スクールロイヤー❗

■弁護士の知見から助言
スクールロイヤーは、学校が直面するさまざまなトラブルに対し、法律の専門的知識や経験に基づく対策などを教職員に助言する弁護士。教職員個人や個別の子どもの代理人ではなく、中立の立場から、いじめや子ども同士のけんか、保護者との関係などでの対応が期待されている【図参照】。
■「子どもを守る」視点を重視
「『子どもを守る』という視点に立って相談を受けている」。こう語るのは、東京都港区のスクールロイヤーである面川典子弁護士だ。
港区は2007年度から、弁護士でつくる「港法曹会」と連携し「学校法律相談制度」を始めた。21人の弁護士が区立小中学校などを1人当たり2~3校担当し、校長らが電話などで相談できる体制をつくっている。
教職員の労働環境に加え、学校現場が抱える課題は山積みだ。制度開設以来、これまでに300件近い相談件数があり、年々、件数は増加傾向にある。
実際に起きた事例では、子ども同士のけんかから、片方の保護者が相手の子どもを転校させるよう学校に要求。相談を受けた弁護士は、双方の保護者に丁寧に説明するようアドバイスし、学校側は自信を持って対応することができたという。
法律相談に加えて、16年度からは毎年、学校長などを対象にした法律問題に関する研修会を実施。過去の事例を共有するほか、ディスカッションも行っている。
17年12月に行った学校関係者へのアンケートでは、「弁護士に直接相談できるので安心」「非常に心強い制度で、ありがたい」などのコメントが数多く寄せられた。
■各地で導入広がる
スクールロイヤーを導入する動きは全国でもみられる。大阪府では13年度から、スクールロイヤーを派遣する事業を開始。市町村の教育委員会(教委)の要請に応じて弁護士を派遣し、年間約100件の相談に応じている。
また、三重県は17年度、いじめ予防の教材として三重弁護士会と共同で、「いじめ事例別ワークシート」を作成。県内の公立小中高校では、弁護士によるいじめ防止の出前授業も実施された。
■虐待防止でも役割期待
文科省は20年度から、都道府県や政令市の教委が弁護士らに相談する際の費用について、地方交付税で支援することを通してスクールロイヤーの配置を進める。
スクールロイヤーの存在は、児童虐待防止にも役立つことが期待される。
昨年1月に千葉県野田市で起きた小4女児虐待死事件では、市教委が父親に強要された結果、助けを求めていた女児の学校アンケートの写しを渡してしまったことが問題視された。保護者の威圧的な態度に屈したことで悲劇を招いたとみられるだけに、「子どもと保護者、学校の間に立って問題解決を手助けする存在が欠かせない状況になっている」(文科省担当者)。
実際に、現場からも専門家の助言を求める声は高まっている。昨年3月、文科省が全国の教委を対象に行ったアンケートでは、「10年ほど前と比べ、法的な相談が必要な機会が増えた」との回答が都道府県・政令市で7割、市区町村でも5割に上った【グラフ参照】。その主な理由として、保護者や学校での事故、子ども同士のトラブルの増加などが挙げられた。
■制度活用へ公明、議会でリード役を
スクールロイヤーの配置について公明党は、子どもたちが安心して学べる環境づくりの視点から、19年の参院選政策集に掲げるなど、党を挙げて推進してきた。各地域で今回の支援制度が積極的に活用できるよう、地方議会の場で公明党がリード役を果たすことが求められている。


