一般質問 「安全で安心な住宅施策の推進について」-空家・空室の適正な維持管理についてー
令和元年6月13日 新宿区議会 第2回定例会 一般質問
公明党の野もと あきとし です。私は、安全で安心な住宅施策の推進について質問いたします。
最初に空家等の適切な維持管理と情報提供について伺います。
区は平成30年1月に「新宿区空家等対策計画」を策定し、空家等の問題解決に取り組んでいます。平成28年度に調査した結果、区内の約4万9千棟に対して、空家が確認されたのが441棟で、そのうち「損傷が著しい」とされた空家は10棟、「老朽化が著しい・一部損傷あり」とされた空家は28棟ありました。
これまで区は、現地を調査し、必要に応じて警察・消防等と連携して防護措置などの緊急対応を行っています。所有者が確認できない場合は、不動産登記簿や住民基本台帳、固定資産税情報などにより把握した上で、所有者への直接面談や文書等による改善指導を行っております。このことを踏まえて2点伺います。
1点目は、これまでの改善状況をお聞かせ下さい。
2点目は、空家等対策の「見える化」の推進についてです。これまで区は、計画の下、空家等の改善に向けて取り組んで頂いておりますが、空家の周辺住民から、「改善が見られない」との声を頂いております。一向に変化しない空家を前に、不安を抱えていらっしゃる住民に対し、個人情報に配慮しながら、空家等の対策について、改善実績や取り組み状況等を迅速かつ適切に、情報提供して頂きたいのですが、区のお考えを伺います。
次に、分譲マンションの所有者不明・不在の物件への取り組みについてです。
区民の約80パーセントがマンション等の集合住宅に居住されており、高齢者の中でも1人暮らしの方の割合の高い区の状況を考えると、今後、分譲マンションに居住されている方が亡くなった後に、所有者が不明になる場合も増えていくことが予想されます。国土交通省の「マンション再生手法及び合意形成に係る調査」によれば、マンションの築年数が経つほど、所在不明者等の発生する割合が高くなるとの調査結果もあります。現在、空家対策特別措置法において、共同住宅は全室が空室となった時に限って「空家等対策」の対象となるため、分譲マンション等にある一部の空き室は、「空家等対策」の対象とならず、法と法の谷間にある課題でもあります。このことを踏まえて、2点伺います。
1点目は、分譲マンションの所有者不明・不在について、区の現状認識を伺います。
2点目は、分譲マンションの所有者不明・不在についての今後の取り組みについてです。この問題解決のために、不在者財産管理制度の活用や相続を放棄された場合などに、相続財産管理制度などがあります。しかしながら、マンションの理事長からお話を伺うと、課題も多く、時間と費用も掛かるようです。
現在区では、マンション管理相談やマンション管理相談員派遣、分譲マンション管理セミナー、マンション問題の相談会などの施策を行っています。分譲マンションの所有者不明・不在についての取り組みも大事であります。特に、築年数が経ったマンションにおいては、居住者が高齢化している場合が多く、区政において、優先度は高いと考えます。区のご所見を伺います。
新宿区答弁:野もと議員のご質問にお答えします。
安全で安心な住宅施策の推進についてのお尋ねです。
はじめに、空家の調査結果に基づき、安全化指導の対象とした空家の改善状況についてです。
調査結果が「損傷が著しい」の空家10棟、及び「老朽化が著しい・一部損傷あり」の空家28棟については、継続して現地の状況を確認するとともに、所有者等に対して面談や文書等による安全化指導を行っています。
「損傷が著しい」の空家については、除去したものが1棟あります。これは、改善されないままに、建物の一部が崩壊するとともに台風が接近し、危険を放置できないことから、区が緊急措置として除去したものです。また、外れそうな瓦の撤去など、応急処置を行ったものが4棟あります。
「老朽化が著しい・一部損傷あり」の空家については、除去したものが10棟、改善したものが2棟あります。
応急処置のみを行ったものを含めて、改善していない「損傷が著しい」の空家9棟、及び「老朽化が著しい・一部損傷あり」の空家16棟については、今後も継続して、現地の状況を確認するとともに、安全化指導を行っていきます。
次に、空家等対策の「見える化」の推進についてです。
空家に不安を抱える住民に、空家に関する現状や取り組み状況などについて適切に情報提供することは、住民の不安を軽減するうえで重要であると考えています。
これまで、隣接する住民や不安を抱えている周辺住民などへ、個人情報に配慮しながら、現場の変化や改善状況などを情報提供してきました。
今後は、安全化指導の対象とした空家について、改善の実績や取り組み状況などを「空家等対策計画」の進捗状況として、区ホームページに掲載してまいります。
次に、分譲マンションの所有者不明・不在に対する区の現状認識についてのお尋ねです。
分譲マンションの所有者不明・不在は、管理費の滞納を引き起こし、日常の維持管理に支障を来たすとともに、管理組合の重要な意思決定を困難にするなど、管理不全につながると認識しています。
区が実施した分譲マンションの実態調査におけるアンケートは、1,564棟を対象とし、229棟の回収があり、回収率は14.6%でした。この調査結果では、「所有者等が不明で放置されていると思われる空き室」が存在するものは6棟ありました。また、管理費を6カ月以上滞納している住戸が存在するものは40棟ありました。
ご指摘のように区民の約80%がマンション等の集合住宅に居住していることを踏まえると、区内には分譲マンションの所有者不明・不在は一定量あることが想定されることから、まずは、その実態を把握する必要があると考えています。
来年4月から東京都では、条例に基づき、分譲マンションの管理状況について届出する制度が始まります。この届出制度における空き室や建築年数等に関するデータを活用し、東京都と連携を図りながら、所有者不明・不在のマンションの実態把握や、その対応について検討してまいります。
また、ご指摘のとおり、国土交通省の調査結果では、分譲マンションの建築年数が経つほど、所有者所在不明等の発生割合が高くなることから、建築年数や入居者状況等を踏まえて、所有者不明・不在の分譲マンションへの対応を検討してまいります。