高崎市は3度の合併(1市5町1村)により面積が100㎢から460㎢へと大きく広がり、中山間地を多く抱えるようになりました。
市は、旧市内で走っていた“ぐるりん”を合併した地域にも走らせておりますが、人口密度の低さに加えて、民間バス路線との関係もあり、営業的には苦戦を強いられております。
そこで議会としても高齢化が進展し交通弱者が増大するなか、今後の交通政策に活かすべく、同様の課題に取り組んでいる自治体を視察することにしました。概要は下記の通りです。
【山口市】 人口;約20万 面積;約1023㎢(1市5町が合併)
合併後、公共交通の無い地域からコミュニティバスの運行を望む声が出てくるも、財政面での限界もあり、検討段階から地域住民を巻き込んだ勉強会を年80回程開催。幹線交通網の整備と並行し、地域主体の 『コミュニティタクシー』 を平成20年からスタートさせた。コミュニティタクシーの運行エリアは、最寄りの鉄道駅や幹線路線のバス停、地区の中心地までで、そこから先は既存の交通網を利用する(乗り換える)仕組みである。
現在8地域で運行中で、7地域は定時定路線、1地域はデマンド型、車両はワゴン車かセダン車。沿線住民の人口は9千人規模から500人程度のところまで様々のため、週3日運行の地域や5日運行の地域も。1日の便数も4便から10便以上のところまで様々である。
地域によって状況がすべて違うため、一律の制度で運行するのではなく、30%の乗車率や25%の採算性などを踏まえ、そこに住む方々の声を反映させて、ルート、バス停、走行距離など詳細を決めているのは見事というほかはない。
さらにコミュニティタクシー制度でも採算が取れない小集落に対しては、一般タクシーを共同利用するグループタクシー券制度をスタートさせ、今年度は615人が申請している。
【北九州市】
人口97万人の政令指定都市であるが、高齢化率は25.5%と全国平均より若干高く、人口も減少傾向である。
民間バス路線が採算がとれず廃止となった地域など公共交通空白地区の高齢者の生活交通の確保を目的に、現在8地区で 「おでかけ交通」 と名づけて採算性の確保を前提に運行中。北九州市も山口市と同様に、地域住民の積極的な参加のもと各地域毎に運営委員会を結成している。
また最大の特徴は“助成”の仕組みで、「収支率」が高いと助成率が高くなる仕組み(赤字額×収支率)になっている事である。
(例) 運行経費;100万 運賃収入;60万 収支率60% の場合
40万×60%で24万円の助成額となる。
なお北九州市での視察は上記項目に加え、「コミュニティサイクル事業」についても説明を受け、市役所敷地内に設置されているステーションで借りる手順および自転車への体験乗車をさせていただいた。
同事業は平成22年3月にNPO法人へ委託し、貸し出し用自転車116台(すべて電動アシスト)、ステーション10ヶ所でスタートした。利用は事前登録制で1日当たりの平均利用台数は32台となっている。
【八女市】 人口;約7万人 面積;約480㎢(1市3町2村が合併)
八女市は広大な山間地域を抱え、人口密度も低く、高齢化率も全国平均を大きく上回る30%という状況のなか、既存の路線バス、福祉バス等を抜本的に見直し、交通空白地域の解消を図るため新たに予約型乗り合い(デマンド型)の 『ふるさとタクシー』 を導入した。なお予約などの運用システムはNTT製のもので、初期導入費は当時で約5000万だったそうですが、現在では同規模システムなら半額以下になっているとの説明でした。
平成21年3月から実証運行を重ね、今年4月から本運行へと移行。具体的には市内全域を11エリアにわけ、地域ごとに地元のタクシー会社に運行を委託、12台のワゴン車が走行しており、予約センターにはオペレーターが6名いるとの事でした。
合併前の自治体数が『6』のところ、11エリア・12台ということなので、人口の多い所は細かくエリア分けされているという事です。
デマンド型のメリットは、自宅までワゴン車が迎えに来てくれ目的地まで連れて行ってくれることですが、デメリットは他の利用者宅や目的地も回るので、時間がハッキリ読めない事です。
また或るエリアの車両が空いているからといって、他の混雑しているエリアへ空き車両をまわすことはできないそうで(国交省運輸局の許可がおりないため!!)、あくまで事前に決めたエリアと車両の組み合わせでの運用が必要なようです。
八女市においても、地域間を結ぶ民間路線バスは維持されており、たとえば周辺地域から中心部にある総合病院や市役所本庁舎へ行くためには、ふるさとタクシーから幹線の路線バスへの乗り換えが必要になります。





