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◯篠原委員 公明党福岡市議団を代表して、福祉的支援によるごみ屋敷の解決について、広告つきバス停上屋の整備について、以上2点について質問する。初めに、福祉的支援によるごみ屋敷の解決について質問する。超高齢社会を迎え、社会的孤立者の増加に伴い、住居内にごみが野積みされた、いわゆるごみ屋敷が増加している。その背景には、高齢による体力の低下、認知症などでごみの適切な処理ができないことや、生活意欲が衰え身の回りのことができなくなるセルフネグレクト、自己放任があるとされている。こうした状況が続くと、いつの間にか住居の周囲にまで物があふれ出し、悪臭や害虫の発生、通行の障害になるほど居住者自身の生活環境が悪化するだけでなく、地域住民の生活環境にも影響を及ぼしかねない事態となる。国土交通省が平成21年に行った調査では、全国の250の市区町村でごみ屋敷が確認された。一言でごみ屋敷と言っても、状態や原因はさまざまである。ごみ屋敷の所有者には、鉄くずなどの資源物を集める人、ごみかどうかわからないものを集めている人、身体に障がいがあり、ごみを捨てられずにためてしまった人など、さまざまなパターンがあると思うが、今回は、家族や地域から孤立してしまい、体力や気力が低下した高齢者、認知症、精神疾患、障がいでごみの分別ができず、やむを得ずごみをため込んでしまい、ごみ屋敷と化してしまった人に対する支援について質問する。まず初めに、他の市及び特別区では、ごみ屋敷に対処できる条例や、福祉部門と環境部門などの連絡会議を設置していると毎日新聞に掲載されていたが、その内容は把握しているか尋ねる。

△環境局長 指摘の新聞記事の内容については、家屋に大量のごみをためる、いわゆるごみ屋敷に対処するための条例の制定状況などについて、県庁所在地、政令指定都市、東京23区の計74市区にアンケートを行った結果が平成28年10月に掲載されている。その中で条例を制定していると回答した自治体は宇都宮市などの12市区、また連絡会議や専門部署を設置していると回答した自治体は前橋市などの17市区であるとされている。

◯篠原委員 市内のごみ屋敷に関して苦情や相談などの件数を掌握しているか。

△環境局長 いわゆるごみ屋敷については、明確な定義はないが、本市において、住宅の敷地や家屋内に物やごみを堆積していることにより衛生上、あるいは景観上の苦情や相談を受けている事案は現在7件である。

◯篠原委員 その7件について、世帯の状況、年齢層や地域とのかかわり、置かれているごみの状態について把握しているか。

△環境局長 7件の状況については、区役所の職員が現地に赴き、通報者や原因者に聞き取りした結果、単身世帯が6件で、うち高齢者が3件、障がい者が1件であった。また、日ごろから地域とのつながりが少ないと答えた人が2件あった。ごみの状態については、多くは物やごみが敷地内に堆積している状況であった。

◯篠原委員 本市においては幸い7件と少ない状況であるが、これは間違いなく氷山の一角である。また、高齢者や独居形態の増加に伴い、他都市のようにごみ屋敷も増加していく可能性がある。今回、私がごみ屋敷の質問をするということで当局は初めて各区役所に問い合わせをしているが、ごみ屋敷の実態調査は具体的かつ正確に行うべきである。次に、ごみ屋敷の問題が実際に起こった場合の対応について質問する。これは市内で起こった実例であるが、集合住宅の中層階のベランダが外から見てごみの山状態になっていたが、ついに網が破れ、ベランダから落下した。この落下したごみに対し、区役所としてはどのように対応したのか。

△環境局長 指摘のケースについては、地域住民の通報を受け、区役所職員が現地を確認したところ、ベランダから落下したごみの袋が破れ、隣接する公園にまでごみが散乱した状態となっており、周辺環境に悪臭等の影響を与えていたことから、同職員が片づけを行っている。

◯篠原委員 このような状況になってもなお役所は縦割りであり、他の部署と連携することはほとんどない。例えば、道路に出たごみは取り除けばそれで終わりで、家の中にごみがあるのはわかっていても手が出せないということである。実は、このベランダからごみを落とした人は生活保護受給者であり、区役所職員、親族、不動産管理会社が訪問し、2時間以上にわたって説得し、ごみを撤去したと聞いている。生活保護受給者に対しては、職員の定期的訪問、親族や不動産管理会社などからも相談を受けていたのではないかと思われるが、区役所が把握していた状況や経緯について尋ねる。

△保健福祉局長 本事案については、2年ほど前からベランダへのごみの堆積が始まったため、まずは本人に対して改善指導を行った。その後一定期間、指導を行ったが、改善が見られなかったため、親族への協力依頼や区役所関係各課と対応について協議を行っていた。ベランダのごみは周辺の生活環境に影響を与える状況になってきたため、最終的には、区役所関係各課、親族及び関係者の立ち会いのもと、本人を説得し、対応したものである。

◯篠原委員 区役所が把握していたのは2年前からということであるが、私の認識では、このベランダへのごみの堆積は6年以上前から始まっている。このような相談には誰も本気で乗ってくれない。どこも所管とならず、責任逃れをする。そしてやっと苦情を受けた部署がやるしかないということである。大事なのは周囲の人と行政の連携であるが、一番の問題は、みずから助けを求めない人には行政は手を差し伸べないということだと考える。今回の実例は、コミュニティから外れ、秩序をなくし、生活空間を片づけられなかった人のことを知っておきながら、本人みずから助けを求めることがなかったため、手を差し伸べることなく事態が悪化し、ごみ屋敷化してしまったケースである。今こそおせっかい行政が必要とされるのではないか。このことを通して、局長は何を感じたのか。

△保健福祉局長 本市には単身の高齢者、あるいは複合的な問題を抱えた人など、さまざまなケースがある。これらの課題を解決するためには、当然、関係部署などが連携して継続した対応を行うことが必要な場合が多い。これに加え、共助の仕組みづくりや広報、啓発などを支援するとともに、地域で暮らす上で支援が必要な市民に対しては、個々の状況に応じて対応していきたいと考えている。

◯篠原委員 今後の課題を解決するためには、関係部署が連携し、継続した対応が必要である。また、地域で暮らす上で支援が必要な市民に対し、個々の状況に応じて対応していくとの答弁であり、しっかりと取り組まれたい。先日視察した足立区では、景観や衛生上の問題の一つであるごみ屋敷対策の専門組織を新設し、これまで各所管でばらばらに対応していた相談受け付けを一本化し、たらい回しをしないワンストップサービスを展開している。それまで衛生、環境を担当する部局、医療、福祉、生活困窮を担当する部局、地域コミュニティを担当する部局がそれぞれ単独で対応していたが、庁内連携のため対策会議を合同で始めている。また、相談を受けてから3日以内に現場確認を行う迅速な対応と、原因者が抱える問題に応じた行政機関、地域住民、NPO、企業等のさまざまな主体と横断的な連携により、ごみ屋敷の解消を一時的なものではなく、根本解決につなげられるよう効果的な対策も図っている。担当課長は「必要なのは支援です。おせっかいを焼き、時には本人とけんかもしながら話し合って、同意を得て解決をするしかありません」と話していた。市民からの苦情をもっと早く解決するため、本市にもこのようなごみ屋敷対策の連携組織、専門組織が必要と考えるが、所見を尋ねる。

△保健福祉局長 いわゆるごみ屋敷と言われるような状況に至っている人は、高齢者を初めさまざまなケースがあると言われている。組織の連携については、必要に応じさまざまな部門が連携して支援を行っていきたいと考えている。また、専門組織の設置については、対応すべき業務の内容、その量、他の課題との優先度等を踏まえ、その必要性について総合的に判断すべきものと考えている。

◯篠原委員 福岡市保健福祉総合計画において、社会福祉協議会が孤立死やごみ屋敷等の課題解決に向けて各種取り組みを進めるとあるが、今までにどのような事例があるのか。

△保健福祉局長 社会福祉協議会においては、住民参加と自治を基盤とした地域福祉の推進に向けた取り組みを進めている。取り組み事例としては、地域における孤立者の支援や見守りの一環として、エレベーターが未設置の市営住宅において、見守りの対象者がごみ袋を玄関前に出しておき、これをボランティアが確認した上で集積車まで運搬する仕組みづくりを支援したことがある。

◯篠原委員 この事例でどのような効果があったのか。

△保健福祉局長 見守りの仕組みがなかった町内において、ごみ捨ての支援を契機とした仕組みづくりにより、円滑な見守り活動につながっていったものと考えている。

◯篠原委員 ごみ捨てをきっかけとして、町内コミュニティの仲間として輪に入ってもらい、地域との関係を構築できたすばらしい事例だと思う。ごみ屋敷になる原因は高齢化、障がい、精神疾患、生活困窮、セルフネグレクトなどさまざまであるが、その原因に目を向けず、ただ強制的にごみ屋敷のごみを撤去しても、いずれまた再発する可能性が高く、根本解決にはつながらないことを念頭に、担当部署で原因者との信頼関係の構築をさらに重視し、本人が抱える問題に応じて、介護、医療などのさまざまなサービスを継続的につなげ、根本解決、再発防止を目指した支援や仕組みづくりを図っていく必要があると考えるが、地域福祉活動の今後の方向性について、所見を尋ねる。

△保健福祉局長 ごみ屋敷が生じてしまう原因はさまざまであり、その解決を図るためは、その内容に応じた多様な支援につなげていく必要があると考える。本人が高齢化などの福祉的な要因で孤立化し、生活上の問題を抱えている場合には、地域福祉に関係する団体のほか、医療、介護等の専門的な機関と連携し、解決を図る必要があるため、引き続き取り組みの充実に努めていく。
なお、ごみ屋敷については、これらの福祉的な連携のほか、個別のさまざまな相談の内容及びその原因に応じて関係局や関係機関が連携を図りながら課題の解決に向けた対応を図っているところである。

◯篠原委員 本市も高齢化が進んでおり、他都市と同様にごみ屋敷がふえ、確実に大きな社会問題となる。そのときになって対処をするのではおそく、前もって取り組んでいくことが肝要である。そのためには、ごみ屋敷の実態調査を行って現状を把握すること、2つ目に、福祉部門と環境部門の連携を図るために、連絡会議や専門部署を設置すること、3つ目に、ごみ屋敷条例の制定による実効性を担保すること、この3点を強く要望しておく。ごみを片づけることだけに重点を置くのではなく、相手の悩みに向き合い、状況を十分理解した上で寄り添った解決を図っていくことが何よりも重要である。おせっかい行政と言われるところまで立ち入らないと前には進まない。誰1人置き去りにしない、人間味を持った福祉的視点からの対応が求められており、ごみ屋敷などの問題を引き起こす孤立化を防止するための取り組みが必要である。今後の進め方について、市長の考えを尋ね、この質問を終わる。

△市長 高齢化などの福祉的な要因で孤立化し、またさまざまな生活上の問題を抱えてしまう場合においては、地域福祉に関係する団体のほか、医療、介護などの専門的な機関と連携して解決を図っていく必要があると考えている。本市としては、孤立化を防止するために、今後とも住みなれた地域の中で誰もが安心して暮らしていけるよう、住民の参加と自治を基盤としながら、さまざまな世代の住民、地域団体や企業、NPO、社会福祉法人などさまざまな主体が相互に連携し、支え合う地域づくりに取り組んでいきたいと考えている。

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福岡市 篠原達也