住宅施策の支援充実について (令和4年 第1回定例会 一般質問)
2022年3月1日(火)
新宿区議会第1回定例会 一般質問
野もとあきとし
◆21番(野もとあきとし) 新宿区議会公明党の野もとあきとしです。
私は、住宅施策の支援充実について質問いたします。
最初に、新宿区の住宅相談について質問いたします。
先日、80歳代の御夫婦よりお話を伺いました。御夫婦は区内の引っ越しを希望されており、新宿区の住宅相談を利用されたそうです。御夫婦は御高齢のため、御家族の方が窓口で相談をされました。希望する住宅の場所や間取り、家賃、御高齢のため階段の昇り降りが難しいことなどを相談し、物件を当たりましたが、1時間の相談時間では足りなかったそうです。このため相談員の方より「住み替え促進協力店一覧」を御案内され、お住まいの近くの不動産店を訪問されたそうです。その不動産店でも丁寧に物件の紹介をしていただき、希望される物件への引っ越しが無事に決まったそうです。御家族の方からは「高齢なので部屋を借りることが難しいと思いましたが、区の住宅相談に行ってよかった」との声を伺いました。
そこで、3点伺います。
1点目は、住み替え促進協力店のネットワークの強化についてです。
令和3年11月26日現在、不動産店の登録が144となっています。不動産店とはどのような協力をされているのでしょうか。また、御高齢の方などの住宅支援については、不動産店だけではなく高齢者総合相談センターや障害者福祉課などとの連携がとれれば、より必要なニーズを把握して住宅を御案内できるのではないでしょうか。住み替え促進協力店のネットワークをこれまで以上に強化していくことが求められます。区のお考えを伺います。
2点目は、大家さんへの高齢者等入居の理解促進と連携強化についてです。
現在、区では、入居者死亡時の残存家財整理費用等の保険料助成や家賃等債務保証料助成などの制度活用により、高齢者等の入居を促進されています。このような制度の周知を積極的に行っていただいていますが、今後の高齢者等の住宅ニーズを考えると、これまで以上に賃貸住宅の情報を提供していく必要があります。大家さんへの働きかけについて、さらに協力を依頼する必要があるかと考えますが、課題をどのように認識され、支援につながるよう取り組まれるのか伺います。
3点目は、高齢者等の入居の促進についてです。
区内の民間賃貸住宅については、高齢者向けの物件であっても、家賃が高いため入居が難しい場合が多数あると聞いています。我が会派は、これまでも高齢者等の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進を繰り返し訴えてきました。高齢者等が住み慣れた地域で生活していただけるように引き続き居住支援協議会での協議を継続するとともに、高齢者等の入居を促進する施策をさらに進めるべきであります。区の御所見を伺います。
次に、区立住宅について伺います。
1点目は、緊急時の連絡先等の情報提供についてです。
区役所が業務を行っていない夜間や土日などに、区立住宅で水道管の漏水などの設備のトラブルや入居者の安否確認が必要になった場合に、東京都のJKK東京に連絡をすることになっています。この緊急連絡先の周知については、掲示板などでお知らせしている住宅もありますが、緊急時に必要な情報です。これまで以上に周知していくことが必要と考えますが、今後の区の取組について伺います。
2点目は、区立住宅の募集サイト立ち上げの検討についてです。
デジタル庁が発足し、多くの業務がデジタル化に向けて準備されています。令和3年3月の予算特別委員会で同僚議員より質問いたしましたが、改めて、デジタル化に伴う区立住宅の募集サイトの立ち上げについての検討を求めます。
区営住宅においては1回約1,000名の方が申し込まれており、そのうち7割の方が60歳以上であります。名前や住所などを毎回記入することは負担となりますので、都営住宅が今年2月から運用開始する募集サイトのように、お名前と生年月日などを一度入力すると、申込みの都度入力する必要がなくなるような仕組みを検討できないでしょうか。紙とデジタルの両方について利便性を踏まえた、着実なデジタル化の推進を求めます。区のお考えを伺います。
答弁願います。
【答弁】
◎都市計画部長 野もと議員の御質問にお答えします。
住宅施策の支援充実についてのお尋ねです。
初めに、住み替え促進協力店のネットワークの強化についてです。
住み替え促進協力店からは、高齢や障害を理由とした制限を受けずに民間賃貸住宅に入居できるように、物件情報の提供をはじめ、助成制度の周知や希望の家賃価格帯の物件の確保などの御協力をいただいています。
高齢者等の円滑な入居支援については、新宿区居住支援協議会において、構成団体による支援事業を一覧にした「新宿区居住支援サービスガイド」を御指摘の高齢者総合センター等に配布しております。サービスガイドに添付の質問票を住み替えを希望する方から協議会事務局である住宅課へ送っていただくことで、連携を図っていきます。
区ではこれらの情報を協力店に伝え、円滑な入居に確実につなげるとともに、定期的に行っている協力店との連絡会を通じて高齢者等の入居ニーズの情報共有を行うことで、協力店とのネットワークを引き続き強化してまいります。
次に、賃貸人への高齢者等入居の理解促進と連携強化についてのお尋ねです。
区はこれまで、高齢者等の入居を円滑に促進するため、御指摘の残存家財整理費用等の保険料助成や家賃等債務保証料助成を行ってまいりました。
一方で、賃貸人へのさらなる協力を得るためには、入居者の見守りや日々の暮らしへの不安をいかに解消するかが課題と認識しております。このため、区では官民の福祉団体等が既に実施している安否確認をはじめ、買物や掃除のサポート等、入居中の様々な支援について改めて賃貸人と賃借人へ周知することで、高齢者等の入居への理解の促進を図っていきたいと考えております。
次に、高齢者等の入居の促進についてのお尋ねです。
区が不動産業団体の協力を得て実施している住宅相談では、高齢者世帯を中心に例年300件以上の相談があります。相談者の約6割が希望家賃を6万円未満としており、地価の高い区内では、希望する価格帯の物件数が十分でない現状にあります。
一方、東京都では、高齢者等の住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録を行っています。登録住宅は現在区内に338戸ありますが、空き室は1割未満となっており、家賃価格も10万円前後と相談者が希望する価格帯からかけ離れています。
区では、高齢者世帯が希望する低廉な家賃の登録住宅の確保が入居促進に欠かせないと考えており、居住支援協議会において今後、協議してまいります。
高齢者等の入居支援の賃貸人への周知については、今後、様々な機会を通じて説明することで高齢者等の入居をさらに促進してまいります。
次に、区立住宅の緊急時の連絡先等の情報提供についてのお尋ねです。
夜間、休日等に住宅設備が故障した場合や安否確認等に必要な緊急連絡先の周知は、大変重要であると認識しております。
区ではこれまで、区立住宅入居時に配布する「住まいのしおり」により、全入居者へ緊急連絡先を周知しています。今後は、緊急連絡先を素早く確認できるよう、目につく場所に貼付け可能なマグネット製のステッカー等を新たに作成し、全世帯に配布したいと考えています。
次に、区立住宅の募集サイトの立ち上げについてのお尋ねです。
都営住宅では、令和4年2月の入居者募集からインターネットによる申込みが可能となりました。このため、区においても利便性の観点から、現在の紙の申込みに加え、入居者募集サイトの立ち上げについて今後、検討してまいります。
以上で答弁を終わります。
◆21番(野もとあきとし) 丁寧な御答弁をいただき、ありがとうございました。
これからも住み慣れた地域で生活していただけるように、住宅施策の支援充実に取り組んでいただくようお願いして、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
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【新宿区議会 会議録 令和4年3月1日】
野もとあきとし 一般質問 「住宅施策の支援充実について」