教育施策の充実について  (平成27年2月 第1回定例会 代表質問) : ブログ : 新宿区議会議員
野もとあきとし
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教育施策の充実について  (平成27年2月 第1回定例会 代表質問)

2015年2月25日

平成27年  2月 定例会(第1回)-02月25日-02号

質問の第7は、教育施策の充実についてです。

 新宿区教育ビジョンは、社会が急速な変化を遂げる中にあって、子どもたちが他者、社会、自然とのかかわりの中で、これらとともに生き、生涯を切り開いていく力を身につけるための施策や事業を体系的に策定されています。この教育ビジョンの具体的な教育施策をさらに発展させていくことが大事であります。

 このことを踏まえて、3点にわたりお伺いいたします。

 1点目は、ESD(持続発展教育)の取り組みについてです。

 ESDは、2002年の環境開発サミットで日本が提唱し、ユネスコ(国連教育科学文化機関)主導で、各国が取り組んできました。日本国内においても、環境や防災、平和などの幅広いテーマで、ユネスコの理念に沿った「ユネスコスクール」が多くの学校で行われています。これまで、新宿区内においても、ユネスコが主催し、大学との共催による国際フォーラムの開催や、NPO団体による活動などが積極的に行われています。

 2005年から2014年は、国連が定めるESDの10年でありましたが、これまでの区内のユネスコスクールの取り組みと現状をお伺いします。

 また、ESDの普及に向け、これまで以上に推進すべきと考えますが、教育委員会の御所見をお伺いします。

 2点目は、フリースクールの支援についてです。

 文部科学省は、本年1月30日に第1回の「フリースクール等に関する検討会議」を開き、その位置づけや支援策のあり方を議論しています。フリースクールとは、国によって異なりますが、我が国では、不登校の子どもたちに多様な学びの場を提供する民間の教育施設を意味します。

 現在、文部科学省では、不登校の小・中・高生がフリースクールを含む学校以外の施設に通った日数を在籍校長の判断で出席日数に加えることができるようにしています。

 しかしながら、フリースクールは学校教育法上では「学校」とは認められていないため、国からの財政支援はありません。このため、我が党は、子どもの多様な学びの場を確保するため、政府に公的支援を求めています。

 そこでお伺いします。

 文部科学大臣は、「フリースクールなど多様な選択の中で、不登校であった子どもたちがより教育環境に適応できるよう柔軟な検討を考えていきたい」と述べていますが、こうした政府の方針について、区の教育委員会ではどのように受けとめられておられるのでしょうか。

 また、新宿区でのこれまでの不登校対策の取り組みを総括していただいた上で、今後の不登校対策を含めた教育施策のさらなる充実に向けてのお考えをお聞かせください。

 3点目は、幼児教育の支援充実についてです。

 これまで我が会派は幼児教育の無償化を推進し、区は、平成21年度から保育園等に通っている第3子に無償化を実現しました。平成26年度からは、幼児園や子ども園に対象を拡大し、第2子は半額、第3子は無償化となりました。中でも、私立幼稚園の保護者負担の軽減については、入園料や保育料の補助額は都内でもトップクラスであります。今後も幼児教育の段階的な無償化の実施に向け、全力で取り組む決意であります。

 さて、今後の幼児教育支援についてですが、次世代育成支援計画及び子ども・子育て支援事業計画(素案)には、保育・教育サービスの「量の見込みと確保方策」の数値が示され、幼稚園について見ると、本来の幼稚園希望者である「1号認定」の需要数のみならず、本来であれば、保育園等を利用するような「2号認定」、つまり就労家庭からの幼稚園希望者数が一定以上あることが示されました。

 そうした幼稚園需要が明確になった中で、3歳児の受け皿としては、現状の幼稚園枠では、先ほどの「2号認定」での幼稚園希望者数に相当する数が受け皿として不足することが明らかとなっています。3歳児についての不足数は、今回の次世代育成支援計画の中でも、大きな課題となる部分であると思います。

 そこで伺います。

 現在検討されている区立幼稚園のあり方見直し方針の中で、3歳児のニーズ対応をどのように考えているのでしょうか。また、子ども・子育て支援事業計画では、「幼稚園における在園児を対象とした一時預かり事業」のニーズ量としては、現在の利用実績を大幅に上回る数字が示されています。家庭で子育てをされている世帯への支援としても、これらが必要不可欠な事業であると思います。

 これまでは、一時預かり事業を実施していない区立幼稚園においても、地域の子育て支援事業の一環として事業実施が求められているのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 先ほど述べたように、子ども・子育て支援事業計画の中で明らかになった幼稚園での課題や最近の区立幼稚園の希望者の増加は、「区立幼稚園のあり方見直し方針」(案)が出された2年前とは大きく異なる変化と言えるのではないでしょうか。幼児教育のさらなる充実が社会的要請となっている今、過去の経緯にとらわれない、柔軟かつ一歩を踏み込んだ英断を求めます。

 以上、御答弁願います。

 

◎教育長(酒井敏男) 教育施策の充実についてのお尋ねです。

 まず、区内のユネスコスクールの取り組みと現状についてです。

 区内では、西戸山小学校が1967年にユネスコ協同学校として指定を受けています。西戸山小学校では、毎年、ユネスコ週間を設定し、国際社会の状況や日本の伝統・文化、人権・福祉などについて調べたことを発表したり、募金活動を行ったりする機会を設けています。

 特に、学習発表について学年ごとに行うほか、5、6年生の児童で構成されている校内のユネスコ委員会も発表を行っています。

 次に、ESD、いわゆる「持続可能な開発のための教育」の普及に向けた教育委員会としての見解ですが、ESDの基本的な考え方を全区立学校に浸透させるとともに、幼児・児童・生徒が現代社会の課題をみずからの問題として捉え、身近なところから取り組む姿勢を育むことが重要であると考えています。

 今後は、校内におけるESDに関連する人権教育、国際理解教育、環境教育などの活動を幅広く充実させるとともに,幼児・児童・生徒が持続可能な発展のための知識、価値観、行動を身につけられるよう、取り組みの充実を図ってまいります。

 次に、フリースクールに関する政府の方針を教育委員会でどのように受けとめているかについてのお尋ねです。

 区内では、区施設を使いながらNPO法人の東京シューレが若松町にフリースクールを開設しているほか、北新宿では大智学園が不登校だった生徒も受け入れています。このような子どもの状況に応じた多様な教育活動の場は、とても意義のあるものと認識しています。

 こうした不登校の状況を憂慮すべき事態との認識に立つ文部科学省では、フリースクールに関する省内検討チームを10月に立ち上げ、検討を始めたところです。

 有識者からなる検討会議では、フリースクールなどで学ぶ子どもたちの現状を踏まえ、学校外での学習の制度上の位置づけ、子どもたちへの支援のあり方、経済的支援のあり方などについて検討を進めている段階であります。

 今後の動向に注視しながら、フリースクールとの連携のあり方を含めて、研究してまいります。

 次に、教育委員会のこれまでの不登校対策の取り組みの総括と今後の教育施策の充実についてです。

 教育委員会では、つくし教室での指導を中心に、不登校の児童・生徒の学校復帰に向けた取り組みを推進しています。引きこもりがちの児童・生徒に対しては、「メンタルフレンド」が家庭を訪問して、相談・支援を行っています。

 つくし教室においては、柔軟な活動時間で取り組むことのできる「じっくりコース」と学校とほぼ同じ時間割で生活リズムの確立を目指す「はばたきコース」の2つのコースで指導するなど、個々の状況に応じた指導体制を整えています。

 こうした取り組みの結果、毎年度、つくし教室から学校復帰の事例を積み重ねており、区全体の不登校の改善に資するものとなっています。

 今後も、今年度新たに設置した学校問題支援室が中心となって、一人ひとりの思いや悩みに寄り添い、多様な児童・生徒の状況に応じたきめ細かな対応に努めてまいります。

 最後に、3歳児保育、一時預かり事業のニーズ対応と区立幼稚園に関する状況変化についてです。

 区の子ども・子育て支援事業計画(案)では、幼稚園などの利用について、平成27年度の3歳児確保数が758人であるのに対し、量の見込みは814人となっています。この数値は、人口増により年度ごとに増加し、平成31年度には936人に達することが想定されています。

 また、幼稚園における在園児を対象とした一時預かり事業についても、平成27年度の確保数が延べ4万人、量の見込みは延べ7万8,651人となっており、この数値も人口増により年度ごとに増加し、平成31年度には延べ8万8,616人に達することが想定されています。

 また、園児の動向についても、現行の「区立幼稚園のあり方の見直し方針」(案)を取りまとめた平成24年度における区立幼稚園の4、5歳児学級の定員充足率が58%であったのに対し、今年度は70%へと大幅に向上しています。

 今回明らかになった幼稚園需要や園児数の動向は、平成24年度当時と比べると、大きな状況の変化であると捉えています。こうした状況の変化に対して、公立・私立を含めた幼稚園機能を持つ全ての施設が緊密な連携のもとに対応していく必要があると認識しています。

 このため、現在、3歳児保育と一時預かり事業についてどのような方策が可能か、私立幼稚園連合会と協議の上、検討を進めています。

 検討結果については、「区立幼稚園のあり方の見直し方針」(素案)として、来月中に取りまとめ公表する予定です。この素案については、4月から地域説明会等の中で丁寧に説明し、平成27年度の方針決定に向け、保護者や地域の皆様との合意形成に努めてまいります。

 以上で答弁を終わります。