気付きが大事❗
口から始まる心身の衰え

「滑舌が悪くなった」「食べこぼしたり、むせたりするようになった」――。最近、口の衰えが気になることはありませんか。もしかしたら、オーラルフレイルのサインかもしれません。
ささいな症状ともいえるので、“年齢のせい”と見過ごしてしまいがちですが、実はオーラルフレイルが、その先のフレイル、要介護・寝たきり状態への進行を早めるとともに、死亡リスクを高める重大な原因になります。オーラルフレイルの高齢者は、健康な人に比べて、4年後に要介護になる確率が2・4倍、総死亡リスクは2・1倍に跳ね上がるという研究結果が出ています。
オーラルフレイルの自己チェックリストを紹介します。▽半年前と比べて硬い物が食べにくくなった▽お茶や汁物でむせるようになった▽1日2回以上は歯を磨く――など、8項目をチェック。4点以上の場合は、危険性が高いとされています【イラスト参照】。
■予防・改善も可能
オーラルフレイルは、早めに異変に気付き、適切に対応することで予防・改善が可能です。小原専門副部長が3カ月間行った調査によると、2週間に一度、90分間の口腔の健康教室に通った人には、▽唾液分泌量が増えた▽味を感じやすくなった▽嚥下機能が改善した――といった、顕著な効果が出ました。
その上で、自分で実践できる改善プログラムもあります。ポイントは、口や舌の筋肉を意識して鍛えることです。一つが、「舌圧訓練」。むせやすい人に特に効果的で、(1)舌を左の頬の内側に強く押し付ける(2)自分の指で口の中の舌先を、頬の上から押さえる(3)それに抵抗するように、舌を頬の内側にゆっくり10回押し付ける(4)右頬でも同じことを繰り返す――という内容です。
小原専門副部長は「舌を動かすことで唾液の分泌量が増えます。唾液が多くなれば、飲み込む機能も向上します」と強調します。
滑舌が悪いと指摘された人には、「マカト」など、意味を持たない言葉を連続して言うと効果があるといいます。意味のある言葉は無意識に発することができますが、意味のない言葉は、意識して口を動かさないと話せないからです。
■家族らの“気付き”が重要
「滑舌の悪さなどは人に指摘されて初めて意識するため、家族など周囲の人が気付くことが必要」と小原専門副部長。その上で、「予防・改善は継続して行い、自分の歯を守るためにも、地域でかかりつけの歯科医を持ちましょう。気になることがあれば、歯科医に相談し、定期的な検診を心掛けてください」と語っていました。