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◯篠原委員 公明党福岡市議団を代表して、25年度決算における障がい者と高齢者のための読み書き支援について、防災、減災の強化について質問する。近年、糖尿病など、病気が原因の中途失明者の増加により、点字を利用できない人が視覚障がい者全体の約9割を占めている。そのため、ほとんどの視覚障がい者は、公共料金の通知や各種の契約書、防災や防犯の情報、行政サービスの情報や医療情報など、日常生活全般にわたって著しく情報不足に陥っており、日常生活に多大な困難が生じる方を多く見受ける。さらに、視覚障がい者のみならず、高齢化の進展に伴い、視力が低下した高齢者など、読み書きに支障がある方への支援の必要性が訴えられている。日常生活を送る上で、読むことと自己の意思を表すために書くことは必要不可欠の行為といえる。しかし、視覚障がい者や視力が低下した高齢者などは、これが十分に保障されているとは言えない状況にある。そこで必要となるのが目の不自由な人を対象とした代読、代筆などの読み書き情報支援の充実である。既に、国レベルでは、平成23年7月に成立した改正障害者基本法に読み書き支援サービスを行う人材の派遣及び養成を国や自治体に求める規定が盛り込まれ、成立した。障害者総合支援法は、障がい者と障がいのない人の意思疎通を支援するための法律である。意思疎通の支援を行う者の派遣や養成などを行う制度として規定しているが、本市は視覚障がい者と障がいのない人の意思疎通を支援することについて、どのような認識を持っているのか。

△保健福祉局長 本市では、平成24年3月に障がい保健福祉計画を策定し、障がいのある人とない人が等しく地域の中で自立し、社会の一員としてともに生きる社会を目標に掲げている。このような理念を実現する上で、障がい者と障がいのない人の意思疎通を支援することについては、障がい者の社会参加促進や緊急時の対応などのために大変重要な支援であると認識している。

◯篠原委員 局長も認識しているように、障がい者と障がいのない人の意思疎通を支援することは大変に重要である。さらに、平成25年4月に施行された障害者総合支援法の実施要綱に、自治体が行う支援の一つとして、代読や代筆が明記された。今後、潜在的なニーズを含めて、読み書きが困難な方への支援の必要性が高まると考える。本市は、この条文をどのように認識し、取り組もうとしているのか、所見を伺う。

△保健福祉局長 視覚障がい者への代読、代筆サービスについては、現在、居宅内ではホームヘルプ事業としてヘルパーが、また、外出先では同行援護事業としてガイドヘルパーが担っているところである。障害者総合支援法の地域生活支援事業実施要綱が改正され、新たに代読、代筆の支援が追加されたが、実施方法等については具体的な考え方が示されてないところであり、今後、国の動向も踏まえ対応していきたいと考えている。

◯篠原委員 読み書き支援も含めた人材の派遣及び養成が法律にきちんと明記された。この規定を根拠に本市での読み書き支援の普及を後押ししていきたいと思う。読み書き支援が必要な人は、視覚障がい、聴覚障がい、高次脳機能障がい、内部障がい、知的障がい、精神障がい、発達障がい、識字障がいなどのほか、資料を手に持ったりページをめくったりできない上肢障がいや麻痺を持つ方たちや視力が低下した高齢者であり、表に出てない人を含めると1,000万人以上いると言われている。本市においては、現在、聴覚障がい者のための手話通訳や要約筆記者の派遣はある程度行われているが、視覚障がい者の代読、代筆支援の取り組みについて、25年度を含む過去3年間の実績を尋ねる。

△保健福祉局長 同行援護事業の代読、代筆サービスについては、23年度は10月に制度が発足し、それから事業所の指定等を行ったことから、実績としては利用者数3人で136時間となっている。24年度は経過措置を設け、従来の移動支援から順次サービスの切りかえを行った時期であり、利用者数521人で9万8,359時間、25年度に完全移行し、利用者数628人で19万7,448時間となっている。次に、点字図書館については、録音図書や点字図書の貸し出しが主たる業務であるが、対面朗読サービスや視覚障がい者からファクスされた文章を電話で代読するファクス代読サービスを行っている。その実績は、対面朗読サービスが23年度は142回、24年度が133回、25年度は264回で、ファクス代読サービスが23年度は15回、24年度は13回、25年度は8回である。

◯篠原委員 同行援護や対面朗読などの法定サービスは利用されているようだが、さらなる充実と拡大が求められる。点字図書館での読み書き支援の多くは、ボランティアなどによる対面朗読が実施されているが、日常生活にかかわる書類は対象にならない場合がほとんどである。視覚障がい者にとって必要な情報を見つけるのは困難であり、暮らしに関する情報を知りたいというニーズはかなりある。本市の点字図書館ではどのような支援が行われているのか、25年度を含む過去3年間の取り組みを尋ねる。

△保健福祉局長 点字図書館では、取り扱い説明書などの日常生活にかかわる書類の録音版や点字版を作成するプライベートサービスを実施している。その利用実績は、23年度は66回、24年度は61回、25年度は57回である。また、録音図書の新刊紹介や、イベントなど生活情報を掲載した点字図書館だよりを2カ月に1回発行し、点字版を希望者に送付するとともに、録音版を貸し出している。点字版の送付実績は、23年度は延べ841部、24年度は延べ849部、25年度は延べ863部。録音版の貸し出し実績は、23年度は延べ2,188回、24年度は延べ2,170回、25年度は延べ2,139回である。

◯篠原委員 読み書き支援には一定の専門技術が必要であり、特に代読の場合、単に文章を読み上げるだけでなく、写真やイラストの説明など情報を整理する技術も求められる。支援員は講習を受けることにより専門知識を身につけ、利用者に喜んでいただいている。読み書き支援の講習会は2日間で、相手の知りたい情報を的確にわかりやすく伝える技術や個人情報を漏らさないための守秘義務の徹底化を学ぶもので、現在、全国で約250人のメンバーが支援員として認められており、支援に際しては、毎回守秘義務誓約書にサインして実施されている。本市には、視覚障がい者団体から、どのような相談が寄せられているのか。

△保健福祉局長 代読、代筆支援に関する現行のサービスでは、同行援護やホームヘルプのサービス時間が不足したり、ファクスサービスは使いにくいところがあるなど、ニーズを満たすものではないため、読み書き派遣事業を実施してほしいとの要望が出ている。

◯篠原委員 障害者総合支援法における地域生活支援事業では、意思疎通支援の強化を図っているが、その中には市町村の役割として、「手話通訳者及び要約筆記者の派遣(点訳、代筆、代読及び音声訳などによる支援を含む)」と明記されている。本市は、特に、代読、代筆支援について支援を行う人の派遣や養成などはどのように行っていくのか、その支援計画について尋ねる。

△保健福祉局長 地域生活支援事業における支援者の派遣や養成については、国の動向を注視していくが、障がい福祉サービスの中で、視覚障がい者の代読、代筆支援を実施しているホームヘルプ及び同行援護事業については、今後とも充実に努めるとともに、プライバシーの保護など事業を担うヘルパーの資質向上について、研修などを継続して取り組んでいく。

◯篠原委員 平成25年6月、目が不自由な人への読み書き支援の普及啓発に取り組むNPO法人大活字文化普及協会の主催で、「全ての人の読み書きを支援する社会」をテーマにシンポジウムが開催され、その中で、北海道函館市のNPO函館視覚障害者図書館が平成23年から行っている読み書きサービス、代読、代筆支援について報告があった。その中で、視覚障がい者や視力が低下した高齢者から通帳や手紙の代読、契約書類の代筆支援などで1,000件を超す利用があったことを踏まえ、その潜在的なニーズの高さから、早速、読み書き支援の講習会を開催し、必要な講習を受けた人が支援員として、守秘義務誓約書をその都度提出し、平成24年4月から代読支援を始めたところ、利用者の9割は対面朗読の利用であったが、代読、代筆については利用者のほぼ100%が満足し、97%の利用者が今後もサービスを利用したいと考えているとのことであった。このような他都市の取り組みも参考にしながら、本市も積極的な読み書き情報支援を行うべきであると考えるが、具体的な取り組みとしてどのような支援が考えられるのか。

△保健福祉局長 現在、視覚障がい者の読み書き情報支援については、ホームヘルプ事業や同行援護事業の中で実施しているところであるが、25年度に実施した障がい者実態調査によると、コミュニケーション支援として、代読、代筆支援を利用していると回答した障がい者は16.8%となっている。視覚障がい者のうち、読み書き支援の主たる対象者である単身者の割合は22.2%であることから、支援を必要とする視覚障がい者の多くの方がホームヘルプ事業や同行援護事業の中で読み書き支援を利用していると考えられる。今後、同行援護事業等で意思疎通支援がより適切に図られるよう事業所を指導していくとともに、ボランティアの活用も含めた支援のあり方について検討していく。

◯篠原委員 NPO法人大活字文化普及協会について視察してきた。堺市立健康福祉プラザ視覚・聴覚障害者センターの岩井所長は、みずからも小学校2年生で失明。苦労を重ね、大学を卒業した経験を持ち、読み書きは社会参加に不可欠であると訴えていた。そのような中、読み書き支援の講習会が、東京都品川区で開かれ、定員の2倍、約200人から応募があり、自治体職員や介護従事者、ボランティアなどが参加し、26年度から週1回の代読、代筆の無料サービスをスタートさせている。そこで、本市でもこのような読み書き支援の講習会などを社会福祉協議会や関係団体などに呼びかけ、協力体制を検討してはどうかと考えるが、所見を伺う。

△保健福祉局長 本市においても、社会福祉協議会ボランティアセンターで、音訳や点訳、視覚障がい者のガイドボランティアなどの養成講座を開催しているところであり、読み書き支援なども含め、視覚障がい者のニーズに応じたボランティア養成のための講座を開催するよう働きかけていく。

◯篠原委員 平成18年に三鷹市在住の1人の視覚障がい者が、日々の配達物を捨ててもよいものと重要な手紙や公共料金などとを見分けることができず、生活に不可欠な情報の支援サービスを訴えたことから、東京都三鷹市は、平成19年から読み書き支援事業を三鷹市社会福祉協議会ボランティアセンターに委託し、実施している。読み書き支援事業は地域住民からの信頼も厚く、年平均利用件数は約100件、過去5年間トラブルはなく、行政による積極的な広報があれば利用者は多くなると見込まれること、また、中途失明者の増加や高齢社会などから需要もふえ、地域の生活支援となるとのことであった。高齢者化が進む本市において、この問題をどのように認識し、対応策を考えているのか、所見を伺う。

△保健福祉局長 高齢社会が到来する中で、視覚障がいのある高齢者は増加していくものと考えている。身体障害者手帳を取得している方については、従来からの障がい福祉施策で対応できることもあるため、今後とも制度の周知等に努めていく。手帳を持たない高齢者などの支援を必要とする方についても、地域で安心して生活していくために、他都市の事例等も参考にボランティアの活用も含め、支援を充実していく必要があると考えている。

◯篠原委員 視力が低下した高齢者の方々に対しては、障害者手帳が交付されることで、どのような支援が受けられるのかについて丁寧な説明をされたい。高齢化が進み、視覚障がい者だけでなく、文字を読んだり書いたりすることが困難な人がふえている中、このような人たちにとって情報は生命線であり、生活そのものである。何よりも、深刻なのは、肝心な利用者が自分は読み書き支援を必要としているのか、それ自体がわからないことである。最近、地域の高齢者宅を訪問した際、未開封の封書が何通も放置されていた。見ると、税金や年金関係の手続が必要な書類や督促状などであった。郵便物を見ても文字が小さくて見えない、内容がわからない、読んで説明をしてほしい、できれば、代筆してほしいなどと言われたことがあり、このような高齢者がふえていると感じている。目が見えない方については、在宅での支援、アウトリーチを必要としており、読み書き情報支援として、本市もボランティアの派遣などを検討することが重要であると考えるが、所見を尋ねる。

△保健福祉局長 文字が小さくて読めない、内容がわからない等でお困りの高齢者は、読み書きだけでなく、生活する上でのさまざまな支障が生じていると思わる。今後、このような方々が増加していくと思われるため、高齢者の総合相談窓口である、いきいきセンターの強化を図るとともに、日常のちょっとした困りごとを地域の支え合い活動の中で解決できるよう、近隣住民による見守りの仕組みの促進や、住民主体の各種生活支援ボランティアの育成に向けて、今後、支援を強化していきたいと考えている。

◯篠原委員 高齢者は本市の施策に大変に期待をしている。しっかりと取り組まれたい。視覚障がい者にとって、コミュニケーションや情報の入手は災害時にはさらに難しくなる。読み書きが困難な高齢者や障がい者に対し、あらゆる場所でいつでも支援が受けられる仕組みづくりに取り組むべきである。最後に、国民の誰もが等しく読み書きする権利の保障を求める読書権推進の立場から、社会参加の機会の確保と地域での共生社会の実現に向けた取り組みについて市長の所見を伺う。

△市長 本市では、みんながやさしい、みんなにやさしい「ユニバーサル都市・福岡」をまちづくりの目標像として掲げ、その実現に向けて取り組んでいる。これを進めていくに当たり、委員御指摘のとおり、障がいのあるなしにかかわらず、人が社会生活を送る上で不可欠な要素となるコミュニケーションや情報の入手に対する支援が大変重要であると認識している。次期保健福祉総合計画の策定に取り組んでいるところであるが、読み書きが困難な方々も地域社会で安心して生活していけるよう、既存のコミュニケーション支援サービスの充実に努めるとともに、地域の支え合い活動やボランティアの活用など、各種の生活支援サービスを含め、より効果的な支援が実現できるようしっかりと取り組んでいきたいと考えている。

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福岡市 篠原達也