新宿区議会議員 野もとあきとし(野元明俊)

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障がい者・高齢者福祉の充実を (平成26年 新宿区議会 第3回定例会 一般質問)

一般質問 福祉健康委員会 議会質問 / 2014年9月17日

平成26年9月17日、新宿区議会第3回定例会の一般質問に立ちました。

質問内容は下記のとおりです。

 公明党の野もとあきとしです。私は、障がい者・高齢者福祉の充実について、一般質問をいたします。

 私は先月、JR大久保駅南口の近くにある手話居酒屋を経営しているマスターからお話を伺いました。マスターは、3歳の時に耳が聞こえなくなりました。どうして聴こえなくなったかは、病気が原因なのか、はっきりしないそうです。聾学校の幼稚部、小・中学部、高等部専攻科で学び、「耳が聴こえないのは一つの個性。聴者も聾者も関係ない。みんなが自然に触れ合うことができる環境を作り上げたい」との思いで頑張ったそうです。高等部の2年生の時からは、中華料理店で皿洗いのアルバイトをしながら努力を重ねてこられました。

高等部専攻科を卒業後は、自動車メーカーの塗装技術者として、聾学校出身者の道を開くとの思いで、信頼関係の構築に力を入れ23年間働きました。この時、会社は不況のため売り上げが低迷し、所属していた事業所が無くなり、会社は自主退職の希望者を募りました。マスターは東京で店を開く決意をして、会社を自主退職しました。

そして、2000年10月に、ご家族の協力も得て、大久保駅南口の近くの店舗で、串揚げ居酒屋をオープンさせました。串揚げの味やメニューを工夫し、店は聾者だけではなく、手話ができない一般の方も気軽に食事をしていただけるように、筆談やご家族が丁寧に説明するなど努力するなか、開店後1か月が経った時に、NHKからの取材依頼が入ったそうです。「耳が聴こえなくてもお店の経営が出来るという話は全国の聾者にとって励みになるから是非出演して欲しい」との出演依頼を受け、考えた結果出演を引き受けました。この反響はとても大きく、番組が放送された後には、「店主が聾者で手話を交わしながらコミュニケーションを取れる店などない」と、全国からお客さんが来店するようになったそうです。

私が店にお伺いした時には、外国人の7・8人のグループが食事をしており、外国手話を使ってコミュニケーションをしていました。マスターは日本手話だけでなく、外国手話も勉強しており、外国人のお客さんともコミュニケーションを楽しくしていました。私は、国際的な店であることに驚き、マスターが料理を作る合間を見て、積極的に話しかける姿勢に感動しました。また、マスターの話では、お店で出会って結婚されたカップルは6組いらっしゃるそうです。まさに、交流の場、出会いの場としても、多くの方が国内だけではなく、世界中から店に集います。

マスターは、聾者と聴者が隔たりなくコミュニケーションを取れる場を提供したいという思いから、2号店目の開店を目指しています。ニューヨークも候補地の一つであると話していました。

私は、マスターから障がいを個性の一つと捉え、目標に向かって挑戦することや情熱を持ち続けることの大切さを学びました。これらのことを踏まえ、3点質問いたします。

1点目は、視覚・聴覚障害者の交流支援の充実についてです。平成24年5月に高田馬場1丁目の新宿区社会福祉協議会1階に視覚・聴覚障害者交流コーナーが開設されました。このコーナーは、NPOやボランティアの方々との交流の拠点として、支援や協力の輪を広げることを目的の一つとしています。また、誰もが気軽に交流コーナーに立ち寄ることができ、障がい理解を促進することができます。

我が会派としても、交流コーナーにおける活動を高く評価しており、サークルやイベントの開催だけでなく、関係機関とも積極的に連携し、代読代筆サービスをはじめ、生活全般にわたる相談にもきめ細かな対応を行っていただいていると伺っています。また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックにむけた障がい者スポーツの推進のPRのコーナーとしても重要であると考えます。

これらのことを踏まえて、お伺いします。視覚・聴覚障害者交流コーナーが開設してから2年が経過しましたが、利用状況をご説明下さい。また、今後の取り組みについての課題や目標などがあれば併せてお伺いします。

2点目は難聴者支援についてです。

世界保健機関(WHO)の分類では、聴力レベルが26から40デシベルを軽度難聴、41から55デシベルまでは中等度難聴、56から70デシベルがやや高度難聴、71から90デシベルが高度難聴、91デシベル以上が重度難聴となります。

高齢者の加齢に伴う聴力の低下による難聴者の比率は着実に高まっており、65歳以上の4人に1人は、補聴器が必要な難聴といわれていますが、実際に補聴器をつけている人は、必要な人の半分にも満たない状況との報告もあります。難聴は周囲から「見えない」障がいであり、徐々に進行するため、本人も気付きにくく、会話が成立しないことで、抑うつ傾向が高まり、放置すると認知症の危険因子になると指摘されています。特に、障害者手帳の交付対象にならない聴力レベルの方への支援をこれまで以上に力を入れるべきであります。

区は難聴者への支援についてどのような認識を持ち施策を推進しているのか、また、今後の超高齢社会に伴う支援のあり方についてご所見をお伺いします。

3点目は、障がい者や高齢者を災害から守る施策の充実についてお伺いします。新宿区地域防災計画には、「災害時において、高齢者や障害者等の災害時要援護者が正しい情報や支援を得て適切な行動がとれるとともに避難生活等を送るためには、防災区民組織や近隣住民等による協力が必要であり、そのための救護活動等の支援体制づくりを推進する」とあります。

具体的な施策としては、災害時要援護者の事前把握や消防のふれあいネットワークづくりの推進、緊急通報システムの整備等があります。また、施策を推進するために、防災意識の普及・啓発を進め、災害時要援護者防災行動マニュアルや外国語によるパンフレットの作成、防災訓練の充実を同計画に示しています。

新宿区視覚・聴覚障害者支援コーナーには、災害時の防災行動マニュアルや視覚障がい者のためのCD版があり、啓発に力をいれています。また、聴覚障がい者のために、災害時に活用できるバンダナの紹介があり、このバンダナは、墨田区の聴覚障害者団体が作成したもので、「耳がきこえません」や「手話ができます」など、聴覚障がい者・健聴者共に使用できるデザインとなっています。支援コーナーでの防災対策の推進をさらに充実させるためにも、地域防災計画にある災害時要援護者を対象とした防災訓練の実施は大切な施策であると考えます。

毎年、9月1日の防災の日には、全国各地で地域をあげて災害に備えようと、さまざまな取り組みを行っています。なかでも最近広がっているのが「防災運動会」です。岐阜県のある地域では、2007年から障がい児・者が主体の防災運動会を行っており、健常者、障がい児・者の双方が災害時における避難や避難所などで、どんな助けを必要とするのかを理解し合います。

新宿区においても地域と連携した防災キャンプや教育委員会と社会福祉協議会等との連携による障がい理解教室の推進など、先駆的な取り組みを行っていることを評価します。 

ここでお伺いします。障がい者や高齢者を守るための、災害時要援護者を対象とした防災訓練の実施について、現在の訓練状況をご説明ください。また実施にあたり、障がい者や高齢者の声を今まで以上に防災対策に反映させる仕組みを構築することが大事であります。区のお考えをお伺いします。