公明党が推進

「地域少子化対策重点推進交付金」は、結婚・妊娠・出産・育児の切れ目ない支援を目的に、公明党の推進もあって13年度から創設されたものだ。以来、自治体の婚活支援や子育て環境の整備など、少子化対策のための幅広い取り組みを後押ししている。
今回の第2次補正予算には16億円を計上し、子育てに優しい街づくりを進める自治体の「子連れ支援」の取り組みを重点的に後押しする。このため、従来と比べて自治体への補助率を事業費の2分の1から、3分の2にまで引き上げたのが特徴だ。
政府が想定する主な支援策は、(1)子どもと一緒に仕事をする子連れ出勤の導入(2)授乳施設の設置拡大(3)ベビーカーのシェアリング支援(4)サービスエリアや道の駅などでの移動を容易にするサービスの充実――など。例えば、自治体が子連れ出勤を促すため企業経営者らを対象にしたセミナーを開催したり、授乳室の設置やベビーカーのシェアリング事業を行う際のリース代などに充てることができる。内閣府の担当者は「日常生活におけるさまざまな場面で、子連れ支援の輪を広げていきたい」としている。
■先進の取り組み
■就業中も常に一緒/茨城・つくば市の授乳服メーカー
「いらっしゃいませ!」。茨城県つくば市の授乳服メーカー「モーハウス」(光畑由佳代表取締役)を訪れると、女性従業員が笑顔で迎えてくれた。その腕に抱かれているのは赤ちゃんだ。
同社は、1997年の創業と同時に「子連れ出勤」を導入した。これまでの子連れ出勤の経験者数は、退職者を含めて約300人に上る。1歳の娘を連れて働く小川理恵さんは、「育児の悩みをすぐに相談できる上、子どもと常に接していられるので安心です」と笑顔を見せた。
職場での仕事と子育ての両立について、最初は試行錯誤だったが、従業員らで話し合って解決策を見つけていったという。今では子どもの様子を気にかけ、できるだけ子どもの要求を先回りして察知して応えていくようにするなど、全従業員で助け合っている。光畑代表取締役は、「子連れ出勤は保育園の代替ではなく、子育ての幅を広げる一つの選択肢。導入には企業の意識啓発も欠かせない」と語る。
■市役所に授乳室設置/東京・国立市
東京都国立市は昨年10月から、市役所内に移動式の箱型授乳室「mamaro(ママロ)」を設置している。
高さ2メートル、幅1・8メートル、奥行き0・9メートルで室内にはソファがある。1畳ほどのスペースがあれば、設置に大がかりな工事は不要だ。
市によると、これまで築約40年の市役所内には授乳室がなく、子連れママたちは廊下との間をカーテンで区切ったスペースで、おむつ交換などをしていた。利用者からは「個室で鍵付きなので落ち着いて授乳できる」と喜ばれているという。
現在、同授乳室は同市のほか、千葉市、埼玉県春日部市など計20自治体の市役所や交流センターに設置が進んでいる。開発を手掛けた「Trim(トリム)株式会社」の長谷川裕介代表取締役は「可動式なので手軽に設置できる」と語っていた。
■ベビーカー貸し出し/東京・武蔵野市
東京都武蔵野市は16年4月から、JR吉祥寺駅前でベビーカーの貸し出し事業「ベビ吉」を行っている。「駅前にあるので混雑したバスや電車にベビーカーを持ち込まずに済む」と好評だ。17年度中の1年間で、延べ9849回の利用があり、リピーターも多いという。
ベビーカーは、駅周辺にある商業施設など5カ所に計23台が用意されており、その場で名前と連絡先を書いて借りる仕組みで、全て無料。対象年齢は0~4歳で、午前10時から午後6時まで借りることができる。市担当者は「子連れで外出しやすい環境が整えば、親たちの気分転換にもつながる」と話す。
