平成27年 11月 定例会(第4回)-11月27日-15号
◆10番(野もとあきとし) 公明党の野もとあきとしです。私は、東京五輪に向けた多文化共生の推進について質問いたします。
東京都は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、外国人と日本人がともに活躍する新しい社会を描き、そのビジョンとなる(仮称)多文化共生推進指針を策定するために、多文化共生推進検討委員会を開催しています。年内には最終報告の検討が行われると聞き及んでいます。同指針の策定後は、東京都との一体的な取り組みをさらに前進するチャンスでもあると思いますが、区の現状認識を伺います。
次に、第三国定住支援についてです。
国は、平成26年1月に第三国定住に関する有識者の報告書を公表しました。同報告書によれば、「この事業は、地域レベルで国際的な人道政策に貢献することができるという意義を有している」との記述や、「受け入れにより発生したさまざまな問題を解決することを通じ、国、地方自治体、NGO、地域社会等のさまざまな経験が蓄積・共有され、多文化共生社会の構築に向けたモデルとなり得る」など、事業の必要性について報告されています。
区は、これまでの第三国定住事業の支援について、総括的にどのように認識されているのか伺います。
次に、多文化共生と観光施策の推進について伺います。
近年、インドネシアやマレーシアなど東南アジアからの訪日旅行者が増加し、また、東南アジアにはムスリムが多いことから、観光庁では「ムスリムおもてなしガイドブック」、東京都では「ムスリム旅行者おもてなしハンドブック」を作成しています。今後、ムスリム旅行者への相互理解を促進するために、新宿区はどのようにお考えか伺います。
また、例えば、しんじゅく多文化共生プラザなどで観光庁や東京都が発行している関係パンフレットを置くなど、工夫をしてみてはいかがでしょうか。
最後に、ハラールの情報提供と認証取得支援について伺います。
ハラールとは、イスラム法において「合法」、「許可された」という意味であり、生活全般にかかわる言葉です。食においては、イスラムの教義にのっとって食べることが許可されたものをいいます。区内においても、JR新大久保駅周辺にパキスタン、バングラデシュ、インド、ミャンマーなどの外国人経営者によるハラール食品店、レストランがあり、ムスリム観光客も日常的に訪れています。今後増加が予想されるムスリム観光客の受け入れ環境を整備するために、区も商店等の御意見を伺いながら対応を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、現在、徳島県や熊本県などではハラール対応の牛肉を輸出し、イスラムの食市場に進出するための取り組みが行われていますが、国内のムスリム観光客などの需要もあることから、新宿区内のハラール食品店やレストランなどと情報共有ができれば、新たな地方創生の流れが見込まれます。区の御所見を伺います。答弁願います。
◎地域文化部長(加賀美秋彦) 野もと議員の御質問にお答えいたします。
東京五輪に向けた多文化共生の推進についてのお尋ねです。
初めに、多文化共生に関する区の現状認識についてです。
東京都は、本年度中に多文化共生社会推進のために必要となる基本的な考え方や施策の方向性を示した(仮称)多文化共生推進指針を策定する予定です。このために設けられた委員会には、区の多文化共生推進課長も副会長として出席し、区の現状も挙げながら検討を重ねているところです。
今年度、区では、地域の実情や区民ニーズを的確に把握するために多文化共生実態調査を実施しています。今後、その結果を踏まえながら、東京都が策定する指針に基づく多文化共生施策と連携し、多文化共生のまちの実現に取り組んでまいります。
次に、第三国定住事業支援についてのお尋ねです。
本事業は、現在、外務省の委託を受けた公益財団法人アジア福祉教育財団難民事業本部RHQ支援センターが定住プログラムを西早稲田で行っています。新宿区では、この事業に協力し、地域の町会行事への参加や区立幼稚園、小学校への体験入学を通じて、日本の生活になれていただくよう支援しています。区が協力している事業については、難民の方にも大変喜ばれており、地域の方々にも地道な国際支援を経験する大切な機会とされています。
日常生活習慣や語学の習得等を内容とする定住プログラムの半年間が過ぎると、難民の方々はプログラムに従い地方都市に引っ越しされます。今後も、区に在住している間は、少しでも日本になれていただくために区としても可能な範囲での支援を継続していきたいと思っております。
次に、ムスリム旅行者への相互理解を促進することについてのお尋ねです。
訪日ビザの緩和や格安航空会社の就航、経済発展などを背景に、ASEAN各国からの訪日客は急増しています。また、和食が世界遺産に認定され、日本の食を旅行の楽しみの一つとして新宿にも多くのムスリム観光客が訪れています。
新宿を訪れたムスリム観光客に旅行を楽しんでいただくためには、ムスリムについて多くの方々に理解をしていただくことが必要です。そのためには、御指摘のように、多文化共生プラザなどの窓口でおもてなしガイドブックなどを配布してまいります。また、ムスリム観光客へは、区内でハラール認証を取得している飲食店等の情報を新宿観光振興協会と連携し、観光案内所等で御案内するなど、滞在期間中、快適に過ごしていただけるよう努めてまいります。
最後に、ムスリム観光客の受け入れ環境整備についてです。
ムスリム観光客を受け入れるため認証取得などを考えている商店等へも、新宿区商店街連合会などの御協力をいただき、ガイドブックの配布や、認証取得を支援している機関の情報提供を行い、商店街の活性化に寄与するとともににぎわいの創出につなげてまいります。
以上で答弁を終わります。
◆10番(野もとあきとし) 丁寧な御答弁をいただきありがとうございました。
東京都の多文化共生推進指針でございますが、さらに前進するチャンスと申し上げましたのは、東京都もこれまで多文化共生に熱心に取り組んでおりますが、さらに進んでいくのではないか。具体的には安全・安心のため、警察との連携がさらにできる。また、防災対策、生命を守る対策、外国語対応も含めて消防との連携もさらに進めることができる。また、教育でいいますと、小学校、中学校、さらには高校との連携ができる。こういったこともございますので、新宿区の多文化共生をさらに前進させていただきたいと思います。
以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)