新宿区議会議員 野もとあきとし(野元明俊)

区民相談第一! 一人の声に真剣!

平成23年9月 第3回定例会 代表質問

代表質問 議会質問 / 2011年9月15日

 平成23年9月15日、第3回定例会の代表質問に立ちました。

主な質問と答弁は下記の通りです。

災害にそなえるまちについて 

 質問 東日本大震災では、沿岸地域の津波被害のみならず、丘陵部地域でも、地滑りや宅地の土留め擁壁の崩壊、亀裂、地盤の沈下等による甚大な被害があった。①敷地の耐震化支援策の見直しや助成制度を創設すべき。②新宿区地震ハザードマップの改訂は。③盛り土の多い公園の擁壁は。

答弁 ①第2次実行計画での擁壁等の改修工事費助成制度の創設、改修工事に関して専門家の派遣制度を検討。②今回の区の調査結果と、都の「地震に関する地域危険度測定調査」、「液状化予想図」の結果を反映。③耐震性も考慮した調査を検討。

安心を守るための介護・療養施設について

質問 ①介護・療養の支援体制の整備を更に推進すべき。第二次実行計画の反映は。ア特養ホームについてイ小規模多機能居宅介護ウショートスティ。②在宅での介護、看護、医療、福祉に対する安心感が求められている。更なる充実を。ア相談窓口を一つにする等、分かりやすい工夫を。イ医師会との連携は。

答弁 ①ア入所申込者と施設を対象とした調査結果を施設の整備計画と相談体制に反映。イ旧原町福祉事務所の建替えによる整備等を計画。ウ公有地の活用による整備を進める。②ア高齢者に関する相談は、高齢者総合相談センターにご相談いただくように周知を徹底し、在宅療養相談窓口との連携も工夫。イ在宅療養を支える事業等をとおして連携を強化。

子育て施策について

 

質問 児童虐待による痛ましい事件を最小限に食い止めるには、第一報が極めて重要。早期の対応や未熟防止を図るため、子ども家庭支援センターを増設すべき。

答弁 区の南西地区への子ども家庭支援センターの設置を検討。

スポーツ振興について

 

質問 ①障がい者スポーツの推進を。②学校の部活動への支援充実を。③総合運動場の整備をすべき。

答弁 ①スポーツ推進委員や活動団体と連携し、サポート体制を整え支援を進める。②各学校間の実情に応じた合同部活動が可能になるよう支援。顧問教員の指導力向上やスクールコーディネイター、都教育庁の人材バンクの活用による外部指導員の人材を確保する。③都に対し総合運動場の整備を強く要望。早期実現に向けて働きかける。

 この他に、「平成22年度の決算と今後の財政運営」「障がい者施策」「特別支援学級の教育力向上」「学校の防災対策の向上」について質問しました。

(質疑の全体は下記の通りです)

◆10番(野もとあきとし) 平成23年第3回定例会に当たり、新宿区議会公明党を代表して、区長並びに教育委員会に質問いたします。誠意ある答弁をよろしくお願いいたします。
 3月11日に起きた東日本大震災は、早いもので発災から6カ月がたちました。被災地の様子が連日テレビ等で報道されていますが、倒壊した建物、つぶれた自動車、船舶、そして瓦れきが散乱する荒涼とした被災現場、それにまだ体育館等で不自由な避難生活を余儀なくされている被災住民。その中で明るい話題としては、被災住民がみずからの手で生活に立ち上がっている姿です。この半年間、政治は何をやってきたのか。復旧・復興が一朝一夕でなされるものではないことは十分承知しております。しかし、思いつきや場当たり的な政策に終始してきたことが復旧・復興を大幅におくらせてきたことも疑いのない事実であります。
 そのことは、各自治体の首長の切実な訴えからもうかがえます。発災時から政府の打ち出す政策が閣内不統一であったり、総理の独断による方針変更、それに不満を持つ党内から「やめろ」コールが出る始末。それに対して、総理は条件闘争で延命を図ると言った姿。リーダーシップの欠如はもとより、国民不在の姿は国内だけでなく、国外からも厳しい批判を受けていました。このたびの震災は、もとは天災であっても、被災者にとっては、人災と言えるのではないでしょうか。
 「信なくば立たず」の至言どおり、国民の側に立ち、国民が何を求めているかを的確に把握して、スピード感を持って対応し、その中で国民の信頼をかち取ることが政治の基本中の基本であると考えます。このことは当然のこととはいえ、今回の震災が大きな犠牲の中で改めて教えてくれたものと痛感しております。新しい政権も二の舞を踏まぬよう、教訓を活かして復旧・復興に取り組まれることを国民の一人として期待するものであります。
 さて、新宿に目を転じますと、区民は区政、区議会に何を望み、どう評価しているのか。例えば区議会に対しては何をしているのかわからない、無用の長物だという厳しい声もあります。
     〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕
 一議員としてこんな嘆かわしいことはありません。こういった区民の声にこたえることのできる議会でなくてはならないし、議員一人ひとりでありたいと思います。したがって、議会改革は最大の課題であり、区民に開かれた議会構築は我々に課せられた重大な責任であると考えます。私はその先頭に立って改革に取り組んでまいる決意です。私の所感、決意を申し上げ、質問に入らせていただきます。
 質問の第1は、平成22年度の決算と今後の財政運営についてであります。
 現在の国や地方を取り巻く財政状況は、極めて厳しい状況下にあります。財政悪化の背景には、長引く景気低迷による税収減と急速に進む少子高齢化に関連した社会保障支出の急増、さらにはそれらに追い打ちをかけるように起こった大震災や歴史的な円高水準が続いていることなどが指摘されています。
 新宿区の平成22年度決算を見ると、実質単年度収支が2年連続で赤字、経常収支比率は平成21年度より2ポイント高い87.8%と硬直化の傾向にあり、その一方で区債現在高は平成21年度に比べると減少していますが、財政調整基金の取り崩しは平成21年度と同様の50億円となっています。
 1点目の質問は、これらの実態を踏まえて、平成22年度決算についてどのように評価されているのかお伺いします。
 2点目の質問は、今後の財政運営についてであります。
 財政不安に揺れる経済状況の中、今後の財政確保の見通しは極めて不安定であり、その一方では行政サービスの低下を招かないよう、将来に向けての持続性ある財政運営が求められます。
 新宿区においても緊急に対応すべき課題である震災対策や、平成24年度以降における第二次実行計画策定に当たり、現在の財政状況を踏まえ、どのような財政運営を考えているのか。また、平成22年度決算においても95億円の不用額があり、この削減努力や圧縮、活用をどのように考えているのかお聞かせください。答弁願います。
◎区長(中山弘子) 野もと議員の御質問にお答えします。
 平成22年度の決算と今後の財政運営についてです。
 まず、平成22年度決算の評価ですが、御指摘のとおり一般会計決算は実質単年度収支が2年連続の赤字となり、経常収支比率が87.8%に上昇しました。基金残高については、前年度末の570億円から103億円減少して、467億円になっています。これは平成21年度決算に引き続き、扶助費などが伸びるとともに、一般財源収入がさらに減少するなど、区の財政環境が一層厳しくなったことによるものと考えております。
 このような状況から、平成21年度と同様に、財政調整基金からの繰り入れを行うなど、今まで培った財政対応力を活用しました。また、区債現在高は12年連続で減少し259億円となったことから、基金残高が区債現在高よりも208億円上回ることとなり、区財政は将来需要への一定の対応力を確保していると考えます。
 また、財政健全化の一つの指標として、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づく平成22年度新宿区財政健全化判断比率では、区財政が健全であることが確認できます。しかし、基金残高の減少や財政構造の硬直化など、以前にも増して区財政は厳しい環境になっていることから、経費の削減や事務事業の見直しを徹底して行うなど、将来需要を支えるための財政基盤の強化に努めてまいります。
 次に、緊急に対応すべき震災対策や、平成24年度以降の第二次実行計画の策定に当たり、どのような財政運営を考えているかについてです。
 東日本大震災の影響や円高の長期化など日本経済の先行きは極めて不透明であり、これからも厳しい経済状況が続くものと認識しております。その上で緊急に対応すべき震災対策も含め、平成24年度以降の第二次実行計画の財政収支を的確にとらえることが必要であり、さらに区を取り巻く厳しい財政環境にあっては、より一層の効果的効率的な行財政運営を徹底して行うことが重要と考えています。
 また、区税等の一般財源収入の確保に精力的に努力するとともに、基金や起債についても後年度負担に配慮しながら、適切に活用していくことが必要です。
 こうした取り組みを行うことにより、第二次実行計画を支える財政基盤を確保し、持続可能な財政運営に努めてまいります。
 次に、平成22年度決算における95億円の不用額についてです。
 平成22年度決算では、予算の執行率が前年度に比べて0.6ポイント改善し、93.1%となり、決算不用額については6億円減少しました。しかし、依然として多額な不用額が生じていることから、平成24年度予算編成では、より一層の不用額の縮減努力を行います。決算実績をもとに、執行率が低く多額の不用額を生じている事業に着目し、不用額の一定割合を既定経費から削減します。
 対象となる事業については、昨年度に比べて不用額の対象基準額を300万円以上から200万円以上に引き下げるとともに、執行率90%以下から93%以下に引き上げるなど、予算見積もりの精度の向上を図ります。こうした取り組みを通じて、貴重な財源を有効に活用するとともに、より効果的・効率的な行財政運営に努めてまいります。
◆10番(野もとあきとし) 質問の第2は、スポーツ振興についてであります。


 サッカーワールドカップ女子ドイツ大会で優勝したなでしこジャパンは女子サッカーの競技人口の少なさや活動費の捻出など、大変厳しい環境の中でかち取った優勝であり、その姿を通じて日本全体に夢と希望を与えてくれました。スポーツは単に体力向上という側面だけでなく、子どもから御高齢の方までが楽しめるものであります。子どもにはオリンピックやプロの選手になりたいという夢と希望を与えるとともに、「健康な体に健全な精神が宿る」と言われるように、青少年の健全育成に資するものであり、学生や社会人、主婦の方にもスポーツを通じた友好交流が可能になり、御高齢の方にも健康増進の役割を担い、介護予防という視点からも大切であります。
 公明党は、これまで一貫してスポーツ振興を推進し、平成23年8月24日にはスポーツ基本法が施行されました。これは昭和36年のスポーツ振興法を全面的に見直したもので、「スポーツ立国の実現を目指し、国家戦略として施策を推進する」と明記されています。また、公明党が主張した地域スポーツの振興や障がい者スポーツの促進、優秀な選手育成のための施策の実施などが盛り込まれており、「スポーツ庁」の設置についても、附則で今後の検討事項となっております。
 さて、新宿区においては、平成22年に実施されたスポーツ環境調査に基づいて、平成24年度には「新宿区スポーツ環境整備方針」の策定を予定しております。折しも、平成25年には第68回国民体育大会や第13回全国障害者スポーツ大会が行われ、新宿区は成年女子のハンドボール開催会場にもなっています。これを機に、今後の新宿区のスポーツ振興への期待は、区民の間でますます高まってくることは間違いありません。
 このことを踏まえて、最初に4点伺います。
 1点目は、第一次実行計画の進捗状況と今後の事業推進についてであります。
 区は、生涯にわたり学習、スポーツ活動などを楽しむ環境の充実として計画事業を行っていますが、これまでの第一次実行計画の進捗状況について御説明ください。
 また、区は現在第二次実行計画策定に向けて取り組みを進められているところですが、改めてスポーツ振興について何を目指しているのかを含め、将来的なビジョンをお示しください。
 2点目は、障がい者スポーツの支援についてです。
 先日、私は区内に事務所がある日本ブラインドサッカー協会にお話を伺ってきました。ブラインドサッカーとは、5人制でフィールプレーヤーは視覚障がい者で、キーパーは正眼者ないし弱視者が行うスポーツであり、フィールドプレーヤーはアイマスクを装着して、使用するボールには鉛の鈴が入って音が鳴るようになっています。ブラインドサッカーの魅力は、障がい者がピッチでは自由に考え、自由に判断し、自由に動き回ることができることであり、普通のサッカーと変わらないルール、スピードであること、仲間づくりや自分とチームの成長が期待できるという点があります。
 また、同協会では、「スポ育プロジェクト」と名づけた出張事業を開催し、区内においては社会福祉協議会と連携して、学校の総合的な学習の時間などの授業で体験授業を行っています。子どもたちはブラインドサッカーを通じて、すばらしい、格好いいといった感想を持つなど、障がい者は理解の輪が広がっています。
 このように障がい者スポーツは、障がい者の区別なスポーツではありません。最近では、アダプテッドスポーツとも呼ばれ、身体に障害のある方、子どもや高齢者の特徴に合わせてルールや用具などを考案し、皆さん一緒に楽しめるスポーツとして注目されております。
 そこで伺いますが、現在、新宿区の障がい者スポーツへの支援はどのようになされているのか。また、障がい者スポーツやアダプテッドスポーツへのさらなる積極的な支援が重要であると考えますが、今後の取り組みについて、あわせてお聞かせください。
 3点目は、スポーツ振興のための区の組織整備についてです。
 都は、平成22年7月に「スポーツ振興局」を設置しました。これは東京都のスポーツ行政のより総合的な推進を図るためであるとしています。東京都と新宿区では事業規模が異なりますが、スポーツ振興のための組織整備を行い、より施策を展開しやすい環境整備が必要と考えます。
 区は、平成14年に新宿区における総合型地域スポーツクラブ創設にむけての提言を行い推進していますが、その後どのような進展が見られたのか。私どもはこの新宿版総合型地域スポーツクラブに大きな期待を寄せてきました。今後のさらなる推進を考えると、やはり核となる組織が必要であり、強力なリーダーシップが求められます。さまざまな課題を乗り越えるためにも、意欲的に取り組む人と組織整備が肝要と考えます。この点からも再度組織整備を訴えます。区民に夢と希望を与えるスポーツ振興のために、区の組織整備をどのようにお考えか伺います。
 4点目は、学校教育におけるスポーツ振興についてです。
 現在、教育委員会は、生徒の体力向上への取り組みに力を入れており、昨年度から「一校一取り組み」運動、「スポーツギネス新宿」など新しい活動も盛んに取り入れており、スポーツを親しむ環境整備に力を入れていることを高く評価しております。その上で、学校の部活動にもさらなる支援が必要であると考えます。
 しかし、既設の運動クラブの廃部や設置にばらつきが出ているようですが、看過できない問題です。部活は体力向上だけではなくて、精神的育成や人間的な成長にも極めて有効な活動であります。また、この部活を通して自分の能力を開花させ、スポーツ選手への夢を膨らます機会ともなりましょう。
 こうした意味合いから、今後、施設の関係で不可能な場合や、部員数、顧問、指導者の不足の場合など2校、3校合同で設置するなど、部活動の再構築に取り組むべきであると考えますが、いかがでしょうか。
 また、部活動の顧問に当たる教員の指導力向上、指導者の人材確保のための人材バンク等のさらなる推進、外部指導者と各学校とのコーディネートの充実も求められています。あわせてお伺いします。
 次に、総合運動場の整備について伺います。
 総合運動場の整備については、平成3年に総合運動場対策特別委員会が設置され、平成11年まで議論を重ね、その後も公有地等対策特別委員会、現在は、総務区民委員会などで議論されております。そして本年行われていた発掘調査で人骨が出なかったとの知らせを聞き、先輩たちが長年汗を流して取り組まれたこの総合運動場の整備が新たに日の目を見ようとしています。
 そこで3点伺います。
 1点目は、総合運動場の整備に関して、区の姿勢を伺います。2点目は、これまで東京都の打ち合わせの進捗状況を御説明ください。3点目は、我が会派は一日も早く総合運動場を整備するべきと考えていますが、区の御決意をお聞かせください。答弁願います。
◎区長(中山弘子) スポーツ振興についてのお尋ねです。
 まず初めに、第一次実行計画の進捗状況と将来的なビジョンについてのお尋ねです。
 第一次実行計画では、区民のスポーツ・レクリエーション活動等に関する意識や実態を調査するとともに、スポーツ施設の利用状況等を分析する区民の総合的なスポーツ環境調査を実施しました。その結果、スポーツを行う目的として、各年代とも健康の保持増進、コミュニケーションの推進を志向する傾向があり、気軽に利用できる施設が求められていることなどが明らかになりました。今年度はその結果をもとに、課題の整理や有識者との意見交換を行ってまいります。
 第二次実行計画では、区民のニーズに応じたスポーツ環境整備方針の策定を予定し、区民が生涯にわたり学習・スポーツ活動等を楽しむ環境を充実させてまいります。
 次に、現在の障がい者スポーツ支援等についてのお尋ねです。
 区では、新宿未来創造財団と連携し、障害者を含めてだれもが参加できるアダプテッドスポーツの普及に努めています。特に、障害者スポーツデー、ハンディキャップスイムデー、新宿区シティーハーフマラソンスペシャルランの部を設け、多くの方々に御参加をいただいています。また、ピポユニバーサル駅伝の後援を行うなど、積極的に障害者スポーツを支援しています。今後、さらに多くの方々に楽しく御参加いただけるよう、スポーツ推進委員や他の活動団体との連携のもと、種目の充実やさまざまなサポート体制を整え、障害者スポーツの支援を一層進めてまいります。
 次に、スポーツ振興のための区の組織整備についてお尋ねです。
 区は、平成20年度に地域の中で総合的にスポーツ活動が展開できるよう、生涯学習とスポーツ部門を教育委員会から区長部局へ移し、組織体制の整備を図り、スポーツ活動を通じた地域のコミュニティづくりを積極的に進めてきました。
 また、コミュニティスポーツ大会や地域スポーツ・文化事業において、多くの地域団体の方々に参加していただくなど着実に取り組んできております。したがって、スポーツのみを所管する専管組織をつくる考えはありませんが、引き続き財団や他の指定管理者等との連携をより一層強化し、区民のスポーツ振興を総合的に進めてまいります。
 最後に、総合運動場の整備についてのお尋ねです。
 区は、区民のスポーツの場を拡充するため、この間一貫して東京都に対し、総合運動場の整備を強く要望してきました。また、当該地の発掘調査の結果が判明したことを受け、9月12日には担当部署が東京都を訪問し、総合運動場整備するよう、重ねて強く要望したところです。
 今後も総合運動場の整備の早期の実現に向けて、引き続き東京都に粘り強く働きかけてまいります。
◎教育長(石崎洋子) 教育委員会への御質問にお答えします。
 部活動への支援についてのお尋ねです。
 部活動は生徒の個性や可能性を伸ばし、豊かな人間関係の構築、生涯学習の基礎づくりなど、青少年の健全育成の上で大変有効な取り組みであるととらえています。合同部活動については、学校によって行事の時期の違いや生徒の移動などの課題があり、容易に実施することが難しい実態があります。
 そうした中でも、新宿区では昨年度複数の学校が一緒に練習を行い、合同チームとしてサッカー大会に出場した事例もありました。今後も、各学校間での連携を校長会などに働きかけ、情報交換を通して実情に応じた合同部活動が可能になるよう支援してまいります。
 各部活動の顧問教員の指導力向上については、中学校校体育連盟が主催する審判講習会や技術講習会などがあり、各校はこのような機会を活用して、指導者の技術力や指導力の向上に努めています。また、教員以外の外部指導者の人材確保については、各校のスクールコーディネーターに協力いただくとともに、東京都教育庁の人材バンクなども活用しながら、部活動の継続に努めています。
 教育委員会としては、こうした各学校の取り組みを今後も引き続き支援してまいります。
◆10番(野もとあきとし) 質問の第3は、子育て施策についてお伺いします。
 1点目は、子どもの虐待防止についてであります。
 厚生労働省は、本年7月に児童虐待に関しての調査結果を公表しました。その速報値によると、全国205カ所の児童相談所が平成22年度に対応した児童虐待に関する相談件数は、前年度比約1万2,000件、28%の増で、過去最多の5万5,152件に達しました。そのうち東京都は4,450件で、前年度比1,111件、33%の増で、大阪府に次いで全国第2位の件数となっています。
 相談件数が過去最多になったことについては、「事件の報道などを受け、疑いがある場合は児童相談所や子ども家庭支援センターに通報しよう」という地域住民や関係機関の意識が高まった結果と言われております。痛ましい事件を最小限度に食いとめるためには、まずは様子がおかしいと感じたときの第一報が極めて重要であります。
 1つ目の質問は、新宿区においては、昨年度の児童虐待相談件数はどのくらいで、主にどんなところからの通報が多く、また問題解決へ向けてのどのような取り組みをしているのかお聞かせください。
 2つ目は、子ども家庭支援センターについてです。
 区内には、子どもに関するさまざまな問題を相談できる核となる子ども家庭支援センターが3カ所、そして今年度、子ども総合センターを開設したことにより、虐待相談の窓口が4カ所になりました。センターが身近にあることにより、相談や通報がしやすくなり、早期対応や未然防止がスムーズに行われる体制づくりが重要であるわけですが、地域実情を踏まえて新たな支援センターを設置すべと考えますが、いかがでしょうか。
 また、相談への対応には、子ども家庭支援センターと児童相談所との緊密な連携が不可欠であり、児童相談所では、対応する児童福祉士を10年前に比べて2倍に増員しているということです、一方で、相談件数は3倍に増加しており、現場を担う職員数が慢性的に不足しているため、増員が待ったなしの緊急課題となっています。さらに、関係機関の間で知識や対応能力に差がある点も課題とされ、困難なケースに的確に対応するために、その資質の向上も指摘されています。新宿区の子ども家庭支援センターにおいても、職員の育成はかなめでありますが、どのような手法によって資質の向上を図っているのでしょうか。
 3つ目は、児童相談所についてです。
 現在、児童相談所は都区のあり方検討において区に移管する方法で課題の整理が行われていると聞いていますが、どのような状況にあるのでしょうか、その検討にはさきの課題も含め、多くの課題があると思いますが、区長はどのようにお考えか御所見をお聞かせください。
 2点目は、保育料についてであります。
 平成22年度に税制が改正され、所得税・個人住民税の扶養控除については、平成23年から年少扶養控除及び16から18歳までの特定扶養控除の上乗せ部分が廃止されました。これにより所得税・個人住民税の増額等と連動している保育園保育料等に関しての利用者負担は、今後影響が生じることになります。
 1つ目の質問は、こうした税制改正の副次的な影響について国の動向なども含め、現段階において区はどのように考えているのでしょうか。
 2つ目は保育料の見直しについてです。
 新宿区では、今年度保育料の見直し検討を進めるとしていました。そして扶養控除等の影響により、認可保育園の保育料を算定し直す必要があるのであれば、それにあわせて保育料の見直しも考えているのでしょうか。保育料の見直しとなれば、昨今の社会経済状況からして、低所得者や中間所得者の増額は避けるべきであります。負担のあり方などについて区はどのような方向性で検討しているのか、そして見直しの時期をいつごろと見込んでいるのか、現在の状況をお聞かせください。答弁願います。
◎区長(中山弘子) 子育て施策についてのお尋ねです。
 初めに、子どもの虐待防止についてです。
 子どもは本来、家族の愛情に包まれ安心して過ごせる家庭で成長していくべき存在です。しかしながら、痛ましい児童虐待事件の報道が後を絶たず、心を痛めているところです。
 区における平成22年度の児童虐待相談件数は187件で、学校、福祉事務所、保育園などの関係機関や近隣からの通報が多くなっています。児童虐待を未然に防止し、早期に発見・対応していくためには、地域の方々や関係機関と連携し、的確な判断と見通しを持って粘り強く対応していくことが必要です。
 区では平成17年に「新宿区子ども家庭サポートネットワーク」を設置し、これを児童福祉法の要保護児童対策地域協議会として位置づけ、問題解決に取り組んでいます。個別ケースについては、必要に応じて「サポートチーム会議」を開催し、情報共有、支援方針の検討、役割分担、連絡体制などを確認しながら、関係機関が連携して対応しています。
 平成22年度は、虐待関係のサポートチーム会議を延べ59回開催し、関係機関による要保護児童への支援を図りました。
 次に、子ども家庭支援センターについてのお尋ねです。
 御指摘のように子ども家庭支援センターが身近にあることで相談や通報がしやすくなり、虐待の未然防止や早期対応が行いやすくなります。今後、現在設置されていない南西側の地区に5カ所目の子ども家庭支援センターを設置することを検討してまいります。
 また、職員の育成も大きな課題であると認識しており、平成20年度から毎年職員1名を1年間、東京都児童相談センターに研修派遣し、終了後はケースワーカーとして虐待対応などの業務に当たらせています。また、困難事例への対応力を向上させるため、学識経験者に具体的なアドバイスをいただく「特別相談」や「スーパーバイズ研修」を行ったり、児童福祉司の任用資格を取得するための研修を受講させるなどの取り組みも進めております。
 さらに、平成23年度からは新設した子ども総合センターに保健師、心理指導員、都の児童相談所勤務経験者の虐待対策コーディネーターを配置し、専門的な立場からの調査、評価、対応方法の検討等を行うとともに、担当ケースワーカーへの助言も行うなど、さまざまな手法により、具体的な対応技術や資質の向上に努めています。
 次に、児童相談所の移管についてのお尋ねです。
 御指摘のとおり、都区のあり方検討において、区に移管する方向で検討する事務とされた53項目から抜き出して、実務的な課題の整理を始めることとしています。現在、都と具体的な話し合いを行う状況に至っていませんが、23区の中で一時保護機能を持った児童相談所を各区に設置することなどの考え方を取りまとめているところです。事務移管に向けては施設整備などの課題もありますが、区が主体的に一貫して子どもの権利を守り、総合的なきめ細やかな対応を行っていくため、できるだけ早く移管に向けての本格的な協議を始めていきたいと考えております。
 次に、保育料についてのお尋ねです。
 平成23年から年少扶養控除等が廃止されたことにより、前年の世帯の所得税を基準とする保育料には平成24年度から影響が生じることになります。それに対し、政府税制調査会に設置された「控除廃止の影響に係るPT」では、保育所徴収金等への影響はできるだけ遮断することとされたところです。これに伴い、厚生労働省雇用均等・児童家庭局から自治体あてに、「保育料の算定に当たっては、扶養控除の見直しによる影響を可能な限り生じさせないように対応すること」の方向性が示されています。具体的な内容については、今後正式に通知される予定ですが、新宿区においてもこの方針を踏まえ、区民への影響を遮断する方向で、来年度の保育料を算定する準備を進めてまいります。
 次に、保育料の見直しについてのお尋ねです。
 新宿区は増加する保育需要や多様な保育ニーズにこたえるため、大幅な定員拡大、延長保育拡大と保育サービスの充実に向けて取り組んでいますが、保育料は平成12年4月以来、約10年間改定していません。
 現在の区の保育料設定状況を見ますと、世帯の所得に応じた26段階の階層中、最高階層の人数の多さが突出しています。そのため、最高階層では同じ階層内での所得にかなりの偏差が生じています。また、国は認可保育園の運営経費のうち、保護者が負担する保育料として所得に応じた保育料基準額を定めていますが、平成22年度の改正において、それまでの保育料基準額の最高階層よりも約30%高い保育料を基準額とした上層階層を設定しています。
 こうした状況を踏まえ、区においても現在の保育料最高階層に上層階層を新設することで、階層内の所得の偏差を小さくし、高額所得世帯にはより適切な応能負担を求める方向で保育料を改定したいと考えています。時期につきましては、説明会なども開催し、区民の御意見も参考にしながら、来年度の保育料から見直したいと考えております。
◆10番(野もとあきとし) 質問の第4は、安心を守るため介護・療養施策についてであります。
 新宿区の高齢者人口は、平成23年4月1日現在6万540人で、高齢化率は18.97%です。また、65歳以上の要介護等認定者は1万1,404人と、介護保険制度開始時に比べほぼ倍増しております。このようにますます高齢化が進む状況の中で、介護サービスなどの支援を必要とする高齢者数が増加していることは明らかです。
 特別養護老人ホームについては、新宿区内にも次々と開設され、既に区内7カ所に480床分が、そして都内にも502床分を確保されています。ホームに入所された御家族からは大変喜ばれておりますが、一方5月末現在1,264人の方が退去され、中には介護している家族が倒れてしまいかねない状況の方もいらっしゃるなど、いまだに要望も高く、さらに整備を進める必要があります。
 また、小規模多機能型居宅介護施設は、訪問介護など複数の居宅サービスや地域密着型サービスを組み合わせた柔軟なサービスを提供できるようになったため、地域包括ケアを支える重要なポイントになります。
 そこで伺いますが、特別養護老人ホームや小規模多機能型、またショートステイなどの施設計画は第二次実行計画にどのように反映されるおつもりかお聞かせください。
 次に、特別養護老人ホーム待機者や自宅で介護、療養生活をされている区民の皆様の安心をどのように支えていくかについてであります。
 特別養護老人ホームや有料老人ホームなどの施設のみに頼れば、財政負担や介護保険料の上昇などの課題は避けられません。また「高齢者の保健と福祉に関する調査報告書」の「これからも今の住まいで暮らしたいか」との問いに、自宅での暮らしを望む方は82.3%、また、在宅で暮らし続けるために必要なこととして、必要なときに随時訪問してくれる介護、看護のサービスがある53.9%、往診してくれる医療機関がある53.2%など、在宅での介護、療養に対する安心感が求められています。
 在宅療養を区として取り組んでいることは承知しておりますが、私どものもとには夜間や休日の往診や訪問看護に来てもらえないとの御相談もあり、調査でも7.8%でした。このように、今後は在宅での介護、看護、医療、福祉の新たな連携と、さらなる充実を図らなければなりません。
 そこで伺います。
 新宿では在宅療養体制を区民健康センターの療養相談窓口で行い、新たに開始される24時間対応の定期巡回、随時対応型訪問介護看護などの介護サービスに関する相談は、高齢者総合相談センターが窓口になりますが、区民からは非常にわかりにくい仕組みです。在宅介護療養体制を一つの相談窓口にするなど、周知とともにわかりやすい工夫をすべきと思いますが、いかがでしょうか。
 また、医師会の協力も不可欠です。今後、医師会との連携をどのようにしようとお考えか、御所見をお聞かせください。
 3点目は、在宅介護療養サービス向上のため、高齢者総合相談センターや在宅療養体制の充実とあわせ、人材の育成は重要であります。以前の代表質問でも訴えてまいりましたが、これまで区が取り組んできた成果と課題をお聞かせください。
 4点目は、介護保険料の負担軽減について伺います。
 厚生労働省は、昨年11月、第5期の第1号保険料の基準額を5,200円程度として、第4期の全国平均月額4,160円を約1,000円も引き上がる見込みとの試算を示しました。しかしながら、引き上げ幅が大きいことから、本年6月の介護保険法改正により、第5期介護保険料の改正に当たっては特例的に都道府県に設置されている財政安定化基金を一部取り崩して、第1号保険料に充てることを可能にしました。
 介護保険の現場では、第1号被保険者の負担は5,000円が限界との声が強く、介護保険制度の財政の抜本的な対策が見通せない以上、このような措置は必要です。
 そこで伺います。
 都との協議では、交付金をどの程度見込まれていますでしょうか。また、4期においては、介護給付費準備基金などを繰り入れることで保険料を軽減されてきましたが、第5期保険料においても引き続き負担軽減への努力をすべきであります。御所見をお聞かせください。答弁願います。
◎区長(中山弘子) 介護・療養施策についてのお尋ねです。
 最初に特別養護老人ホームや小規模多機能居宅介護、ショートステイなどの整備計画の第二次実行計画への反映についてです。
 区は、特別養護老人ホームを在宅での介護が困難になった高齢者のセーフティネットとして整備を進めてきました。高齢者の安心を支える上で特別養護老人ホームが果たす役割は、今後も引き続き重要であると認識しています。
 依然として多くの待機者がいることについては、今年度「待機者の実態等に関する調査研究事業」として、入所申込者と施設側双方を対象にした調査を実施し、外部委員を入れた検討会を重ねて分析を行っているところです。
 次期計画においては、その結果を施設の整備計画並びに、待機者への相談支援体制に反映させます。小規模多機能居宅介護は、地域包括ケアを推進するために引き続き重要であり、旧原町福祉事務所の建てかえにより新たに整備するなど、今後もさまざまな機会をとらえて整備を計画します。
 また、ショートステイはかねてよりニーズに対する不足が指摘されており、平成22年度に区が実施した高齢者の保健と福祉に関する調査のケアマネジャー調査でも、居宅サービスの中で最も不足しているサービスに挙げられています。介護者の心身の負担を軽減する意味からも、次期計画においては公有地の活用による整備を進めます。
 次に、在宅介護療養に関する相談窓口を1つにするなど、もっと区民にわかりやすくできないかとのお尋ねです。
 区では高齢者の在宅介護療養に関しては、まず地域の高齢者総合相談センターに御相談いただきたいと考えます。昨年度からの機能強化の一環として医療連携担当を配置し、病院から自宅に戻る際の在宅サービスの調整や不安等に対応できる体制も整えました。相談ケースの中で特に医療依存度の高い在宅の高齢者などについては、在宅療養相談窓口の訪問看護師やケアマネジャーがサポートすることになっています。
 また、在宅療養相談窓口は幅広い年第の区民のほかに、病院等からの患者の退院に関する相談も受けています。
 窓口の機能の違いがわかりにくいとの御指摘につきましては、「高齢者に関する御相談は何でもまずは高齢者総合相談センターへ」という区民への周知をさまざまな手段でより徹底するとともに、センターと在宅療養相談窓口の連携を円滑に保つような工夫を重ねていくことが重要であると考えています。
 また、医師会との連携についてのお尋ねですが、現在医師会は区内を3ブロックを分け、かかりつけ医と往診を中心に行っている医療機関が連携し、夜間の往診を支える仕組みをモデル的に実施しています。
 また、区が実施している「かかりつけ医機能の推進事業」では、往診に対応する医療機関の名簿の作成を初め、医師会員への在宅医療に関する研修会を行うなど、医師会と区はともに区民の在宅療養を支える仕組みづくりに取り組んでいるところです。
 今後もこのような事業を通して、医師会との連携を強化してまいります。
 次に、在宅介護・療養サービスの向上のための人材育成についてです。
 区では、高齢者サービス課内の基幹型高齢者総合相談センターが在宅療養相談窓口とともに、各センターの医療連携担当者が参加する事例検討会や、区内病院の医療ソーシャルワーカーとの交流会を実施し、相談スキルの向上を図っています。
 また、区内の介護従事者を対象とした「新宿ケアカレッジ」という区独自の研修においても、医療連携や在宅療養をテーマとした研修を体系的に実施し、在宅介護、在宅療養サービスの向上のための人材育成を図っています。
 さらに、区内の訪問看護ステーションの協力を得て、病院で働く看護師を対象に訪問看護ステーションでの実習研修を行っています。病院の職員が在宅での療養生活を理解し、ケアマネジャーや訪問看護師との連携が強化されることにより、退院時に必要な調整が円滑に行われようになってきました。
 今後の課題としては、区内の介護分野と医療分野の関係者、関係機関の連携のために、これまで実施してきたさまざまな試みを日常的な仕組みとして定着させること、在宅介護医療に関する区民ニーズをしっかり受けとめられる専門知識と経験を備えた人材の育成が挙げられます。
 次に、介護保険料の負担軽減についてです。
 平成12年の介護保険制度開始以来、介護保険サービスは高齢者とその家族の生活を支えるものとして定着し、昨年度に実施した高齢者の保健と福祉に関する調査では、サービス利用者の90%以上が現在利用しているサービスに満足していると回答しています。区民のサービス利用料は拡大し続け、その傾向は近年特に強まっています。
 介護保険料の算定のためには、第5期の3年間の介護給付費を見込む必要があります。給付総額の上位を占める訪問介護、通所介護、有料老人ホーム等の特定施設入居者生活介護の3サービスの合計額を見ると、平成18年度からの第3期の期間の伸び率が3.8%だったのに比べ、平成21年度からの第4期では12.9%の伸びとなっています。また、今後の高齢者人口の推計では、6割以上の方が介護サービスを利用する85歳以上の人口増が見込まれています。
 このように、第5期は保険料を上昇させる要因が多く、抑制する要因がほとんどないことから、財政安定化基金を保険料引き下げのために取り崩すことができる旨の法改正がなされたところです。
 財政安定化基金は、国、都、そして区市町村がそれぞれ3分の1ずつ拠出しており、東京都の基金残高は約240億円となっています。新宿区も2億2,500万円拠出していますが、区への交付額については、今月13日に都と区市町村との協議の第1回目がようやく開催されたばかりであり、現在のところ具体的な金額は示されていません。
 今後は、都内の保険者で共同歩調をとりながら、確実に保険料の引き下げ効果が見込める交付額を強く要望していきます。
 また、区の介護給付費準備基金については、現状の試算でほぼ前期と同水準の8から9億円の基金残高を見込んでおり、第5期においても全額を保険料引き下げのために繰り入れます。このことにより約400円程度の保険料引き下げ効果があると見込んでいます。
 第5期の介護給付費の増大が見込まれる中、区は昨年度から全国市長会や特別区長会を通じた要望を行ってきたほか、特別区介護保険課長会からも、大都市特有の課題を踏まえた緊急提言書を厚生労働省に提出するなど、保険料上昇を抑えるためのさまざまな施策を国に要望してきました。
 今後も国の社会保障審議会介護給付費分科会の議論など注視しながら、介護保険制度への区民の信頼を損なうことのないような介護保険料の設定に力を尽くしてまいります。
◆10番(野もとあきとし) 質問の第5は、障がい者施策についてお伺いします。
 障がい者支援の基本原則などを定めた改正障害者基本法が先月成立し、8月5日から施行されました。公明党はこれまで健常者も障がい者もお互いに尊重し合いながら共生できる社会づくりのために取り組んでまいりました。あの3.11東日本大震災で耳が不自由な人が防災無線を聞けずに逃げおくれるなど、障がい者への情報伝達がうまくいかなかったケースがあったことから、今回の基本法には、国や自治体に障がいの程度や生活事情に応じた防災・防犯施策を講じることが義務づけされました。
 さて、新宿区では災害時に自分の身を守ることが困難な方々を事前に把握し、的確な支援をするために、災害時要援護者名簿を作成いたしております。「広報しんじゅく」でも、今回の東日本大震災の発災時に、災害時要援護者名簿を活用して安否確認を実施したことが掲載されていました。
 この名簿の登録者数は6月1日現在で1,940件でありましたが、昨年12月1日現在の登録者数は1,595件であったとのことなので、半年で345件の増となっています。そのほとんどが東日本大震災後の新規登録であると伺いました。その前の半年は30名の増であったということですので、約10倍の登録があったことになります。
 そこで1点目の質問は障がい者の登録についてであります。
 ことし4月に新宿区立障害者福祉センターで利用者を中心に約200人を対象に、「大震災、障害者、被災緊急アンケート」を実施し、災害時要援護者名簿の周知度と登録状況を調べられたところ、名簿の登録者は約1.5割、未登録者が約3.5割、残りの5割は登録しているのかわからない、または名簿のことを知らないという状況だったと伺いました。このアンケート結果については御承知だと思いますが、この結果をどう受けとめ、今後、どのように障がい者への周知徹底をお考えなのか、お聞かせください。
 2点目の質問は、障がい者の名簿登録の拡大についてであります。
 まだまだ災害と要援護者名簿は潜在的需要があるにもかかわらず、名簿登録に結びついていないのが現状です。そこでまず第1は、さきに紹介したアンケートでも明らかになったように、非登録の原因が「知らない」ということからも早急の周知徹底を図ることから始めなければなりません。
 昨年11月に区が行った「新宿区高齢者の保健と福祉に関する調査」においても、65歳以上の一般高齢者や居宅サービス利用者約3,600人のうち、この名簿について「知らない」との回答が約7割でした。また、上記回答者のうち「住所、氏名、連絡先ならば、事前に知らさせてもいい」と答えた割合は7割強というのが調査の結果でわかりました。名簿を知らなかった人が登録しようとする場合でも、登録項目によって二の足を踏むことも十分考えられます。
 したがって、登録に際して高齢者が指摘するように、住所、氏名、連絡先といった簡素な項目にすることで理解が得られ登録者がより多くなれば、要援護者支援の当初の目的が果たせるのではないでしょうか。
 新宿区では、現在名簿に基づく災害時要援護者支援の実効性を高めるため、関係団体の意見を取り入れながら、安否確認や避難誘導の方法などを盛り込んだ「災害時要援護者支援プラン」の策定を行っていることは高く評価しております。しかし、登録した区民とそうでない人との行政サービスの格差が生じてはいけません。したがって、登録要件を簡素化し、だれもが登録できるように制度を見直すべきだと考えますが、御所見をお聞かせください。
 3点目の質問ですが、二次避難所についてお伺いいたします。
 二次避難所は、現在障害者福祉センターや福祉作業所など50カ所が指定されています。このうち約4分の1の施設が指定管理者制度を導入しています。二次避難所は障がい者、高齢者、妊産婦、乳幼児、病者等、一般的な避難所では、生活に支障を来す人たちのために、何らかの特別な配慮がされた避難所とされていることは十分承知いたしております。
 区と指定管理者との間で締結されている基本協定書の中には、災害発生時や緊急時の避難所としての必要な装備や役割、権限、指示系統について明記がされていません。区が避難所に指定していながら、いざというときに避難所としての機能が果たせないということは大きな課題であります。
 今回の大震災は、想定外のことが起きるのが災害なんだという教訓を我々に教えてくれたと思います。防災に取り組むに当たって、このことを決して忘れてはなりません。その意味から、協定書の見直しを早急に図るべきと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。また、区として二次避難所をどのように整備しようと考えるのかお聞かせください。答弁願います。
◎区長(中山弘子) 障がい者施策についてのお尋ねです。
 最初に、災害時要援護者名簿への障害者の登録についてです。
 平成23年6月1日現在の災害時要援護者名簿の障害者の登録者は593人で、平成19年度の障害者生活実態調査の際に把握した360人と比較して増加しています。
 しかし、御指摘のとおり、障害者福祉センターの利用者アンケートにおいて、業者の半数が災害時要援護者名簿について「登録しているのかわからない」や「知らない」といった状況であり、その認知度は十分でないと受けとめています。
 新宿区としては、多くの障害者が災害時要援護者名簿に登録していただけるよう、この4月からあゆみの家、生活実習所、福祉作業所などの保護者会において制度のPRに努めるとともに、障害者団体との懇談の機会をとらえて周知を図っています。
 また、本年10月から11月にかけて、すべての障害者手帳所持者に「障害者福祉の手引き」を送付する予定です。その際に災害時要援護者名簿をお知らせする案内を同封するなど、障害福祉サービスを利用していない方も含めて、幅広く周知に努めます。
 次に、障害者にかかわる名簿登録要件を簡素化して登録しやすい制度に見直すべきとのお尋ねです。
 災害時要援護者名簿は、災害発生時に御自分の身を守ることが困難な方々を地域の方々が事前に把握し、迅速かつ的確な援助ができるような体制をとるために作成しています。現在は、住所、氏名、緊急時の連絡先のほかに、御本人の屋外での移動の際に必要となる器具や、絶対に欠かすことのできない医療措置などについてお尋ねする項目を設けています。これらの項目は緊急時の避難所等への誘導や避難所での生活の際に必要な情報となりますので、できれば御記入いただきたいのですが、仮に未記入であっても登録は受け付けています。
 これらの点を含め、今後も障害者団体や防災区民組織などさまざまな団体や組織を通じて、本制度の趣旨を説明し、登録を呼びかけ、災害時要援護者名簿の登録者数の拡大に努めてまいります。
 次に、二次避難場所となる福祉施設の指定管理者との基本協定を災害に対応して見直すべきとのお尋ねです。
 区として指定管理者が締結する基本協定書には、区の施策に協力することや、災害時の役割として区の活動に協力することが盛り込まれています。しかし御指摘のとおり、災害時の具体的な対応や役割が明示されておりません。
 このため、現在、基本協定とは別に災害が発生した場合の二次避難所としての施設運営や体制等に関する災害時の協力協定について、他自治体の事例等も参考にしながら、検討を進めています。この協定については、年度内に協定書の標準的な仕様を作成し、これを基本に災害時の協力協定を締結してまいります。
 次に、二次避難所の整備内容についてのお尋ねです。
 二次避難場所の整備については、平成21年度から災害用トイレ等の備蓄を進めてまいりました。そして今定例会には東日本大震災の教訓を踏まえ、災害時要援護者対策として、各二次避難所で必要となる3日分の水・食料等の生活必要物資の備蓄に要する補正予算を計上しているところです。
 また、二次避難所の運営については、指定管理者施設の災害時の協定の整備も含め、現在進めている事業継続計画、BCP地震編に基づく災害対策各部のマニュアルの見直しの中で、具体的な運営方法や情報連絡の体制を整備してまいります。
◆10番(野もとあきとし) 質問の第6は、災害に備えるまちについてです。
 このたびの東日本大震災において沿岸地域の津波被害のみならず、丘陵部地域の宅地においても非常に多くの地域で甚大な被害があったことは、時間が経過するとともに明らかになってきました。
 私ども区議団は7月に被災地を視察する中で、地すべりや宅地の土どめ擁壁の崩壊、亀裂、地盤の沈下等が発生し、宅地地盤が大きな損害を受けている状況を見てまいりました。また、このたびの補正予算の中で第2回定例会で我が党が擁壁等の安全対策について申し上げましたことを受けて、こうした「がけ及び擁壁の点検調査・安全化指導」として、1,579万円盛り込まれました。中山区長が常々言われる「震災対策はまさに時間との戦い」との信念をかいま見る思いであります。
 1点目の質問は平成20年度から27年度の期間で、新宿区は耐震改修促進計画を策定され、その中に建築物の敷地の耐震化のことも取り上げられています。今回の東日本大震災における宅地被害の甚大さ、深刻さを見るにつけ、敷地における耐震化について改めて区の御見解をお聞かせください。
 2点目の質問は、がけ及び擁壁の点検調査・安全化指導の1つとして実施された区内のがけ調査が一通り終了しつつあると聞いています。今回の補正予算の調査は、大震災前に調査された箇所に対してもう一度点検をされると聞いています。仙台市内の宅地被害状況で、住宅が新しくても全体が傾いてしまって住めなくなってしまった光景を見たときに、家の耐震化と同様にがけや擁壁の安全性に対する指導に力を注いでいかなくてはなりません。このたびの再度の調査、そしてどのような安全化指導を区として考えているのかお聞かせください。
 3点目の質問は、耐震改修促進計画にも敷地の耐震化に対する支援策の見直し、助成制度の創設について記されています。残念ながら、今ある融資あっせん利子補給の実績はここ数年1件もない中で、どのような検討をされているのかお伺いします。
 4点目の質問は、すべての再調査が終了した際に、その結果いかんによって急傾斜地崩壊についての被害想定の見直しも必要と考えます。液状化対策も含めてハザードマップを改定する必要性も生じてくると思いますが、区のお考えをお聞かせください。
 5点目の質問は、地震があった際に、特に危険度が高いと言われている盛り土の多い公園の擁壁についてです。
 都市機能の被害状況が甚大だった阪神・淡路大震災の際に神戸市全体の3分の1の公園の擁壁が崩壊したことは余り知られていません。平成23年度は公園擁壁の安全対策として、405万円の予算枠で調査が実施されています。東日本大震災を受けて、隣接する民間の土地の安全確保の意味からも再度の安全総点検をすべきと思いますが、区のお考えをお聞かせください。答弁願います。
◎区長(中山弘子) 災害に備えるまちについてのお尋ねです。
 初めに、建築物の敷地の耐震化に関する区の見解についてです。
 今回の東日本大震災や平成7年の阪神・淡路大震災などによる建築物の敷地の擁壁等の崩壊や、また近年頻発するゲリラ豪雨や台風などの雨水による擁壁等の崩壊により、人命や建築物などへの被害が発生しています。
 区内においても擁壁等が多数存在しており、擁壁等が崩壊した場合には、人命にも及ぶ大きな被害が発生するおそれがあることから、建築物の敷地の耐震化である擁壁等の安全対策の実施は大変重要です。
 区は、平成19年度に策定した新宿区耐震改修促進計画に基づき、平成21年度から3年間で約3,900カ所の擁壁等について現地点検調査を行うとともに、その調査結果に基づき、改修や補修など、擁壁等の安全対策について指導・啓発を行っております。
 次に、今回の補正予算で予定している再度のがけ調査と安全化指導についてのお尋ねです。
 今回の地震発生直後に実施した擁壁等の緊急点検調査では、調査した215件のうち33件の擁壁等で崩壊、落石、ひび割れなどの被害が確認されました。平成21年度から3年間で現地点検調査を実施している擁壁等のうち、平成21年度及び22年度に調査したものについては今回の地震が発生する前に行ったものであり、今回の地震発生直後に行った緊急点検調査の結果から、地震により擁壁等の状況が変わっている可能性があります。今回の補正予算で予定している再度の擁壁等調査は、平成21年度及び22年度において調査を行った擁壁等のうち、民間が所有する約1,800件について東日本大震災による影響を調査するものです。
 この影響調査は既に実施した点検調査の結果に基づき、擁壁のひび割れや沈下など、今回の地震による影響の有無を現地で調査するとともに、その所有者に聞き取り調査を行うものです。所有者に対しては、影響調査等の調査をお知らせするとともに、改修や補修が必要な擁壁等については、具体的な改修方法やその概算費用を示しながら、安全化指導を実施してまいります。また、特に危険な擁壁等については、所有者に対して個別の安全化指導も実施してまいります。
 次に、敷地の耐震化に対する支援策を見直し、助成制度を創設することについてどのような検討をしているのかとのお尋ねです。
 敷地の耐震化である擁壁等の安全対策の実施については、第一義的には所有者の責任で行うものですが、擁壁等が崩壊した場合に、人命や財産への被害が大きなものや、道路閉塞による救助・救援活動への影響が大きなもので、早急に改修しなければならない擁壁等については、区が関与することも必要と考えております。
 現在、融資あっせん利子補給制度にかわる支援制度として、こうした早急に改修しなければならない擁壁等を対象とした改修工事費への助成制度の創設を第二次実行計画で検討しているところです。あわせて、擁壁等の改修工事に関する専門家からのアドバイスを行うコンサルタント派遣制度の創設も検討しております。
 次に、再調査の結果により被害想定の見直しや液状化対策も含めた新宿区地震ハザードマップの改定も必要ではないかとのお尋ねです。
 御指摘の再調査は、擁壁のひび割れや沈下など、今回の地震による影響の有無を調査し、その結果に基づき、所有者に対して安全化指導を実施していくものです。新宿区耐震改修促進計画や新宿区地域防災計画における急傾斜地崩壊の被害想定は、平成24年度に予定している東京都地域防災計画における修正結果を踏まえて、見直してまいります。
 また、「新宿区地震ハザードマップ」の改訂に当たっては、今回の擁壁等の影響調査結果とともに、都が平成24年度に公表を予定している「地震に関する地域危険度測定調査」の結果や東日本大震災にによる被害状況を踏まえて、現在検証している「液状化予測図」の修正結果を反映してまいります。
 次に、公園の擁壁についてのお尋ねです。
 公園の擁壁を良好な状態に保つことは、公園利用者や公園周辺の安全を確保し、地震等の災害に強いまちを実現する上で重要です。
 区では、公園の擁壁の状態を把握し、今後の維持補修を計画的に実施するため、平成18年度に調査を行いました。この結果、緊急に補修を要する擁壁はありませんでしたが、一部の擁壁について今後の経過観察が必要と判断されました。
 これらの擁壁については、区職員により日常点検を続けてきましたが、今年度現況及び経年変化等を詳細に把握し、対応策を検討するための調査を行っております。
 今後、健全性が確認された公園の擁壁についても、必要に応じて区職員による点検を行うとともに、東日本大震災を踏まえ、耐震性の観点も考慮した擁壁の調査を検討してまいります。
◆10番(野もとあきとし) 質問の第7は、特別支援学級の教育力向上についてです。
 新宿区では、平成19年に従来の心身障害教育の対象に加え、学習障害、注意欠陥多動性障害、高機能自閉症等の情緒障害も含めた今後の特別支援教育のあり方について検討を重ね、報告書をまとめております。
 そこには一人ひとりの教育的ニーズを把握し、持てる力を高め、生活や学習上の困難を克服するため、適切な指導及び必要な支援を行っていく理念が示されており、その内容は高く評価されるべきものであります。
 そこで1点目の質問ですが、この報告書から4年が経過した現在、教育委員会では特別支援教育についてどのように総括、評価しているのか、特別支援教育の認識についても改めてお聞かせください。
 2点目の質問は、特別支援学級に通う児童・生徒の推移と今後の予測についてです。
 社会環境や生活環境の変化に伴い、情緒障害のある児童・生徒が急増しております。文部科学省が行った特別支援教育に関する調査では、情緒障害によって通級による指導を受けている児童・生徒数は平成22年全国2万7,338人、前年に比べると27.1%の増加、過去3年間の前年度比を見ても常に20%から30%程度ふえており、今後も増加傾向にあると考えます。
 新宿区においても、本年4月に新開設された落合第一小学校の情緒障害等通級指導学級の定員20名が既にいっぱいになってしまったことは、その増加傾向を示す一例と言えるのではないでしょうか。
 そこでお伺いいたしますが、実際のところ、特別支援学級に通う児童・生徒数、特に情緒障害のある児童・生徒数は、新宿区においてどのように推移しておりますか。今後の予測も含め、お聞かせください。
 3点目の質問は、児童・生徒の増加傾向を踏まえ、特別支援学級の設置規模についてお尋ねいたします。
 現在、区内には特別支援学級を設置している学校が小学校8校、中学校5校あります。しかし、情緒障害のある児童・生徒の親御さんからは、「通級指導学級では保護者の送り迎えが義務づけられており、保護者だけでなく、子どもにとっても大変な負担であるため、通常学級に在籍している学校に特別支援学級を設置してほしい」と、1学校1学級を求める声も寄せられております。
 そこでお尋ねいたしますが、今後の児童・生徒数の予測から見て、現状の特別支援学級数で対応可能とお考えなのか。また、最終的にどの程度の規模が妥当であるとお考えか、お聞かせください。
 4点目は、特別支援学級の教育体制についてお伺いいたします。
 先日、私どものところに特別支援学級に児童を通わせている親御さんのから、次のような声が寄せられました。「なぜ、特別支援学級の介助員の先生は半年程度でやめてしまう方が多いのですか。ようやく子供たちがなれてきたあたりでやめてしまうので、精神的に不安定になってしまうこともあるのです。介助員といっても、子どもたちにとっては大事な先生なんです」と。実際に私どもも特別支援学級を視察したところ、確かに常勤の先生だけでなく介助員の先生にも、子どもたちは深い信頼を寄せていることを実感しました。
 ただし、介助員は一般事務を行う臨時職員と同じた雇用取り扱いで、雇用期間は最長6カ月更新となっているため、先ほど紹介したような声が保護者から寄せられてしまうのだと思います。
 今後も特別支援教育を必要とする児童・生徒数の増加が見込まれる中、継続して安定した教育体制を考えると、現状のような常勤の教員と臨時職員の介助員という組み合わせだけで果たして十分と言えるかどうか。例えば常勤教員と臨時職員のほかに非常勤講師や教育ボランティアをさらに充実させるなど、柔軟な対応をしていくことはできないのでしょうか。
 そこで質問ですが、今後、さらに需要が高まっていくであろう特別支援学級において、教育力向上のため、児童・生徒が安心して学び続けられる環境整備のために、どのような職員体制で臨まれようとお考えなのか御所見を伺います。答弁願います。
◎教育長(石崎洋子) 特別支援教育のこれまで4年間の総括及び評価と認識についてのお尋ねです。
 特別支援学校、特別支援学級の充実にあわせ、通常学級に在籍する発達障害のある児童・生徒に対しては、専門家による支援チームの巡回相談や特別支援教育推進員の派遣を行うなど支援体制の整備を進めてきており、学校内の指導体制への支援及び就学相談の充実を図ることができたと総括・評価しています。
 今後、発達障害の児童・生徒への支援ニーズの高まりが予測されるため、新たな特別支援教育推進体制を検討していくことが重要であると認識しています。
 次に、特別支援学級に通う児童・生徒数の推移及び今後の予測についてのお尋ねです。
 知的障害の特別学級については、小学校は平成19年度に60人であった在籍者が、今年度は62人、中学校についても同様に44人が36人と、ほぼ横ばいの状態で推移しています。
 情緒障害等通級指導学級について、小学校においては今年度落合第一小学校の八千草学級が開設し3校10学級となり、在籍者数は99人と平成19年度比で倍増しました。中学校については、平成22年度に牛込第三中学校にたちばな学級が開設し2校となりましたが、在籍者数についてはほぼ横ばいで推移しています。このような傾向は、今後も続くものと予測されます。
 次に、今後の児童・生徒数の予測から見て、現状の特別支援学級数での対応が可能かどうかについてのお尋ねです。
 小学校の情緒障害等通級指導学級については、支援を必要とする児童の大幅な増加が予測れることから、今後、規模の拡大を図っていく必要があると考えています。
 次に、特別支援学級の最終的に妥当と考える規模についてのお尋ねですが、学級の新設、増設による必要な学級数の確保のみならず、地域的なバランス等の適切な配置を考慮することが必要と考えています。
 さらに、東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画では、すべての小・中学校に通級指導学級の教員による巡回指導や相談支援を行う特別支援教室を設置することとされていることから、今後、このような観点からも検討していく必要があると考えています。
 次に、特別支援学級における教育力向上のための職員体制についてのお尋ねです。
 障害状況の多様化や重度化が進んでいることから、特別支援学級の運営においては、介助員の役割は重要であると認識しています。介助員を臨時職員から非常勤職員へ組みかえるとすると、単純試算では約1.5倍の費用がかかることとなります。必要な人員を必要な時期に配置できるといった臨時職員ならではの利点にも配慮し、現場の意見を十分に聞きながら検討してまいります。
 また、教育ボランティア、教職を目指す学生のインターンシップについて、今後一層の活用を図ってまいります。
◆10番(野もとあきとし) 質問の第8は、学校の防災対策の向上についてお伺いします。
 今回の東日本大震災では、600人を超える児童・生徒が死亡や行方不明になりました。犠牲になられたケースのほとんどが下校途中や下校後に自宅で津波に遭遇しています。仮に1時間地震が遅ければ、被害がさらに拡大したとの指摘もありました。
 新宿区は、これまで「新宿区立学校危機管理マニュアル」を作成し、子どもたちの安全確保に努められています。しかしながら、今回私たちが経験した大震災は、従来想定していなかった新たな課題が発生し、学校施設の安全性や防災機能の見直しが求められています。
 そこで、多くの課題の中で今回は3点について伺います。
 1点目は、学校施設の非構造部材の耐震化についてです。
 新宿区では、校舎や体育館の耐震化は既に行われています。しかし、今回の震災では、建物自体の被害は小さくても、天井や照明器具、外壁などの非構造部材が落下し、避難場所として使用できないケースがありました。
 文部科学省の調査では、6月16日現在、公立施設における非構造部材の被害として、天井材の被害1,636校、照明器具の被害410校、外壁の被害968校と報告がありました。特に体育館は、集会や体育の授業中に地震が発生すると身を隠すものがないため、非構造部材の落下で子どもたちが負傷する危険性があります。また、震災時に地域住民の避難所として使用する場合が多く、安全性を確保することが極めて重要であることは論をまちません。
 そこで改めて非構造部材の耐震性の点検及び対策を実施する必要があると考えます。新宿区は、体育館等の非構造部材の点検改修は実施されているのでしょうか。まだだとすれば、早急に実施すべきと考えます。御所見を伺います。
 2点目は、震災時の児童・生徒の安否情報の発信についてです。
 今回の震災においても、携帯電話や固定電話が不通になり、保護者に子どもの安否を伝えられず、大きな不安と動揺を与えました。中には、会社に残ることが可能でも、数十キロもかけて歩いて帰宅する保護者もいました。
 今後、携帯電話や固定電話が不通になっても保護者に子どもの安否をお知らせする方法を幾つか検討しておく必要があると思います。
 そこで提案ですが、情報発信の一つのツールとして、ホームページに子どもの安否情報を提供する方法を確立してはどうかと考えます。
 現在、区立の小中学校では、学校保有のホームページを随時更新されているようですが、これを利用して、非常時にはホームページ上にクラスごとの子どもたちの安否情報を発信してはいかがでしょうか。これができれば、保護者が会社等のパソコンや携帯電話から、子どもの安否を確認できます。保護者は事前に学校で子どもが保護されているのがわかっていても、やはり心配です。
 今後、安否情報の提供の一つとして、災害時にホームページを活用した情報提供を行うことを検討すべきと考えますが、御所見を伺います。
 3点目は、地域特性を考慮した避難訓練についてです。
 今回の震災で石巻市立大川小学校の全校児童108名のうち約8割近くの74名が死亡、行方不明になった痛ましい被害が発生しました。地震発生後に、高台になっている新北上大橋の傍らの三角地帯に避難するか学校の裏山に避難するか、避難場所をめぐる議論に手間取り、その後津波に巻き込まれて多くの児童が亡くなりました。本当に悔やまれてなりません。地域特性を日ごろから熟知しておけば、素早い対応が可能だったのではないでしょうか。また、あらゆる災害の場面を想定して即座に避難する訓練の必要性を感じます。
 東日本大震災の被害は、地震と津波の被害でしたが、首都圏で起きた場合は、地震と火災が甚大な被害をもたらすと想定されています。地震に強い逃げないで済むまちづくりとともに、逃げる場合を想定した訓練も必要です。
 新宿区では、新宿区ハザードマップが作成されています。この中にはがけ、擁壁、急傾斜地の分布や、火災危険度などの情報が掲載されています。このハザードマップをもとに、地域の実情に詳しい保護者等の声をいただきながら、避難経路を検討し、その上で訓練する必要はないでしょうか。さらに、登下校時に震災に遭遇する場合などを想定して、児童・生徒が自分の目と足で学び、それに対してどう避難していくべきか、子どもたちが自分で判断していける訓練をする必要があると思います。御所見を伺います。答弁願います。
◎教育長(石崎洋子) 学校施設の非構造部材の耐震化についてのお尋ねです。
 本年7月に文部科学省の「東日本大震災の被害を踏まえた学校施設の整備に関する検討会」から緊急提言が出されました。その中で非構造部材の耐震化については、「構造体の耐震化だけでなく、非構造部材の耐震対策も速やかに実施する必要がある」としており、重要な課題と認識しています。
 新宿区の学校施設は、既に全校で耐震補強工事が完了していたため、東日本大震災の際、構造部分に関する影響は見られませんでした。また、天井材、照明器具、窓ガラス等の非構造部材についても、目視等による緊急調査を行った結果、大きな被害はなく、一部被害のあった箇所の補修、改修は既に済んでいます。
 体育館を初めとする学校施設は、大勢の児童・生徒が利用し、緊急時には避難所としての役割も担っていることから、今後も施設全体の点検や改修、維持修繕等を通じて、耐震性の強化に努めてまいります。
 次に、震災時の児童・生徒の安否情報の発信についてのお尋ねです。
 3月11日に発生した東日本大震災においては、携帯電話や固定電話が不通になるなど、保護者への連絡に支障が生じました。震災時の情報発信については、特定のツールのみを考えのではなく、複数の連絡方法を用意し、家庭に使用方法を周知しておくことが必要であると認識しています。
 4月に策定し、このたび改訂した「新宿区立学校危機管理マニュアル」では、震災時の学校と家庭の連絡方法とのルールを必ず定めるとともに、震災時に電話や電子メールが使用できない場合を想定し、御指摘の学校ホームページを初め、災害用伝言ダイヤルなど複数の方法の中から、当日使用可能な手段を用い緊急連絡を行うこととしています。
 学校ホームページにより子どもの安否情報を提供することについては、個人情報保護上の課題を整理しながら検討してまいります。
 次に、地域特性を考慮した避難訓練についてのお尋ねです。
 各学校では、これまでも児童・生徒に対し発災時の安全確保や、避難時の基本行動等について指導するとともに、保護者による引き取りや生徒の集団下校などの訓練を実施してきました。
 教育委員会では、東日本大震災の教訓や首都直下地震による被害想定を踏まえ、各学校、幼稚園に対して、学校における避難訓練等に当たっては、火災危険度やがけ、擁壁、急傾斜地等の分布状況が示された新宿区地震ハザードマップ等を確認し、二次災害の発生も考慮した避難訓練を実施するとともに、保護者や地域住民との連係を密にした避難訓練を実施するよう、8月に指示したところです。
 また、避難訓練の意義を児童・生徒に十分理解させ、みずからの命はみずから守り安全に行動できることを基本として、多様な場面や状況を想定し主体的に訓練に臨むよう指導しています。
 今後とも学校で行われる避難訓練が地域の実情を踏まえ、実践的なものとなるよう努めてまいります。
 以上で答弁を終わります。
◆10番(野もとあきとし) 御丁寧な答弁をいただき、ありがとうございました。
 今回、スポーツ振興についての質問をさせていただきました。このスポーツ振興につきましては、私ども公明党だけではなく多くの会派の議員の皆様も同じようにお考えになっていると思いますが、質問の中でスポーツ振興の組織整備については、あたかも新宿区は現状のままでよいと思われかねない答弁がございましたので、再質問させていただきたいと思います。
     〔「よし頑張れ」と呼ぶ者あり〕
 お示ししましたように、スポーツ基本法、スポーツ立国の実現を目指し、国家戦略として施策を推進、これは国の法律でございましたが、新宿に目を向けますと、新宿はスポーツ振興に全力で取り組んでおり、施設の面でも環境の面でも大学との連携においても、新宿区のスポーツ振興についての取り組みは日本全国トップクラスであると私も思っております。新宿は世界じゅうの人が集まる国際都市であります。この国際都市新宿として、全庁を挙げてスポーツ振興に取り組むべきであると考えております。
 今回の質問は、組織整備のポストをつくるということではございません。新宿区の総務課、障害者福祉課、教育委員会全庁で取り組んでいただきたい、そういう意味の組織整備を訴えたところでございます。答弁をお願いします。
◎地域文化部長事務代理(加賀美秋彦) 今の野もと議員の御質問でございますが、スポーツ振興については、新宿区としては全庁を挙げて努力してきております。施設の面も、また国体でもハンドボールを誘致したということで、全庁を挙げてスポーツ振興には努めているところでございます。
 部局の名称につきましては、今の状態でそれは未来永劫いいということではございませんで、他区の状況等も踏まえた上で、今後の区の姿勢も含めて検討した中で検討していくと。ただ、今現在では直ちには名称を変更するつもりはないということでお答えしたということでございます。
◆10番(野もとあきとし) 今後ともスポーツ振興を全力で推進していただきたいと思います。
 今回の決算特別委員会に入る同僚議員にその他の項目を託し議論させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 以上で代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)