平成22年6月 第2回定例会の代表質問
平成22年6月9日、区議会第2回定例会の代表質問に立ちました。
「平成22年第2回定例会の開会に当たり、新宿区議会公明党を代表して、区長並びに教育委員会に質問いたします。何とぞ誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。
平成19年4月に行われた新宿区議会議員選挙後の第2回定例会において、公明党を代表し、初めての質問をさせていただきました。それから3年が経過し、この間に100年に一度と言われる経済危機、新型インフルエンザ、そして昨年の政権交代から本年6月の鳩山総理退陣と、世の中は大きく変化しております。私は初心を忘れず、青年らしく、区民の皆様の御期待におこたえできるよう、全力で働かせていただく決意を申し上げ、質問に入ります」と、代表質問の冒頭で述べ、質問に入りました。
質問と答弁(要旨)については、下記の通りです。
子宮頸がん予防ワクチン公費助成について
質問①子宮頸がん予防ワクチン助成に対する区民からの要望は日毎に高まっている。公費助成について区長の英断を求める。
答弁①区の財政状況を見極めた上で各種予防接種の優先度なども含め検討。
高齢者福祉サービスの充実について
質問①必要な時に介護職や看護師が駆けつけてサービスを提供する、24時間随時訪問サービスの評価と導入の決意を伺う。②特別養護老人ホームの入所待機者は1月末で1,265人。待機上位者への事前調査の実施及び特別養護老人ホームを定期的・継続的に利用する制度の導入を検討しては。③「ほっと安心カフェ」の協働事業で築き上げたノウハウを活かし、幅広い区民が利用できるよう更なる拡大を図るべきでは。
答弁①必要不可欠と認識。第5期介護保険事業計画の策定の際は在宅サービスの強化のひとつとして検討。②本人や家族の状況を把握しながら、一人ひとりきめ細かに行っている。多くの待機者がいる現状では、まず待機している方がスムーズに入所できることが大切。そこで、入所待機者の在宅介護を支えるためにショートステイや介護老人保健施設の短期・中期の入所サービスの利用を更に促進。③具体的な事業の方向性を検討する中で、類似事業との統合・拡充も視野に入れながら幅広い世代がともに支え合う地域づくりを進める。
うつ病対策について
質問 うつ病対策の取組みについて。①区民にうつ病治療として注目を集める「認知行動療法」の普及を目指し周知すべきでは。②日常的に心の悩みを気軽に相談できる窓口の広報や周知が重要では。③「新宿こころといのちのセーフティネット」はわかりやすく整理され必要な情報が多く掲載されているが、区民の目にふれていない。全戸配布の必要があるのでは。④働く人のメンタルヘルスについて、現状の取り組みに関する状況や参加者の反応はどうか。将来を見据えた対策が必要と思われるが今後の取り組みは。
答弁①この療法を実施している医療機関が少なく情報収集に努めている。区民の方からの相談を受ける中でご案内する。②今後保健センターが健康や病気に関して気軽に相談できる場所であることをわかりやすく周知。③区民に幅広く周知するためにホームページに掲載する等一層の普及に努める。④講演会やリワーク講座、個別相談等を開催し大変好評。今年度は産業保健分野や医療機関、NPO等の関係機関とのネットワークづくりをしていく。
マルチメディアデイジー版教科書の普及について
質問①教員への提供と障害の状況に応じて在籍学年より下の教科書配布が可能になったがどうか。②学校や発達障害のある保護者への周知は。③デイジー版教科書使用に当たっての支援体制は。
答弁①発達障害に配慮した教材を用いた指導の充実を図る。②今後情報収集に当たるとともに効果的な活用事例を紹介していきたい。③学習効果をあげるためにはそれぞれのニーズに適した機器の選定と共にその活用方法の検討が重要。
この他に、「中山区政」「今後の経済動向と財政運営」「区役所の区民サービスの質の向上」「待機児童の解消に果たす認証保育所の役割」「子ども園化の推進」「在宅療養体制の整備」「新教育課程への取り組み」について質問しました。
(すべての質疑は下記の通りです)
3番(野もとあきとし) 平成22年第2回定例会の開会に当たり、新宿区議会公明党を代表して、区長並びに教育委員会に質問いたします。何とぞ誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。
平成19年4月に行われた新宿区議会議員選挙後の第2回定例会において、公明党を代表し、初めての質問をさせていただきました。それから3年が経過し、この間に100年に一度と言われる経済危機、新型インフルエンザ、そして昨年の政権交代から本年6月の鳩山総理退陣と、世の中は大きく変化しております。私は初心を忘れず、青年らしく、区民の皆様の御期待におこたえできるよう、全力で働かせていただく決意を申し上げ、質問に入ります。
質問の第1は、中山区政についてであります。
中山区政は、2期目の4年がもうすぐに終わり、一つの区切りを迎えようとしています。
そこで、これまでの中山区政についてお伺いします。
私どもから見て、この4年間の中山区政を総括しますと、1点目は、身近な政府として区民の生活実態を把握し、現場現実を重視した区政運営をされてきたことです。回復基調の経済状況が一瞬にして100年に一度とも言われる世界的な大不況に陥り、区民生活にとっても大変厳しい情勢となりましたが、新宿区においては、これまでの行財政改革などで培った財政対応能力を有効に活用し、区民生活を守り、支えるために、緊急経済雇用対策を実施するなど、区民の不安を払拭し、活力に満ちた地域社会づくりを進めてきたことは大変評価できることと思います。
2点目は、協働と参画による区政運営を進められたことです。
多くの区民の参加による区民会議の提言を受けての基本構想、総合計画の策定や、公募区民を含めた委員による外部評価制度の導入や、その結果の公表、また区民、議会、行政の協働による自治基本条例制定に向けた取り組みなど、新しい自治体運営のお手本となる取り組みがされてきたことと思います。
3点目には、時代を見据えた上で、区民の視点から必要とされる課題について的確に対応されたことです。少子高齢社会を迎え、保育園待機児解消策や子育て家庭への支援は、国の制度に先駆けた取り組みとなっています。また、高齢者が地域社会でいきいきと暮らすための参加の仕組みや居場所づくり、新たな就労支援への取り組みなど、自治体として先を見た中長期の課題にも対応されてきたことと思います。我々は、こうした中山区政を評価し、ともに推進してきたわけです。
そこで、区長に伺います。
第1の質問は、この3月に任期4年目の節目の予算を成立させた現在の心境をお聞かせください。
第2の質問は、区長はこの4年間、区政運営をされる中で最も心がけてこられたことは何でしょうか。
第3の質問は、私どもは引き続き中山区政に大いに期待するところですが、11月の選挙に向けて区長の決意のほどを伺います。答弁願います。
◎区長(中山弘子) 野もと議員の御質問にお答えします。
まず、任期4年目の節目の予算を成立させた現在の心境についてのお尋ねです。
区長に就任して2期、4年目を迎える平成22年度は、第一次実行計画の折り返しを過ぎた3年度目に当たるとともに、私にとってもこれまでの取り組みの評価が問われる年であります。
現下の経済情勢は、高い水準で推移する失業率など、大変厳しい状況が続いています。平成22年度予算では、区がこれまで培った財政対応力を十分に活用し、厳しい経済情勢の影響を受けている区民の暮らしを積極的に支えるとともに、新宿の未来を展望した取り組みを推進する予算として編成しました。
急激な景気悪化の影響を受け、生活保護費などの扶助費が伸びる一方、企業収益の落ち込みなどから一般財源収入が大幅に減少する厳しい財政環境での編成でしたが、だれもが夢と希望を持てる「『新宿力』で創造するやすらぎとにぎわいのまち」の実現に向け、着実な一歩をしるすことができたと考えています。
次に、この4年間の区政運営の中で、最も心がけてきたことについてのお尋ねです。
私が心がけてきたのは、「現場現実を重視した、柔軟かつ総合性の高い区政運営」、「公正かつ透明性の高い区政運営」、そして「区民との協働と参画による区政運営」であり、この3つの基本姿勢のもと、基本構想や総合計画を策定してまいりました。
また、区民が安心して心豊かに住み続けられるよう、限られた資源を効果的、効率的に投入することにより、待機児童解消対策や特別養護老人ホームの整備などの少子高齢社会への対応、地球温暖化対策、セーフティネット機能の充実など、さまざまな課題に取り組んでまいりました。
私は、この4年間でこうした区政運営を進めることにより、基本構想や総合計画で示した方針を着実に実行することができたと考えております。
次に、11月の区長選挙に向けた決意についてのお尋ねです。
私が区長に就任してから7年7カ月が過ぎようとしています。この間、私は区民を初め、区議会及び多くの方々の御理解、御協力を得て、区政を取り巻く課題の解決に努力してまいりました。時代はまさに大きな転換期を迎えております。私は、区民生活の不安を払拭し、だれもが夢と希望の持てる、人にも地球にも優しい地球社会をつくることが地方政府としての新宿区の使命であると考えています。
こうした考え方に立って、私は多くの皆様の賛同を得て、「『新宿力』で創造するやすらぎとにぎわいのまち」の実現に向けて、引き続き区政を担ってまいりたいと考えております。
◆3番(野もとあきとし) 質問の第2は、今後の経済動向と財政運営についてであります。
現在の景気は緩やかに回復しつつあり、平成20年秋からのリーマンショックで痛手をこうむった日本経済が、ようやく立ち直りの兆しを見せ始めていると言われています。しかし、実感としてはその景気回復について直接肌に感じられるほどには至っていないと認識しています。
加えて、現下の経済情勢は、ギリシャの財政危機に端を発した市場の動揺やデフレ傾向への懸念など、今後も先行き不安要因を残しているのが実態であると考えます。区は、このような状況を的確に把握し、先行きを見通した上で今後も持続可能な財政運営に努めていくことが強く求められています。また、このようなときだからこそ、区民生活を守り支えることが区の役割として重要であると考えます。
そこで伺います。
1点目は、今後の経済や景気の動向についてです。
区は、現在、喫緊の課題に対してこれまで培ってきた財政対応能力を活用し、平成22年度予算の適切な執行に努められているものと思います。しかし、その一方で、平成23年度までの第一次実行計画の収支見通しでは、基金の取り崩しによる基金残高の減少が見込まれています。今後の景気動向など、状況の変化によっては区財政のかじ取りがより一層難しい局面を迎えるのではないかと考えます。
そこで、今後の経済や景気の動向をどのようにとらえているのか、まずお聞かせください。
2点目は、今後の財政運営についてです。
今回の景気後退局面の状況は、高い水準で推移している失業率に端的にあらわれているように、直接区民生活に大きな影響を及ぼしているものと認識しています。このような厳しい経済状況の中、区は区民生活を支え、区民の信頼にこたえていくことが強く求められます。
そこで、平成22年度予算の執行過程でどのような基本姿勢で財政運営に臨むのか、お伺いします。答弁願います。
◎区長(中山弘子) 今後の経済や景気の動向についてのお尋ねです。
5月に政府が発表した1月から3月期までの国内総生産は、実質年率換算の速報値で4.9%増となり、5月の月例経済報告でも景気は着実に持ち直してきているとしています。
しかし、今春の大学新卒者の就職率が91.8%と、前年に比べ3.9ポイントも減少するなど、依然として厳しい雇用情勢が続いており、加えてギリシャの財政悪化に端を発した市場の不安など、今後の先行きは極めて不透明であるととらえています。
現下の経済情勢では、区財政への影響などを見きわめるため厳しく状況を注視していく必要があると考えています。
次に、平成22年度予算の執行過程でどのような基本姿勢で財政運営に臨むかについてです。
区財政を取り巻く厳しい環境は今後も続くものと想定していますが、これからも安定した行政サービスを提供するためには、引き続き区税等の一般財源収入の確保とともに、予算の執行過程においてもさまざまな角度から事務事業を分析、検証し、より効果的、効率的な行財政運営の実現に向けた不断の取り組みが重要であると考えています。
年度途中の状況変化について、機動的かつ適切に対応することはもとより、これからも将来にわたり健全で安定的な財政を確保してまいります。
◆3番(野もとあきとし) 質問の第3は、区役所の区民サービスの質の向上についてであります。
1点目は、職員の接遇能力の向上についてです。
区が、平成20年3月に策定した人材育成基本方針の中に、目指すべき職員像として、当然ですが、接遇能力を高め、区民が必要とする情報をわかりやすく説明し、区民に満足度の高いサービスをする職員と明示されています。
さらに、区は、同年4月、職員の政策形成能力向上を目的に、新宿自治創造研究所を設立し、昨年7月に「参加と協働時代における自治体職員の役割」と題した名和田法政大学教授の講演を行うなど、職員の質、向上を進めてこられました。
しかし、そうした努力にもかかわらず、本年2月、障害者自立支援法をめぐる区の不名誉なニュースがマスコミに踊ってしまったのであります。さらに粘り強く区民サービスの向上に取り組む必要があると考えます。
外部調査機関による覆面調査も有効だと考えますが、新宿区はどのような方法で接遇力の向上を図っているのですか、お伺いします。
2点目は、区民目線の区役所の案内についてです。
先日、公明党の控室に区民の方より「中学生の塾代の支援策はないか」との電話をいただきました。同僚議員が教育委員会に問い合わせたところ、該当する制度はないとのこと。次に、社会福祉協議会に確認しましたが、やはりないとのことで、仕方なく、区民の方にその旨を連絡しているさなか、東京都の生活安定化事業の一環として、地域福祉課が窓口となり、区民健康センターの2階で、新宿生活サポート相談室として事業を行っていることがわかりました。担当以外の事業であっても、関連した事柄に関しての情報の共有化は必要と言えましょうが、多忙を極めている中では困難な場合もあります。
そこで1つ目に、こうした場合、情報案内を専門とするコールセンターが役立つのではないかと考えます。そのためには、データの更新等、機能アップが求められます。どのようになっているのか、更新サイクルを含め伺います。
2つ目は、コールセンターをいまだ知らない人や、あるいは知っていても電話することをちゅうちょする人がいるようです。区民に身近なコールセンターと認知されるためのさらなる工夫が必要だと考えますが、今後の周知方法について伺います。
3つ目は、区政情報センターの案内機能の拡充についてです。
コールセンターのデータ機能を利用するとか、あるいは内線電話で各課に問い合わせをして差し上げるといった案内機能の拡充で、区役所の親切度が大いにアップすると考えますが、御所見を伺います。
3点目は、区役所の土日開庁についてであります。
より便利な区役所を目指し、土日に窓口を開く区がふえていると、21年3月31日付、東京新聞で報じられておりました。同紙によると、23区では港、新宿、江戸川の3区を除き、少なくとも月1回は土日に窓口業務を行っているそうです。さまざまな勤労状況にある区民にとって、平日のみの区役所開庁が果たして区民の利便性の向上を目指していると言えるのかどうか、拡充をしても追いつかない保育園需要からいっても、共働き家庭は確実に増加しており、平日の開庁時間内に来庁することが困難な家庭もあるのではないでしょうか。
新宿区は、住民票や戸籍謄・抄本等を交付申請、受領に、窓口に開庁時間内に来庁できない方に郵便受け付けの便宜を図るとともに、毎週火曜日に区役所並びに出張所で夜7時までの開庁をしていますが、その効果を検証し、せめて月1回の土日開庁を区民サービスの向上を目指す上からも実施すべきと考えますが、御所見を伺います。答弁願います。
◎区長(中山弘子) 区民サービスの質の向上についての御質問です。
最初に、職員の接遇能力の向上についてのお尋ねです。
区は、好感度一番の区役所の実現を区政運営の基本目標としており、御指摘のように、人材育成基本方針の中でも、職員に必要となる能力、姿勢として、接遇能力の向上を重点の一つとして掲げています。これまでも職員マナーブックの全職員への配付や、接遇パワーアップ研修を実施するなど、職員の接遇能力の向上を図っています。
特に、接遇パワーアップ研修では、平成18年度から窓口や電話応対の覆面調査を実施し、接遇力の診断を行っています。この診断結果をもとに、よかった点、改善すべき点をまとめ、一般職員に対しては窓口、電話応対の基本の確認とさらなるレベルアップの研修を行い、管理監督者に対しては、組織としての接遇向上ポイントの研修を実施しています。
さらに、覆面調査の診断結果や研修結果を、庁内全職場へ通知し、実践に活かせるようにしています。
今後も、これらの取り組みを通じて職員の接遇能力を向上させ、好感度一番の区役所の実現に努めてまいります。
次に、区民目線での区役所案内についてのお尋ねです。
コールセンターでは、電話による区政に関するお問い合わせに対して、FAQ(よくある質問と回答)のデータを初め、ホームページや広報紙などの情報をもとに事業の内容など、多岐にわたる御案内をしています。
このFAQやホームページのデータを常に最新の内容に更新することは、庁内における情報共有化のみならず、コールセンターでの案内にとって必要不可欠な条件となっています。そのため、事業の新設や変更があった場合は、その都度ホームページとあわせてFAQを更新するとともに、毎年4月、事業の改廃に伴う更新漏れがないかなどの総点検を行っています。
今後とも、ホームページ及びFAQデータの的確な更新を徹底してまいります。
次に、コールセンターの周知についてのお尋ねです。
コールセンターの認知度は、区政モニターアンケート調査では16.5%と、20年度より3.2ポイント上がったものの低い状況です。引き続き広報しんじゅくやぬくもりだよりなどで周知するとともに、イベントや講演会などさまざまな機会をとらえ、一層の周知に努めてまいります。
次に、区政情報センターの案内機能の拡充についてですが、御指摘のとおり、区民の方からのお問い合わせなどに対しては、FAQの利用や各課への問い合わせを行いながら御案内をしているところです。
また、区政情報センターでは、現場の相談員の経験と知恵を活かして、劇場や映画館など、民間の情報を幅広くまとめたお問い合わせガイドを独自に作成し、多様な問い合わせにも対応できるようにしています。
今後とも、お問い合わせガイドの充実や、相談員の研修の機会を確保することなどで、区政情報センターの案内機能の充実を図り、より区民目線に立った区役所案内に努めてまいります。
次に、土日開庁についてのお尋ねです。
御指摘のとおり、区では、開庁時間内に来庁できない方を対象に、住民票や戸籍謄・抄本等の郵便請求を受け付けているほか、毎週火曜日に区役所並びに出張所で、夜7時までの開庁をしています。また、年度末と年度始めの繁忙期には、土曜日に区役所の窓口を開設しています。
さらに、昨年6月から自動交付機を導入したほか、現在、40種類の手続についてインターネットを利用した電子申請サービスを導入し、利便性の向上を図っています。
土日開庁の実施につきましては、これらのサービスの効果を検証するとともに、土日に開庁した場合のコスト増や人員体制などを踏まえて、検討する必要があると考えております。
◆3番(野もとあきとし) 質問の第4は、待機児童の解消に果たす認証保育所の役割についてであります。
本年4月の認可保育園の待機児童は83人で、昨年同月と比較して13人増加しました。申し込み人数は、昨年が1,025人、ことしが1,101人と、76人も増加していますから、待機児童の伸びがこの程度にとどまったのは、分園や保育ルームの設置、定員の弾力化など、計画事業以外の緊急的な施策を積み重ねた成果が出ていると考えています。
また、昨年度に認証保育所を4カ所開設した効果もあったのではないでしょうか。区では、平成14年度から、認証保育所の設置を推進してきましたが、その結果、平成21年度末には12カ所となっています。この間、平成20年度には公募してもなかなか応募がない状況もありましたが、東京都が認証保育所の設置基準を緩和したことによって公募がふえてきたのではないでしょうか。しかし、この基準の緩和が保育環境の悪化を招くようなことでは困りますが、そのようなことはないのでしょうか。
そこで伺います。
1点目は、東京都の認証保育所設置基準の変更点や緩和された要件などは、どのような内容ですか。また、そのことによる影響、または効果についてもお聞かせください。
2点目は、平成22年度は5カ所開設予定とのことですが、予定どおりに開設されると、区内認証保育所は17カ所となります。今後どの程度まで開設する計画でしょうか。また、認可保育園との役割分担についての御見解もあわせて伺います。
3点目は、東京都制度の保育室についてです。
区内には現在4カ所の保育室があり、そのうちつくし保育園については国立国際医療研究センター内の新たな認可保育園に移行することになっていますが、ほかの3カ所については認証保育所への移行などの準備は現在どのような状況でしょうか、伺います。
4点目は、認証保育所の保育料についてです。
認証保育所によっては、ユニークな幼児教育や特別なサービスを提供している場合もありますが、全般的に保育料は認可保育園と比べて高いという話をよく聞きます。区では、負担軽減の補助を行っていますが、一律に同額です。例えば所得に応じた補助額にするなどの検討をすべきと考えます。御所見を伺います。答弁願います。
◎区長(中山弘子) 初めに、待機児童の解消に果たす認証保育所の役割についてのお尋ねです。
東京都独自の制度である認証保育所は、大都市特有の多様な保育ニーズにこたえる制度として、平成13年度に東京都において要綱制定され、新宿区では平成14年度より事業者を公募して開設してまいりました。
初めに、東京都認証保育所設置基準の変更点や、緩和された要件についてです。
新宿区では、東京都の制度改正に先駆け、平成20年度、認証保育所A型を開設するまでの6カ月間を限度として施設賃借経費を区独自に補助するとともに、認証保育所A型を駅前以外に設置することを認め、事業者が参入しやすい環境整備をしてまいりました。東京都は、平成21年3月、認証保育所制度のさらなる設置促進と質の確保を目指し、東京都認証保育所運営費等補助要綱を改正しました。認証保育所A型の開設準備経費の補助対象範囲が拡大され、従前は駅前に開設するもののみが対象となっていましたが、保育サービス基盤の拡充に資するため、区が必要と認めるものについても対象となりました。
また、平成21年4月には、東京都認証保育所事業実施要綱の一部を改正しました。認証保育所は、定員の範囲内で保育することを原則とし、平成20年度までは年度当初に定員を超えて保育することはできませんでした。平成21年度からは、待機児童の大幅な増加が見込まれることから、緊急対応措置として施設の設備、面積及び職員配置等の基準を満たす場合には、年度当初からの定員の弾力的運用が認められました。
さらに、平成21年9月には、待機児童解消区市町村支援事業補助要綱を制定し、開設に要する改修経費の事業者負担割合が2分の1から8分の1へ軽減されました。
次に、設置基準が変更、緩和されたことによる影響または効果についてのお尋ねです。
まず、平成21年度認証保育所開設事業者の公募では、開設場所の補助要件が緩和され、対象物件の範囲が広がったことで7事業者の応募がありました。
また、開設時の事業者負担が8分の1へ軽減されたことも事業者の参入意欲を高め、結果として4事業者による開設ができました。
区としても、東京都の取り組みは事業者選択の幅を広げる効果があったものと認識しています。
次に、今後の認証保育所の開設計画についてのお尋ねです。
平成22年度は、保育室2カ所の認証保育所への移行を含めたA型7カ所の設置を予定しています。平成23年度は、保育室1カ所の認証保育所A型への移行を計画しており、既存保育所12カ所と合わせて計20カ所となる予定です。
その後の認証保育所の開設については、待機児童の動向、保育ニーズ、認可保育園とのバランス等を考慮して検討していきます。
次に、認可保育園との役割分担についてです。
近年、認可保育園の入所基準を満たしていない短時間就労、変則勤務など、さまざまな就労形態による保育ニーズが増加傾向にあり、認証保育所はこのようなさまざまなニーズに対応する役割を果たしています。
認可保育園、認証保育所ともに、それぞれの保育の特徴を打ち出しながら、保護者が選択できる多様な保育サービスを提供してまいります。
次に、保育室の認証保育所移行などの状況についてのお尋ねです。
御指摘のとおり、つくし保育園については、平成24年4月に国立国際医療研究センター内に新たに開設する私立認可保育園に移行する予定です。
また、2カ所の保育室は、平成22年6月までに特定非営利活動法人設立の認証を受け、法人格を持つ事業者として今年度内の認証保育所への移行を目指した準備を進めています。残る1カ所についても、平成23年度中に認証保育所への移行を計画しています。
区としては、東京都が保育室制度について見直しを進めている状況を踏まえ、保育室が円滑に認証保育所に移行できるよう、積極的に支援してまいります。
次に、認証保育所の保育料についてのお尋ねです。
区では、平成19年度から、認証保育所を含む認可外保育施設における保育料の一部を助成しています。これは、保護者の保育料負担を軽減するとともに、認可保育園を利用した場合の保育料との格差を縮減し、施設の利用促進を図ることを目的としています。
利用者への一律の補助を、所得に応じた補助額にすることについては、認証保育所、保育室、家庭福祉員を利用している保護者の所得を、区ですべて把握して審査する必要が生じるなどの課題があります。
したがって、今後、こうした課題への対応も含め検討してまいります。
◆3番(野もとあきとし) 質問の第5は、子ども園化の推進についてであります。
区と教育委員会では、区立保育所及び幼稚園を子ども園に一元化し、就学前の子どもの保育・教育環境の充実を図るために合同検討組織を設置されました。就学前児童を取り巻く状況は、大きく変わってきており、子どもたちが育つ環境を充実させるためのこのような取り組みは非常に重要な政策課題となっており、早急に進めるべき課題であると考えています。
そうした観点で伺います。
1点目は、かつては年間に6,600人もいた出生の数が、今は3分の1以下になっています。しかし、ここ5年くらいでは、わずかではあるが出生数の伸びも見られます。この伸びは、区のさまざまな子育て支援施策や事業、例えば子ども医療費助成や中学生までの児童手当、保育所の待機児童解消策などの総合的な施策の推進が功を奏した結果であると思います。
区長は、子どもの施策として多くの取り組みを積極的に展開してきていますが、しかし、まだまだ課題は続いています。幼稚園では園児が減り続け、廃園、休園の幼稚園まで出ていますし、その反面、保育園では乳幼児人口が減っても入園希望は減ることはなく、毎年待機児童解消策のための取り組みに御尽力をいただいている状況です。
このような状況を踏まえてのさらなる取り組みとして、子ども園化の推進があるのだととらえていますが、先ほどのような幼稚園と保育園の現状を眺めた場合、幼稚園舎を最大限に活用し、幼稚園舎と保育園舎で待機児も含め、地域での需要に応じて必要な子どもたちを受け入れられるようにする道筋で、就学前の子どもの保育と教育を一体的に行う子ども園化を進めるべきであると考えますが、区長と教育委員会の認識と御所見を伺います。
2点目は、子ども園化を進めるに当たっての今後の区及び教育委員会の担当組織のあり方についての御所見を伺います。
現在の次世代育成支援計画では、子ども園化の方針として、「今後は地域バランスを考慮した子ども園の展開に加え、これまで区で進めてきた幼保連携型の子ども園だけでなく、保育所型、区独自型など、多様なスタイルの子ども園の導入も検討していきます」との考え方を示しています。
この方針のもとで、合同検討組織で多様な子ども園についての具体的な検討が進められるものと思いますが、素直に考えると、保育園と幼稚園とでは、保育園のほうが施設数も多く、また園児の数も圧倒的に保育園のほうが多い状況です。こうした中、多様な子ども園化を進めていけば、当然に保育園舎を使った子ども園のほうが多くなるでしょう。
これまでは、幼保連携型の子ども園を整備してきたため、教育委員会が子ども園を担当する組織を持っていたところですが、今後、幼保連携型にこだわらずに子ども園化を進めるというのであれば、区長部局に子ども園を推進するための担当組織を置くのが本来ではないかと考えますが、区長と教育委員会は、担当組織のあり方についてはどのようにお考えなのか、御所見を伺います。答弁願います。
◎区長(中山弘子) 初めに、子ども園化の進め方についてのお尋ねです。
乳幼児期は、人間形成の基礎が培われる重要な時期であり、就学前の保育・教育は、その後の子どもの生きる力の基礎となります。そのため、保育・教育を一体のものとしてとらえ、総合的な環境整備を図る必要があると考え、新宿区では幼保連携・一元化の理念を定め、平成17年には中町保育園、愛日幼稚園の幼保連携、平成19年には区立保育園と幼稚園の機能を統合した四谷子ども園を開設し、この4月には、当初の幼保連携園あいじつ子ども園を2つ目の子ども園として開設しました。
今後も、こうした取り組みを進め、区内の保育園と幼稚園は、将来的には子ども園に一元化していく中で、御指摘のように幼稚園舎を有効に活用することにより、待機児童の解消を図っていきたいと考えております。
したがって、これからの子ども園化は、教育委員会との合同の検討組織の中で地域バランスや保育園の待機児童の状況、区立幼稚園の再配置の推進の取り組み状況などを踏まえながら、十分に検討し、計画的に進めてまいります。
次に、子ども園を推進する組織のあり方についてのお尋ねです。
子どもの保育と教育を一体的にとらえる視点を持ちながら、保育園と幼稚園の子ども園化をこれまで以上に進めていくには、区長部局と教育委員会事務局のさらなる連携が必要だと考えております。また、子ども園には、子どもと子育て家庭を支援するための機能も想定しています。
こうしたことから、子ども園化の推進を担当する組織は、地域、家庭と子ども園、そして区長部局と教育委員会事務局をつなぐ窓口ともなります。そのような組織のあり方につきましても、教育委員会との合同の検討組織で検討してまいります。
◎教育長(石崎洋子) 教育委員会への御質問にお答えします。
地域需要に応じた受け入れが可能な子ども園化の推進についてのお尋ねです。
本区における子ども園は、保護者の就労状況等にとらわれず、ゼロ歳から就学前の子どもの成長、発達に応じ、一貫した保育・教育を行うことを目的に取り組んでまいりました。
しかしながら、近年、就学前児童を対象とした施設間の受け入れに偏りが生じている中、幼稚園舎内に保育ルームを設置するなどの対策を講じていることからも、待機児童の解消への取り組みは、子ども園においても重要な課題の一つであるととらえています。
したがって、今後の子ども園化の推進に当たっては、定員充足率の低い幼稚園舎などを有効に活用し、地域の保育需要にこたえていくことが必要です。
そこで、子ども家庭部と合同で、区立の保育園と幼稚園を子ども園に一元化し、就学前の子どもの保育・教育環境の充実を図ることを目的に、子ども園化推進検討委員会を設置して、現在課題の整理や対象地域、対象園等の具体的な内容を検討しているところです。
次に、子ども園の担当組織についてのお尋ねです。
子ども園の担当組織に関しても、子ども園化推進検討委員会における検討事項の一つとしています。御指摘のとおり、これまでの子ども園は、幼保連携型の運営であったため、教育委員会の所管としてきた経緯がありますが、今後、保育所型などの多様な形態の子ども園の整備を検討してまいりますので、所管についてもあわせて検討してまいります。
◆3番(野もとあきとし) 質問の第6は、子宮頸がん予防ワクチンの公費助成について伺います。
我が会派は、本年2月10日に子宮頸がん予防ワクチンの公費助成を求める要望書を区長に提出し、本会議においても再三にわたり強く要望してまいりました。国においては、5月31日、子宮頸がんの確実な予防を図るため、子宮頸がん予防措置の推進に関する法律案を参議院に提出いたしました。
法案の骨子として、ワクチン接種については、効果の高い特定年齢の一斉接種は全部補助、ワクチンの安定供給の確保、新型ワクチンの開発に関する研究、居住地域を問わない接種機会の均てん化などであります。
公費助成の動きは、東京都では既に予防ワクチンの公費を行う区市町村に対し支援をしており、全国的にも多くの自治体に広がりつつあります。さらに、この法案提出により、進展が見られることも予想されます。
中山区長は、本年度の所信表明において、女性の健康支援を挙げられました。広報1面に女性の健康支援を掲載し、女性の健康支援専門部会や女性専門相談など、新たな事業を展開されたことは大いに評価するものであります。
しかし、私どものもとへは、予防ワクチン助成に対する区民からの要望は日ごとに高まっております。早く接種してあげたいが経済的に困難、でも、子宮頸がんから命は守りたいとの熱い思いにこたえるべく、子宮頸がん予防に対する区長の英断を求めます。答弁願います。
◎区長(中山弘子) 子宮頸がん予防ワクチンの公費助成についてのお尋ねです。
子宮頸がん予防ワクチンの接種によって、子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルスの6割から7割の予防に効果があると認識をしています。
国は、厚生科学審議会予防接種部会において、予防接種法の定期接種の対象となっていない疾病の予防接種の法定化や情報提供及びワクチン接種費用負担のあり方などを検討することとしています。都においても、今年度から区に対する補助制度の対象に予防ワクチンの接種促進事業を加えたところです。
これらの動向を見定めつつ、区の財政状況を見きわめた上で各種予防接種の優先度なども含め検討してまいります。
また、子宮頸がんは、検診により早期発見が可能であるため、受診率のさらなる向上に努め、女性の健康を支援してまいります。
◆3番(野もとあきとし) 質問の第7は、高齢者福祉サービスの充実についてであります。
総務省がことし発表した推計人口によれば、総人口は1億2,751万5,000人で、前年比で過去最大の減少数となっています。また、15歳未満の人口も過去最少となる一方、女性の人口の4分の1、男性の人口のほぼ5分の1を65歳以上の高齢者が占めるというまさに少子高齢化が急速に進展していることを示しています。
また、高齢者の中で、単身及び夫婦のみ世帯は、新宿区の全世帯の中でも2割を占めるといった高齢者の孤立化という一つの特徴が顕在化しています。
このように、高齢化進展の中、単身高齢者の増加という傾向性も踏まえた新しい福祉という視点の高齢者対策が必要であり、高齢者福祉サービスの拡充は喫緊の課題であります。
この観点から、4点にわたり伺います。
1点目は、24時間365日安心の介護施策の充実であります。
高齢者が安心して介護サービスを利用するために、何といっても24時間365日、困ったときにいつでも利用できる体制整備が急務であります。必要なときに介護職や看護師が一定時間内に駆けつけてサービスを提供する24時間随時訪問サービスを、積極的に支援する自治体の取り組みが注目されています。
そこで、新宿区も第4期介護保険事業計画を見直す平成23年度に、重点政策として取り上げ、第5期介護保険事業計画に反映すべきと考えますが、これらのサービスへの評価とあわせて導入の決意を伺います。
2点目は、在宅介護の促進策と経済的支援についてであります。
特別養護老人ホームの入所待機者は、1月末現在で1,265人であるとのことですが、待機順の上位にいる方の中には、胃ろうやストマ、カテーテルなどの医療処置が必要で、施設受け入れが困難な状況の方もいると聞きます。やっと順番が回ってきたら、「あなたは医療処置が必要なので入所は無理です」と断られるときの本人はもとより御家族の落胆ぶりはいかばかりでしょうか。また、入所を楽しみにしながらも、在宅介護を強いられ、ついに入所かなわずお亡くなりになる方も多いと聞きます。
そこで、まず、待機順の上位で介護4と5の方への事前調査を半年に1度行い、さらなるきめ細かな在宅介護への適切なアドバイスを提供してはどうでしょうか。
また、要介護3から5の認定を受けている方で、在宅生活を継続したいとの希望がありながら、認知症や日常生活能力の低下のため、在宅介護が困難となっている方々に対し、特別養護老人ホームを定期的、継続的に相互利用することで、少しでも長く在宅生活を続けられるよう支援する特別養護老人ホームの在宅入所相互利用制度の導入を、第5期計画の中に追加検討してはどうかと考えます。
介護支援は、きめ細かく、利用者本位の施策であることが重要です。施設と在宅の両方で支援することが大事で、この制度の導入によって介護認定者の日常生活能力の向上や、在宅時の家族介護負担軽減への効果が期待できます。
ついで、在宅での介護を余儀なくされている方への経済的支援も必要であります。現在、新宿区は、特別養護老人ホーム等の施設入所者で世帯全員が住民税非課税の方への居住費、食費の負担額軽減を行う助成制度があり、喜ばれております。施設介護と在宅介護の負担バランスを考えても、在宅での介護を支援する施策を行うべきであります。
特に、在宅介護の方で要介護度が高く、寝たきりの方や認知症などの方への経済的支援を開始すべきであります。いかがお考えか伺います。
3点目は、地域で支え合う福祉についてです。
新宿区は、現在、NPOとの協働事業として「ほっと安心カフェ」を行っています。この事業は、地域の集いの場所の提供とともに、福祉の専門職が参加して、行政サービスへの窓口へつなげる役割を果たしており、評価するものであります。
また、このほか、区の事業として「ふれあい・いきいきサロン」などがありますが、目的、活動内容を精査して事業の統合・拡大を図り、スケールメリットというか幅広く多くの方がサービスの利用ができるようにしてはどうか。また、「ほっと安心カフェ」の協働事業で築き上げたノウハウを活かして、さらなる拡大を図るべきと考えますが、御所見を伺います。
4点目は、高齢者が外に出て活動することを支援するポイント制度についてであります。
現在、介護を支援する方へのポイント制が導入されていますが、区が指定する清掃活動や安全パトロール等の地域での社会的活動への参加者をも加えた高齢者の外部活力を促進する意味でのポイント制度で、そのポイントを買い物や介護サービスなどに利用できるものを提案します。御所見を伺います。答弁願います。
◎区長(中山弘子) まず初めに、24時間365日安心の介護施策の充実についてのお尋ねです。
介護が必要になっても住みなれた地域で暮らし続けるためには、ニーズに応じた住まいの確保を初め、医療、介護のみならず、福祉サービスを含めたさまざまな生活支援サービスが適切に提供できる体制の整備が必要です。そのためには、御指摘のような24時間365日対応可能な訪問介護サービスは必要不可欠と認識しています。
現在、国においては、平成24年4月の制度改正に向けて検討が開始され、去る5月31日に開催された社会保障審議会介護保険部会では、地域包括ケアの実現として、24時間対応の在宅サービスの強化が必須とされています。
区では、このような制度改正の動向も踏まえながら、第5期介護保険事業計画の策定の際は、24時間随時訪問サービスについて、在宅サービスの強化の一つとして検討してまいります。
次に、在宅介護の促進策と経済的支援についてのお尋ねです。
初めに、特別養護老人ホームの待機順上位者への事前調査の実施についてです。
御指摘のとおり、特別養護老人ホーム待機者の中には、胃ろう等、医療的ケアの必要な方々がいます。区は、医療介護支援として特別養護老人ホームに助成を行っており、こうした方々も一定程度入所できる体制をつくっています。
また、介護保険の仕組みとして、在宅サービスを利用している要介護の方々のところには、月1度はケアマネジャーが訪問しています。その際に、本人や家族の状況を把握しながら、一人ひとりきめ細かに必要なサービスの見直しやアドバイス等を行っています。
今後も、高齢者総合相談センターを中心に、医療、介護、福祉の関係機関の連携を一層深め、入所待機者の在宅介護を支える体制を推進していきます。
次に、特別養護老人ホームの在宅・入所相互利用制度の導入についてです。
区内の特別養護老人ホームの稼働率を見ると、平成21年10月、11月の時点で、5カ所の平均が96.8%となっています。在宅入所相互利用制度は、家族介護の負担軽減の面で効果が見込まれる興味深い御提案ですが、多くの待機者がいる現状では、まず待機している方がスムーズに入所できることが大切であると考えています。
そこで、入所待機者の在宅介護を支えるために、ショートステイや介護老人保健施設等の短期、中期の入所サービスの利用をさらに促進し、また必要に応じて高齢者総合相談センターがバックアップしながら、さまざまなニーズに応じて必要なサービスが提供される体制をつくってまいります。
次に、在宅介護の方への経済的支援についてです。
区では、高齢者の在宅介護生活を支援するために、お弁当を届ける配食サービスを初め、理美容サービス、寝具乾燥消毒サービス等を行っています。また、重度の高齢者を介護する家族の方には、おむつ費用の助成をしています。これらのサービスは、複数御利用いただくことも可能ですし、所得状況により自己負担免除の制度もあります。
日常生活に係る現物給付としてさまざまなサービスを利用することで、実質的な経済的支援につながるものと考えています。
次に、地域で支え合う福祉についてのお尋ねです。
「ほっと安心カフェ」は、NPOとの協働事業であり、2年目を迎えます。高齢者の方々がほっとできるふれあいの場であり、NPOの専門職や高齢者総合相談センターの職員に、心配事等を相談できる安心の場でもあります。NPOのほか、NPOが養成した区民ボランティア等と協働しながら実施し、多くの区民、地域住民の方々に御参加いただいております。また、地域のつながりも深まっています。
御指摘のとおり、この事業を通じて蓄積したノウハウを活用することは重要であると考えます。今後、来年度以降の具体的な事業の方向性を検討する中で、「ふれあい・いきいきサロン」など、類似事業との統合、拡充も視野に入れながら、高齢者を初めとした幅広い世代がともに支え合う地域づくりを進めてまいります。
次に、高齢者が外に出て活動することを支援するポイント制度の導入についてのお尋ねです。
高齢者の外出活動を支援していくことはとても重要なことであり、社会活動について御提案のポイント制度を活用し、外出を促すということも一つの方法だと考えます。
現在、区では、介護支援ボランティア・ポイント事業を実施しています。65歳以上の区民が区内の介護保険施設やふれあい訪問、地域見守り協力員活動等のボランティア活動を行い、活動時間に応じてポイントをため、換金または寄附できるというものです。
この事業は、高齢者の相互の支え合いという目的で、昨年7月より開始したばかりの事業であり、まずは、この事業の周知及び定着を図ることに力を入れていきたいと考えております。
◆3番(野もとあきとし) 質問の第8は、在宅療養体制の整備についてであります。
平成21年度から23年度までの高齢者保健福祉計画の重点取り組みの3本柱の一つとして、具体的に18事業として展開、推進されています。昨年度からたびたび行われている区民の在宅療養に対する理解を深めるシンポジウムも大変好評です。
1点目の質問は、在宅療養の体制を支えている訪問看護ステーションの動向についてです。
病院職員の訪問看護ステーションでの実習研修、訪問看護ステーション人材確保など、区としてこれまで実施してきた訪問看護ステーションの機能充実の施策の効果がどの程度上がってきているとお考えなのか、お聞かせください。
2点目の質問は、かかりつけ医機能の推進についてです。
かかりつけ医の先生方には、平成18年度から認知症の早期発見、相談等に対応できるよう研修を受けていただくなど、年々にかかりつけ医に対する期待、そして要望度が高まっています。また、要介護や重度要介護の方々が、なかなか施設を希望されても入所できない現状がある中で、区の介護サービスと密接に連携をとりながら、高齢者の日々を支えていただいています。
しかし、先ほど述べた認知症対応、介護の予防的対応、急変時対応、生活支援的対応、ターミナルケア対応等々、1人のかかりつけ医に求められる能力、負担を考えたときに、今までのようにかかりつけ医を数の上で推進するだけでなく、こうしたかかりつけ医機能の分業化と協働化の仕組みを新宿区も応援しながら構築していくべきと考えますが、区のお考えをお聞かせください。
3点目の質問は、夜間往診事業助成についてです。
高齢者保健福祉計画の目標指標に、在宅療養支援診療所の数として、現状、平成19年度33所が、平成23年度には50所、かかりつけ医を持つ65歳から69歳の人の割合を現状65.3%を、平成23年度には75%と掲げています。私自身、往診診療を熱心にやっていただいている先生に伺ったところ、自分の患者さんは自分で診るという思いや責務は十分あるが、24時間365日すべて対応ということは、本当に難しいとの声を何人からもお聞きしました。
現在、区が運営助成している夜間往診事業を行っている医師会診療所往診支援センターを、2点目の質問のかかりつけ医の補完機能という形で区としてさらに応援すべきと考えますが、いかがでしょうか。
今後の高齢者人口の増加や急速な孤立化、そして介護施設整備の限界を考えたときに、高齢者にとっての地域生活が、どこまでが介護でどこまでが医療なのかといった線引きはありません。地域の医療介護体制の整備を、こうした視点から見直すべきと考えますが、区のお考えをあわせてお聞かせください。答弁願います。
◎区長(中山弘子) まず、在宅療養体制の整備についてのお尋ねです。
訪問看護ステーションの機能充実に関する施策の効果についてです。
平成21年度の病院職員の訪問看護ステーションでの実習研修の実績は、目標30人に対して申込者は31人、修了者は29人でした。研修生は区内6病院から派遣され、成果を持ち帰った研修生が講師となって、病院内の研修を行ったところもあると聞いております。
研修後のアンケートによると、病院看護師の在宅療養に対する理解が深まったことを確認しております。
また、訪問看護ステーション人材確保事業の実績は、研修修了者4人のうち2人が実習先の訪問看護ステーションに就職しています。
病院と訪問看護ステーションの連携の推進と人材確保、それぞれに効果があったと考えております。
次に、かかりつけ医機能の推進についてです。
かかりつけ医に対する期待が高まる中、かかりつけ医の負担は増大しており、かかりつけ医がよりよく機能するためには、病院と診療所間や診療所同士の連携、看護や介護に携わる職員間での連携が大切です。
こうした連携を進めるために、認知症やリハビリテーションに関するネットワーク会議を設けています。また、ケアマネジャーなどにも、医療をテーマにした研修を行い、スキルアップを図ってきました。平成21年度に設置した在宅療養相談窓口は、かかりつけ医からの相談も受け、病院との調整も行っているところです。
今年度は、在宅での緩和ケアについても協議し、かかりつけ医と病院医師や訪問看護師、ケアマネジャーとの役割分担と連携の仕組みを強化してまいります。
次に、新宿区医師会診療所の夜間往診事業等への応援についてのお尋ねです。
国は、在宅医療を確保するために、平成18年度の診療報酬改定で、24時間365日診療に対応する在宅療養支援診療所の仕組みをつくりました。新宿区においても、在宅療養者が増加することが予測される中、医師会はかかりつけ医の推進と在宅療養支援診療所をふやすことを目的として夜間往診事業を開始し、区はこの事業の立ち上げを支援するために、平成20年度から3年間、助成を行っています。
この間、区民への事業周知やかかりつけ医等との連携につながるしんじゅく医療あんしんカードの普及活動を応援してきました。区内の在宅療養支援診療所数も43カ所にふえております。今後は、このような状況を踏まえ、夜間往診事業の役割について医師会と協議を重ねてまいります。
次に、地域の医療と介護の体制整備についてのお尋ねです。
平成21年度には、区民健康センターの訪問看護ステーションに在宅療養相談窓口を設置し、また、今年度は高齢者総合相談センターの機能強化の一環として、すべてのセンターに医療連携担当者を配置しました。こうした取り組みにより、医療と介護を必要とする高齢者の在宅療養を地域で支える仕組みが実現されるものと考えております。
今後も、医療や介護の連携をさらに強化し、体制の整備に向けて努めてまいります。
◆3番(野もとあきとし) 質問の第9は、うつ病対策についてであります。
近年、ストレス社会の影響で、うつ病などによる心の病で、自殺や児童虐待など、国民の生命や生活を脅かす深刻な事態がふえています。
厚生労働省が昨年12月に公表した患者調査によると、うつ病やそううつ病などの気分障がい者は、2008年には初めて100万人を突破し、またうつ病の有病者数を約250万人、うつ病を含む気分障がいの有病者数を1,000万人以上と推計しています。
さらに、うつ病との関係で最も懸念されるのは、自殺との関係で、警察庁によれば2008年の自殺者は3万2,249人を数え、その動機として一番多いのが健康問題で1万5,153人、このうち最も多くを占めるのがうつ病で、6,490人にも達しています。
1点目の質問は、今や国民病とも言われているうつ病について、区長はどのような認識をお持ちなのか、御所見を伺います。
2点目の質問は、うつ病対策の取り組みについて3点お伺いします。
1点目は、認知行動療法についてです。
公明党は、国において2008年4月、党内にうつ対策ワーキングチームを設置し、同年4月に薬物療法と認知行動療法などの精神療法との併用を普及させるなどを柱とする総合うつ対策をまとめ、その実現を政府へ申し入れてきました。
その結果、本年度の診療報酬改定で、有効なうつ病治療として注目を集める認知行動療法の評価が新設され、本年4月から保険適用となったほか、この夏からは同療法の実施者を養成する研修も始まるとのことです。
しかしながら、その効果が実証済みの行動療法を希望する人は多いが、現状では同療法ができる医師が少なく、どこで受診できるかなどの情報も少ないという課題があります。今後、新宿区においても、療法普及を目指し、情報をいち早くキャッチし、ホームページなどを活用して周知すべきと思いますが、御所見を伺います。
2点目は、日常的な相談体制についてです。
うつ病を初め、精神疾患で実際に診療を受けに来ている患者さんは患者全体の2割ほどで、病院に来られずに悩んでいる人にも手を伸ばして診察できる体制が必要であると言われています。
さらに大事なのは、患者を支えている家族への手助けで、精神疾患の患者を支えている家族には、人には言えない苦労を感じています。新宿区では、現在、4カ所の保健センターを窓口とし、34名の保健師の方がきめ細やかな相談業務に取り組まれており、私や同僚議員もよくうつ病などを初めとする心の悩みのことで地域の方より相談を受け、保健センターへつなぐということがあります。
しかしながら、多くの区民の方は、心の悩みについてどこへ、どのように相談すればよいのかわからないという実態があるように思います。
そこで、もっと身近で気軽に相談できるような広報や周知が重要であると考えます。
例えば今年度から拡充をした高齢者総合相談センターの「なんでもご相談くだサイ」のサインでイメージキャラクターをあしらったキャッチ的なものや、一目見て保健センターに相談すれば安心感があると印象づけられるようなものなど、より一層の工夫が必要と考えます。
また、新宿区では「新宿こころといのちのセーフティネット」と題して、自殺防止のための困りごと、悩みごと相談窓口一覧の冊子を作成しております。この冊子は、とても見やすく、わかりやすく整理され、必要な情報が多く掲載されていますが、本庁舎を初め、保健センターや出張所及び各関係部署に置かれているだけで、多くの区民の目に触れるようになっておりません。
そこで、「くらしのガイド」と同様に、全戸配布の必要性があると思いますが、御所見を伺います。
3点目は、働く人のメンタルヘルスについてです。
昨年4月から12月の間に、うつ病を含む「精神障害等」の理由で、労災保障を請求した件数は857件、一昨年同期間中の706件より2割以上も増加して、企業経営にとっても大きな課題となりつつあります。
新宿区も、NPO法人との協働事業として昨年4月1日から来年3月31日まで、働く人のメンタルヘルス事業の実施、計画をしています。この事業は、うつ病対策講演会、リワーク講座、個別相談メンタルヘルス出前講演会など、さまざまな内容となっておりますが、現状の取り組みに関する状況や参加者の反応はどのようになっているのか、またこの事業は協働事業として時限つきであるわけですが、今後ますます増加傾向にあり、深刻な社会問題であるうつ病について将来を見据えた対策が必要と考えますが、御所見をお聞かせください。答弁願います。
◎区長(中山弘子) うつ病対策についてのお尋ねです。
まず、うつ病についての認識ですが、うつ病は、国民の15人に1人が一生のうちに1度はかかる一般的な病気であると言われており、うつ病にかかると仕事や日常生活に支障を来すことから、社会全体で取り組んでいくべき課題です。区においても、国や都と比べて自殺率が高い現状から、うつ病は区民の重要な健康課題の一つと認識しています。
次に、うつ病対策の区の取り組みについてのお尋ねです。
1点目の認知行動療法に関する区民への情報提供についてです。
現在、この療法を実施している医療機関が少なく、まだ診療内容等の情報が十分ではないため、医療機関の情報収集に努めているところです。現時点でのホームページ等への掲載は考えておりませんが、区民の方からの相談を受ける中で、個別に御案内をしてまいります。
2点目の日常的な相談先の周知についてのお尋ねです。
保健センターでは、こころの健康相談を実施しており、この相談は、区報やホームページ、新宿こころといのちのセーフティネットの冊子などに掲載し、周知をしています。今後、保健センターが健康や病気に関して気軽に相談できる場所であることを区民の方にわかりやすく周知していきます。
現在、新宿こころといのちのセーフティネットの冊子は、本庁舎のほか保健センターや出張所、地域センター、図書館などの関係機関を初め、自殺対策に取り組むNPOや民生委員にも配布していますが、多くの区民の皆さんに手にとっていただくには、まだ十分とは言えません。今後、区民に幅広く周知するために、ホームページに掲載するなど、なお一層の普及に努めてまいります。
3点目の働く人のメンタルヘルス事業についてです。
平成21年度は、協働事業として当事者、家族を対象とした講演会や、職場復帰のためのリワーク講座や、個別相談を開催しました。また、企業向けには、講演会、出前講演会、個別労務相談を開催しました。いずれも参加者からの質問も多く、大変好評だったと聞いております。働く人のメンタルヘルスは、精神保健対策の一つとして重要と考えております。今年度は、産業保健分野や医療機関、NPO等との関係機関とのネットワークづくりをしてまいります。
◆3番(野もとあきとし) 質問の第10は、マルチメディアデイジー版教科書の普及について、教育委員会に伺います。
以下、デイジー教科書と申し上げます。
デイジー教科書は、通常の教科書の内容をデジタル化したもので、パソコンで音声を聞きながら同時に絵や写真を見ることができます。さらに読んでいる箇所がハイライトされるので、どこを読んでいるのかわかるようになっていますし、文字の大きさや音声のスピードを変えられることから、発達障害などの読むことが困難な児童・生徒に対して、指導法や効果の調査研究がなされてきました。
平成20年9月からは、「障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律」の成立を機に、財団法人日本リハビリテーション協会がデイジー教科書を必要とする児童・生徒に提供できるようになりました。それでも、法的規制のため、一部の通級学級や自宅学習などでしか活用できませんでした。
そのような条件にもかかわらず、教師や利用者の保護者からは、「読むことの抵抗感が減り、読書が好きになった」「学習意欲が増した」「内容の理解が進んだ」など、数多くの好評の声が聞かれ、軽度知的、自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー、ディスレクシアなど、さまざまな発達障害児に学習への自信を持たせ、意欲を向上させる効果も明らかになり、普及を求められています。
本年5月13日には、文部科学省がこれまで配布対象を児童・生徒のみに限定していた従来の方針を転換して、指導する教員への配布も可能にするとの事務連絡が出されました。
そこで、1点目の質問ですが、デイジー教科書が必要と思われる通級学級や特別支援学級では、積極的に活用すべきであります。特に今回の事務連絡により、デイジー教科書普及にはずみがつくと期待されています。また、障害の状況によって、在籍学年より下のデイジー教科書が必要になる場合についても、その配布が可能になりました。御所見を伺います。
2点目の質問は、学校や発達障害を持つ保護者の方への周知であります。
前段で申し上げたように、すぐれた効果が認められながら、いまだ認識されておりません。学校現場や発達障害児や保護者の方に広く周知を図るとともに、教育支援が必要と認められた児童には無償で給与すべきと考えます。現在、日本障害者リハビリテーション協会が提供しているデイジー教科書は、本来の教科書1冊分がCD-ROM数枚分に収録され、1枚当たり200円と送料負担のみです。
3点目の質問は、デイジー教科書を使用する際の支援体制についてです。
デイジー教科書を利用するためには、パソコンが必要であり、セットアップや使い方の支援が必要です。デイジー教科書が必要とされる皆さんの手元に届き、笑顔が見られるよう、支援体制も整えていただきたいと思います。御所見を伺います。
ある地域では、本人、保護者、担当教諭が要望したにもかかわらず、校長が許可をしなかった事例もあり、特別支援を要する児童・生徒の学習支援との観点から、学校任せではなく、教育委員会が責任を持って取り組んでいただきたいことをお願いして、この質問を終わります。答弁願います。
◎教育長(石崎洋子) マルチメディアデイジー版教科書についてのお尋ねです。
この教科書は、文字の大きさを変えたり、縦書きのものを横書きに変換したり、行間をあけたり、読んでいるところがハイライトされたりするなど、通常の教科書をさまざまに変換したものです。読むことが苦手であったり、注意力が散漫であったりする児童・生徒への活用の有効性が注目されるなど、発達障害のある児童・生徒の学習を支援する上での効果も期待されています。
現在、国や都においては、さまざまな障害のある児童・生徒に対して、適切な教材の選択と効果的な活用のあり方について調査、研究しているところです。
今後、区においても、この調査、研究の動向を見据えて、発達障害等に配慮した教材を用いた指導の充実を図っていきたいと考えています。
次に、学校や保護者への周知等についてのお尋ねです。
現在、日本リハビリテーション協会やLD親の会などの関係団体のホームページでは、デイジー版教科書について紹介されておりますが、学校や保護者にはほとんど周知されておりません。
今後、さらに情報収集に当たるとともに、特別支援学級の設置校や特別支援教育の研修会等でデイジー版教科書等の効果的な活用事例について紹介していきたいと考えております。
最後に、支援体制についてのお尋ねです。
現在、特別支援学級の教室には、移動可能なパソコン、実物投影機、プロジェクターを配備しております。しかしながら、特別な支援を要する児童・生徒の障害の特性に応じて学習効果を上げるためには、それぞれのニーズに適した機器の選定とともに、その活用方法の検討が重要になってきます。
これらについて、区立小・中学校及び養護学校の教員や、都立特別支援学校の教員、障害者団体で構成する特別支援教育推進委員会の中で、今後検討してまいります。
◆3番(野もとあきとし) 質問の第11は、新教育課程への取り組みについて教育委員会に伺います。
教育基本法が平成18年12月に約60年ぶりに改正され、また平成19年6月に学校教育法が一部改正されました。これにより、明確に示された教育の基本理念は、生きる力の育成であります。
生きる力とは、平成8年の中央教育審議会答申において、変化の激しい社会を担う子どもたちに必要な力は、基礎、基本を確実に身につけ、いかに社会が変化しようと、みずから課題を見つけ、みずから学び、みずから考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力、みずからを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性、たくましく生きるための健康や体力などと提言されています。
確かに政治、経済、文化を初めとして、社会のさまざまな領域において知識、情報、技術は日進月歩であり、グローバル化が進んでいます。多くの知識を獲得しても、それが翌日には陳腐化してしまうのが現状であり、生涯にわたって学ぶ力を学校教育において身につけさせていくことが重要であることは言うまでもありません。
このような考えのもと、平成20年に文部科学省より学習指導要領が示され、平成23年度から小学校においては新しい学習指導要領による学校教育が始まります。新しい学習指導要領の理念に基づき、新宿区の子どもたちの生きる力をはぐくむための教育を着実に推し進めていただきたいと切望しているところです。
そこで教育委員会に2点伺います。
1点目は、平成20年第1回定例会代表質問で、同僚議員が学習指導要領の改訂の方向性に質問したことに対し、現行の学習指導要領における生きる力の理念を継承するとともに、それを支える確かな学力、豊かな心、すこやかな体の調和を重視していると答弁でしたが、来年度から小学校で新しい学習指導要領に基づく教育が完全実施されるに当たり、教育委員会としてどのような準備をしてこられたのでしょうか。
2点目は、新学習指導要領のもとで使用される教科書について伺います。
先日、新聞に来年度から小学校で使用される教科書に関する記事が出ました。紙面には、「ゆとり見直し 教科書検定」「脱ゆとり鮮明に」という見出しが踊っていました。新しい学習指導要領に基づく教科書が作成され、主要4教科のページ数は28%増加し、小学校5年生の算数で円周率3.14を明記されているということでした。
このように、教える内容がふえた教科書についてどのようにお考えなのか、また以前のような詰め込み教育にならないようにするために、教育委員会としてどのようなことに取り組むつもりなのか、御所見を伺います。答弁願います。
◎教育長(石崎洋子) 新教育課程への取り組みについてのお尋ねです。
まず、新しい学習指導要領への円滑な移行のための対応についてです。
新しい学習指導要領では、子どもたちの生きる力をはぐくむという教育理念に基づき、基礎的、基本的な知識、技能の習得や観察・実験、レポートの作成、論述など、知識・技能の活用を図る学習活動の充実などを目指しています。
新しい学習指導要領に示された指導の内容や方法に円滑に対応していくために、平成20年度から2年間にわたり、校長及び教員を構成員とする新教育課程検討委員会を設置し、各教科の専門的な立場から改定の要点や授業に活かせる実践事例集を作成し、すべての教員に配布してまいりました。
また、昨年度、小学校3、4年生の全児童分の国語辞典を各教室に配備し、国語辞典を積極的に活用した授業が行えるようにしました。
さらに、小学校5、6年生の外国語活動の指導資料も配布して、英語ノートを活用した指導ができるよう支援しています。
そして、新しく理科の授業で行う実験や観察で必要となる器材等についても、平成21年度から予算を確保し、整備してきているところです。
今年度からは、さらに来年度の学習指導要領の完全実施に向けて、教員一人ひとりに新教育課程の趣旨の徹底を図るとともに、研究授業の指導、助言等を通して、学校支援に万全を期してまいります。
次に、新しい学習指導要領に基づいて作成された教科書と教育委員会としての取り組みについてのお尋ねです。
これからの教育は、新しい学習指導要領のねらいに即し、子どもたちに身につけさせるべき生きる力を知・徳・体の視点でバランスよく育成していくことが求められています。
そのためには、各教科、領域の学習過程において、知識、技能の習得だけではなく、思考力、判断力、表現力等の育成、学習に取り組む意欲の向上を目指していくことが重要です。
新しく編さんされた教科書は、いずれもこれらの改訂の趣旨が十分に活かされたものであり、知識、技能の習得に関する内容、思考力、判断力、表現力等を育成する内容、学習への意欲を喚起する内容がバランスよく盛り込まれており、その結果、内容量が増加しているものと考えております。
そこで、教育委員会では、これらの内容をバランスよく用いて、学習の効果が十分に発揮されるように、教育課程を編成するよう学校に指導、助言をしてきているところです。
次に、詰め込み教育にならないための教育委員会の取り組みについてのお尋ねです。
御指摘のとおり、教科書の内容を形式的に終わらせるだけの教育になってはいけないと考えます。教育委員会主催の研修では、昨年度までに作成した実践事例集を活用して、一人ひとりの教員の指導力を培ってきているところです。
また、小・中学校の教育研究会では、自主的に新しい内容に対応した指導法の工夫を図るための研究を進めています。
教育委員会といたしましては、新学習指導要領の理解啓発に努めるとともに、教員が正しい教科書を利用して、創意工夫を凝らした多様な授業実践を行えるよう、学校への指導、助言を徹底してまいります。
以上で答弁を終わります。
◆3番(野もとあきとし) 私の質問に対し大変丁寧な御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
今後、私どもの主張、提案を区政の運営に活かされることをお願いいたしますとともに、これから時代がどんなに変化しようとも、常に希望と安心を与えられる施策を展開されますよう強く要望して、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)