申請は日本芸術文化振興会が設けた「事務局」を窓口に原則、専用のホームページからオンラインで行う。国は制度の周知とともに迅速な支給に努めてほしい。
今回の補助金の対象は、不特定多数に公開することで収入を得る舞台芸術や映画、アニメーションの事業者をはじめ、特定の団体に所属せずフリーランスとして活動する芸術家も含まれる。いずれも感染拡大を防ぐため事業中止や縮小を余儀なくされており、補助金で支える必要がある。
補助金のうち、フリーランスなどの個人は▽簡易な手続きと審査で稽古場の確保などの費用を支援する上限20万円の補助▽動画配信をはじめとする発展的な取り組みなどの費用を支援する上限150万円の補助――の2種類から選択できる。
また、小規模団体向けには、新型コロナウイルス感染症に対応した公演・制作などの費用に上限150万円を補助する。他の小規模団体や個人と共に公演などを行う場合は共同申請も可能とした。
注目したいのは、動画配信支援のように将来を見据えた活動の育成も重視した点だ。観客と演者が双方向でやり取り可能なライブをインターネットで有料配信するアーティストが増えているように、新しい表現手段を模索する動きを支援する意義は大きい。
著名なAR(拡張現実)アーティストのケント・モリ氏からも「単に窮状をしのぐだけでなく、コロナ禍でも事業を続けられる新たなビジネスモデルを築くために、支援金が給付される」(本紙19日付)と評価する声が寄せられている。
映画や芝居などは密閉、密集、密接の「3密」になりやすい会場を使うことが多く、コロナ禍前のような事業を行うのは当面難しいだろう。
しかし、本格的な再開を待ち望んでいる人は多い。文化芸術の灯が消えぬよう、しっかりと支えたい。
