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◯篠原委員 公明党福岡市議団を代表して、災害時の電力確保と非常用発電設備について、サービス介助士の拡充の取り組みについて質問する。初めに、災害時の電力確保と非常用発電設備について質問する。日本列島は、東日本大震災以降、地震を含め災害が多発する国へとさま変わりしてきた。災害時には長時間の停電が発生するが、そこで必要なのが、停電時でも電力を供給し続けるために設置する非常用発電設備である。この非常用発電設備は、自然災害や火災時における停電時に使用するもので、いつ何どき発生するかもしれない災害に備え、間違いなく作動するようさまざまな法令で管理基準が厳格に定められている。中でも、地震が発生したときには、停電とともに火災の発生のおそれが特に大きいことから、火の勢いが小さいうちに消しとめるためのスプリンクラー設備など、消防用設備に電気を供給する非常用発電設備の維持管理が大変重要であり、消防法令でも定められているが、その歴史は、昭和47年の大阪・千日前デパートの火災での死者118名、昭和48年の熊本・大洋デパート火災での死者103名という大惨事にまでさかのぼる。これらの火災をきっかけとして、消防法令が改正され、スプリンクラー設備、屋内消火栓設備、自動火災報知設備などのほか、火災による停電時等にも消防用設備が作動するよう設けられた非常用電源も含めた点検報告制度が始まっている。一方、一般社団法人日本内燃力発電設備協会によると、東日本大震災時における非常用発電設備を含む自家発電設備4,811台の稼働状況を調査したところ、正常に稼働しなかったものが全体の5%である233台あり、そのうちメンテナンス不良で稼働しなかったものが23台であったとされている。これらのことを踏まえ、まず、消防法令に基づく非常用発電設備の維持管理について質問していきたい。非常用発電設備の維持管理について、消防法令ではどのように決められているのか。

△消防局長 非常用発電設備、いわゆる消防法上の自家発電設備は、停電時においても消防用設備、例えばスプリンクラー設備であれば、30分間以上稼働させるための動力源となる設備である。その維持管理について、消防法では、建物の管理者などに対し、消防用設備とあわせ、自家発電設備の点検を行うとともに、定期的に消防機関へ報告することが義務づけられている。自家発電設備の点検は、半年ごとに行う機器点検と1年ごとに行う総合点検があり、半年ごとに行う機器点検はねじの緩みや油漏れなどの確認や、簡易な操作により機器の状況などを確認する点検である。また、1年ごとに行う総合点検は、自家発電設備を運転させ、消防用設備などに送電し負荷をかけ、異常な音や振動の発生がないかなどの状況を確認する負荷運転などを行う点検である。

◯篠原委員 消防法令では、非常用発電設備の点検は消防用設備の点検とあわせて行うよう定められていること、また、点検には半年に一度の機器点検と1年に一度の総合点検があり、非常用発電設備では総合点検の中に負荷運転が義務づけられていることがわかった。では、この負荷運転は、どのようにして行われるのか。

△消防局長 消防用設備の非常電源として設けられる自家発電設備の負荷運転には、実負荷による点検と疑似負荷による点検の二通りの実施方法がある。実負荷による点検は、建物全体を停電させた状態で自家発電設備を運転させ、実際に建物に設置されているスプリンクラー設備の送水ポンプなどを動かすことにより、自家発電設備に負荷をかけた状態で運転状況を確認する方法である。疑似負荷による点検は、建物全体を停電させずに、自家発電設備をスプリンクラー設備の送水ポンプなどを動かしているのと同様の状態を機械的につくり出す装置に接続した上で、自家発電設備に負荷をかけた状態で運転状況を確認する方法である。

◯篠原委員 負荷運転には、実際に建物を停電させた上で、非常用発電設備を稼働させて消防用設備に電気を流す実負荷運転と、建物全体を停電させずに負荷をかける特殊な装置を接続して消防用設備に電気を流している状況を疑似的につくり出して行う疑似負荷運転の2種類があるとのことである。この負荷運転が必要とされる非常用発電設備が設置されている建物は、市内に何軒あり、そのうち何軒が負荷運転を実施しているのか。

△消防局長 消防用設備の非常電源として自家発電設備を設置している建物は平成29年9月30日現在、市内に1,699軒あり、そのうち699軒が負荷運転を実施したと報告されている。

◯篠原委員 非常用発電設備の点検は、火災発生時に非常用電源が確実に稼働するための点検であり、その点検である負荷運転が行われてない建物が市内にまだ1,000施設あるということは、大変心配である。先日、視察に行った仙台市では、非常用発電設備の点検を疑似負荷運転などを取り入れ実施するよう徹底しており、消防設備点検時に何らかの方法で負荷運転を行うこと、定格出力の30%以上の負荷をかけること、電気事業法による点検時に負荷運転を行った場合はその点検票の写しを添付して提出することを明確に示していた。また、茨城県常総市では、2015年9月の関東・東北豪雨において、鬼怒川が決壊して市内の3分の1が浸水し、停電した市庁舎では屋外の非常用自家発電設備も浸水で使用不能になり、照明や電話、パソコンのほか、防災行政無線も使えなくなったそうである。このとき、非常用発電設備の重要性を改めて認識し、電源喪失のリスクを少しでも減らす観点から非常用発電設備の維持管理にも力を入れ、従前行っていなかった負荷運転を取り入れたそうである。こうした他都市の取り組みがある中で、本市でも市有施設はもとより、市内の全ての施設の非常用発電設備において、負荷運転が確実に行われることが重要と考えるが、負荷運転を行っていない建物や施設などに対し、本市はどのような指導を行っているのか。

△消防局長 負荷運転を行っていない建物や施設などに対する指導については、平成28年12月に総務省消防庁から点検結果報告書の確認に係る留意事項について通知がなされたため、各消防署における点検結果報告書の受け付け時の対応の再確認を行うとともに、負荷運転について適切に記載するよう指導している。また、建物の関係者に対し、消防局のホームページで情報発信を行い、本市の施設の管理者に対し、点検の実施要領等について通知している。今後は点検業務を行う業者が参加する講習会において、制度について説明を行うとともに、市有施設の管理部局に対し、保守契約発注に関する講習会で負荷運転の適正な実施について周知する予定としている。現在、災害時に活動拠点となる公共施設や火災が発生した場合に人命危険が高い重要な施設から順次指導を進めており、今後とも引き続き指導を行っていきたい。

◯篠原委員 これまで、負荷運転について消防署で点検結果報告書を受け付けるときの対応を再確認したことや、本市の施設の管理者に対し適正な点検を実施するよう通知していること、また、ホームページでの情報発信などが行われ、今後も講習会で周知していくなど改善を進めていることがよくわかった。一方、この負荷運転が十分に行われていなかった原因をどのように分析しているのか示されたい。

△消防局長 自家発電設備の維持管理については、消防法のほか電気事業法や建築基準法にも種々定められており、その複雑さなどから、負荷運転についての十分な理解がなされていない場合があることや、実負荷運転を行うためには建物全体を停電させる必要があり、例えば商業施設の場合、建物内に入居しているテナントとの計画停電に伴う準備や調整、入館者への停電情報の周知など準備や調整が容易でないこと、また、建物全体を停電させることができない施設などで疑似負荷運転による点検を行うためには、その準備や日程調整に加え、疑似負荷装置のリース料など相当の費用が必要となることなどが原因と考えている。

◯篠原委員 負荷運転のうち、実負荷運転は24時間電源供給をとめられない施設において実施しにくい点検方法であること、また、そのような建物は疑似負荷運転による点検を行わなければならないが、多額の費用が必要になることなどがネックになっているということである。そこで、負荷運転が行われる自家発電設備の点検に係る経費について、市役所本庁舎と消防局本部庁舎は26年度から28年度に、それぞれ幾ら支出したか尋ねる。

△財政局長 市役所本庁舎の非常用自家発電設備の点検等の委託料は、26年度が181万4,400円、27年度が181万4,400円、28年度が194万4,000円となっている。

△消防局長 消防局本部庁舎の26年度から28年度までの自家発電設備の点検に係る費用は、自家発電設備の保守点検を含めた費用で26年度が129万6,000円、27年度が129万6,000円であるが、28年度については、自家発電設備の設置から長期間経過したため、保守点検とあわせてオーバーホールを実施しており、総額で4,844万8,800円となっている。

◯篠原委員 市の本庁舎でも180万円から190万円、また、消防本部では通常130万円くらいのところ、オーバーホールを行うと4,800万円以上かかってしまう。毎年行わなければならない点検で多額の費用が発生するということは、これから点検を行わなければならない建物の所有者などに大変重い負担を強いてしまうものと考える。この負荷運転に関して、国のほうで緩和の動きがあると聞いているが、その内容を尋ねる。

△消防局長 自家発電設備の点検における負荷運転については、停電させる場合には建物の関係者との調整が容易でないことや、停電させない場合には点検に相当な費用がかかるなど関係者などに対する負担が大きく、簡単には実施できないとの意見、また、消防機関からの同様の意見を踏まえ、平成27年7月から総務省消防庁の消防用設備等点検報告制度のあり方に関する検討部会において、現在の点検項目の中から負荷運転によってしか確認できない項目について、ほかの方法で確認できないか、また、負荷運転の実施サイクルの延長など、関係者などの負担の軽減ができないかなどが検討されていると聞いている。消防局としては、検討部会や総務省消防庁の動きを注視しながら、適正な対応を図っていきたい。

◯篠原委員 負荷運転によってチェックできる項目をピックアップし、その部分について代替点検を行うなどの方法に変えることができるよう検討を行っており、また、負荷運転の実施サイクルの見直しも検討されているとのことで、そうした検討が実を結び、点検にかかる負担緩和が実現され、点検の実施率が上がることになれば、大変によいことだと考えている。本市においても、国の動きに留意し、適切な対応と情報発信に努められたい。消防法令に基づく非常用発電設備の維持管理について質問を行ってきたが、ここからは災害発生時に拠点となる市有施設の停電時の電力確保について質問していく。まず、大規模災害発生時の防災拠点となる本市の本庁舎において、停電時の電力供給量と時間、また、どのような設備に供給しているのか尋ねる。

△財政局長 市役所本庁舎行政棟に設置している非常用自家発電設備は、定格出力が1,200キロワットで通常約30時間の継続運転が可能とされ、必要に応じ、燃料の補給によるさらなる運転の継続を図るものであり、停電時には、非常用設備や非常用エレベーター、非常用照明、非常用コンセント等に電力を供給する。

◯篠原委員 ことし7月の九州北部豪雨災害では、福岡県東峰村で庁舎が停電し、非常用発電設備が稼働したが、何らかの原因で約14時間電力供給ができなかったそうである。しかし、ポータブルの発電機を活用し、その影響を限定的にとどめたことが報道されていた。非常用発電設備も重要だが、建物の規模によっては、非常用発電設備の設置が義務づけられていない施設もある。また、設置され維持管理が適切に行われていたとしても、燃料切れや長時間の運転による故障などで稼働できないことも十分に考えられる。このため東峰村と同様に、万が一の事態のために非常用電源を供給するための備えを十分に確保しておくことが必要である。特に、非常時でも停電が許されない病院や介護施設等では、患者や入所者の安心を確保するため、停電に備えた電力確保の強化が何よりも重要であるが、福岡市立こども病院や福岡市民病院では、非常用電源の確保はどのようになされているのか。

△保健福祉局長 福岡市立こども病院及び福岡市民病院においては、電力会社から受電が停止した場合の設備として、非常用電源設備を浸水被害等が出ないよう最上階に設置している。また、医療関係機器には継続して電力を供給する必要があるため、発電機が起動するまでのつなぎとして、人工呼吸器などの精密医療機器についてはバッテリーを内蔵しており、また、電子カルテ等の電子機器については、無停電電源装置を備えており、切れ目なく電源を確保している。なお、非常用発電機については、実負荷運転を毎年度実施し、確実に稼働するよう点検を行っている。

◯篠原委員 福岡市立こども病院、福岡市民病院では、非常用発電設備を最上階に設置し、医療機器は無停電電源装置を備えているなど、しっかりと点検を含め対応しているということである。また、地震などの緊急時には、駅など公共機関でのパニックは即人命にかかわるため、スムーズな動線確保のためには、非常用電源の稼働チェックは最低限の義務である。市営地下鉄では、非常用電源の確保はどのように行われているのか。

△交通事業管理者 地下鉄においては、電力会社からの受電が停止した場合の設備として、非常用電源設備を設置している。この非常電源は、電車には電力を供給しないが、各駅の通信設備や防災設備、非常照明等に電力を供給し、列車内及び駅構内の乗客を安全に避難誘導するとともに、関係各所と情報の伝達や収集を行えるようにしている。また、非常用発電機については実負荷運転を毎年度実施し、確実に稼働するよう点検を行っている。

◯篠原委員 地下鉄では、非常用電源により各駅の通信設備や防災設備、非常照明等に電力を供給し、災害時も乗客を安全に避難誘導するということである。大変重要なインフラである病院や地下鉄では、しっかりとした非常時の電源確保ができており、安心したが、これからも不測の事態に備えた対応を継続してもらいたい。災害時の電力確保について、福岡市地域防災計画にはどのように定められているのか尋ねる。

△市民局長 災害時の電力確保については、福岡市地域防災計画において、福岡市域内に震度5弱以上の地震が発生したときは、必要に応じて福岡市災害対策本部に九州電力から社員が派遣され、電力施設の被害状況及び復旧状況の情報共有を行うこととしている。また、九州電力においては、復旧対策要員や資機材を確保するとともに、電力供給の早急な確保と停電時間の短縮を図るため、被害箇所に応急工事を実施し、機能の回復を図ることとなっている。

◯篠原委員 福岡市地域防災計画に、非常用発電設備の設置目標とその維持管理について、明確に規定する必要がある。東日本大震災、熊本地震のような大規模地震の場合は、必ず避難所における電力の確保が問題となるため、災害に備え、電力の多重化が必要と考えている。避難所の照明がつかなければ非常に危険であるが、災害時に避難所となる小学校や公民館における電源の確保はどのようになっているのか。

△市民局長 避難所における電源や照明の確保については、29年度から各小学校区に防災倉庫を設置し、発電機、投光器及び手回し充電式ランタンなどを備えることとしている。

◯篠原委員 非常用電源の確保については十分な対応をとっていることが確認できたが、昨今の災害発生状況を鑑みると、いつ本市において大規模な災害が発生してもおかしくない状況であり、しっかりと備えておく必要がある。大規模災害が発生した場合、非常用電源にも限りがあり、いかに早く電力供給を復旧できるかが重要であり、特に重要施設における電源の確保が大事であるが、本市において、大規模災害時の重要施設における電源の確保はどのようになっているのか。

△市民局長 国の防災基本計画に基づき、本市において大規模災害による広範囲な停電等が発生した場合には、国の緊急対策本部に対し、重要施設の自家発電用燃料の優先供給について要請するとともに、九州電力との連携のもと、復旧対策要員、電源車等の派遣により、重要施設への電力供給を行うこととしている。

◯篠原委員 九州電力との連携のもと、復旧対策要員、また電源車等の派遣により、重要施設への電力供給を行うということである。災害時の非常用発電電源対策に加え、早急な電力供給の確保などを進めていく上で、しっかりと電気事業者と連携することが必要と考えるが、災害に強いまちづくりを今後どのように進めていくのか、最後に市長に所見を尋ねる。

△市長 大規模災害時の電力の確保は、市民生活を守り、都市機能を維持するためにも非常に重要と考えており、福岡市地域防災計画においても電力供給の早急な確保、停電時間の短縮を図るため、電気事業者と連携し対応することとしている。また、本市では市役所本庁舎を初め、こども病院などの重要施設には非常用発電設備を整備するとともに、熊本地震を教訓として、29年度から避難所における電源確保のための発電機や非常用の照明として投光器を各校区に備えることとしている。今後とも、大規模災害時の電力確保など迅速、的確な災害対応が行えるよう、電気事業者を初め、ライフライン機関としっかりと連携し、市民のとうとい命とその財産を守ることを第一に、災害に強いまちづくりを進め、防災先進都市福岡を目指していく。

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福岡市 篠原達也