新宿区議会議員 野もとあきとし(野元明俊)

区民相談第一! 一人の声に真剣!

補助犬の理解と普及啓発の促進について (平成25年第2回定例会一般質問)

一般質問 常任委員会など 福祉健康委員会 議会質問 / 2013年6月11日

 

平成25年  6月 定例会(第2回)

 公明党の野もとあきとしです。私は、補助犬の理解と普及啓発の促進について一般質問をいたします。
 平成14年5月に身体障害者補助犬法が成立して11年を迎えました。補助犬とは、視覚障がい者の歩行を助ける盲導犬、肢体不自由者を手助けする介助犬、視覚障がい者に音を伝える聴導犬の総称であります。この法律により、障がい者の自立や社会参加を促すための交通機関や飲食店などでの補助犬を受け入れること、さらに平成19年11月の法改正では、民間職場への受け入れも義務化されています。
 私は先月、聴導犬を育成するNPO団体に視察に行き、聴導犬のトレーニングや普及啓発活動について伺ってきました。この団体の代表は、23年ほど前から聴導犬の育成に取り組んでおり、活動を始めるに当たってのきっかけは、学生時代からの友人の一声があったそうです。お互いに結婚して子育てをしているときに再会、その友人から「一度でいいから子どもの声を聞きたい」との話を伺い、この一言を心に深く感じ、今日の活動の原点となっているそうです。学生時代は、その友人が聴覚障がい者であることは知っていたものの、手話を使わない口話法によるコミュニケーションをしていたこともあり、聴覚障がい者であることを余り感じなかったそうです。しかし、友人の話は、自分も子育ての経験があることから、自分の子どもの声が聞こえないということが母親にとってどれほどつらいか、また、一度でいいから聞いてみたいとの思いがどれほど切実なものであるか、自分は聴覚障がい者への理解ができていたのだろうかと痛感したそうです。
 その後、この団体の代表は、イギリスに留学している友人から、イギリスでは聴導犬の育成が確立され、社会に広く知られていることを知ります。そして、何か自分ができることはないかを考え、聴導犬の育成支援のために募金活動や手話の勉強を始めました。それから23年たち、この団体からは3頭の聴導犬の実働犬が誕生しました。
 現在、全国の聴導犬の実働数は四十数頭であり、まだまだ知らない方も多いのではないでしょうか。聴導犬の活動としては、例えば、朝起きるときに目覚まし時計の音を聞き、前足でユーザーの体をタッチしたり、小型犬であればベッドにジャンプして登り、ユーザーの体の上に乗っかって起こします。また、ファックスの音や玄関のチャイム、外出の移動中には自転車のベルや車のクラクションの音などをユーザーに伝えます。聴導犬のユーザーは、外出等の不安を軽減できるため、外出もこれまで以上に積極的に行い、地域社会とのつながりを広げ、障がい理解の輪は着実に広がっていると伺いました。
 また、先ほどの代表の活動の原点ともなった子どもの声ですが、例えば赤ちゃんが泣いて何らかの異変を伝えようとしているときに、聴導犬は声を聞いてユーザーである保護者に伝えます。聴導犬の障害者福祉における役割は、ユーザーへの生活、移動、就労支援を初め、町会、自治会の活動や障害者団体などのイベントへの参加、学校の教育現場における障害理解教室など多岐にわたります。今後の区の障害者福祉施策の中に補助犬の理解と普及啓発の促進を位置づけ、障害者福祉計画にも具体的に明記することは、事業の促進のために必要であると考えます。
 これらのことを踏まえ、最初に3点お伺いします。
 1点目は、身体障害者補助犬法について、区の認識をお伺いいたします。
 2点目は、補助犬の相談業務についてお伺いします。
 現在、区では、障害者福祉課において補助犬の給付相談業務を行っています。相談に来られた区民に具体的にどのような御案内をしているのかお伺いします。また、補助犬をパートナーとして一緒に生活するまでのプロセスを区民にわかりやすく御説明ください。
 3点目は、区民や商業施設、飲食店、事業者等に対する周知についてです。
 補助犬法が施行され11年がたちますが、いまだに一部の飲食店等での補助犬の受け入れ拒否があるそうです。区としても、補助犬の理解啓発のために機会を捉えてPRすべきと考えます。御所見を伺います。
 最後に、教育委員会にお伺いします。
 障害者福祉計画には、障害理解教育の推進として、小・中学校の総合的な学習の時間等で障害者自身や家族の協力を得て体験学習や福祉教育活動の交流、ボランティア体験を充実させ、心の触れ合いによる児童・生徒の障害理解を推進することを計画に示しています。現在、区の小・中学校においてどのような障害理解教育を行っているのか、現状と今後の取り組みについてお伺いします。
 また、補助犬法を踏まえ、教育現場においても、これまで以上に学習の場を設けることが大切であると考えますが、御所見をお伺いします。答弁願います。

福祉部長(小栁俊彦) 野もと議員の御質問にお答えいたします。
 初めに、身体障害者補助犬法に対する区の認識についてのお尋ねですが、この法律は、平成14年の施行から11年が経過しています。平成25年5月1日現在の東京都における身体障害者補助犬数は、盲導犬が101頭、介助犬が7頭、聴導犬が7頭です。新宿区では盲導犬が2頭でございます。
 補助犬に関しては、厚生労働省がホームページやパンフレットなどで周知に努めており、街でも盲導犬を見かけるようになるなど徐々に周知が進んでいると思われますが、さらに進めていく必要があると考えております。
 次に、相談に来られた区民への具体的な御案内についてのお尋ねです。
 補助犬給付事業は、東京都が所管し、区では障害者福祉課で給付相談及び申請受け付けを行います。なお、介助犬、聴導犬は、半年から1年以上の訓練期間を要するため、申請前にあらかじめ訓練事業者に御相談、お問い合わせいただくよう御案内しております。
 次に、補助犬と一緒に生活するまでのプロセスについてです。
 区及び都での申請審査の後、適性調査を行います。その後、都が委託した訓練事業所で訓練指導が行われ、訓練終了後、申請者と補助犬が一組で認定試験に合格すると補助犬が給付されます。盲導犬は4週間の宿泊訓練、介助犬は40日以上、聴導犬は10日以上の合同訓練を受けることになっております。
 次に、区民や商業施設、飲食店事業者等に対する周知についてのお尋ねです。
 御指摘のように、いまだに一部の飲食店等での補助犬の受け入れ拒否については報道されております。区では、現在、補助犬について区ホームページや障害者の手引に掲載し、窓口にパンフレットを置いて区民に周知していますが、区内の飲食店等にパンフレットを配布すするなど、より積極的な周知について検討していきたいと考えております。
教育委員会事務局次長(小池勇士) 障害理解教育の現状と今後の取り組みについてのお尋ねです。
 障害に対する差別や偏見をなくし、障害の有無にかかわらず、ともに生活できる社会を実現していくためには、障害に対する理解の促進を図ることが不可欠です。小・中学校においても、総合的な学習の時間や学校の教育活動全体を通して人権教育の視点を踏まえた体験学習や交流学習などを行い、児童・生徒の障害理解を推進しているところです。例えば、多くの学校が聴覚障害者との交流による手話の体験学習や、身の回りのバリアフリーを調べる学習、福祉施設でのボランティア体験などに取り組んでいます。
 次に、身体障害者補助犬法についてのお尋ねです。
 幾つかの学校では、視覚障害者や盲導犬との交流を通じて、身体障害者補助犬が果たす役割の重要性について学習を行っていますが、今後は、身体障害者補助犬法の趣旨を踏まえ、教育委員会としてもリーフレットの配布や関係機関との連携を進めていくなど、学校における障害理解を推進する取り組みを支援してまいります。
 以上で答弁を終わります。
◆10番(野もとあきとし) ただいまは、福祉部並びに教育委員会から丁寧な御答弁をいただき、ありがとうございます。特に教育委員会からは、未来ある新宿区の児童・生徒に人権教育ですとか、また障害理解教育ですとか、さまざまな形で行われているということを改めて確認をさせていただきました。これからもよろしくお願いいたします。
 以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。