
■早期発見し改善へ取り組み
フレイルとは加齢に伴う心身の活力が低下した状態で、健康と要介護の中間的な段階を指します【イラスト参照】。具体的には、①身体的フレイル(筋肉の減少や肺活量の低下)②精神・心理的フレイル(記憶力の低下、気分的なうつ)③社会的フレイル(孤立、ひきこもり)――の三つが相互に影響し、悪化していくと要介護状態になる可能性が高くなります。
しかし、フレイル状態は食生活や運動などの生活習慣を見直すことで、また健康で元気な生活を取り戻すことが可能です。
そこで厚労省は、フレイル状態の人を早期発見し、改善への取り組みを始めてもらおうと、新たな健診の導入を決めました。この健診は、厚労省が作成した質問票【左に掲載】を市区町村の健診や、かかりつけ医での受診などの際に活用する形で行われます。
質問票の回答結果を基に、健診・医療・介護情報とも併用しながら、地域で高齢者の健康を支える体制の整備をめざします。
■栄養、運動、社会参加/日頃から心掛け、実践を
2018年、日本人の平均寿命は男性81・25歳、女性87・32歳となり、ともに過去最高を更新しています。一方、自立して日常生活を送ることができる健康寿命は、男性72・14歳、女性74・79歳。その差は男性で約9年、女性は約12年の開きがあります。
75歳を境にフレイル状態の高齢者が増えるとされています。そのフレイルを予防するカギを握るのが、「栄養」「運動」「社会参加」の三つです。
食事は活力の源です。バランスのよい食事で栄養をしっかり取りましょう。口腔ケアに気を配ることも大切です。
運動は筋肉の発達だけでなく食欲や心の健康にも影響します。今より10分多く体を動かしましょう。また、趣味やボランティアなどを通じて、仲間と交流する機会をつくっていくことも重要です。
高齢者がこの3要素を意識し、各自が取り組みやすい形で日頃から心掛け、継続的に実践していくことが予防につながります。
■15項目で健康状態の把握
フレイル健診の質問票は、後期高齢者の特性を踏まえ、生活習慣や身体機能、社会活動など、健康状態を把握する15項目で構成されています。
例えば、栄養摂取に影響する口腔機能については、問いの4、5が該当します。かむ力や飲み込む力の衰えは、栄養状態の悪化や筋肉量の減少につながっていくからです。
運動・転倒に関しては7、8、9の問いになります。散歩の習慣がない人は、ある人よりも要介護リスクが2倍以上高いことなどが明らかになっています。なお、運動には、掃除や料理、庭の手入れ、農作業など日常生活における身体活動も含みます。
家に閉じこもりがちで孤立状態の人は、買い物や家事などを1人で行う能力が低下しやすいです。社会参加の状況を把握するための質問が13、14になります。
全ての回答が左側になるように必要な取り組みを始めてみましょう。
