
■(神奈川・鎌倉市)市総合計画 169の「達成基準」反映
2018年度に「未来都市」とともに、先導的な取り組みを提案する自治体として「自治体SDGsモデル事業」に選ばれた神奈川県鎌 2030年をめざして国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」。その実現に向けて公明党も党を挙げて推進している。政府は、先進的なモデルとなる自治体を「SDGs未来都市」として、これまで60自治体を選定。24年度までに毎年30自治体ずつ増やしていき、SDGsの取り組みを全国に広げる方針だ。
■(神奈川・鎌倉市)市総合計画で169の「達成基準」反映
2018年度に「未来都市」とともに、先導的な取り組みを提案する自治体として「自治体SDGsモデル事業」に選ばれた神奈川県鎌倉市。同市は、20年度から実施する市総合計画の改訂を機に、18年9月からSDGsの視点を生かした計画作りに着手した。
SDGsは「貧困」「働きがいのある仕事と経済成長」「ジェンダー平等」「気候変動対策」など、30年までに達成すべき17のゴール(目標)と、これらをより具体化した169のターゲット(達成基準)、その進捗を測る約230の指標から構成される。
鎌倉市は新総合計画の策定に当たり、市の施策を体系的に分類した「施策の方針」を現行計画の51から37に再構成するとともに、SDGsの169のターゲットとの関連を整理。SDGs達成に向けた市の取り組みを「施策の方針」ごとに明記し、達成状況を毎年チェックしていくことにした。新たな総合計画は来月から施行される。
■古民家生かし交流拠点
一方、市は地域の環境を守りながら、経済の活性化や地域社会の交流を好循環させていくモデル事業として、市の景観重要建築物で能舞台や茶室を備える「旧村上邸」をリニューアル。地域コミュニティーの拠点やシェアオフィスとして活用する取り組みを始めた。
新総合計画の策定に当たっては、市民との対話集会を4回開催。中学生から80歳代まで幅広い層の市民が意見を交わした。市の担当者は「市の将来の姿や、その実現に向けて何ができるかを語り合う中で、食品ロス削減をめざすアイデアが出てきた。市民主体でまちづくりを行う機運が高まった」と語る。
同市は、企業と連携し市内50カ所にウオーターサーバーを設置してペットボトル削減をめざすほか、市内の小中学生を「SDGs推進隊」に任命し、SDGsに関する勉強会や啓発活動を予定するなど、市民と力を合わせてSDGs達成に取り組む活動を進めている。
市共創計画部の比留間彰部長は、「世界の“共通語”であるSDGsに市として取り組むことで、民間企業や大学、NPOから連携を持ち掛けられることが増えた」と述べ、ベンチャー企業などと持続可能なまちづくりに向けた協定が相次ぎ結ばれているという。
■(北海道下川町)温暖化防止対策と子育て支援を両立
北海道北部の内陸に位置する下川町は、面積の9割が森林で覆われた林業と農業の町だ。鎌倉市同様、18年度に「未来都市」と「モデル事業」に選定された。
同町では、地域の特色を生かしたSDGs達成への取り組みを進めている。森林バイオマスによる熱供給システムを公共施設や集合住宅などに導入し、節約できた燃料代を保育料軽減をはじめ子育て支援策に活用。SDGsの視点を取り入れた「2030年における下川町のありたい姿(下川版SDGs)」も住民代表と策定し、達成度を測る指標を独自に整備した。
さらに地球環境戦略研究機関や吉本興業とも連携し、下川町の取り組みを国内外に発信するなど、SDGsを“接着剤”として全国の企業や団体と多様なパートナーシップが生まれている。
■地域性考慮し目標設定を/慶応義塾大学大学院特任助教・高木超氏
SDGsは“魔法のつえ”ではない。自治体にSDGsを導入する際の要点は、地域に即した目標設定と、その達成に向けた取り組みへの工夫だ。しかし、グローバルな視点でつくられたSDGsを、自治体で活用するためには、それぞれの地域性を汲んで捉え直す必要がある。
この“翻訳作業”は大変な労力を伴うが、課題と向き合って議論し、悩みながら答えを出していく過程に、地域の未来像を自分たちで明確にしていける大きな価値がある。
施策と17のゴールを関連付けてSDGsの取り組みをアピールする自治体が多い中、鎌倉市は市の全ての施策を網羅する総合計画を169のターゲットまで掘り下げた。また、市の将来像を市民と共に検討したことで、住民や事業者などと連携した新たなまちづくりの可能性も広がる。
内閣府は、自治体が取得可能なデータを基準にした「地方創生SDGsローカル指標リスト」を昨年8月に公表している。こうした情報も参考になるだろう。倉市。同市は、20年度から実施する市総合計画の改訂を機に、18年9月からSDGsの視点を生かした計画作りに着手した。
SDGsは「貧困」「働きがいのある仕事と経済成長」「ジェンダー平等」「気候変動対策」など、30年までに達成すべき17のゴール(目標)と、これらをより具体化した169のターゲット(達成基準)、その進捗を測る約230の指標から構成される。
鎌倉市は新総合計画の策定に当たり、市の施策を体系的に分類した「施策の方針」を現行計画の51から37に再構成するとともに、SDGsの169のターゲットとの関連を整理。SDGs達成に向けた市の取り組みを「施策の方針」ごとに明記し、達成状況を毎年チェックしていくことにした。新たな総合計画は来月から施行される。
■古民家生かし交流拠点
一方、市は地域の環境を守りながら、経済の活性化や地域社会の交流を好循環させていくモデル事業として、市の景観重要建築物で能舞台や茶室を備える「旧村上邸」をリニューアル。地域コミュニティーの拠点やシェアオフィスとして活用する取り組みを始めた。
新総合計画の策定に当たっては、市民との対話集会を4回開催。中学生から80歳代まで幅広い層の市民が意見を交わした。市の担当者は「市の将来の姿や、その実現に向けて何ができるかを語り合う中で、食品ロス削減をめざすアイデアが出てきた。市民主体でまちづくりを行う機運が高まった」と語る。
同市は、企業と連携し市内50カ所にウオーターサーバーを設置してペットボトル削減をめざすほか、市内の小中学生を「SDGs推進隊」に任命し、SDGsに関する勉強会や啓発活動を予定するなど、市民と力を合わせてSDGs達成に取り組む活動を進めている。
市共創計画部の比留間彰部長は、「世界の“共通語”であるSDGsに市として取り組むことで、民間企業や大学、NPOから連携を持ち掛けられることが増えた」と述べ、ベンチャー企業などと持続可能なまちづくりに向けた協定が相次ぎ結ばれているという。
■(北海道下川町)温暖化防止対策と子育て支援を両立
北海道北部の内陸に位置する下川町は、面積の9割が森林で覆われた林業と農業の町だ。鎌倉市同様、18年度に「未来都市」と「モデル事業」に選定された。
同町では、地域の特色を生かしたSDGs達成への取り組みを進めている。森林バイオマスによる熱供給システムを公共施設や集合住宅などに導入し、節約できた燃料代を保育料軽減をはじめ子育て支援策に活用。SDGsの視点を取り入れた「2030年における下川町のありたい姿(下川版SDGs)」も住民代表と策定し、達成度を測る指標を独自に整備した。
さらに地球環境戦略研究機関や吉本興業とも連携し、下川町の取り組みを国内外に発信するなど、SDGsを“接着剤”として全国の企業や団体と多様なパートナーシップが生まれている。
■地域性考慮し目標設定を/慶応義塾大学大学院特任助教 高木超氏
SDGsは“魔法のつえ”ではない。自治体にSDGsを導入する際の要点は、地域に即した目標設定と、その達成に向けた取り組みへの工夫だ。しかし、グローバルな視点でつくられたSDGsを、自治体で活用するためには、それぞれの地域性を汲んで捉え直す必要がある。
この“翻訳作業”は大変な労力を伴うが、課題と向き合って議論し、悩みながら答えを出していく過程に、地域の未来像を自分たちで明確にしていける大きな価値がある。
施策と17のゴールを関連付けてSDGsの取り組みをアピールする自治体が多い中、鎌倉市は市の全ての施策を網羅する総合計画を169のターゲットまで掘り下げた。また、市の将来像を市民と共に検討したことで、住民や事業者などと連携した新たなまちづくりの可能性も広がる。
内閣府は、自治体が取得可能なデータを基準にした「地方創生SDGsローカル指標リスト」を昨年8月に公表している。こうした情報も参考になるだろう。
