子育て支援について (平成27年 2月 第1回定例会 代表質問)
平成27年 2月 定例会(第1回)-02月25日-02号
質問の第5は、きめ細やかな子育て支援の推進についてです。
平成27年4月から、子ども・子育て支援新制度がスタートします。区は、昨年11月に平成27年度からの5年間を計画期間とする子ども・子育て支援事業計画素案を公表し、パブリックコメントを経て、2月17日の次世代育成協議会に案を示されました。その中の目標の一つに、きめ細やかなサービスで、全ての子育て家庭をサポートする施策を示しています。
具体的には、子育て支援サービスの総合的な展開や就学前の教育・保育環境の充実、放課後の子どもの居場所の充実などを示しています。これらを踏まえて、5点にわたりお伺いいたします。
1点目は、保育所の待機児童の解消についてです。
区は、これまで保育施設の受け入れ枠を着実に増加してきましたが、平成26年度は、4月に私立保育園4カ所と子ども園1カ所を開設し、528人の定員拡大を図ったにもかかわらず、4月1日の待機児童が152人と、前年度の176人からの微減にとどまりました。
この状況に対して、区は緊急対策として、第2回定例会において、さらに私立保育園の改修による定員拡大と2カ所新規の私立保育園施設の補正予算を組むなど、機動的に対応されました。
そのような努力も十分踏まえた上での質問ですが、平成26年度予算で措置した保育定員の拡大についての達成度はどのようになっているのでしょうか。そして、もし予定どおり進んでいない状況があるとすると、その原因や背景があるのでしょうか。
次に、新制度では、保育提供区域を3つに分け、それぞれの地域ごとにニーズ調査や保育の利用状況などを詳細に分析し、平成29年度に待機児童を解消すべく、確保方策を示しています。計画案では、直近の人口推計を反映し、素案からニーズ量が変わった地域や年齢などがあるようですが、平成27年4月の入園の申し込み状況等も踏まえた待機児童の見通しをお聞かせください。
予算案に出されている賃貸物件を活用した保育園や事業所内保育だけでなく、即効性のある対策として、10月に(仮称)西富久子ども園に移転する新宿第二保育園の跡施設の活用や、平成27年度解体予定の早稲田南町第二アパートの敷地活用等、より一層柔軟に緊急対策を打っていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
2点目は、特別保育サービスの充実についてです。
同計画素案には、近年、子どもがいる夫婦の世帯で共働き世帯の割合は上昇しており、区では、特に6歳未満の子どもがいる世帯の共働きが大きく上昇していることを示しています。
区は、保護者の多様なニーズに対応できるよう、延長保育や産休明け保育、休日保育、定期利用保育、さらには病児・病後児保育の充実に取り組まれていることを評価いたします。
区は、特別保育サービスの現状と課題をどのようにお考えか、また、平成27年度の取り組みについて、さらなる拡充が必要であると考えますが、区長の御所見をお伺いいたします。
3点目は、保育従事職員資格取得支援事業についてです。
この事業は、平成26年度の新規事業であり、新宿区内の保育施設に勤務している保育資格を有していない保育従事者の資格取得を支援するものです。
現在の対象者数と支援状況をお伺いします。また、平成27年度はさらにきめ細かなPRが大事であると考えますが、この点もあわせてお伺いします。
4点目は、保育士の支援と人材の確保についてです。
保育士の確保は、資格取得支援とともに、資格を有している「潜在保育士」の確保も重要であります。この「潜在保育士」の確保については、区の積極的な対策が必要であります。
また、保育士を支援するための家賃補助など、生活に根差した方策を講じることも重要です。区長はどのようにお考えかお伺いします。
5点目は、放課後の子どもの居場所の充実についてお伺いします。
平成27年度の子ども・子育て支援新制度に伴い、学童クラブの対象が6年生まで拡大し、多様化するニーズに対して、放課後子どもひろばの機能拡充が行われます。ここでお伺いしますが、放課後の子どもの居場所をさらに充実できるように、利用料や登録料等の負担を軽減できないでしょうか。特に、低所得者対策などが重要です。新制度のスタートに伴う放課後の子どもの居場所を全体的にサポートする意味でも、見直しを図るべきと考えますが、区長の御所見をお伺いします。
以上、御答弁願います。
◎区長(吉住健一) きめ細やかな子育て支援の推進についてのお尋ねです。
初めに、保育所の待機児解消についてです。
まず、平成26年度予算で措置した保育定員拡大の達成度についてお答えします。
区は、一貫して保育所待機児童の解消に取り組み、昨年4月までの10年で1,858名の保育定員の拡大を行いました。しかしながら、就学前児童の増加や子育て世帯の共働き率の増加などにより、御指摘のとおり、緊急対策で大幅な定員拡大を行ってもなお、平成26年4月の待機児童は、前年からの微減にとどまりました。
そこで、区は平成26年度も緊急対策の補正予算を追加し、さらに568名分の定員拡大を図りましたが、賃貸物件を活用した保育所整備の工事の遅れなどにより、平成27年4月に達成できる定員増は350名となりました。
その原因としては、私立認可保育園2所の開設が平成27年7月と10月にずれ込んだことのほか、保育士の確保難により、想定よりも小規模での開設となったことなどが挙げられます。
次に、平成27年4月の入園申し込み状況を踏まえた待機児童の見通しについてです。
新規入園の申込者数は1,827名となっており、全体では昨年よりも149名の増、待機児童のほとんどを占めるゼロ歳から2歳までの申込者数では、150名の増となっています。一方、4月時点で新規に発生する定員枠は昨年を下回ることから、待機児童数の見込みについては引き続き予断を許さない状況であると考えます。
次に、即効性のある対策として、新宿第二保育園の跡施設や、早稲田南町第二アパートの敷地活用等が検討できないかとのお尋ねです。
新宿第二保育園は、本年10月に富久町市街地再開発事業、「富久クロス」内に開設する(仮称)西富久子ども園に移行する予定ですが、4月入園の申込者数は、前年の1.5倍となっています。さらに、富久クロスの開発事業者が昨年度実施したアンケートでは、10月以降に転入してくる入居予定者の保育ニーズが、移転によってふえる定員枠に近い数となっています。
一方、本年解体予定の早稲田南町第二アパートの敷地は、区の子ども・子育て支援事業計画案で設定した東南・中央・西北の保育所整備区域の中で、保育所不足が最も深刻な東南地区に位置しています。新宿第二保育園の跡施設と早稲田南町第二アパートの敷地については、第二次実行計画ローリングで、区有施設全体のあり方の検討とあわせて、行政需要や地域需要に応えられる施設活用の検討を行うこととしています。
しかしながら、こうした地域の保育ニーズや保育所不足などの事情を踏まえ、4月中旬に判明する地域別の待機児童の状況や富久クロスの入居予定者の直近の状況などを分析した上で、喫緊の課題である待機児童解消に向け、これら2カ所を分園として暫定活用することについて検討していきます。
次に、特別保育の充実についてのお尋ねです。
区は、これまでも区立保育園全園での産休明け保育や延長保育、私立保育園や子ども園での専用室型一時保育、定期利用保育、そして病児・病後児保育など、多様な保育ニーズに対応するための特別保育を拡充してきました。
しかしながら、社会経済情勢の変化や保護者の就労形態の多様化により、需要と供給のミスマッチが生じている事業もあります。
本年4月にスタートする子ども・子育て支援新制度では、特別保育の各事業が地域子ども・子育て支援事業に位置づけられ、区市町村が子ども・子育て支援事業計画の中で事業量の見込みと確保方策を定めることとされています。
区は、平成25年度に実施したニーズ調査とこれまでの利用実績を詳細に分析し、子育て家庭の状況に応じた特別保育等のサービスをより的確に提供していきます。
次に、保育従事職員資格取得支援事業についてのお尋ねです。
この制度は、私立の保育園・子ども園等に勤務している保育資格を持たない保育従事者が資格取得のために養成施設に通う受講料や、資格試験の受験料及び受講中の代替保育従事者の雇用経費について、その一部を補助するものです。
現在、4名が養成施設で受講しており、そのうちの1名が代替保育従事者の雇用経費補助の対象となっているほか、保育士試験の受験料等の補助対象者は9名となっています。これまでの対象園への個別周知に加え、私立園長や事業者を対象とした説明会を開催するなど、事業をわかりやすく周知し、利用者の増に努めてまいります。
次に、保育士の支援と人材の確保についてです。
保育施設の受け入れ枠の拡大のためには、資格を有していても保育士として働いていない「潜在保育士」の確保とともに、実際に施設で働いている保育士への支援が欠かせないと認識しています。
「潜在保育士」の確保については、私立園長会やハローワーク等と連携して、就職のための説明会を開催するなどの対応を検討してまいります。
また、保育士を支援するための生活に根差した方策として、区はこのたび東京都が創設した「保育従事職員宿舎借り上げ支援事業」を活用することとし、第1回定例会に追加で補正予算案を計上しました。運営事業者に、賃貸借料を補助することで、保育士や看護師等の住まい確保による生活支援をしてまいります。
次に、放課後の居場所を充実させるための利用料や登録料等の負担軽減についてのお尋ねです。
増大し多様化するニーズに対応し、地域の全ての子どもの健やかな成長を支えるため、児童館、学童クラブ、放課後子どもひろばなど、安全・安心に過ごせる多様な放課後の居場所を整備し、それぞれの事業を充実させることが大切であると考えています。
同時に、一人ひとりの子どもの成長に即した居場所を選択できるようにするため、低所得者への配慮も重要であると認識しています。
現在も、学童クラブの利用料については、生活保護世帯への減額制度はありますが、放課後子どもひろばの登録料を含め、さらにどのようなことができるか、他区の動向も見ながら検討してまいります。