に車載器に挿入して使用し、1カ月間に、預けた金額の8割相当分まで走行できる仕組み。保証金の最低金額を2万円から3000円に引き下げ、預けた全額相当分まで走行できるように見直される予定だ。
また、無人の料金所に非ETC車が進入してきた場合の対応として、料金精算機の継続使用のほか、インターホンやカメラでドライバーの免許証や車両ナンバーを確認【図参照】。金融機関やコンビニなどで後払いしてもらうなどの運用も各社で検討されている。
■公明、スマートIC設置などを後押し
公明党は快適な高速道路の実現に向け、ETC車載器の購入支援や料金所におけるETCレーンの整備を国に要望するなど、普及に向けて積極的に取り組んできた。導入初期には、ETC搭載車を対象とする大幅な割引制度を実現。スマートICの設置も後押ししてきた。
