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新型コロナ、接触確認アプリの運用開始
2020/06/21 3面
 新型コロナウイルスの感染拡大を抑えながら、社会経済活動を軌道に乗せていく取り組みの一環として、政府は19日から、感染者と濃厚接触した可能性を知らせるスマホ向けアプリ「COCOA」の運用を開始した。接触を確認するアプリは、世界各国で導入され注目を集めているが、感染拡大防止の切り札となるのか。国内で開発されたアプリの仕組みや狙いなどについて解説する。

■感染者と1メートル以内15分以上で通知/速やかな対策促し拡大防ぐ

接触確認アプリは、政府が民間とともに開発を進めてきた。今後の感染拡大を防ぐには、感染者をできるだけ早期に発見し、対応する必要がある。感染者と「濃厚接触」した可能性がある利用者に自動的に通知することで、行動変容を促して早期に対策を取ってもらい、感染拡大を防ぐ狙いがある。

このアプリは、スマホのアプリストアで無料で取得することができる。利用するかどうかは任意で、スマホにダウンロードする際は利用者の同意が前提になる。同意はいつでも撤回でき、アプリを削除し記録を消去することもできる。

アプリを利用する日常生活では、スマホのブルートゥース(無線通信)機能により、利用者同士が1㍍以内の至近距離に15分以上いることを濃厚接触とみなし、その情報が互いのスマホに暗号化して記録される。

病院などで検査を受けて陽性と診断された利用者には、検査時に登録したメールアドレスなどに保健所から発行された「処理番号」が届く。この番号をアプリに入力すると、過去14日間の記録をたどって濃厚接触に当たる人に通知が届く仕組みだ。

この際、通知はアプリのメイン画面には表示されないため、自ら「陽性者との接触を確認する」という欄を選択して確認すれば、濃厚接触があった日と件数が表示される。

通知を確認したら現在の症状などを入力することができ、症状に応じPCR検査の受診方法などが案内される。

■プライバシー保護を徹底/データ暗号化、個人特定されず

厚生労働省の担当者によると、アプリの開発で一番重視したのが、利用者のプライバシー保護の徹底だという。

アプリでは、衛星利用測位システム(GPS)を使った位置情報は用いず、電話番号、メールアドレスといった個人情報も取得しない。記録されたデータは14日経過すれば自動的に削除される。

利用者間でも個人が特定されないよう、何時に、どこで、誰と誰が接触したかは互いに分からず、国も知ることができない仕様になっている。

■普及拡大がカギ

今後の課題は、アプリの周知と普及拡大だ。アプリは双方のスマホに入っていて、はじめて通信が可能になるため、利用者が増えるほど効果が高まることになる。海外の研究では、人口の6割に普及すれば大きな効果が期待できるという。政府は利用者の目標数値は設定していないが、自治体や各種業界などを通じて広報を強化する方針だ。

安倍晋三首相は18日の記者会見で、「陽性者と濃厚接触した可能性があれば、アプリからスマホに自動的に通知が送られ、速やかな検査につながるシステムだ。個人情報を全く取得せず安心して使えるアプリなので、多くの皆さんにダウンロードしていただきたい」と呼び掛けた。

利用を促すためにも、政府が目的を丁寧に説明するとともに、アプリの導入が本人のみならず、家族や大切な人を守ることにつながると認識してもらうことが重要になる。

■海外でも導入広がる

海外でも、各国が濃厚接触の可能性を知るアプリの開発・導入に乗り出している。

アプリには、インドやイスラエルなどのように、プライバシー性の高い位置情報を使って感染者と接触のある個人を特定するものと、ブルートゥースを利用するものがある。

日本は、米グーグルとアップルが共同開発した規格を採用してアプリを開発し、ブルートゥースを利用している。日本以外にも、オーストリアなど20カ国以上で同様の規格を導入すると表明している。

他国に先駆けて今年3月に導入したシンガポールでは、濃厚接触者を追跡する仕組みで、電話番号を登録する必要があるなどプライバシーの保護に懸念が生じたことで、利用者は国民の3割弱にとどまっているという。

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