景気、家計支える対策に万全期す
10月から消費税率10%に
2019/09/28 4面
 10月1日から消費税率が10%に引き上げられます。そこで消費税を引き上げる目的や使途、景気を下支えする対策をまとめました。

■(増収分の使途を変更)全世代型社会保障の構築へ

年金、医療、介護、子育て支援といった社会保障制度は、安心の生活を築く上で欠かせない重要な基盤です。少子高齢化が進み、社会保障給付費が膨らむ中、制度を維持、充実させていくには、安定財源である消費税の活用が不可欠です。

今回の消費税率引き上げでは、増収分の使途を変更し、高齢者に加え、教育費負担の軽減など子育て世帯や将来を担う若者への支援を強化する「全世代型社会保障制度」の構築に充てます。

特に今回、子育て世帯の負担を軽くし、青年層を育む施策を充実させたことは、景気を下支えする効果にもつながります。

■(増収分の使途を変更)幼保無償化、保育の受け皿整備

10月から始まる幼児教育・保育の無償化は、3~5歳児(就学前3年間)の全世帯、0~2歳児の住民税非課税世帯を対象に、幼稚園や認可保育所、認定こども園、障がい児の発達支援などの保育料が無料になります。消費税の増収分から、年約7764億円の財源を確保します。

認可外施設(ベビーシッターなど含む)や幼稚園の預かり保育は、市区町村から、保護者の仕事など十分な保育ができない状況にある「保育の必要性」が認められれば、補助額に上限を設けて無償化されます【表参照】。待機児童がいる世帯にも恩恵が及ぶよう訴えた公明党の主張が反映されました。

無償化は、教育費の負担が重すぎるという子育て世代の声を受け、少子化対策として実施。同時に、待機児童解消に向け、増収分も活用し、2020年度末までの3年間で約32万人分の受け皿整備を行うとともに、保育人材の処遇改善も進めます。

■(増収分の使途を変更)大学など高等教育無償化

大学や専門学校などの高等教育無償化は、来年4月から所得の低い世帯を対象に返済不要の給付型奨学金と授業料減免を、対象者・金額ともに大幅拡充する形で実施します。奨学金は最大年約91万円(私立大学の自宅外生)、減免は同約70万円(私立大学)で、消費税増収分のうち年約7600億円を活用します。

対象は、住民税非課税世帯とそれに準じる世帯の学生。奨学金と減免額は、世帯収入に応じて異なります。

公明党の訴えで、新入生だけでなく在学生も対象になりました。在学中に世帯収入が急変した場合も、要件を満たすと判断されれば、速やかに支援が受けられます。

■低年金の高齢者に加算

年金額が少ない高齢者の生活を支えるため、保険料を納めた期間に応じて恒久的に月最大5000円(年6万円)を年金に上乗せする「年金生活者支援給付金制度」が10月から始まります。対象は、65歳以上の老齢基礎年金受給者で▽前年の公的年金収入とその他の所得の合計額が国民年金満額(約78万円)以下▽同一世帯の全員が市区町村民税非課税――を満たす人。保険料免除期間に応じた加算もあります。また、所得基準をやや上回る人(同88万円まで)に加えて、障害基礎年金・遺族基礎年金受給者向けの給付もあります。

初回は10、11月分が12月中旬に支払われます。受け取るには日本年金機構への請求手続きが必要です。

このほか、市区町村民税非課税世帯の65歳以上の全員を対象に、介護保険料の負担軽減策が強化されます。国で定めた標準の設定では、従来の負担軽減策によって負担が基準額(全国平均で月5869円)の45%だった人は30%まで軽減。負担割合が75%だった人は所得に応じて50%または70%へと下がります。

■(軽減税率で痛税感を緩和)飲食料品8%に据え置き

消費税率引き上げに伴い、日本で初めて実施されるのが軽減税率です。外食や酒類を除く飲食料品全般と新聞(定期購読で週2回以上発行)を対象に、税率を今の8%のまま据え置きます。

消費税には、買い物などの際に税負担の重さを実感する痛税感や、所得の低い人ほど負担感が大きい逆進性の問題があります。

このため、「せめて食料品だけでも軽く……」という生活者の切実な声を受け止めた公明党が、政党で唯一、主張し実現させたのが軽減税率です。政府は、これにより家計負担が1・1兆円程度軽減すると試算しています。

海外でも、食料品などの消費税(付加価値税)の税率を低く抑える複数税率が多くの国で導入され、混乱なく運用されています。

■(需要の変動を抑える)商品券で子育て世帯を応援

消費税率引き上げによる消費の落ち込みを抑えるため、低所得者や子育て世帯向け「プレミアム付き商品券」が10月から各市区町村で利用できます。市区町村が売り出す商品券を購入すると、購入額に25%分が上乗せされます。

購入限度額は1人当たり最大2万円で、この場合は2万5000円分の買い物ができます。商品券は5000円単位での分割購入もできます。額面も500円など小口での活用ができ、使い勝手が良い仕組みになっています。

対象は、住民税非課税者と、3歳半未満の子(2016年4月2日から19年9月30日までに生まれた子)がいる世帯です。住民税非課税者は事前に申請が必要となります。

有効期限は10月から来年3月末までの半年間です。

■(需要の変動を抑える)電子決済で最大5%をポイント還元

中小の小売店などでの買い物の際、電子マネーやクレジットカードなどキャッシュレスで決済した場合、購入額の最大5%がポイントとして還元される制度が10月から実施されます【表参照】。

還元率は中小の小売店で5%、大手コンビニなどのフランチャイズチェーン店では2%となります。期間は来年6月末までの9カ月間。便利なキャッシュレス決済を普及させるとともに、消費を下支えします。

大手コンビニでは、ポイント分を代金から即時に差し引く実質的な値引きを実施する予定です。

事業者が制度に参加するには経済産業省に登録が必要。同省は対象店舗を地図上で簡単に検索できるスマートフォン向けアプリを配信し、同様の内容のホームページも公開しています。

■住宅、自動車購入で減税

自動車や住宅については、消費税率引き上げ後の購入にメリットがでるよう、予算と税制両面から手厚い支援を実施します。

住宅では、2020年12月末までに購入・居住する物件を対象に、住宅ローン減税の期間を10年から13年に延長します。併せて、住宅購入費を補助する、すまい給付金も拡充させ、年収775万円以下の人を対象に最大50万円給付します。

自動車は、10月以降の新車を対象に、排気量に応じて最大年4500円減税します。自動車取得税に代わって新たに導入する「環境性能割」についても、1年間は1%軽減されます。

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