
携帯電話の料金プランは、これまで一定期間の契約を条件に端末代金とセットで通信料を割り引く方式が主流となってきた。
しかし、消費者にとっては料金体系が複雑で分かりにくく、大手の通信回線を借りてサービスを提供する仮想移動体通信事業者(MVNO)を含む他社との比較も難しいため、料金が高止まりする原因になってきたと指摘されている。
成立した改正電気通信事業法は、携帯電話会社に対し、スマートフォン(スマホ)などの端末代金と、毎月支払う通信料を切り分ける「分離プラン」の導入を義務付けるもの。
利用者は携帯各社の料金プランを比較しやすくなるため、価格やサービスなどに関する競争が活発になり、携帯料金の低廉化につながると期待されている。加えて改正法は、2年や4年といった「長期縛り」と呼ばれる手法で顧客を囲い込む契約も禁止。利用者が容易に携帯会社やプランを変更できるようにした。
■最大4割値下げの新プランも
今秋に予定される改正法施行を前に、事業者間の価格やサービス競争は熱を帯びてきた。大手各社は通信料金を最大4割値下げする新たな料金プランを打ち出している。
NTTドコモは先月15日、携帯電話の通信料金と端末代金を分離した新プランを発表。データ通信量が1ギガバイトまでのプランは、家族で複数回線を契約した場合に適用される割引などを組み合わせると月1980円となり、4割ほど安くなる場合もある。
KDDI(au)も13日、データ通信が月7ギガまでの通信料金を端末代・通信料が一体化した従来型の契約に比べ最大4割値下げすると発表した。1ギガまでの低容量の契約は家族同時加入などの場合に月1980円となる。データ通信容量無制限プランも新設する。
既に分離プランを提供しているソフトバンクは、大容量プランの充実に取り組む。「YouTube」をはじめとする動画サイトや、LINEなどSNS(会員制交流サイト)のデータ通信は料金に反映されないプランを展開するなど、若者の獲得をめざしている。
■公明、一貫して推進
公明党はこれまで署名活動や国会質問などを通し、一貫して携帯料金の引き下げに取り組んできた。
2015年7月には、党青年委員会が「青年政策アクションプラン」で、携帯料金の引き下げを政府に要望。同年12月にもプランや端末価格、販売方法などの適正化を政府に要請していた。昨年末から党青年委が取り組んできた政策アンケート「VOICE ACTION(ボイス・アクション)2019」にも携帯料金引き下げを盛り込み、多くの賛同が寄せられている。
■競争が一層進むと期待/慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科特任准教授、株式会社企代表取締役 クロサカタツヤ氏
今回の改正法で、より分かりやすいサービスが提供され、消費者の選択肢が増えるものと期待する。
これまで通信料と端末代はセットで提示され、端末の種類や購入のタイミングで価格差が発生しており消費者に不公平感があった。2年や4年の「長期縛り」についても、将来を見通せない中で消費者の選択肢を縛るという問題があった。
販売ルールの詳細を定める省令は検討中だが、大手が新たに出しているプランはこうした課題を解消するという改正法の趣旨に沿っており、歓迎したい。
今後、通信料はさらに引き下げられ、MVNOの水準に、より近づくのではないか。今秋には楽天が参入を予定している。法改正と併せ、競争が一層進むと期待する。
各社はこれから、端末の提供方法についても競い合うはずだ。分かりやすさを重視しつつ、創意工夫あるサービスに注目している。
政治には、あらゆる人がデジタル技術の恩恵を受けられる社会を実現するためのリーダシップを発揮してほしい。
公明党は通信産業の健全な競争の促進を一貫して後押ししてきた。その取り組みに敬意を表したい。