4月13日に開催された島根原子力発電所対策特別委員会における会派を代表しての討論について以下全文掲載します。4点の指摘事項を述べています。
私たち公明党県議団としては、島根原発の再稼働の是非について現地調査や県民との意見交換、議会での議論などを通して慎重に検討を重ねてまいりました。その結果、現時点では島根原発の再稼働はやむを得ないものと判断するものであります。
主な理由について、以下三点申し述べます。
一点目は、島根原子力発電所の安全性の問題です。
2013年12月に中国電力は島根原発二号機の設置変更許可を申請し、これを受けて原子力規制委員会では、184回にわたる審査会合や現地調査を行い慎重な審議を経て、昨年9月15日に新規制基準に適合すると認めました。
新規制基準は福島第一原発事故の反省に基づき、地震や津波、火山噴火、竜巻、テロなどあらゆるリスクに備えた何重もの対策を求めており、世界で最も厳しい水準の規制となっております。
また、島根原発では、原子力規制委員会の審査と並行して、防波壁、水密扉による津波対策や耐震性の高い受電設備、ガスタービン発電機による電源確保対策の強化、フィルタ付きベント施設の設置などの安全対策を実施しており、安全性に関しては東日本大震災前に比べ大幅に高まったと認識しております。
我が会派は、島根原発への現地調査により安全対策の進捗状況を直接確認してまいりました。また、議会質問を通じ重大事故時のヒューマンエラー対策についてただしましたが、ヒューマンエラーの防止対策については、中国電力による実践的な訓練が実施されていることや今後さらなる強化を図ることなどの答弁を得ているところであります。
こうした現地調査や議会での議論などを踏まえ、新規制基準に合格した島根原発の安全性は大幅に強化され、福島第一原発事故のような事故が発生する可能性は極めて低いと判断したところであります。
二点目は、温室効果ガス排出量の増加による地球温暖化及びエネルギーの安全保障の問題です。
国連の気候変動に関する政府間パネル第六次評価報告書では、このまま温暖化が進めば、豪雨や熱波、干ばつなどの異常気象が一層頻発すると警鐘を鳴らしています。そして地球温暖化抑制のためのシステム変革として、エネルギー部門全体を通して温室効果ガス排出量を削減するには、化石燃料使用全般の大幅削減、低排出エネルギー源の導入などの大規模な転換を必要とするとされています。
翻って我が国がどのようなエネルギー供給の実態にあるかを考えると厳しい現実があると言わざるを得ません。日本のエネルギー消費量は世界第五位である一方でエネルギー自給率はわずか11%にとどまっており、中東の原油、化石燃料に強く依存している現状にあります。このことは、安全保障上の観点からも大きな課題であり、現下の原油価格の高騰による国内経済への影響の度合いを見ても明らかであります。
地球温暖化の防止やエネルギー安全保障の観点からも化石燃料によるエネルギー生産をできる限り低減し、再生可能エネルギーや原子力発電エネルギーを組み合わせたベストミックスを構成することが、今取り得る現実的な対応であると考えます。
三点目は、原発立地自治体である松江市及び周辺自治体の声を尊重すべきという点であります。
原子力発電所を受け入れ、長年我が国のエネルギーの安定供給を支えてこられた地域の皆さんの御心労、時とともに築かれてきた雇用の場や経済活動などを踏まえると、立地地域及び周辺地域の皆様の御意見が尊重されるべきであると考えます。今回、立地自治体である松江市及び全ての周辺自治体の知事、市長及び各議会は、再稼働を容認する立場を表明しております。福島第一原発の惨状を踏まえれば、再稼働に賛成の立場をとる人も無条件に賛成という人ばかりではないと思います。しかし、立地地域等での地域経済の復興のためにも、安全性が確認された島根原発を再稼働してほしいという地域の声を地元の議会が、様々な議論の末に選択したということを重く受け止めなければならないと考えます。
以上三点が、再稼働を容認する主な理由であります。
ただし、島根原発の再稼働について、県民の不安が根強いことも率直に受け止めなければなりません。特に、万が一の重大事故の際の緊急時対応や住民の避難計画については、県議会の議論においても住民説明会等においても多くの懸念が示されたところです。避難計画の実効性を高めることや30キロ圏内の防災力強化については不断の努力が必要です。また、この間不祥事を繰り返してきた中国電力の信頼回復の取り組みは道半ばであります。県においては、今後の中国電力の安全文化定着の取り組みを厳しく監視していただきたいと思います。そして、使用済み核燃料対策や最終処分などのバックエンド対策は原子力を利用する上で残された重要課題であります。バックエンド対策の取り組みを加速させていくことを政府に求めていく必要があると考えます。最後にもう一点、ロシア軍がウクライナのザポリージャ原子力発電所を砲撃しました。断じて許されない暴挙であります。しかし、現実に起きてしまった事実であり、原子力発電への武力攻撃に対する防御に万全を期すよう、引き続き政府に求めていくことが必要と考えます。
以上4点指摘させていただき会派としての討論とします。
5月26日から島根県議会5月定例会が開会しました。
初日の本会議で島根原子力発電所対策特別委員長から特別委員長報告がされ、議会としての島根原子力発電所2号炉稼働についての意見が表明されました。会派を代表して討論を行いましたので、以下に全文を掲載します。
公明党の吉野和彦でございます。議長のお許しをいただきましたので、公明党島根県議団を代表して、島根原子力発電所2号炉の再稼働を了とした島根原子力発電所対策特別委員長報告に賛成の立場から討論いたします。
東京電力福島第一原発事故により原発の安全性に対する国民の信頼は大きく揺らぎました。公明党としては、この事故を重く受け止め、議論を重ねる中で、今後のエネルギー政策について一定の方針を示しました。
新しい原子力発電所の建設は認めない。そして、耐用年数を過ぎた原発についてはその時点で稼働を終える。この二点を基本として、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた取り組み等を通じて、原子力発電に代わる再エネを最大限導入し、原発の依存度を着実に低減するとともに、徹底した省エネルギーの推進、火力発電の脱炭素化に向けた取り組み、水素発電など新たな発電技術の導入を進めつつ、将来的に原発に依存しない社会“原発ゼロ”を目指すというものであります。
ただ、資源に乏しくエネルギー自給率が低い日本にとって直ちに原発をゼロにすることは現実的に難しいとの判断から、既存の原発については原子力規制委員会の規制基準を満たすことを前提に、立地地域の住民の理解が得られた原発については再稼働を容認する立場をとっています。
私たち公明党県議団としては、島根原発の再稼働の是非について現地調査や県民との意見交換、議会での議論などを通して慎重に検討を重ねてまいりました。その結果、現時点では島根原発の再稼働はやむを得ないものと判断するものであります。
主な理由について、以下三点申し述べます。
一点目は、島根原子力発電所の安全性の問題です。
2013年12月に中国電力は島根原発二号炉の設置変更許可を申請し、これを受けて原子力規制委員会では、184回にわたる審査会合や現地調査を行い慎重な審議を経て、昨年9月15日に新規制基準に適合すると認めました。
新規制基準は福島第一原発事故の反省に基づき、大規模自然災害対策として設計基準を強化するとともに、意図的な航空機衝突への対応など重大事故の発生を想定した対策も新たに盛り込み、地震や津波、火山噴火、山火事、風水害、竜巻、内部溢水、テロなどあらゆるリスクに備えた何重もの対策を求めており、世界で最も厳しい水準の規制となっております。
島根原発では、原子力規制委員会の審査と並行して、防波壁、水密扉による津波対策や耐震性の高い受電設備、ガスタービン発電機による電源確保対策の強化、フィルタ付きベント施設の設置などの安全対策を実施しており、安全性に関しては震災前に比べ大幅に高まったと認識しております。
我が会派は、島根原発への現地調査により安全対策の進捗状況を直接確認してまいりました。また、議会質問を通じ重大事故時のヒューマンエラー対策についてただしましたが、ヒューマンエラーの防止対策については、中国電力による実践的な訓練が実施されていることや今後さらなる強化を図ることなどの答弁を得ているところであります。
こうした現地調査や議会での議論などを踏まえ、我が会派としては、新規制基準に合格した島根原発の安全性は大幅に強化され、福島第一原発事故のような事故が発生する可能性は極めて低いと判断したところであります。
二点目は、温室効果ガス排出量の増加と地球温暖化及びエネルギーの安全保障の問題です。
国連の気候変動に関する政府間パネル第六次評価報告書では、今後の温室効果ガスの排出に関して五つのシナリオを示しており、このうち「2050年までに排出実質ゼロ」を達成したケースでも、21年から40年までの間に、世界の平均気温は産業革命前と比べて1.5度上昇する可能性があるとしております。報告書ではまた、このまま温暖化が進めば、豪雨や熱波、干ばつなどの異常気象が一層頻発すると警鐘を鳴らしています。そして地球温暖化抑制のためのシステム変革として、エネルギー部門全体を通して温室効果ガス排出量を削減するには、化石燃料使用全般の大幅削減、低排出エネルギー源の導入などの大規模な転換を必要とするとされています。
翻って世界的に高まる脱化石燃料という大きな潮流の中で、我が国がどのようなエネルギー供給の実態にあるかを考えると厳しい現実があると言わざるを得ません。日本のエネルギー消費量は世界第五位である一方でエネルギー自給率はわずか12%にとどまっており、中東の原油、化石燃料に強く依存している現状にあります。このことは、安全保障上の観点からも大きな課題であり、現下の原油価格の高騰による国内経済への影響の度合いを見ても明らかであります。
地球温暖化の防止やエネルギー安全保障の観点からも化石燃料によるエネルギー生産をできる限り低減し、再生可能エネルギーや原子力発電エネルギーを組み合わせたベストミックスを構成することが、今取り得る現実的な対応であると考えます。
三点目は、原発立地自治体である松江市及び周辺自治体の声を尊重すべきという点であります。
原子力発電所を受け入れ、長年我が国のエネルギーの安定供給を支えてこられた地域の皆さんの御心労、時とともに築かれてきた雇用の場や経済活動などを踏まえると、立地地域及び周辺地域の皆様の御意見が尊重されるべきであると考えます。今回、立地自治体である松江市及び周辺自治体の鳥取県、米子市、境港市、出雲市、安来市、雲南市では、知事、市長及び各議会は、再稼働を容認する立場を表明しております。福島第一原発の惨状を踏まえれば、再稼働に賛成の立場をとる人も無条件に賛成という人ばかりではないと思います。しかし、立地地域等での地域経済の復興のためにも、安全性が確認された島根原発を再稼働してほしいという地域の声を地元の議会が、様々な議論の末に選択したということを重く受け止めなければならないと考えます。
以上三点が、再稼働を容認する主な理由であります。
前々回の島根原子力発電所対策特別委員会で、我が会派が指摘した事項につきましては、委員長報告に盛り込んでいただきました。今後、島根原子力発電所二号炉の再稼働について、慎重な意見が根強くある中で、地元同意の可否を決断する知事の責任は大変に重いものがあります。したがって、丸山知事におかれては、地元同意の判断に際し、本委員長報告案の趣旨を十分に尊重されるよう求めます。また、先般発生した偽造身分証を使った島根原発立ち入り事案につきまして、知事は原子力規制庁長官に対して、中国電力の改善措置を今後の審査の中で厳格に確認するよう要望されました。実効ある改善策を中国電力が早期に実行するよう、県としても最後まで指導、監視されるよう求めまして、賛成討論といたします。







