主張
フレイル予防
健康寿命延ばすため欠かせない
2019/11/30 2面
 人生100年時代を迎え、健康寿命を延ばす取り組みとして注目したい。

厚生労働省は、加齢に伴い筋力や心身の活力が衰え、介護が必要になる一歩手前の「フレイル(虚弱)」の人を把握するため、75歳以上を対象にした新たな健診を2020年度から始める。

なぜフレイルに焦点を当てるのか。

日本人の平均寿命は昨年、男性は81・25歳、女性は87・32歳となり、ともに過去最高を更新した。一方、自立して日常生活を送ることができる健康寿命も延びているものの、その差は男性で約9年、女性は約12年程度短い。

19年版の高齢社会白書によると、高齢者のうち要支援・要介護と認定された人の割合は、65~74歳が4・3%なのに対し、75歳以上では32・1%と約7倍に増える。介護が必要になる前にフレイル状態となる高齢者が多いことを考えれば、フレイルに特化した健診の実施は、健康寿命を延ばす上で大きな意義がある。

来年度から実施されるフレイル健診は、厚労省が作成した質問票を、市区町村の健診や、かかりつけ医での受診の際に活用する形で行われる。

質問票は「1日3食きちんと食べているか」「この1年間に転んだことがあるか」「家族や友人と付き合いがあるか」など15の問いで構成されている。「栄養」「運動」「社会参加」の3点がフレイル予防に欠かせないからだ。

とりわけ運動が重要だ。例えば、足の筋肉量が低下すると、歩行速度が落ちたり転倒しやすくなって外出を控えるようになり、社会との接点が少なくなる。これが、うつや認知機能の低下につながる負の連鎖を生むことになる。

大切なのは健診後の取り組みである。保健師や管理栄養士などによる適切な個人指導を充実させることが重要だ。健康に対する意識を高め日常生活を見直すことで、体力の維持や積極的な社会参加のきっかけにしたい。

フレイルは、早い時期にその兆候を見つけ、適切な治療や予防に取り組むことにより、健康な状態に戻すことができる。国や自治体は健診実施を周知する中で、フレイルに対する国民の関心を高めていく必要がある。

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