「社会保障と税の一体改革」をめぐる3党修正合意で経済対策の項目に、本年2月に公明党が政府に対して提言を行なった、『防災・減災ニューディール』への取り組みが盛り込まれました。
その要旨は、「消費税率の引き上げによる経済への影響等を踏まえ、成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなど、我が国経済の成長等に向けた施策を検討する。」ということです。
『防災・減災ニューディール』の柱は、大きく2点あります。
一つは『防災・減災』・・・今後、補修・整備が必要な道路や橋などのインフラ整備を、早期に行ない、「災害に強い国づくり」で防災力を高め、国民の命を守ること。
二つ目は『ニューディール』・・・真に必要な公共投資を集中的に前倒しで行うことで、景気のニューディール(新規まき直し)をし、雇用を拡大し、経済成長を図ること。
コンクリートの耐用年数は、50~60年といわれており、東京オリンピック(1964年)や大阪万博(1970年)を中心とした高度成長期に整備が進んだ道路や橋などの社会資本の多くが、経年劣化してきており、補修・再整備が必要となってきております。
三重県内の4000余りの橋も、2010年で既に50年を経過したものが25%あり、2030年には67%に達します。
今後50年間で、これらの社会資本の改修等に必要な予算は、全国で約190兆円といわれております。
1年間10兆円、10年間で計100兆円を、集中的に前倒しで公共投資に予算を回すことで、早めに計画的な改修が出来、長期的には大幅なコスト削減にもなります。
また、将来的に必要な社会資本整備に公共投資を集中することで、防災力を向上し、雇用の確保、需要の拡大、デフレの改善、それによる税収増、ひいては財政再建にもつながります。
今後、この『防災・減災ニューディール』が多くの皆様に理解され、賛同頂けますよう、訴えてまいりたいと思います。
防災減災ニューディールQ &A
Q : どのような分野に100兆円を投資するのですか?
A : 「防災・減災ニューディール推進基本法」(仮称)を制定し、国に基本計画を作らせ、10年間の集中期間を設けて、老朽化した橋や堤防などの修繕・改築を計画的に行います。高速道路網や新幹線網の整備も図っていきます。
津波対策としては、津波避難ビルの設置や建物の高台移転を進めます。
Q : 民間住宅や学校などについては?
A : 耐震上の問題が懸念される1981年以前の建築物に対して、補助金や税制優遇を充実させて、耐震改修を加速させます。学校や災害拠点病院など公共施設の耐震化も進め、防災拠点としての機能を強化します。
Q : 経済活性化の効果は?
A : 国内総生産(GDP)を年2%程度押し上げ、100万人超の雇用創出が見込めます。 物価が下落し続けるデフレ克服の突破口になります。
Q : 経済に期待できる効果は?
A : 毎年10兆円の公共投資は、多くが現存する社会資本に再投資するので、用地費がほとんど必要ありません。10兆円の大半が修繕・改築など仕事の発注に回ります。 そうすると、国の国内総生産(GDP)が500兆円規模ですから、年間2%程度、GDPを押し上げる効果が期待できます。
公共投資額は、ピーク時には国と地方を合わせて年間約30兆円でしたが、現在は約15兆円にまで落ち込んでいます。これを10兆円増やせば、ピーク時の公共投資額に近づくことになります。
Q : 雇用は改善できますか?
A : 建設業界の就業者数はピーク時から180万~190万人減りましたが、防災・減災ニューディールの波及効果を考えると、100万人超の雇用拡大が見込めます。
Q : 財源をどうするのか?
A : 財源は、まずは建設国債と地方債。それから、返済財源を確保した上で発行する、返済期限25年を想定した「防災・減災ニューディール債」。さらに民間資金を活用した社会資本整備の手法であるPFIなどを考えています。いわゆる赤字国債には頼りません。
Q : 財政を悪化させるのでは?
A : 財政再建のために増税と歳出削減を行うと、経済に強いマイナスの圧力がかかります。このため、かえって経済を悪化させて税収を減らしかねません。経済全体を大きくすることで、増税の痛みを吸収することが必要です。
防災・減災ニューディールで経済活性化を図るとともに、財政再建を進めることが重要です。