鈴鹿市 池上しげき

Blog & Homepage

がん検診減少❗

未分類 / 2020年9月10日

がん検診
コロナ禍で減少3割超
中止・延期の要請が影響
2020/09/10 3面
 9月は「がん征圧月間」。がん対策には早期発見・治療が欠かせないが、日本対がん協会の調べによると、今年は新型コロナウイルス拡大の影響で、検診を受ける人が例年より3割以上減ることが見込まれるという。がん検診と新型コロナ対策の両立が大きな課題となっている。

新型コロナ拡大を受けた政府の「緊急事態宣言」に伴い、厚生労働省は4月14日、自治体などが行う健康診断や各種検診の中止・延期を要請した。会場となる医療機関や検診車などでの密閉、密集、密接の「3密」が懸念されるためだ。

5月25日に「宣言」が解除され、各地で健康診断が再開されたのを機に、日本対がん協会は6月、全国42支部を対象に今年1月から5月までの胃、肺、大腸、乳、子宮頸の五つのがん検診の受診者数の推移を調べた【グラフ参照】。

調査を担当した同協会がん検診研究グループの小西宏マネジャーは、「4、5月が大きく落ち込むことは予想していた。秋以降でどれだけ例年並みの水準まで戻せるかが課題だ」と話す。協会は8月にも6、7月の受診者数を調査し、現在、結果を集計中だが、「今年度の受診者数が3~4割減るのは避けられないだろう」(小西マネジャー)とみている。

受診機会を逃せば、がんの早期発見が遅れ、その後の治療や生活にも影響が出る。協会が実施するがん検診では、毎年約1万3000人のがんを発見しているという。受診者が3割減れば約4000人のがん発見が遅れる計算だ。

このため、協会では新型コロナの感染防止と検診の両立に向けて対策を講じた。具体的には、機材の消毒や会場の換気に加え、「いくつかの支部では予約を『午前』『午後』といった大きな枠ではなく、30分単位など細かく区切るよう改めた。一つの枠の定員を10人程度にすることで会場の『密』が回避でき、検診の流れもスムーズになる」(小西マネジャー)と強調している。

■換気を強化、「密」回避。「安心して受けてほしい」

「検診車内の密閉を避けるため換気を重視し、受診者を密にさせない工夫をしている。検診の効率は下がるがコロナ対策を優先しており、安心してがん検診を受けてほしい」。自治体による検診を担う、ちば県民保健予防財団で画像診断部長を務める杉山園美医師(放射線科)は、こう話す。

例えば乳がん検診車の場合、従来はマンモグラフィー(乳房X線撮影)を受ける人以外に、車内には最大3人まで待機できたが、現在は1人ずつの入れ替え制だ。また、空気の流れをつくるため出入り口の扉は常に開放。車内に三つある更衣スペースのカーテンも撤去したことから、車内の床に張った青いテープより内側にいれば、受診者が外から見えないよう配慮した。

ただマンモグラフィー検査は、技師が受診者に触れて体の向きなどを調節する必要がある。診療放射線技師の女性は、「マンモグラフィーは時間のかかる検査。お互いの顔の距離も近くなる」と話す。このため、技師はヘアキャップにゴーグル、マスク、手袋を着用するほか、撮影室に2カ所ある扉は撮影時のみ閉めることにし、撮影室の奥には送風機を置いて常に換気している。杉山部長は「胃部、胸部など、検査によって車内の待機人数は異なるが、全ての検診車でカーテンを外し、送風機で空気が通るようにしている」と説明する。

手指や機材の消毒、受診者同士の間隔を保つなど、昨年までとは異なる検診の進め方に、現場の試行錯誤は続く。

■早期発見の遅れを懸念/公明党がん対策推進本部長 秋野公造参院議員

コロナ禍で、がん検診が延期・中止され、受診者も検診を控える傾向にあり、早期発見の遅れを懸念している。

例えば胃がんで亡くなる人は、これまで年間5万人前後で推移してきたが、2019年は4万3000人を切った【グラフ参照】。これは13年に胃がんの原因であるピロリ菌除菌の保険適用を慢性胃炎にも拡大した際、保菌者の胃カメラ実施を盛り込んだことが大きい。現在は年間約150万件の除菌が行われ、同数の胃カメラも実施されている。100回の胃カメラ検査で1件のがんが見つかっており、単純計算で年間約1万5000件の胃がんが早期に発見されていることになる。検診が減ると、こうした目に見える効果が得られなくなってしまう。

一方、がん検診の現場の方々は、新型コロナの感染防止にベストを尽くしており、敬意を表したい。がん検診は決して「不要不急な外出」ではない。