にぎわいと安全、安心のまちづくりについて(平成22年第3回定例会 一般質問)
平成22年9月17日、新宿区議会第3回定例会の一般質問に立ちました。
テーマは、「にぎわいと安全、安心のまちづくりについて」です。
(質問と答弁の趣旨)
質問 持ち家や民間賃貸住宅におすまいの方への防犯性の高い鍵や補助錠の取り付けをはじめ、防犯に有効な対策について支援すべきでは。
区長室長 区内四警察署と十分な連携をとりつつ、町会・自治会の各種会合や重点地区活動団体の連絡会等の機会を活用し、防犯用具の性能や取り付け方法を紹介するなど、積極的な普及・啓発に努めます。
質問 新大久保駅のバリアフリー化を要望する利用者の声は日ごとに高まっております。今後、実現に向けてどのように取り組まれるお積りか。
都市計画部長 より安全で快適に利用できるよう、エレベーター等の設置による早期バリアフリー化実現をJR東日本に引き続き働きかけます。
質問と答弁は下記の通りです。
野もとあきとし 区議会公明党の野もとあきとしです。
私は、にぎわいと安全、安心のまちづくりについて一般質問いたします。
最初に、歌舞伎町地域についてお伺いします。
平成13年9月1日未明、歌舞伎町で、死者44名、負傷者3名のビル火災が起こりました。この建物は、地上5階、地下2階、延べ床面積500平方メートルで、屋内階段1本の雑居ビルであり、建物の防火管理に法令違反があったとされています。また、平成20年10月1日、大阪市の雑居ビル個室ビデオ店の火災や平成21年11月22日の杉並区高円寺南の飲食店における火災があり、全国的にも雑居ビルへの防火体制の強化が求められています。区は、平成16年2月から歌舞伎町地域の安全で安心な建築物づくりを推進するための一斉立入検査を実施しており、平成21年12月には、区内の歌舞伎町だけでなく、重点地区の合同一斉立入検査を行っています。
まず初めに、今回の合同立入検査で課題が浮き彫りにされたのか、どのような成果があったのか、また検査の結果、不適合の項目に対して改善指導が行われたと思いますが、アフターチェックを厳しく実施されたのかお伺いします。
また、今回、一斉立入検査が区内重点地域まで広げて行われましたが、継続した取り組みが大事で、今後、計画的な立入検査を実施すべきと考えますが、御所見をお伺いします。
次に、防犯対策の強化についてお伺いします。
警視庁によれば、平成14年2月27日から歌舞伎町の街頭防犯カメラシステムの運用が行われました。ドームカメラ36台、固定カメラ18台、高感度カメラ1台の計55台で、各カメラが撮影した映像は新宿警察及び警視庁本部に送られています。新宿区も、東京都の補助金を活用して町会や商店会などを主体とした防犯カメラの設置を推進し、区内では222台が稼働しております。
そこで、伺います。
防犯カメラの設置によりどのような防犯対策効果があったのか。また、防犯カメラについてはプライバシーの侵害などの課題がありますが、安全性とのかかわりをどのように認識され、プライバシー保護のハードルをどのようにクリアされているのかお聞かせください。
あわせて、持ち家や民間賃貸住宅などへの個別の防犯対策についてお伺いします。
繁華街や商店街、町会単位の防犯対策については、防犯パトロール、民有灯の照度アップなど、地域が主体となった防犯対策が着実に成果につながっており、安全・安心のまちづくりが推進されていることを高く評価しております。さらに、防犯対策を推進するためには、自分の命は自分で守るという各家庭での防犯対策の強化も重要であります。
そこで、持ち家や民間賃貸住宅にお住まいの方への防犯性の高いかぎや補助錠の取りつけを初め、防犯に有効な対策について区としても支援すべきと考えますが、御所見を伺います。
続いて、歌舞伎町ルネッサンス事業の推進と歌舞伎町タウン・マネージメントの取り組みについて伺います。
我が会派は、歌舞伎町の再生に対して、規制と監視の強化も必要であるが、歌舞伎町に若者文化を導入することによって、歌舞伎町に新しい風を送り、新たな文化の構築が大切であると訴えてきました。区も、吉本興業誘致や大久保公園を活用したシアターパークの推進など、積極的に若者文化の導入を行っており、高く評価するものです。
しかし、一方でコマ劇場や映画館が相次ぎ閉館する状況の中、私のところには厳しい声が届いているのも事実です。区は、こうした声に対し、歌舞伎町ルネッサンス事業を推進し、これまで成果を上げてきたということをもっと情報発信し、理解していただくことが重要であると考えますが、この点についての御所見を伺います。
また、歌舞伎町ルネッサンスでは、これまでに相当額の予算が投じられ、インフラ整備が進められてきましたが、今後、将来にわたり限られた財源の中、どのように歌舞伎町ルネッサンス事業を推進していくお考えなのか伺います。
そして、歌舞伎町ルネッサンス事業の経験や歌舞伎町タウン・マネージメントの手法を活かし、例えば外国人が多く生活する多文化共生のまちづくり、あるいは大学や教育機関が集中する文教地域や、新宿区の記憶が残る歴史や文化を活かしたまちづくりに応用し、展開していくことが重要であると考えますが、御所見を伺います。
最後に、新大久保駅周辺地域についてお伺いします。
区は、平成17年4月に策定した交通バリアフリー基本構想に基づき、鉄道駅のエレベーターの設置に対して補助を行い、積極的にエレベーター設置を進めております。本年3月中旬には大久保駅にエレベーターが設置され、特に高齢者や障害者の方から喜びの声が寄せられています。しかし、第一次実行計画に示された平成21年度の新大久保駅のバリアフリー化はいまだ実現されておりません。新大久保駅は、改札口が1カ所であり、ピーク時は2カ所ある階段を上りと下りの通行で大変な混雑となっております。そのため工事計画や設置場所の確保が難しい状況であると聞き及んでいます。バリアフリー化を要望する利用者の声が日ごとに高まっており、私のところにも多くの声が寄せられています。今後、実現に向けてどのように取り組まれるおつもりかお聞かせください。
また、補助72号線が諏訪通りから大久保通りまで整備されることにより、新大久保駅周辺地域の対策が重要となります。区は、7月26日に大久保地域センターで補助72号線の工事説明会を開催し、整備内容や工事の進め方、質疑応答を行っています。説明会では、補助72号線と大久保通りの交差点改良工事について、交差点部の塗装工事や横断歩道と信号機の新設や移設、バス停の移設や統合の説明がありました。安全対策については、警視庁との協議を行いながら進めているとのことでした。
中でも、バス停の移設、統合は新大久保駅前付近を予定しているとのことですが、駅前はさらに人が行き交う場所になります。駅のガード下の歩道は狭く、交差点の信号待ちの人が滞留すると、歩道の通行が困難になります。車や自転車、人が安心して通行できるように、まちづくりの観点から新大久保駅周辺の安全と安心の確保が求められます。どのような駅周辺整備をお考えか伺います。
以上で質問を終わります。
都市計画部長(鹿島一雄) 野もと議員の御質問にお答えいたします。
初めに、平成21年12月の雑居ビルに対する合同立入検査で課題が浮き彫りにされたのか、どのような成果があったのか、検査の結果についてアフターチェックを実施したのか、また今後、計画的な立入検査を実施するのかとのお尋ねです。
平成21年11月に発生した杉並区高円寺南の飲食店火災は、死者4名、負傷者12名を出すという痛ましい事故でした。そこで、区では、同様な事故を防止するため、平成21年12月から翌年1月にかけて、新宿駅周辺や高田馬場駅周辺、歌舞伎町地区などの繁華街を重点地区と位置づけて、消防署と協議が調った94棟の雑居ビルについて、消防署との合同による立入検査を実施しました。
この立入検査では、94棟のうち不適合を指摘したものが85棟あり、その不適合内容は、非常用照明や火災の拡大を防止するための防火区画についての不適合が多数あるという課題が明らかになりました。不適合を指摘した雑居ビルのうち、21棟については改善されるという成果もありました。また、未改善のものに対しては、アフターチェックとして文書や現地調査による改善指導を続けて行っているところです。
計画的な立入検査の実施については、現在、警察署の風俗営業許可に伴う建築指導課への通知制度において、許可する場合には消防署及び警察署との合同による立入検査を行うことになっていることから、年間約400棟の雑居ビルについて計画的な検査を実施しています。
今後も、引き続き明らかになった課題を重点に、雑居ビルの防災体制の強化に取り組んでいきます。
次に、新大久保駅のバリアフリー化にどのように取り組んでいくかについてのお尋ねです。
区では、エレベーター設置補助による駅施設のバリアフリー化促進を図っており、新大久保駅は第一次実行計画に位置づけた最後の1駅となりました。現在、JR東日本がエレベーター設置に向けた取り組みを進めているところですが、御指摘のとおり、新大久保駅は駅施設が大変狭く、用地確保が必要であることから、エレベーターの設置場所の選定や工事方法など、困難な課題を抱えていると聞いています。
区としては、新大久保駅が駅利用者にとってより安全で快適に利用できるよう、エレベーター等の設置による早期のバリアフリー化実現を同社に引き続き働きかけていきます。
次に、補助72号線の整備に伴う新大久保駅周辺の安全と安心の確保についてのお尋ねです。
区の都市マスタープランにおいては、新大久保駅周辺を生活交流の心と位置づけ、住機能と近接する地域の生活中心として、歩道やオープンスペースなどの整備を進めることとしています。
補助72号線の整備に伴い、新たに大久保通りとの交差点が設置されますが、これにより、横断歩道や信号機の新設、バス停の移設、統合が必要となります。このため、駅周辺の人の流れや交通量、バスの乗降客などの調査を行いました。この結果に基づき、現在、駅前の歩行者が滞留せず、安心して歩けるよう、横断歩道の幅や信号機の点灯時間などについて関係機関と調整しています。
また、補助72号線の無電柱化やバリアフリー化などの沿道整備を行うとともに、駅周辺の細街路の拡幅整備を進めながら、にぎわいあふれる安全・安心のまちづくりを進めてまいります。
区長室長(寺田好孝) 続きまして、防犯対策の強化についてのお尋ねにお答えをいたします。
初めに、防犯カメラの効果についてです。
防犯カメラの設置による犯罪抑止等の効果を正確に把握することは困難ですが、防犯カメラに記録された映像が資料となって事件が解決したという報道や、防犯カメラの設置が随所に表示されることにより、相当程度の犯罪抑止効果があると認識しております。また、平成19年度から平成21年度の区政モニターアンケートでは、安全・安心のまちづくりに有効であるものとして、住民一人ひとりの防犯意識の啓発に次いで、防犯カメラの設置が上げられていることからも、防犯カメラは地域の方々に安心感を与え、体感治安の向上に有益なものと考えております。
次に、防犯カメラとプライバシーの保護についてでございます。
防犯カメラを設置する際には、設置団体ごとに運用要綱の作成を義務づけ、設置場所、設置台数、映像データ保管の方法や期間、データの提供制限などを定め、運用管理体制の厳格化を図っているところでございます。
さらに、カメラの運用開始前には、区職員が、直接、モニターや映像保存機器の設置場所を検査し、運用要綱に基づく管理体制の確認を行ってございます。
次に、持ち家や民間賃貸住宅など、各家庭の防犯対策についてのお尋ねでございます。
安全で安心なまちづくりを進めていくためには、一人ひとりが日ごろから防犯意識を持ち、防犯性の高い地域社会を構築していくことが何よりも重要と考えております。
現在、新宿区民の安全・安心の推進に関する条例に基づく安全推進地域活動重点地区は68地区となり、また防犯ボランティアグループは39グループを数えております。さらに、しんじゅく安全・安心情報ネット登録者約2,850名の方々には、ひったくり、振り込め詐欺及び不審者情報などを提供しています。
御提案の各家庭での防犯に有効な対策につきましては、区内4警察署と十分な連携をとりつつ、町会・自治会の各種会合や重点地区活動団体の連絡会等の機会を活用いたしまして、防犯用具の性能や取りつけ方法を紹介するなど、積極的な普及、啓発に努めてまいります。
次に、歌舞伎町ルネッサンスについてのお尋ねでございます。
区は、平成17年1月に歌舞伎町ルネッサンス推進協議会を立ち上げ、歌舞伎町をだれもが安心して楽しめるエンターテインメントのまちへ再生することを目標に掲げ、これまで路上清掃や防犯パトロールなどの安全・安心事業、シネシティ広場や大久保公園などの公共空間を活用した地域活性に向けたイベントなど、さまざまな事業を推進してまいりました。
この結果、区が毎年実施しております区政モニターアンケートでは、「歌舞伎町に対するイメージが向上した」「まちが安全になった、きれいになった」との回答が平成17年度の約20%から平成21年度では約30%に上がるなど、歌舞伎町ルネッサンスに対する評価をいただいているところでございます。
しかし一方で、「歌舞伎町ルネッサンスを知っていますか」という問いに対する「知っている」との回答は約13%であり、その認知度はいまだ十分とは言えません。区は、こうしたことも十分踏まえながら、区や歌舞伎町タウン・マネージメントのホームページ、地域ポータルサイトであるしんじゅくノート、歌舞伎町タウン・マネージメントが発行する地域情報誌を活用し、歌舞伎町ルネッサンスの取り組みや成果について、よりわかりやすく積極的に今後とも情報発信してまいります。
次に、今後の歌舞伎町ルネッサンス事業の推進についてのお尋ねでございます。
区は、これまで歩道の拡幅及び違法駐車対策としての花道通りの整備や、車両の相互通行を確保するために西武新宿駅前通りの整備を行うとともに、本年6月には、大久保公園を新たな文化の発信とにぎわい創出の拠点となるシアターパークとしてリニューアルいたしました。
今後は、コマ劇場跡地など、シネシティ広場を中心とする地域に民間による再開発が想定されるところでございます。そうした変化への的確な対応とともに、歌舞伎町の持つエンターテインメント性を持続していくためにも、これまでの取り組みに加え、シネシティ広場や大久保公園などの公共空間を積極的に活用し、スポーツイベントや農山村とのふれあいキャンペーンなどの事業を継続的に展開し、多くの方が来て楽しむことができるよう、歌舞伎町ルネッサンスを推進してまいります。
最後に、歌舞伎町ルネッサンス事業の経験や歌舞伎町タウン・マネージメントの手法を活かしたまちづくりについてのお尋ねでございます。
歌舞伎町ルネッサンス事業は、清掃活動や防犯パトロールなどを行うクリーン作戦プロジェクト、シネシティ広場や大久保公園などでイベントを実施し、にぎわいづくりを行う地域活性化プロジェクト、歌舞伎町まちづくり誘導方針により、まちづくりを進めるまちづくりプロジェクト、そして空き室や公共空間に歌舞伎町再生の担い手を誘致する喜兵衛プロジェクトの4つのプロジェクトを中心として展開しております。
また、平成20年4月には、歌舞伎町タウン・マネージメントを設立し、地元の事業者や地域の住民が主体となって、これらのルネッサンス事業を進めているところでございます。
これまでの実績には、シネシティ広場における音楽と踊りを通して民族文化を紹介した「ボリビア デ フェスタ」や東京工芸大学などと連携したアートイベント「トレジャー・シティ」、また旧コマ劇場の工事の仮囲いを利用し、新宿区の歴史を紹介したウォール・ギャラリーの実施などがございます。歌舞伎町ならではの特性を活かしたこうした取り組みの中には、他の地域のまちづくりにも活用可能なものがあると考えてございます。
既に歌舞伎町タウン・マネージメントが実施している本庁舎前での音楽のイベントや、新宿の歴史をたどるアートイベントなどのルネッサンス事業を区の文化ロードの一環として位置づけ、新たな文化の創造と発信に役立てております。
こうした取り組みを踏まえまして、今後は、歌舞伎町ルネッサンス事業や歌舞伎町タウン・マネージメント独自の取り組みを幅広く展開していく中で、その経験や実績の応用、また展開可能な事例について検討してまいります。
以上で答弁を終わります。
野もとあきとし 大変御丁寧な御答弁、ありがとうございました。
まちが安全であること、安心であることは何よりも大切と思います。また、世界じゅうから人々が集う国際都市新宿がさらににぎわいのある魅力的な都市となるよう、施策の推進をお願いします。
私は決算特別委員会に参加の予定ですので、詳しくは改めて質問させていただきます。
ありがとうございました。
