福祉のまちづくりの促進について (平成21年第4回定例会一般質問)
平成21年11月 定例会(第4回) 11月27日 質問と答弁は下記の通りです。
公明党の野もとあきとしです。福祉のまちづくりの促進について、一般質問させていただきます。
東京都は平成21年11月6日、「少子高齢時代にふさわしい新たなすまいの実現に向けて」というPTの報告書を公表しました。世界に類を見ないスピードで高齢化が進展する中で、団塊の世代が65歳を迎える平成27年度以降は、都民の4人に1人が高齢者となる超高齢社会を迎えます。
平成21年3月に、群馬県の「たまゆら」で発生した火災で10名の方の尊い命が失われたのを契機に、東京の高齢者の住まい対策のおくれを受けとめ、高齢者も子育て世代も安心して東京に住み続けられるよう施策を講じるという報告書です。
ここでは、高齢者が施設か在宅という二者択一から「ケアつき住まい」という新しい選択肢の必要性が報告されています。つまり住宅施策と福祉施策を融合し、新たな展開をしていくことが時代の要請とも言えます。
新宿区の高齢者人口の割合は、外国人登録者を含めて平成21年1月1日現在18.5%ですが、団塊の世代が65歳を迎える平成27年には22%と推計されております。区も超高齢社会を目前として、さまざまな課題に取り組んでいます。
最初に、新宿区が全国をリードする取り組みをし、話題にもなった「孤独死対策・安否確認事業」について伺います。
平成18年第1回定例会の予算特別委員会と第2回定例会における区議会公明党の質問に対し、新宿区は対策チームを設置以来、ごみの訪問収集や見守りの訪問、シンポジウムの開催、情報誌の配布、孤独死防止対策連絡会議の開催等、きめ細やかな事業を展開してきました。区長も所信表明や前回の区長選でも最重要課題として位置づけており、その後、積極的に孤独死対策に取り組んでこられたことに敬意を表したいと思います。
今日の日本を築いてくださった大功労者である高齢者の方が死後何日も発見されず、一人寂しくお亡くなりになる姿は、痛恨の極みであります。そこで孤独死対策・安否確認事業について2点伺います。
1点目は、これまでの孤独死対策においては、十分に成果があり有効であったと聞きますが、そうであっても、毎年何人かが孤独死として亡くなっています。もう一度、新宿区社会福祉協議会での総括と新たな対策を町会・自治会・地区協議会などが話し合って知恵を絞ってもらうなど官民一体で英知を結集していくべきと考えますが、御所見を伺います。
2点目は、緊急通報システム・安否確認等の機器設置の支援についてです。
特に、高齢でひとり暮らしの方にとっては、万一のときにだれかに助けを求めたくとも間に合わないのではないかという心配があります。現在、新宿区や民間会社等が扱う機器がありますが、それぞれの特徴をどのように分析されているのか、緊急通報システムの活用など安否確認のあり方について、将来的にどのようにしていくべきとお考えか伺います。
次に、新宿区の具体的な地域を例に挙げて多世代が集うコミュニティの形成について伺います。
新宿区百人町の戸山団地は、平成2年ごろから行われている建てかえが終わり、現在約2300戸の大規模団地となりました。過疎地では、高齢化率が50%を超えた集落を限界集落と呼ぶことがありますが、戸山団地においても高齢化が極端に進んでしまったため、新聞等では「限界団地」との報道がありました。
団地では、自治会の運営や定期清掃、祭りなどのイベントに若い世代の力を必要としていますが、入居者が高齢者に偏重しているために運営が困難になっているのが現状です。したがって、コミュニティそのものが崩壊の危機にあります。
今回出された東京都のPT報告書によれば、高齢者が住みなれた場所で必要に応じて介護などのサービスを受け、子育て世代を含む地域社会とかかわりを持ちながら人生を楽しむことのできる環境の整備が求められ、多世代が集い交わるコミュニティの形成に資する「多世代共生のすまい」の実現も重要な視点であるとしています。
また、取り組みの方向性としては、都営住宅や東京都住宅供給公社住宅については、その建てかえに当たり、高齢者福祉施設や保育所などの子育て施設の整備を促進するとともに、子育て世代の入居機会を拡大する必要があるとしております。
これまで都営住宅の入居募集に関しては、東京都が一律に行ってきており、団地の入居者が高齢者に偏重する傾向にありましたが、方向性が大きく変わろうとしています。このことを踏まえ、新宿区として超高齢社会に対応できるように、都営住宅の募集に地域の状況を踏まえた意見が反映できないでしょうか。
そこで、福祉のまちづくりの視点に立って各都営住宅に多世代が集うよう、東京都に検討を要請してはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
次に、個人情報の保護と適切な活用について伺います。
本年11月10日、区は災害時の救助活動に必要な情報の提供に関する協定を、四谷、牛込、新宿の各消防署と行いました。この協定により、災害発生時に消防署が自力避難困難者情報をもとに、迅速に安否確認、避難誘導、救出、救護等の緊急対応を行うものです。
対象は75歳以上の単身世帯、65歳以上の方のみで構成される世帯、要介護の認定を受けた方や身体障害者の方で協定に定めた該当の方となっております。これは東京都個人情報の保護に関する条例及び新宿区個人情報保護条例に基づき、適切な管理を行うとしています。つまり、個人情報の保護と同時に災害などの緊急時には、個人情報の積極的な有効活用をするものでもあります。
そこで伺います。今回の協定は災害時の救護活動を支援し、救える命の救助を可能にします。そこで、新宿区としても、この情報を活用して避難することが困難な方を把握していくことが求められます。命を守る観点からどのようにお考えか、伺います。
次に、個人情報の適切な活用と福祉のまちづくりについて伺います。
一口に高齢者といっても元気な方から介護を受けている方まで、さまざまに生活されていますが、地域では個々の状況についてはほとんど把握できない状況があります。現在、要支援・要介護の認定者の状況や高齢化率などは各出張所単位でも把握しておりますが、この情報をもとに適切に福祉施策の推進を行うべきと考えます。福祉施設等の配置や高齢者総合相談センターの人員増員については、どのような基準で行われるのか伺います。
以上で、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
福祉部長(今野隆) 野もと議員の質問にお答えいたします。
孤独死防止対策において、これまでの取り組みに加えてさらに町会・自治会・地区協議会などの力を結集した新たな対策が必要ではないかとのお尋ねです。
御案内のとおり、区では、全国に先駆けて孤独死防止対策に積極的に取り組んできました。効果も着実に上がっていると認識しています。今年度は、マンション管理会社との協力体制、見守り協力員による安否確認の拡大など、さらなる取り組みを進めているところです。
また、これまでの「孤独死防止対策連絡会議」「高齢者虐待防止ネットワーク運営協議会」を統合して「高齢者の権利擁護ネットワーク協議会」を立ち上げました。これは高齢者に対する支援策を総合的に協議する場として、警察、消防、社会福祉協議会、高齢者総合相談センターなどの関係機関、町会、民生委員などの地域住民及び区関係部署で構成し、孤独死防止対策もここで広く協議しています。
今後も、さまざまな力を結集して高齢者を支えるネットワークを充実させ、安心して暮らせるまちづくりを推進してまいります。
次に、緊急通報システム・安否確認等の機器設置の支援についてのお尋ねです。
区で実施している緊急通報システムは、利用者がペンダントを押すと、東京消防庁などに直接通報されるため、緊急時においては大きな効果があるものと考えています。また、高齢者の安否確認の重要性を踏まえ、設置する際の一部自己負担金を除き、無料で実施しています。
なお、民間会社において、携帯可能な小型端末による安否確認サービスや相談機能を付加したサービスなども開発されています。現在、これらのサービスの比較・分析を行っており、将来的にはよりよいサービスを導入していきたいと考えています。
次に、福祉施設等の配置や高齢者総合相談センターの人員増員についてどのような基準で行われるのかについてです。
認知症高齢者グループホームなどの地域密着型サービスの施設については、在宅生活を支える身近なサービスであることや、人口、高齢化率、要介護等認定者が均衡するように、区内を東、中央、西の三圏域に分けて整備を進めています。
また、特別養護老人ホームについては、在宅での生活が困難となった方のセーフティネットとして、新宿区内での基盤整備を進めています。
来年度、機能強化を図る高齢者総合相談センターについては、担当する地区の高齢者人口や要支援・要介護認定状況等の情報を踏まえて、人員を配置する予定です。
具体的には、管理者、事務職員は各1名、総合相談などの包括的支援事業の担当職員は、保健師、主任ケアマネジャー、社会福祉士の専門三職種を必須とし、担当する地区の高齢者数2000人に対しておおむね1人とします。
また、介護予防事業については、担当する地区の要支援認定者数100人に対しておおむね1人の人員を配置します。これらの基準により、各地区とも人員をおおむね倍増する予定です。
このように福祉施策を進めるに当たっては、要支援や要介護高齢者の状況や高齢化率などの情報を十分に活用して、適切に取り組んでまいります。
都市計画部長(高橋信行) 次に、都営住宅を多世代が集う団地にするよう東京都に検討を要請してはどうかとのお尋ねです。
都は、少子高齢時代にふさわしい新たな「すまい」実現PTの報告書の中で、多世代が集い、交わるコミュニティの形成に資する「多世代共生のすまい」の実現も重要な視点であるとしています。区も同様に、都営住宅などの高齢化が進行している団地においては、子育て世帯の居住を促進し、地域活力の向上を図ることが大切であると認識しています。
若松町アパートの建てかえ計画が策定された際に、「1棟の住宅に単身者も高齢者ばかりが住むといった偏った住まい方ではなく、地域コミュニティや防災上の視点を重視し、さまざまな世帯構成や年齢構成の人々がともに暮らせる居住携帯に配慮していただきたい」と、都へ要請してきたところです。
今後も引き続き都営住宅への子育て世帯の入居機会の拡大と多世代のコミュニティの活性化を図るように、都に要請していきます。
区長室長(寺田好孝) 次に、11月10日に区内三消防署と締結した「災害時の救助活動に必要な情報の提供に関する協定」に基づく情報を、区の災害対策にも活用できないかとのお尋ねでございます。
この協定は、主に火災時における高齢者等の要援護者に対する迅速な救助活動に資することを目的として、75歳以上の高齢者世帯、単身の要介護者、肢体の不自由な方など約2万3000人の方の住所氏名、性別、生年月日の四情報を年2回、対象者の住所地を所轄する消防署に提供していくものでございます。
一方、こうした情報は災害時の要援護者対策としても基礎的な情報となることから、情報公開、個人情報保護審議会の意見を聞いた上で、災害時の地域本部となる各特別出張所へ備えてまいります。
加えて、本人申請に基づく災害時要援護者名簿への登録勧奨についても、広報活動等の充実による制度の普及に努めるなど、引き続き積極的に取り組んでまいります。
以上で答弁を終わります。
野もとあきとし 大変御丁寧な御答弁ありがとうございました。
だれもが安心して生活し、笑顔があふれるような福祉のまちづくりの促進をお願いいたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
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平成21年 11月 定例会(第4回)-11月27日

