若者が夢と希望を持てる社会の構築について (平成22年第1回定例会の一般質問)
若者が夢と希望を持てる社会の構築について、新宿区議会第1回定例会で一般質問しました。
公明党の野もとあきとしです。
「若者が夢と希望を持てる社会の構築」について一般質問いたします。
最初に、薬物乱用防止対策についてお伺いします。
最近、芸能人や教育、警察関係者まで広がる薬物乱用事件が世間を騒がせていますが,区内で若年者の薬物乱用防止に献身的な取り組みをなされているある婦人団体の会長に、区内の状況と薬物乱用防止への課題などを伺いました。私は大変感動いたしました。
会長は、かつてヘレンケラー女史に二度お会いしたときに、聴力と視力を失ったヘレンケラー女史の生き方に感銘を受け、私も人のためにお役に立ちたいとの志を持ち、今日まで活動してこられたそうであります。
この婦人団体の薬物乱用防止活動については、毎年行われる世界麻薬乱用防止デーに伴う活動や、薬物乱用防止キャンペーンへの協力、区内地域センター祭りでの広報、中学校への出前講座の開催など、薬剤師、保護司会、警察少年係、民生児童委員、町会などの協力関係団体とともに取り組みをされているということであります。
薬物乱用は、現代社会の価値観が多様化する中、言葉巧みに安価で簡単に購入できるということもあって、我々の日常生活に忍び寄ってきています。こんなところにまでと耳目を疑うような大きな広がりを持ち、特に乱用が低年齢化しているのが極めて深刻であると会長は指摘されていました。
東京都では、平成20年度から24年度までの5年間の計画として、東京都薬物乱用対策推進計画を策定しました。その3つの柱として、啓発活動の拡大と充実、指導、取り締まりの強化、薬物問題を抱える人への支援があり、新たな新規事業も含めた取り組みを示しています。
このことを踏まえて、4点にわたり伺います。
1点目は、まず、これに対し、新宿区はどのような方針のもとに薬物乱用防止に向けて取り組んでいるのか、今年度と来年度の具体的な取り組みとこれまでの成果を御報告ください。
2点目は、学校教育による薬物乱用防止対策についてです。
先ほどの会長の話によると、個人団体の取り組みである中学校への出前講座については、子どもたちに薬物は怖いものということを伝えるのが大変重要であると話しておりました。その取り組みの成果としても、区内の若年者の覚せい剤取り締まり件数は減少しているとのことです。
薬物乱用は身体だけでなく、人生をもむしばむものであり、最重要課題として取り組むべきであります。特に薬物乱用が低年齢化している現状から見て、小・中学校でこの問題をどう理解させ、乱用防止につなげるかが重要であると考えます。教育委員会として、現状をどのように認識され、今後どのように薬物乱用防止に向けて教育指導していくか、お考えを伺います。
3点目は、啓発活動の拠点づくりについてです。
同会長の取材の中で、特に歌舞伎町の対策が本当に大変であり、対策強化を急がなければならないと強調されていました。徘徊している未成年の少女に対し、我が子のように心配して手を差し伸べたり、相談相手になるなどの活動を通して、大変な危機感を持っておられました。
未成年の少女がどうして歌舞伎町に訪れるのか。それは、何不自由ない経済的に恵まれた家庭に育っても、家庭や学校等で存在感を実感できない喪失感にさいなまれることが大きな原因であると指摘していました。
歌舞伎町では、自分を相手にしてくれる優しい人がいるといった、誤った先入観を持って訪れる少女が多くいて、そのいい人、親切な人から「やせるのにいい薬」などと言って、薬物を勧められるケースが多いということです。さらに進んで、国際的にも問題になっている人身売買まで発展しかねない現状もあるとの話でした。このような歌舞伎町が抱える若者の実態を区長は御存じだと思います。
都の薬物乱用対策推進計画においては、学校現場の教育だけではなく、学校に通っていない有職少年・無職少年への啓発を推進しており、計画の5年間で都内に100カ所の拠点を設け、啓発を行う目標としています。
新宿区には、青少年が集う場所が多く存在します。そこで、区としても積極的に啓発のための拠点づくりをするべきと考えます。カラオケ店やインターネットカフェ、ゲームセンターやスポーツセンター等に協力を求め、啓発の拠点としていくことは大変重要であると思いますが、いかがお考えでしょうか。
4点目は、相談業務に携わる人材の育成についてです。
都の推進計画では、精神保健センターにおいて、医師、保健師、福祉及び心理の専門職員等、相談に応じる職員に対し、薬物問題研修を実施し、都保健所においても都民及び精神保健福祉にかかわる関係機関の職員を対象に講演会等を計画しています。
区長は、ことしの新年のあいさつの中で、「現場現実を最も把握し、総合的に解決できる基礎自治体こそが地域のことを責任を持って決定できる主体であるべきと考えています。今、地方自治制度も大きな転換期にあります」と述べております。
基礎自治体である新宿区が先頭に立って、薬物によるさまざまな問題の研修や講演会等を実施して、区民及び職員の人材育成に努めるべきであると考えます。この点については、どのようなお考えでおられるか、お聞かせください。
次に、若者の就労と自立支援について伺います。
新宿区では、平成20年3月に「新宿区若年者就業状況調査」をまとめられました。この調査は20~30歳の若年層の就業状況や意向、親の意見などを調査することで、若年者の就労における実情や支援施策への要望を明らかにすることを目的として実施したものと承知しています。
区は、その施策の方向性として、多様で変化が大きい若年者、就労経験がない者への支援、職期間の長さに対応した支援、仕事に不安のある層への支援、就業していない若年者の親への支援の5つの視点を見出しています。
公明党は、昨年12月に党青年局を中心に、若者の雇用緊急一斉総合点検を行いました。その結果、2015年までに若年失業率の半減、新たな就労活動支援体制の構築、ニートや引きこもりなどへのきめ細かな支援メニューを提供という3つの柱を掲げ、具体的にはジョブカフェと大学との連携を強化し、ジョブカフェ大学出張所の設置促進や、合宿を通してニート支援を行う若者自律塾の発展的な事業継続と利用者の費用負担の軽減など、9項目の施策の実現を目指しています。
これらのことを踏まえ、2点にわたりお伺いします。
1点目は、夢と希望が持てる勤労観と職業観の確立についてです。
これは教育現場で、キャリア教育として行われています。新宿区では具体的にどのような取り組みをしているのか。キャリア教育をどのようにお考えか伺います。
2点目は、就職活動の支援策についてです。
先日、ある本で紹介されていましたが、大学を卒業したKさんは、一昨年の春に大学を卒業して就職をしたものの、希望と違う配属先にされてしまったのを理由に1週間でやめてしまったそうです。Kさんは、父親からしかられ、現実の厳しさから逃げていたことを痛感し、再度就職活動を開始します。片っ端から企業に履歴書を送り、ほとんどは書類審査で落ち、面接を受けても不採用の通知が続きました。それでもあきらめず就活を続け、7カ月後、53社目にデザイン会社に就職が決まったそうです。
厳しい経済状況、雇用環境の中で若者は夢に向かってネバーギブアップの精神を大いに発揮し頑張っているんだなと、この本を読んで胸に刺さる感動を覚えました。
このように、若者が就労し自立するためには、何といっても就職活動を成功させなければなりません。その際、交通費や履歴書作成などの費用は、時に大きな負担になると言います。公明党青年局の総点検の際にも多く寄せられた要望です。
夢多き若者の就職活動ができるように新宿区において、若者の就職活動に対して何らかの経済的な負担軽減策を、区独自で創設すべきと考えますが、御所見を伺います。
以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
健康部長(八十恒人) 野もと議員の御質問にお答えします。
薬物乱用防止対策についてのお尋ねです。
平成20年の薬物乱用状況を見ますと、前年より若干減っておりますが、都内では2,867人、全国では1万4,720人が検挙されています。このため、厚生労働省及び東京都の麻薬取締部局が行っている違法薬物取り締まりなどに際し、新宿区保健所薬事監視員も薬事法に基づく調査への協力、そして連携を行っております。
さらに、区では、東京都薬物乱用防止新宿地区協議会の事務局として、薬剤師会、保護司会、青少年育成会などと連携して、薬物乱用防止の普及啓発活動を行っています。
今年度の普及啓発キャンペーン事業としては、昨年6月に東京都の共催で、「国際麻薬乱用撲滅デー都民の集い」を新宿駅西口広場において実施し、薬物乱用防止の講演、展示のほか、リーフレットの配布を行いました。
また、昨年11月には、東京都薬物乱用防止新宿地区協議会と協働で、新宿駅東口広場において街頭キャンペーンを開催し、約1,500人の方に薬物乱用防止の意識啓発パンフレットを配布しました。
来年度についても、東京都薬物乱用防止新宿区地区協議会に加盟している各団体と協働で薬物乱用防止活動を積極的に展開してまいります。
次に、啓発活動の拠点づくりについてのお尋ねです。
東京都薬物乱用対策推進計画にもあるように、学校教育での啓発と並んで、青少年の集う場所を拠点とした啓発が必要であると考えております。
歌舞伎町などの繁華街を抱える新宿区といたしましては、今後、東京都や警察ととも連携し、カラオケ店、ネットカフェなどの若者が集まる施設に対して、ポスターへの掲示やパンフレットの配布など協力を求めてまいり、薬物乱用防止意識の一層の普及啓発を図ってまいります。
次に、相談業務に携わる人材の育成についてのお尋ねです。
東京都中部総合精神保健福祉センターでは、保健福祉関係職員向けに「薬物依存の理解と対応方法について」の研修を実施しましたが、区としても職員に研修受講を促してまいりました。
また、区では、ことしの1月に、薬物依存を中心とした「やめたくてもやめられない!依存症」というテーマで、区民や支援者等を対象に精神保健福祉講演会を実施しました。特に相談業務に携わる区の職員及び区内関係施設従事者に参加を呼びかけ、区民や相談機関の職員が受講しました。
今後も、職員に研修を積極的に受講させるとともに、区として講演会等を実施し、人材育成に努めてまいります。
教育委員会事務局次長(小柳俊彦) 教育委員会への御質問にお答えします。
学校教育における薬物乱用防止対策についてのお尋ねです。
薬物乱用が低年齢化している現状を踏まえると、小・中学校で薬物に関する正しい知識や、乱用による健康や社会への影響等について指導することは極めて重要であると考えます。
学校では、小学校6年生と中学校3年生の保健の授業において、ビデオソフト等の資料やロールプレイングの手法を活用しながら、薬物を乱用することの危険性などについて指導しています。
また、外部人材を招いて児童・生徒を対象とする薬物乱用防止教室を開催するとともに、保護者や地域の方々にも参加を求め、薬物乱用防止の意義と必要性を積極的に啓発している学校もあります。
教育委員会では、来年度、すべての学校で警察職員や薬剤師等の専門家を招いた薬物乱用防止教室を実施することとし、学校が家庭・地域と連携し、教育活動全体を通して、児童・生徒の薬物乱用防止に関する意識や実践力を一層高められるよう働きかけてまいります。
次に、勤労観、職業観の確立のための教育現場におけるキャリア教育に関するお尋ねです。
新宿区教育ビジョンの中では、キャリア教育を「社会の一員であることを認識し、自己の個性を理解し、最も合った進路を主体的に選択できるよう」にするものとしています。
義務教育段階において働くことのとうとさや創造する喜びを体得することは、望ましい勤労観・職業観をはぐくむ上で重要なことであり、すべての小・中学校において自己の役割と責任を果たすことの大切さを学ぶ等、発達段階に応じた内容を行っています。
小学校の具体的な取り組みの例としては、児童が地元の商店街の協力を得て、「弟子入り体験」と称して職場体験をしたり、働く人へのインタビューなどを行っています。中学校では、進路指導を生徒の生き方の指導であるととらえ、1年生で職場訪問、2年生で職場体験、3年生でみずからの将来を念頭に置いた上級学校訪問や卒業生の話を聞く会などを体系的に行っています。中には、「校内ハローワーク」と称して、さまざまな職種の方々を学校に招き、その仕事の内容ややりがい、苦労などのお話を直接聞く機会を設けている学校もあります。
教育委員会としましては、今後の各学校が充実したキャリア教育を進められるよう支援してまいります




