広がるテレワーク

Q 職場以外で仕事をするテレワークや公共交通機関の混雑を避ける時差出勤を促す企業が相次いでいるが、なぜか。
A 新型コロナウイルスによる肺炎などの感染症から従業員を守るためだ。NTTグループは国内従業員約18万人を対象にテレワークや時差出勤を推奨。NECも、国内勤務のグループ従業員のうち、保守担当者などを除く約6万人に対し、テレワークや時差出勤を促す通知を出した。
また、日本たばこ産業(JT)は、週2日までだったテレワークの利用上限を廃止した。野村ホールディングスは社員が中国から帰国した場合、14日間は在宅勤務としている。
自治体でも同様の動きが目立つ。高市早苗総務相は19日、全国の都道府県知事と市区町村長に対し、地域でテレワークを進めるよう求めるメールを送った。
東京都は本庁勤務の職員約1万人を対象に準備が整い次第、テレワークや時差出勤を行うと表明した。大阪府は「システムが未整備」としてテレワークを見送る一方、職員の出勤時間の選択肢を拡充。神奈川県は在宅勤務制度の利用日数の上限を増やすなどしている。
Q 新型肺炎の感染が終息すると、このような柔軟な働き方はどうなるのか。
A 恐らく、今後も広がるだろう。近年相次ぐ大規模な自然災害を受け、企業が事業を継続する上でテレワークの有用性が見直されている。また、長時間労働の削減をはじめ、働き方改革の一環としても意義は大きい。今夏の東京五輪・パラリンピックの開催中には交通混雑が予想され、テレワークなどの導入を予定している企業は少なくない。政府もかねてから、先進企業の表彰など各種施策を展開してきた。今回の新型肺炎問題でも国民に活用を呼び掛け、中央省庁では農林水産省や環境省が応じている。
Q 課題はないのか。
A テレワークの導入を検討している企業の現場からは、「機材の準備が追いつかない」などの声が上がっている。そもそも、業種や業務形態によっては「適した仕事がない」「情報漏えいが心配」といった理由で導入できない企業もある。こうした課題をどう乗り越えるかが、普及を加速する上で必要になる。