Archive for 2016年 7月

通年議会・災害時の議会・議員の対応について長浜市議会会派「改革ながはま」の皆さんが視察に見えられました。
視察の主なテーマは「通年議会」「災害時の議会対応」です。IMG_0871
通年議会については、通年議会の会期や議会運営、専決処分問題、一事不再議、通年議会導入による市職員や議員の意識の変化、通年議会導入による成果について。

災害時の議会対応については平成16年の中越地震、平成19年の中越沖地震や東日本大震災を経験し、中越沖地震や東日本大震災の災害対策特別委員会の活動を基に、災害時の議員対応マニュアルの制定や災害対策支援本部の設置陽要項などについて、また、タブレットの活用による議員の安否確認・情報の共有、災害時に市が設置する災害対策本部との関係や柏崎市議会は議長をオブザーバーで災害対策本部に出席させてもらっている点などを説明させていただきました。


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柏桃の輪で、「電源立地地域の税の仕組みと使いかた」をテーマに講演をしました。

「柏桃の輪」(代表 歌代 勝子さん)は、柏崎市の原子力発電所関連の勉強会を毎月行っている市民グループです。
平成19年7月の発生した、中越沖地震後、柏崎市の財政が大変に厳しい状況になった際にも講演をさせていただきましたが、今回が2回目の講演となりました。

講演のテーマは、「電源立地地域の税の仕組みと使いかた」

~東日本大震災以降の、柏崎市の原子力関係の税と使い方~

講師は、柏崎市総合企画部企画政策課企画係:金子 智廣 主査 と私の2人で行いました。
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最初に、金子主査より電源三法交付金の仕組みとこれまでの事業別、目的別の事業費などの説明の後、私から東日本大震災以降の一般会計に占める原発財源の割合等を話し、そして、財政分析から見た柏崎市の財政の状況。今後の財政的課題等を話しました。
柏桃の輪説明資料(柏崎市企画政策課)
柏崎市の一般会計に見る原子力発電所関連歳入(真貝維義)

結論的に言うならば現状、柏崎市の一般会計歳入の15%前後を占めており平成32年度までの財政計画に於いても原発財源を見込んでいます。
安全確保を第一に今後も原発と共存し、中長期的に新たな産業起こし、企業誘致などを行いながら持続可能なまちづくりを進めて行くことが現実的な判断ではないかとまとめました。

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講演内容は、以下の通りです。 

原発関連歳入の状況

柏崎市は、1号機から7号機までの出力が821.2kWという世界最大の原発立地地域であり、それに伴う多額の財源を得てきました。原発財源の内訳は、金子さんから説明があった通り、電源三法に基づく交付金の他、原発の固定資産税や電力会社による法人市民税などがあります。

電源三法交付金は、運用開始後数年間は公共施設整備、いわゆるハコモノにしか充当することができなく、多くの公共施設建設が行われたところです。しかし整備を可能にしたのは、電源交付金だけでなく、原発の建設と運転開始に伴ってもたらされた固定資産税によるものであります。

ここ5年ほどの原発関連財源について柏崎市の予算のどのくらいの割合を占めているかを見てみると、市税の30%前後、一般会計全体では、15%前後が原発関連財源となります。

最高時は、平成7年で固定資産等の市民税は127億円で、市税の52%を占めましが、其の後は減少し

ていますが、19年の中越沖地震、23年の東日本大震災以降、耐震や津波対策などで少し増えています。

23年度は決算ベースで市税の31.1%で全体では14.1%、27年度28年度は予算ベースです。

電源立地地域対策交付金による主な公共施設

電源立地地域対策交付金により建設した公共施設ですが、水道事業、防災行政無線、総合体育館、産業文化会館、図書館、博物館、総合福祉センター、保育所などを実施しています。

事業費は、2659,587万円で、交付金の充当交付金2349,595万円となっています。 

26年度決算に見る原発財源の使途

電源三法交付金は現在、人件費などにも充当できるようになりました。平成28年度予算に於いても元気館(子育て支援センター)、保育園、特別支援学級介助事業などの人件費に電源立地対策交付金が使われていています。表は26年度の新潟県及び国からの交付金の使途を一覧にしました。うち新潟県の交付金では、特別支援学級介助事業、老人保護措置委託事業の人件費、国からの交付金では、元気館管理運営事業(子育て支援センター)保育園運営事業、道路維持管理運営事業などの事業の人件費に使われています。

使用済み核燃料税の使途及び事業

使用済み核燃料税は、法定外目的税として平成159月に施行されました。

背景を簡単に申しますと、原子力発電所に係る固定資産税は、平成7 年度の127 億円をピークに大幅な減少に転じ、平成14年度は約71 億円にまで落ち込み、今後も減少することが予想され、市民の需要に応える財源確保が、今後、一層困難なものとなることを懸念して検討されました。

目的は、原子力発電所周辺の安全体制・防災対策を一層確かなものにすることは勿論、今後、相当長期にわたって原子力発電所と共生していくこととなる当地域の更なる振興等、地域のイメージ向上に向けた新たな財政需要に対応・充当することを目的として創設荒れました。

それぞれの事業費の50%を使用済み核燃料税で負担しています。
この使用済み核燃料税の創設は財政的には大きく評価できると思います。
使用済み核燃料税は、九州電力の薩摩川内原発が、課税をしています。


柏﨑の財政健全化

原発財源が毎年80億円前後入ってくる柏崎市の財政について見てみたいと思います。

国の基準であります健全化判断比率 

先ず、実質赤字比率ですが、一般会計は黒字です。26年度歳入は約484億円で、歳出の合計は約468億円で17億円の黒字です。

次に、連結実質赤字比率ですが、これは、一般会計や国保・介護などの特別会計、下水道などの企業会計を、合わせた全会計の赤字の割合を見ますが、黒字なので問題ありません。

 
3番目の実質公債費比率でありますが、これは3年間の平均値を言いますが、簡単に言いますと市税や交付税などを足した一般財源(標準財政規模)に占める借入金の返済額の割合です。18%を超えると借金をするのに県の許可が必要となり25%を超えると早期健全化団体に指定をされ、財政健全化計画を策定して財政健全化を目指さなければならなくなりますが、柏崎市も平成22年は22%まで数値が上昇しました。
中越沖地震後、財政危機と言われたのはこの実質公債費比率が上昇したこともその大きな要因です。

柏﨑市は、下水道などの整備や合併により、柏崎刈羽郡の一部事務組合の起債を引き受けたことも大きな要因となって比率が高くなりました。また地震による災害債の借り入れも数値を大きく引き上げた要因です。 
26年度は、15.06%ですが県内平均は12.2%で県内ではワースト3位、全国770市の平均は8%で74位、類似市の平均は、9.4%で最下位の20位。類似市ですが、柏崎は人口5万~10万人で産構造が2次3次で95%を超え、3次産業が65%以下の市です。
福井県の鯖江市・加賀市や埼玉県秩父市などがⅡ-2型の類似市です。

将来負担比率

全会計の起債残高などを合わせた額を標準財政規模で割った割合。実質公債費比率と同じ要因で数値が高いです。柏崎市は
65.3%です。県平均は107.5%で、県内ではワースト19位。全国平均は45.8%でワースト504位。類似市では、平均44.4%で20市中12位です。健全化比率は大丈夫ですが財政指数は悪い。
経常収支比率 財政の弾力性を見る 

 もう少し財政分析を見ていきたいと思います。経常収支比率は義務的経費(人件費・扶助費・公債費)

や物件費・維持補修費を経常経費といいます。義務的経費は、家庭で言えば、住宅ローンやガス水道光熱費、学費や食費等の経費と同じで、必要経費のようなものと考えてください。

経常収支比率は、市税・地方交付税などの経常的な収入が経常経費にどの程度使われているかを示しています。 この比率が高いと景気の変動や地域社会の変化などに対応する力が低いといわれています。
つまり、新しい事業などを行う余裕がないという事です。

 市の経常収支比率は、平成19年度に中越沖地震の影響で104.1%と大きく悪化しました。平成26年度は91.9%と改善しています。 県内20市の平均は91.3%で当市はワースト8位。類似市平均は、89.9%で20市中16位。全国平均は91.2%です。今後も公共施設の適正化や職員定数の適正化による人件費の削減など行財政改革で、経常経費の削減し財政の弾力化に努めていく必要がある。


財政力指数 財政の余裕を見る

財政力指数は、地方交付税(普通交付税)を配分するための指標で、指数が小さいほど財政力が弱く、1を下回った場合は地方交付税が交付されます。
1を超えると交付税が交付されない不交付団体となります。

 市は、平成12年度以降、普通交付税の交付を受けています。原発財源の逓減や市町合併に伴い、近年低下傾向にある。 単年度指数で平成12年度に1を割り、平成16年度まで0.9台であったが、合併により0.7台まで低下をしている。
しかし、市の財政力指数は、県内平均は0.520市の中で2番目によい数値となっています。
類似市では平均が0.729位です。
26年度は市民税が当初予算を上回る税収となっているため、0.70となっているが、不断の行財政改革に取り組み、持続可能な財政基盤の構築と更なる財政健全化に努める必要がある。

実質公債費比率 借金返済負担率を見る

実質公債費比率が高いほど、市の収入に対する借金返済の割合が高く、財政の弾力性と自由度が乏しいといえます。市の実質公債費比率は、依然として高めですが、数値は年々改善しています。

公共下水道及び農業集落排水などの社会資本整備を推進してきた結果、普及率は全国平均を大幅に上回っていますが、これらの事業の財源の多くは、地方債、借金に依存してきました。さらに、2度の震災災害により、多額の災害復旧事業債の発行をしました。そのことが地方債残高の増大した大きな要因でもあります。また、合併に伴う一部事務組合の債務の継承も加わっている。これらが実質公債費比率を押し上げている要因となっています。健全な状態に向かうため、起債の自主規制を行いながら、比率抑制に効果のある銀行等引受債の繰上償還、公的資金補償金免除繰上償還に取り組んできました。また今後とも行財政改革等に取り組み、実質公債費比率の抑制に努めていく必要があります。

将来負担率 将来も財政運営は大丈夫かを見る

公営企業会計などを含めた市全体の会計が抱える実質的な負債の残高が、標準財政規模に対してどのくらいの割合であるかを示す指標です。負債残高には、市債残高や債務負担行為に基づく支出予定額などが含まれるほか、第三セクターの負債も含まれます。 市は、実質公債費比率と同じ理由で、公共下水道及び農業集落排水などの社会資本整備の推進や市町合併時の債務継承及び震災の影響から、依然として類似団体を上回る65.3%となっているが、市債の繰上償還及び公営企業会計の補償金免除繰上償還などに取り組んだ結果、改善傾向にある。ただし、今後も厳しい財政状況が見込まれることから、健全な財政運営に努めていく必要があります。
この比率が高いと、将来的に財政が圧迫される可能性が高くなります。都道府県・政令市では400%、市町村では350%を超えると、危険水域と考えられています。

預金(基金)と借金(起債残高)を見てみます

26年度一般会計決算における状況です。ガス水道などの企業会計分は除きます。
基金(貯金)残高、 131億3028万円 市民一人当たり149000市債(借金)残高、 541億9008万円 市民一人当たり617000


柏崎市の抱える財政課題

1、合併特例よる合併算定替、合算特例が失効し5年間で消滅
合併10年間は合併前と同じように各市町村の交付税が合算されて交付される。11年目から5年間段階的に減額され算定替えはゼロになる。

2、電源立地地域対策交付金のトップランナー方式による減額

「みなし交付金制度」より稼働実績方式への移行による交付金の減額

3、公共施設やインフラの維持管理費の確保

建設後30年経建物30%以上、20年以上を含めると約63%。今後10年間に大規模改修が集中し、建て替え更新は平成40年から始まる。全ての施設の更新をするには、今後40年間で4,674億円必要。

4、少子高齢人口減少による市税の減少と扶助費の増大
財政運営の歳入では、人口減少により就労人口が減少し市税収入の減少が懸念される。歳出に於いては、扶助費(福祉や社会保障関連経費)が増大する。



    ま  と  め     

柏崎市は原発財源によって公共施設やインフラを整備してきた。

公共施設等が多く、他の自治体と比較して維持補修費の割合が高い。

縮小する社会に対応する持続可能な財政運営に向けた財源の確保。 

柏崎市は、1号機から7号機までの出力が821.2kWという世界最大の原発立地地域であり、それに伴う多額の財源を得てきました。電源三法交付金は当初、公共施設、ハード面の整備にしか使用できなかった。この仕組みによって、他の自治体に比べ、多くの公共施設の整備が行われてきました。
そのことにより、この施設の維持管理に多額の経費が掛かり、市の財政を圧迫していることも事実でありますが、施設があることが悪いことだけではなく、この施設をいかに活用して豊かな市民生活を享受できるようにして行かなければならないと考えます。

市も「柏崎市公共施設等総合管理計画」等を策定して公共施設の長寿命化等を計画していますが、しかしながら財政的にも人口減少的にも現状のままでは、市が試算をするよりも多く、他市並みの30%以上の公共施設の面積を削減しなくては、ならないと考えます。単純に市の試算方式でも、一般会計・企業会計を合わせると向こう40年間、毎年60億円の財源不足になります。  また、原発財源をソフト事業にも充当できるようになり、子育てや福祉にも、その財源として活用されています。
また、高齢者が増えることにより、扶助費が増えると試算されています。杉並区の試算では、75歳以上の高齢者が増えるとおひとり年30万円の扶助費が増大するとの事であります。少子高齢人口減少社会は、財政運営にとっては大きなマイナスとなっていくと考えます。 

市の人口減少対策、柏崎まち・ひと・しごと創生総合戦略に於いて、人口減少対策、若者の定住対策や特に若い女性から定住してもらうように、政策の展開をしていく予定になっています。
しかしながら、この地方創生総合戦略は柏崎市だけが行っているわけではありません。
全国の都市と競争しなければなりません。まずは、地元の企業を大切に雇用の確保をしていくことが大事です。就労人口が減れば、企業誘致もできません。働く人がいなければ税金を払ってくれる人がいなくなるという事になります。 

私は、原発は、地域経済、雇用に大きく影響し、市財政でも関連財源は大きな存在であると考えますし、

これからの市の財政運営にも、その財源は必要と考えます。
因みに、中越沖地震の際に県が作成した復興ビジョンによりますと中越地震前の平成17年度で原発財源は、新潟県に約180億円、柏崎市に約90億円、刈羽村に約30億円で、合計約300億円。
地域経済への影響は、地域の企業等への定期検査、機械修理、清掃、 資材調達等の発注で 850 億円、従業員消費等 250 億円で合計1,100億円に上ると試算をされています。
中越沖地震から10年になろうとしています。企業は新たな仕事の開拓をしなければ生き残っていけません、原発に頼らない道を選択せざるを得なかった企業もあるかと思いますが、原発はビッグビジネスです。
これまで柏崎市は、ここ10年来原発に過度に依存しないまちづくりを標榜してきておりますが、財政運営上も、なかなか、そうはいかないという事であります。

この32年度まででなく、中長期的、市の向こう40年間の公共施設維持管理計画にも私は、原発財源を確保したママで試算をしていると考えます。
結論的申し上げれば、柏崎のまちづくりと大きく関連しますが、原発関連財源を活用しながら、新たな産業おこし、企業誘致などを中長期的な視点で行いながら新たな財源の確保をしなければ、柏崎の持続可能な財政運営は厳しいと考えます。


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