チャレンジテスト

 

こんな書類が中学校で配られました

今年6月の5教科のチャレンジテストの結果で各学校の全教科の内申の評定平均が決められます。

こんな事が許されて良いのでしょうか?

公立の高校入試は当日のテスト点と9教科の評定の合計で決まります。
当日点と評定の割合は7:3~3:7の間で各高校が決めます。つまり評定を重視する学校では入試の7割が評定で決まると言う事。
これは評定平均が高い中学校の生徒は入試で必ず有利になる事を意味しています。

評定は体育、技術家庭、美術、音楽のいわゆる「4教科」も含まれます。
そして5教科の点の悪い学校の生徒は「4教科」の点も悪い筈だから4教科の評定平均も下げときましょと言う事なのです。
そんな訳あるかふざけるな!と言いたい 

私が調べた範囲で今年度の平均評定の上位校は3.7下位校は2.2でした。
入試で評定にこれだけの差があれば勝負になりません。5教科が同じ実力の生徒でも4教科の分の評定で決定的に不利になってしまいます。

実は昨年12月3日一般決算特別委員会で私はこの矛盾を指摘し、大阪市の教育長から府教育委員会に改善を申し入れるとの答弁があり、実際に行ったようですが全く何も改善されていない。
失礼ながら府教育委員会の目は節穴かと見識を疑わざるを得ません。

 

腹立たしいのはこのプリントの最後に『学校は、授業や宿題、テストなどの皆さんの日常の学習の結果を評価しています。毎日の学習にしっかり取り組んで、自分の力を伸ばして下さい。』と書いてある事。
チャレンジテストさえ良ければ入試に圧倒的に有利な仕組みを作っておいてこの文章は自己矛盾も甚だしい。うそつきだ

 

加えて秋に実施されるチャレンジテストの点が一定以上ならば自動的にその教科の評定の5,4,3が保障される。つまり学校の授業や宿題提出物など無視しても秋のチャレンジテストさえ良ければ評定5も可能
学校を休んで塾でテスト対策ばかりするという生徒が現れてもおかしくない。
授業軽視により授業が荒れれば学力低下は免れない。
入試に有利な中学校がはっきりするので学校選択制と相まって学校間格差はますます広がるでしょう。

 

府教育委員会は公立の中学校を潰したいのでしょうか。

 

もう一つ根本的な問題があります。
子どもの力を引き出すには得意を伸ばすということが一番ではないか。思いっきりクラブや好きなことに取り組み、子どものスケールを大きくしてあげるほうが後から伸びる気がする。ところが中1中2のチャレンジテストまで入試に直結させれば実質入試の前倒しです。実際地元の塾ではチャレンジテスト対策がうたい文句に。
最近の生徒はクラブをしたがらない。その傾向もさらに進むのでは。
ますます全体の生徒のスケールが小さくなる気がする。
学力という「力」も弱くなりはしまいか。
かつて「ええとこのばそ」と言ってた大阪市の教育は消えてしまったのか。

 

全国学力テスト下位の大阪の課題はボトムアップであるはず
テストで追い立てればテストの点を取れない生徒の居場所はなくなる。伸びるものも伸びなくなる。間違いなく全体の学力は下がる。
点の取れない生徒であっても、ペーパーテスト以外の取り組みを評価してあげることで前向きになり結果として学力も上がるのでは。

 

それを真っ向から否定するのが今回の仕組み。評定平均の低い学校は、学校が評価してあげたくてもできない。

 

このことを通じてつくづく政治が教育に介入する弊害を感じる。
もともとの原因は蔭山前府教育長が橋下前大阪市長にけしかけられて大阪府の中学校に絶対評価を取り入れた事にある。
しかし取り入れた蔭山氏と入試直結を訴えた中原氏の両氏は大阪を去り、ただ何のためかもわからず「改革をした」という政治的実績のため大阪府は絶対評価を進めているようにしか見えない。

 

絶対評価の課題は評価者の主観による評定の安売り。極端に言えば全員5もありうる。

頑張った分はすべて評価するのが絶対評価なのでそれはある程度やむを得ないのだが、入試の公平性にはそぐわない。だから他府県は困ってだんだん相対評価に近づいている。それを解決するための今回の措置で「真の絶対評価」と自画自賛しているが何のことはない形を変えた相対評価であり、真の序列化ともいうべきで生徒のやる気を引き出す絶対評価の理念目的から大きく外れる。

序列化のためならば絶対評価の意味がない。大阪は相対評価に戻すべきではないか。

 

学力世界一のフィンランドには学力テストはない。学力日本一の秋田や福井は古くから独自テストを行っているがその目的が今の大阪とは大きく違う。
学力テストの目的は教師の反省材料であり、今後の指導に生かすために活用している。教師の指導が変わるから生徒の学力が伸びる。指導法の研究が定着している。

 

それに対し大阪は入試に直結してると生徒をテストで脅し、1・2年生も遊ばさなければ学力が伸びるとばかりの活用。教師はテストで点を取らせるだけの小手先のテクニックが求められるがその実はただ無理やり政治的に取り入れた絶対評価の尻ぬぐいであり、生徒の真の学力向上にはつながらない。

 

独自テストを学力向上に生かすなら入試に絡めず教師の分析と反省材料にのみ使うべきでしょう。

 

 

教育の目的は子どもの幸福。大阪の未来の宝である子供たちの為に頑張って行きたい。

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