【室蘭市の概況】
室蘭市は、人口は約8万3千人、ピーク時の人口は約16万人であったことからも、近年人口減少が心配されている都市である。ただ、面積が狭いことから、人口密度は道内2位となっている。
北海道の南西部に位置し、西に向かって突出した馬蹄形の半島を中心に市域が広がっている。歴史としては、室蘭港は北海道の開拓を支えた港とされており、日本とアジアのエネルギー需要を支えた港として評価されている。
ものづくりの街と言われ、そのきっかけは日本製鋼所が1907年に発足したことと言えよう。当時は「鉄のまち」というネーミングで発足。
平成27年では、産業別人口は、1次産業が351人、2次産業が9,384人、3次産業が26,169人となっている。有名な食べ物としては、室蘭やきとり、室蘭カレーラーメンなどがあげられる。また、素晴らしい景観のスポットが沢山あり、近海においてはイルカやクジラウオッチングなどもできることから観光地としても有名となっている。また、著名な白鳥大橋は、夜景スポットとしてもあらゆる世代から愛されていると言えよう。
○水素社会に向けた取り組みについて
平成15年度、「室蘭地域環境産業拠点形成実施計画」を策定。資源循環や低炭素な都市形成のため産学官連携により環境産業を復興。世界的な地球温暖化や東日本大震災以降のエネルギー問題への対応の必要性なども言われる中、地域の自立性、地域経済の活性化、産業復興、災害時の防災機能の強化などが期待できる新たな低炭素都市形成につながるエネルギー構想が必要とされる。
平成26年に産学官民が連携して、環境産業の推進・地域経済の活性化・低炭素なまちづくり、の実現を目指す「室蘭グリーンエネルギータウン構想」を策定する。構想の目的としては、北海道の次世代のエネルギー社会をリードする、環境と市民にやさしい低炭素都市の創造、などがあげられ、当面の目標としては、グリーンエネルギーを2020年までの現状の2倍とする、などが掲げられた。
目標の達成に向けた取り組みの一つとして、水素利用社会構築に向けた取り組みを開始、水素ステーションの整備とFCVの導入、公共施設などへの定置式燃料電池の設置、再生可能エネルギー由来の水素製造技術の開発などが行われた。太陽光や風力などにも力を入れたが、中でも水素利用社会構築に向けた取り組みには注目されたと言えよう。公共施設にエネファームを導入、市営温水プールへの整備も進み、合計6基の設置、内容としては施設の電源・暖房、温水プールの保温等に効果を生み出す。エネファームは、住宅への導入・促進もなされた。今後にも大きく期待が持てる。
移動式水素ステーションの電源は200V100kw、コンテナの長さ約12.2m、重量は24tである。普及啓発の取り組みとしては、イベント展示、FCV試乗会、水素勉強会、視察対応など様々である。FCVにより給電のデモ活動は、土砂災害防災訓練での活躍、映画撮影にも音が静かで使いやすい、地域のFM放送への活用等などがある。実際に胆振東部地震でも、FCVは地域住民の方の携帯電話等の充電などでも大いに活躍したと言えよう。
室蘭グリーンエネルギータウン構想は、平成28年度第1回先進的まちづくりシティコンペにて、国土交通大臣賞を受賞、室蘭市の取り組みは世界へも発信されることなった。
冒頭に述べた人口減少の課題もある中、今後、水素利用社会に向けた取り組み、新たな産業への取り組みへの期待は高まる。地域連携・低炭素水素技術実証事業であったり、建物及び街区における水素普及展開を目指した低圧水素配送システム実証事業であったり、が挙げられ、後者については企業と大学、行政との協力の元、様々な新しい開発が行われ、かつ今後への期待が大きい。水素の取り扱いが容易になり、コンパクトな貯蔵なども可能となってきている。
【質疑について】
Q 単刀直入に、エネファームについては、帯広市としても導入を働きかけてきており、今後も継続していきたいが可能性としてはどうか?
A 室蘭市は、冬の最低気温マイナス7度程度、帯広市はマイナス20度の世界にもなると思われるが、特に問題が生じると現段階では思わない。しかし、実際に使用となれば検証は必要かもしれない。
Q 水素社会に向けた取り組みについては、教育の現場等にもどのように生かされているのか伺う。
A 小学生中学生には難しい内容ともなっているが、興味が沸く内容であり、多くの効果を生んでいると思われ、今後も期待が持てる内容となっている。
【 所感 】
SDGsの考え方も益々浸透している今日、低炭素社会の実現に向けた動きは加速していくと言えよう。室蘭市の水素の取り組みについて、今回伺ったが、まるで大学のハイレベルの講義を聞いているかのような錯覚に陥ってしまうような内容であった。しかし、それは、単なる実験的なものではなく、将来水素エネルギーが身近に活用される社会が来る、来てほしいと強く願いたくなるそんな内容であった。
具体的には、エネファームが帯広市にも導入されていくことができるのか、なども質疑がなされた。太陽光しかり、今回はパームヤシガラを使った発電の話なども伺うことができたが、エネルギーの問題は、未来の日本、我々が暮らす地域のためにも、危機的に捉えなくてはならない問題なのだ。日々暮らす中では、今が良ければ良いとまでは言わないが、過去の歴史を見ても、地球に決して優しいとは言えない環境破壊等を繰り返して今日にいたった。これから先の持続可能な社会を世界で考えた際に、これはまずい、これはどこかで食い止めないと世界は大変なことになると、パリ協定をはじめとして世界中で考えられており、今回の水素の取り組みにしても、一見かけ離れた内容に感じるかもしれないが、実は素晴らしい可能性に満ちた取り組みであるのかもしれず、言葉が違うのかもしれないが、心から今後の発展を応援したいと思った。そしてまた、帯広市としても最新の情報について学び取り入れる姿勢を強化していきたいと思う。
【苫小牧市の概況】
苫小牧市は、人口は約17万2千人、北海道の南西部に位置する海に面した町である。古くから工業が発達し、明治期には製紙業が発達した。新千歳空港にも近く、北海道工業地域を代表する港湾都市となった。苫小牧東部地域には世界最大級の地上タンク方式による石油備蓄施設がある。
苫小牧市は、ホッキ貝の漁獲量日本一を誇る。味も素晴らしい。また、苫小牧市の水道水は、全国でも有数のおいしい水として認定されている。スポーツに関して力を入れており、昭和41年には、「スポーツ都市宣言」をし、アイスホッケーなど市民のスポーツ活動に力を入れている。
○苫小牧市国保の概況について
苫小牧市内の全人口に対する国保加入者の割合は、平成30年度で、世帯数では25.2%、人口では19.52%となっている。
傾向であるが、やはり、高齢者の加入率が高くなってきている。税率としては、全体として据え置きの傾向となっている。療養給付費の負担については、微減の傾向となっている。収納率は、平成29年から30年は、94%台となっている。
ポイントとして、高齢化により保険給付費が年々増加していることが最大の課題である。
○調査事項について
- 糖尿病性腎症重症化予防プログラムについて
このプログラムの目的は、糖尿病が重症化するリスクの高い糖尿病未受診者を適切な受診勧奨によって治療に結びつけることである。また、糖尿病で通院する患者のうち、かかりつけ医が必要と判断した者について医療機関と連携して保健指導を行い、人工透析への移行を防止することを目的とする。
- 糖尿病未受診者、治療中断者への受診勧奨
- 糖尿病通院患者の保健指導
- プレ特定健診について
導入の経緯は、苫小牧市の特定健診の受診率について、特に40~50代の受診率が著しく低いという課題からであった。グループとして分けると、健康診断の習慣が身についているグループと、習慣が身についていないグループに分けられる。
平成30年からプレ特定健診の実施。苫小牧市は独自に、検査項目に腎機能検査(全対象者に実施)を追加。健診費用は無料としているため、「プレ特定健診」も同様の内容で行っている。効果の検証は今後、受診者が40歳以上の特定健診対象者となってとなる。
- タダとく健診について
苫小牧市のがん検診受診率は、平成29年で、胃がん4.1%、肺がん5%、大腸がん3.6%で、特定健診受診率は35%であった。市の医療費を分析すると、がんに関連するものが30.8%をしめていた。死因の状況としても、がんからとされるものが48%、医療費・死因ともに1位はがんであるが、しかし、がん検診受診率は低いままということが一層明らかとなった。
平成30年「がん検診受診費用助成」を開始。同一年度に特定健診(無料)を受診した場合、がん検診の自己負担額分を助成するものである。特定健診そしてがん検診の両方を受診する人を増やす取り組みを開始した。
結果、胃と肺、大腸がん検診とも、受診率は向上。しかし、特定健診受診率は変化がなかった。
令和元年、全市的な事業「健幸大作戦」実施。市長から、健診・検診に力を入れることがあらためて求められる。そして、「タダとく健診」が誕生する。この健診は、特定健診+胃・肺・大腸健診が無料となるもの。対象者は、40歳以上の国保加入者、後期高齢者医療制度加入者である。
当然と言えばそうかもしれないが、明らかにがん検診の受診者数は増加となる。特定健診受診質率向上の効果は、今後特定健診の法定報告値が出るまでには、時間がかかるため、現段階での効果検証は難しい。
- 特定保健指導について
苫小牧市の特定保健指導終了率は、平成30年、過去最高を記録した。特定保健指導の実施体制としては、費用は無料、苫小牧保健センターへの来所にて実施している。
【質疑について】
Q 現在の苫小牧市としての医療連携の状況はどのようになっているか?伺う。
A 医療連携も力を入れてきているが、今後も更に強化する必要を感じている。行政として、高齢化が益々進む中、正に部門を超えた連携、横の連携が重要となってくることも当然感じており、今後も更に強化していく。
【 所感 】
全国的に超高齢化は今後も更に進み、各自治体においては、医療費等の増加に対する対策は必須となっている。そんな中で、今回の視察の内容として、年代の若いうちから健診の習慣をつけて、早期発見早期対応していくしくみづくりをすることは非常に大切と言える。例えば糖尿病であっても、重症化した際の医療費は行政に大きな負担となってしまう。苫小牧市としては、市長がその指針を明確にし、行政として様々なアイディアを現場から出して作り上げてきた、という取り組みへのエネルギーを強く感じた。こういったムーブメントは、帯広市にももちろんあると思われるが、より具体的な施策を創り上げていくための参考にしたいと強く思った。
今後の展開としては、地域の医療連携の強化、行政としても更に横の連携を強化することなども話されていたが、これこそ正にどこの自治体であっても必要な視点である。
地域の中で細かく連携を取ることは、数年前から国としても言われてきていることであるが、その体制をより強固なものとして、情報交換・意見交換を活発にし、来るべく更なる高齢者の割合が危機的に高い社会の中で、課題を乗り越えていく力を増していかなくてはならない。
昨今は、医療の進歩から、ステージ4のがん患者も回復することができるようになっているとも聞いた。今後も更に技術の進歩も進むであろう。そうった流れの中で、70代、80代の世代の方が益々元気に活躍してもらえる、いや、もらわなくてはならない社会が来るのではないか。さすれば、単に長生きするという観点ではなく、元気に長生きをする社会、本当の意味での人生100年の社会がやってくる。車であっても定期的に点検をしっかりして大事に使っていれば、何年も使い続ける年数が増えるのは確かであり、人間も同じである。行政ができるしくみ創りを、帯広市においても更にしっかり取り組んでいきたいと思う。
2020.01.31
昨日大雪が積もりました。
道路の状態は良くはなく、本当に皆様無事故で!
午前中、市民の連合町内会の皆様との意見交換会に参加をさせていただきました。全体の町内会加入率の問題、若い世代の加入率の問題、準会員制度のメリット、デメリット、町内会における防災について、町内会のボランティア活動好事例→加入率80%、新しく作り上げた町内会、若い世代に合わせた仕組み→加入率95%、様々伺うことができました。
意見交換会というか、主に意見を伺う会(1時間)でしたが、また、これを生かして、できるだけ早急に、行政のアクションが必要です。時間はあまりありません。そのために全力尽くします‼️
これから、帯広市氷まつり、開会式に参加をさせていただきます❄️✨













