引き続き、一般質問「認知症対策について」の概要を掲載いたします。
「認知症対策について」
5. SIB等民間を活用した取り組みについて
<質問>
福岡市・熊本市・天理市など7自治体が、「認知症予防・改善のプログラムとして学習療法または脳の健康教室」等を、民間資金を活用した「ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)」の手法を取り入れて行っている。
ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)とは、2010年にイギリスで開発された公民連携の社会的投資モデルで、地方自治体などの行政機関が民間から調達した資金を使って、民間企業や法人に公的サービス事業を委託し、その成果に応じて資金提供者に報酬を支払う仕組みである。
行政が民間事業者の知見や資金を活用して事業を行う官民連携の一つの手段で、欧米を中心に普及している。
日本では主にヘルスケア分野などにおいて実施しており、八王子市では「大腸がん検診の受診率向上」、神戸市では「糖尿病性腎症重症化予防事業」、尼崎市では「若者の就労支援」、横須賀市では「児童養護」に、このソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)を活用している。
天理市では、認知症予防分野のソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)として、成果連動型支払いで、民間の提供する「脳の健康教室」を実施した。
民間事業者が、資金提供と「脳の健康教室」の運営を行い、慶応大学が、評価指標の設計と評価の実施、八王子市は会場手配と保健師等による評価のサポートを行い、成果に応じた報酬の支払いを行った。
本市でも、ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)を活用した認知症対策等、先進他市の事例を参考に調査・研究を進めるべきと考えるがいかがか?
<答弁>
天理市では、全国展開を図る大手教育事業所と提携して、簡単な読み書き・計算とコミュニケーションを交えた、認知症予防プログラム「活脳教室」を行った。
事業者が市民を募って養成した「教室サポーター」が一人当たり2名、計20名の高齢者に対して学習支援を行い、高齢者の脳を活性化させ、「自信」・「意欲」・「誇り」を引き出すこととしている。
受講者は毎週1回、3か月の受講を継続するうち、認知能力や記憶能力を30点満点で簡易に検査できるMMSEスクリーンを定期的に行い、受講者の内、初期認知症の疑いがあった全員のスコアが改善したとの報告がなされた。
天理市は、成果目的を達成したことを認めて、事業者に対して事業費と成果報酬を支払った。
この事業では、将来の行政コストを削減することを目標としており、認知症の症状改善や、予防につながれば、非常に効果的なものと考える。
他自治体の実証結果を見ながら、さらに調査研究に取り組んでいく。
