小規模保育事業の整備について (平成27年9月 第3回定例会 代表質問)
平成27年 9月 定例会(第3回)-09月15日-11号
質問の第10は、子ども・子育て支援事業計画に基づく小規模保育事業の整備について伺います。
平成27年4月より子ども・子育て支援新制度が本格的にスタートしました。新宿区でも、この新制度に基づいて策定した子ども・子育て支援事業計画に基づき、待機児童解消に向けて保育園などの整備に積極的に取り組んでいるところです。
新宿区では、平成27年4月現在、残念ながら待機児童が168名と、まだまだ解消されていません。待機児童は、ゼロ、1、2歳の子どもが特に多く、地域別の格差も生じています。私は、このような状況において待機児童解消のための方策として、また、地域の子育て支援の充実という観点から、小規模保育事業も整備していく意義があると考えています。
この新制度では、これまで認可外の位置づけであった小規模保育事業や事業所内保育事業などについて設備・運営基準の規定が整備され、地域型保育事業として位置づけられました。厚生労働省によれば、平成27年4月1日現在、小規模保育事業の認可件数は1,655件に上り、開始直後から都市部を中心に広がっていることが伺えます。
我が会派では、この夏に、他の自治体で開始した小規模保育事業の保育室を2園、視察してまいりました。この2園はNPO法人が運営しており、1園はマンションの1階の一室を、もう1園は官舎の一室を保育室として活用し、各園11名のお子さんが通っています。保育士を中心として、一人ひとりに密接にかかわる保育環境の提供や、保護者に寄り添った子育て支援など、小規模な保育ならではのきめ細やかな取り組みの様子を見ることができました。
保育園では、より大きな集団生活の中で社会性を養うというよさがあり、また、定員に応じた保育士の配置により丁寧な保育が行われていますが、一方で、小規模で家庭的な環境での保育を提供することも保護者のニーズに応えるものであると私は考えます。
また、昨今の子育ての大変さは昔と大きく異なっています。中でも、子育ての孤立感や虐待など、地域の方々と力を合わせて解決に向かえる課題もあります。子どもたちが尊重され、心身ともに健やかに育つためには、養育者である保護者たちに寄り添うことが大事です。小規模な保育事業所の保育士が保護者の相談に乗ることで虐待の芽を摘むことができ、セーフティネットの役割を果たすことも期待できます。
そこで、1点目の質問は、区の小規模保育事業に対する認識についてです。
保育園にも小規模保育にも、それぞれのよさがあり、また、応える保育ニーズも異なると考えます。区は、新制度のもとで小規模保育事業をどのように捉えているのでしょうか。
2点目の質問は、今後の整備方針についてです。
区は、事業計画において量の見込みに対する確保方策の考え方として、東南地域と西北地域において地域型保育事業を増設するとしていますが、今後、どのような展開をお考えでしょうか。小規模保育事業の意義を踏まえた上で、積極的にこの事業を推進するべきではないでしょうか。
3点目の質問は、地域型保育事業の連携施設の確保についてです。
小規模保育事業を展開するに当たっては、幾つか課題があります。その一つが連携施設の確保です。視察先の保育室では園庭がないため、近隣の公園に毎日散歩に行ったり、時には地域の行事にも参加したりと、地域とのつながりも大事にしています。また、近隣の私立幼稚園と連携して園庭を借りたり、季節行事に一緒に参加するなど、幼稚園児との交流も定期的に行っています。さらに、地域型保育事業は対象が2歳までの子どもであるため、地域型保育を終えた子どもが引き続き保育を受けられるためには、その受け皿が必要となります。
このように、小規模保育事業を整備していくに当たっては連携施設の確保が必要ですが、一方では、連携する施設の負担にも配慮する必要があります。そこで、連携する施設に対する支援も講じていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
4点目の質問は、子育て支援員の活用についてです。
保育ニーズが高まる一方で、保育士の確保は厳しい状況にあり、地域の子育て支援の担い手となる人材がますます求められています。国では、こうした状況に対応するために子育て支援員制度を創設しました。東京都でも9月から子育て支援員研修を開始し、平成27年度は1,360名の子育て支援員を養成するとしています。子育て支援員として認定された研修修了者は、小規模保育事業のB型でも従事することが可能です。
視察先の保育室でも、子育て経験者の地元の方が採用されていることから、家庭で子育てしている感覚がより強くなり、保護者も安心して子どもを預けることができるということです。また、子育ての悩みも気軽に相談しやすく、親子に寄り添って一緒に子育てしてくれている安心感があるように思われました。
そこで、新宿区でも区民の方々に研修の受講を促すよう呼びかけていき、小規模保育事業を初めとする子育て支援の担い手をふやしていくことも必要であると考えますが、いかがでしょうか。区長のお考えをお聞かせください。
以上、御答弁願います。
◎区長(吉住健一) 小規模保育事業の整備についてのお尋ねです。
初めに、区の小規模保育事業に対する認識についてです。
小規模保育事業は、子ども・子育て支援新制度において地域型保育事業として位置づけられ、区は、認可権者として設備・運営基準を定め、質の確保も図りました。こうしたことから、ゼロ歳から2歳までで特に多い待機児童の解消を図るために有効な施策であるとともに、小規模であることにより、保護者や子どもが保育者をより身近に感じることができるよさを持った事業であると捉えています。
次に、今後の整備方針についてです。
区は、子ども・子育て支援事業計画に基づき認可保育所を中心に整備を進めていますが、必要な面積が小さく、かつ短い期間で設置できる小規模保育事業所の整備も視野に入れ、待機児童の解消と地域の子育て支援の充実を図ってまいります。
次に、地域型保育事業の連携施設の確保についてです。
地域型保育事業者には、日常の保育の支援や3歳になったときの受け皿などの役割を担う連携施設を5年間の経過措置の中で確保することが義務づけられています。しかし、地域の状況によっては確保が困難なこともあることから、区は、事業者を支援するとともに、連携する施設に対してはどのような課題があるのか聞き取りをするなど、丁寧に対応してまいります。
なお、これまで区が実施し、新制度において地域型保育事業として位置づけられた保育ルームや保育ママについては、区立保育園・子ども園が必要に応じて保育の支援を行っているほか、保育ルームでは学童クラブや小学校との交流も行われているところです。
次に、子育て支援員の活用についてです。
御指摘のとおり、地域の子育て支援の担い手がますます求められている状況を受け、子育て経験者などを対象に子育て支援員として認定する研修制度が創設されました。区でも、9月から始まった東京都の子育て支援員研修について広報しんじゅくに記事を掲載したほか、事業所等に募集案内を設置し周知を行いました。ただし、東京都の研修では、現に従事している補助者等に対する優先枠がないことから、保育ルームや地域子育て支援事業などの従事者を優先して勧奨しているところです。
また、現在、区が実施している子育て支援者養成講座などについて、子育て支援員研修として位置づけられるよう、その内容を見直し、研修を受けやすくする体制づくりも進めています。今後、この研修を修了し、子育て支援員として認定された方々が区のさまざまな子育て支援の場面で活躍されることを期待しています。