
■多くの人が利用する施設が禁煙/違反者への罰則、20歳未満に配慮も
改正健康増進法は、望まない受動喫煙をなくすことが目的です。ポイントは(1)多くの人が利用する施設内での喫煙を禁止とする(2)違反者には罰則を適用する(3)20歳未満の人は客も従業員も喫煙室への立ち入りを禁止する(4)喫煙室がある場合は出入り口に標識を提示する――などです。
全面施行となる4月からは、飲食店や事務所・オフィス、旅館・ホテル(客室を除く)、公共交通機関で原則、屋内禁煙となります。喫煙スペースや加熱式たばこが喫煙できる専用の喫煙室の設置は認められます。
昨年7月1日の一部施行により、受動喫煙の影響が大きいとされる未成年や妊婦らが利用する学校や病院、行政機関、児童福祉施設などでは、屋内だけでなく敷地内を原則禁煙としました。ただし、屋外については、受動喫煙を防止するために必要な措置が取られた場所に限り、喫煙所の設置が認められます。
一方、経過措置として、小規模な飲食店については喫煙が可能であることを提示すれば、店内での喫煙を認めます。条件は(1)4月1日時点で営業している飲食店(2)資本金5000万円以下(3)客席面積100平方メートル以下――の三つを満たす場合です。ただし、新規店舗は規模にかかわらず原則、屋内禁煙となります。
禁煙エリアに灰皿などを設置した場合は、都道府県の指導や勧告、命令が出されます。従わない場合には施設管理者に50万円以下、個人には30万円以下の罰金が科されます。
■公明、政府に提言や国会質問
受動喫煙による肺がんや心筋梗塞などでの死亡者は、国内で年間約1万5000人に上ると推計されています。このため、公明党は20歳未満や妊婦、患者への配慮に加え、飲食店従業員、小規模飲食店への対策、支援などを政府に訴えてきました。
また、世界保健機関(WHO)や国際オリンピック委員会(IOC)が求める“たばこのない五輪”との方針が掲げられていることも踏まえ、15年8月に厚生労働相へ提出した「がん対策の充実に向けた提言」や、国会質問などで受動喫煙防止策の導入を訴えてきました。
法制化の際も小規模飲食店への配慮を訴え、例外規定を盛り込ませました。
■東京都など条例で国より厳しく
国の動きとは別に、条例で独自の規制を盛り込む自治体もあります。
例えば、五輪で訪日外国人の増加を見込む東京都は、2018年6月に受動喫煙防止条例を制定しました。改正健康増進法と同じく昨年7月に一部施行され、同年9月から、保育所や幼稚園、学校については、屋外や敷地内での禁煙を開始しました。
4月からの全面施行では、店舗の「面積」に関係なく、従業員がいる全ての飲食店を原則禁煙とし、喫煙するには専用室の設置が必要となり、国よりも規制が厳しくなっています。
広島県は4月から条例に基づき、幼保・小中高などでは屋外でも喫煙場所の設置を禁止。16年4月からは、遊具のある公園や学校付近の公道などでは喫煙しないようにする努力義務を課しています。
25年に大阪・関西万博を控える大阪府は、喫煙できる飲食店の客席面積を国の規制「100平方メートル以下」より狭い「30平方メートル以下」とする条例を同年4月に施行します。