新宿区議会議員 野もとあきとし(野元明俊)

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だれもが安心して生活できる国際都市新宿の構築について (平成23年第4回定例会の一般質問)

一般質問 総務区民委員会 議会質問 / 2011年12月1日

平成23年12月1日、新宿区議会第4回定例会の一般質問に立ちました。

テーマは、「だれもが安心して生活できる国際都市新宿の構築について」です。

質問と答弁は下記の通りです。

公明党の野もとあきとしです。
 私は、だれもが安心して生活できる国際都市新宿の構築について一般質問いたします。
 第1の質問は、国際都市新宿の多文化共生についてであります。
 新宿区では、平成23年4月に自治基本条例が施行されました。条例の前文には、「私たちは世界からこの地に集う人々とともに互いの持つ多様性を認め合う多文化共生の実現をめざす」と、多文化共生の実現について示されております。
 区長は、本年2月17日に外務省、上智大学、新宿区、国際移住機関(IOM)共催による第2回「外国人の受入れと社会統合のための国際ワークショップ」において、多文化共生について基調講演を行っています。このワークショップでは、新宿区は基礎自治体として多文化共生施策の実現に向けて可能な限りの対応を行っていることを述べています。その上で、国に対して総合的な体制整備を求めています。
 そして、総務区民委員会では、本年10月に多文化共生施策を推進している浜松市と大阪市を視察しました。浜松市は、平成2年の出入国管理及び難民認定法改正後に南米日系人を中心に急増した地域であり、大阪市は約12万人の外国人登録者のうち約7万8,000人が韓国・朝鮮籍です。それぞれの市の特徴を踏まえて多文化共生施策の推進を行っておりました。私は、視察3日目に、愛知県豊田市の保見ヶ丘にある保見団地に行きました。保見ヶ丘は、外国人比率が50%近くに達しており、特に日系ブラジル人が多く居住しています。保見団地にはポルトガル語の駐車場案内やごみ出しのルールなどの標識があり、食材店にはブラジル産の食品が豊富にあり、ポルトガル語の話し声が聞こえてきます。まるでブラジルに来ているような店の雰囲気に驚きました。
 この視察で、グローバル化の波とともに、日本全国の至るところで多文化共生施策の推進が行われていることを確認し、新宿区も人口の約11%が外国人という実態から、さらに国際都市に発展するための多文化共生施策の推進の必要性、重要性について改めて実感しました。
 そこで、まず伺いますが、区長は、国際都市新宿の多文化共生の将来ビジョンをどう描いておられるか、区民にもわかりやすく御説明ください。
 2点目は、何に重点を置いて共生施策に取り組んでこられたか。また、その成果については、どのように総括しておられるのか。
 3点目は、平成24年度では何を目標に取り組もうとされているのか、御説明ください。
 第2の質問は、多文化共生による秩序あるまちづくりについてです。
 大久保地域は連日韓流ブームに乗って全国からファンが押し寄せ、テレビや新聞などでもたびたび取り上げられ、一大観光地として紹介されております。大久保通りと職安通りに挟まれた大久保地域では、住宅街の奥まで韓国系の店舗が進出し、住宅地域としてのコミュニティを寸断しています。突如として出現した店舗がにぎわい、静ひつな居住環境が損なわれ、涙ながらに転居を余儀なくされているのが実情です。この地域のまちの様相は急テンポに変化をしています。例えば、細街路に飲食店が軒を連ねており、火災でも発生すれば類焼は免れず、最悪な場合、大火災となることが懸念されています。確かに土地の売り買いは民民の問題で区が規制できるものではないことは承知しておりますが、外国人と日本人が共生できる秩序あるまちの発展を期することはできないものでしょうか。
 連絡会をつくって日常的な課題解決に取り組むことも大事ですが、外国人との共生を目指す新宿区として、今の大久保地域をどのようなまちにしていくのかというまちづくりの将来ビジョンや指針を明確にするべきと考えます。そのための庁舎内に関係部署によるプロジェクトチームを立ち上げ、それと地域の町会、商店会などの協議を早急にスタートすべきと考えます。御所見をお聞かせください。
 2点目は、大久保地域において、新大久保駅前や大久保通りは狭隘な歩道に連日人があふれ、特に高齢者や障がい者など地元住民が安全な通行ができず、私のもとにも何とかしろ、このまま放置しておくのかといった苦情が多く寄せられています。多分、区のほうにもそういった声が寄せられていると思います。大きな事故が起きてからでは遅いわけで、何とか安全対策を考えるべきと思いますが、御検討されているのか伺います。
 3点目は、まちづくりに当たっては安全・安心のまちという視点も不可欠です。先日、大久保一丁目の老朽木造共同住宅で4名の方が亡くなるという痛ましい火災が発生いたしました。大久保地域は、細街路に多くの木造住宅が密集する地域で、震災・火災に弱い防災面で課題のあるまちと言えます。区は、この大久保地域についてどのような認識をお持ちなのか、お聞かせください。
 大久保地域が抱えている課題について取り上げましたが、いずれも先送りできない問題です。区の積極的な取り組みをお願いします。
 第3の質問は、地域社会への外国人参加の促進についてです。
 3月11日の東日本大震災では、災害時には自助・公助・共助の取り組みが重要であることを改めて確認いたしました。特に、外国人住民がまとまって住む地域においては、日本語によるコミュニケーションの課題などもあり、日ごろからの顔と顔が見える関係づくりは不可欠であります。外国人住民の町会や自治会、商店会などによる催しへの地域参加の促進について、区のお考えをお聞かせください。
 第4の質問は、外国にルーツを持つ子どもへのサポートについてです。
 区は、平成23年度に外国にルーツを持つ子どもの実態調査を行い、平成24年度に具体的な施策を検討するとしています。特に、文化の違いなどから発生する不就学や日本での生活支援が大切であります。区の取り組みは、全国のモデルケースとしても注目されているところです。平成24年度に向けた事業推進についてどのように考えておられるのか、その決意とともに事業内容を御説明ください。
 第5の質問は、第三国定住支援についてであります。
 今、第三国定住制度という新たな難民支援策により、タイの難民キャンプで暮らすミャンマー難民が来日しています。新宿区で約半年間の日本語教育、生活ガイダンス、職業紹介等の自立支援プログラムを行うものであります。
 我が党は、日本がアジア初の試みとして同制度の実施する意義は大きいと考えており、難民鎖国のイメージを払拭し、世界に冠たる人道先進国建設の一歩であると認識しております。日本は昭和56年の難民条約加盟以来、約30年をかけて受け入れてきた難民の認定数は、平成22年度までの総数で570人を数える程度であります。公明党の推進により、平成16年の出入国管理及び難民認定法が改正されましたが、毎年数千から数万人規模で受け入れている欧米諸国とは大きな開きがあります。
 現在、パイロットケースとして行われている第三国定住支援は2年目を迎えておりますが、新宿区の持つ力を十分に発揮できているのでしょうか。新宿区は、世界に冠たる国際都市であり、115カ国からの外国人住民がおり、ミャンマー国籍の方も約1,200名が居住しています。新宿区の都市の力をもっと活かすべきであると考えます。第三国定住支援が国の事業であることは承知しておりますが、新宿区として平成24年度どのような対応を考えているのか、お聞かせください。
 また、第三国定住支援の連携強化についてですが、国を挙げてのこの事業は受け入れ自治体や自立支援プログラム運営団体だけでなく、地域社会や難民を支援するNPO・NGO団体、東京都や国などとも今以上に連携を図るべきと考えますが、区の御所見をお伺いします。答弁願います。

地域文化部長事務代理(加賀美秋彦) 野もと議員の質問にお答えいたします。
 まず、国際都市新宿の多文化共生の将来ビジョンについてのお尋ねです。
 多くの外国人が住み暮らす新宿ならではの多様性を尊重しながら、日本人と外国人がお互いの文化的違いを認め合い、外国人も地域住民の一員としてルールやマナーを守りながら生活していく多文化共生のまち新宿を将来ビジョンとしてまいります。
 次に、これまでの多文化共生施策において、何に重点を置いて取り組んできたのかのお尋ねです。
 区では、平成17年9月にしんじゅく多文化共生プラザを設置し、ここを拠点とした日本語学習の支援やネットワークづくりに重点的に取り組んでまいりました。その成果として、プラザの開設からこれまで約3,000人の外国人が生活に必要な初級程度の日本語を習得したほか、新宿区多文化共生連絡会が主体となったイベントの実施や先輩外国人のアドバイスを取り入れた新宿生活スタートブックの制作を行ってまいりました。
 次に、平成24年度の取り組み目標についてのお尋ねです。
 平成24年度は、これまで以上に日本人と外国人が相互に協力し合い、課題解決に向け努力する地域づくりを目標に取り組んでまいります。そのため、日本人と外国人がともに区政の課題について話し合い、施策に反映する仕組みとして(仮称)新宿多文化共生推進会議を設置します。また、外国にルーツを持つ子どもを地域で支えサポートしていくため、今年度実施している外国にルーツを持つ子どもの実態調査の結果に基づき、具体的施策を検討してまいります。
 次に、多文化共生による秩序あるまちづくりについてのお尋ねです。
 御指摘のとおり、大久保地域は深夜の騒音やごみの不法投棄、歩道の混雑などの問題により地域住民から日々の生活への支障が指摘されています。こうした問題を解決するために、地域や警察、東京都第三建設事務所などと連携してパトロールを行い、ルールを守らない店に対して注意するなどの対策を講じてまいりました。また、新宿韓人発展委員会による定期的な清掃活動や在日韓国人連合会の地域パトロールへの参加など、地域に暮らす韓国の方も住みよいまちにするため努力をしています。
 今後も庁内の関係部署との連携を強化するとともに、地域や警察、東京都第三建設事務所などと情報を共有してまいります。また、地域と外国人のコミュニティ団体が話し合う場を設けるなどの地道な対応により、人に優しい多文化共生のまちづくりを実現してまいります。
 次に、新大久保駅前や大久保通りの歩道における歩行者の安全対策についてのお尋ねです。
 御指摘のとおり新大久保駅前や大久保通りの歩道は、通り沿いの韓国料理や韓国グッズの店を目的に訪れる観光客などにより人があふれ、通行に支障を来しております。区では、警察や東京都第三建設事務所と連携して、「車に注意して歩行してください。」「歩道では通行に支障がないよう、立ち止まるときは気をつけてください。」等の看板を複数設置し、注意喚起する対策を進めております。
 また、限られた歩道空間を確保するため、放置自転車の撤去、啓発等を行うほか、町会や警察、東京都第三建設事務所と協力して、歩道に置かれた看板、商品等の是正指導を行っています。
 今後も粘り強く指導を行い、だれもが安心して歩ける歩道空間となるよう努力してまいります。
 次に、大久保地域について防災面で区はどのような認識を持っているかとのお尋ねです。
 大久保地域は、幹線道路沿いには耐火建築物が立ち並んでいるものの、その内側は細街路が多く、木造建築物が密集し、防災面で課題のある地域と認識しております。
 11月6日の火災に対する緊急対策として、老朽木造アパートの実態を把握し、消防、警察等の関係機関と連携を図りながら、避難経路の確保などに関する啓発などを早急に行っていきます。
 あわせて区では、細街路拡幅整備事業や建築物等耐震化支援事業を進めていますが、今後も建築物の建て替え更新や耐震改修の機会をとらえ、セットバックによる道路拡幅や建築物の不燃化、耐震化を図りながら防災性の高いまちづくりに取り組んでまいります。
 次に、地域社会への外国人参加の促進についてのお尋ねです。
 御指摘のとおり、外国人が地域で日本人とともに暮らしていくためには、お互いの顔の見える関係づくりが重要です。とりわけ震災時には、日本人と外国人が協力して避難所の開設、運営に取り組む必要があります。そのためには、外国人も町会や商店会に加入して地域の行事に参加するなどの関係を日ごろからつくっておくことが必要です。
 このような認識のもと、外国人登録窓口で配布している新宿生活スタートブックや生活情報紙に、町会・自治会の紹介や加入を勧めるページを設け、外国人への周知・啓発に努めております。こうした啓発活動を今後も行いながら、互いに顔の見える関係づくりを一層進めてまいります。
 次に、外国にルーツを持つ子どもへのサポートについてのお尋ねです。
 新宿区において、外国にルーツを持つ子どもたちが日本語を十分習得できないため、学校や地域で孤立するケースがふえています。このため、今年度は小学校1年生から中学校3年生までの子どもを持つ外国籍等の家庭を対象としたアンケート調査とインタビュー調査を進めているところでございます。
 この調査の結果を的確に分析し、保護者のニーズや子どもの日本語習得状況、日常の生活状況などを把握して施策の検討に活かしてまいります。
 そして、平成24年度は子ども家庭部や教育委員会、ボランティアなどと連携し、サポート事業を検討する会議を立ち上げ、効果的でトータルなサポートに結びつくようしっかりと施策の検討を行ってまいります。
 次に、第三国定住支援についてのお尋ねです。
 昨年度から、ミャンマー難民を3年間で90人受け入れる第三国定住による難民の受け入れに関するパイロットケースが、政府の事業としてスタートいたしました。昨年度は難民の方が新宿区にある自立支援のための施設で研修を受けた後、定住先に移りました。研修期間中は新宿区内の小学校で学校生活を体験してもらうなどの支援を行ってまいりました。また、しんじゅく多文化共生プラザの見学や町会・商店会との交流を通じ、新宿の持つ力を発揮してサポートいたしました。
 平成23年度も同じ施設で研修を受けております。区としては、この制度の円滑な実施のために、ミャンマーのコミュニティやNPOなどと連携して難民の方の不安や悩みを取り除いていくことが必要と認識しており、こうした意見を政府に述べ、要望してまいりました。
 第三国定住難民の受け入れが成功するためには、地域、支援団体、自治体の連携や協力が欠かせません。研修期間中は、難民の方の状況に応じたサポートを行い、次のステップへつなげていけるよう今後も政府と協力してまいります。
 以上で答弁を終わります。
 野もとあきとし ただいまは丁寧な御答弁をいただきありがとうございました。
 今、国ではTPP協定の締結という議論が交わされています。また、東京都ではアジアヘッドクォーター特区を国に申請しており、新宿区も新宿駅周辺地域が総合特区の予定エリアとなっています。国や都による政策による規制緩和や撤廃が行われ、金や物だけではなく、人も国境を越え自由に行き来することになります。大きな時代の転換期の中で、生活者レベルの視点、特に外国人住民の生活や社会保障、子どもの教育などについてはだれが責任を持って取り組んでいくのでしょうか。この取り組みをこれまで熱心に取り組んできてくださったのが地域の住民であり、ボランティアの皆さん、そして中山区長であります。
 我が会派は、中山区長の取り組みを高く評価しております。これから10年後、20年後、どのような新宿になっていくのでしょうか。どのようにグローバル化が進んでいくのでしょうか。私は20年後、58歳です。10年後、20年後のさらなる国際都市新宿の構築を目指し、私も世界市民の一人として本日より新たな決意で働かせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。