2日目は尼崎市の 「ヘルスアップ事業」 です。これは昨年、NHKの番組でも紹介されたため、現在も自治体・議会関係者の視察が相次いでいる有名な事業です。
病気になってからの医療処置よりも、病気を未然に防ぐ予防医療に重点が置かれるようになって久しいですが、どこの自治体も国民健康保険加入者の健診率が低迷(たいていは30%前後)し悩んでおります。
なぜ予防医療が大切か?たとえば腎臓が悪くなり、人工透析を受けるようになると医療費は年300万~500万かかりますし、それが一生続くことになります。これは本人にとっても大変ですが、支える健康保険制度も財政負担は大変なものになります。
そこで40歳以上を対象に、特定健診や人間ドックなどの健診を受けていただき、事前にメタボ予備軍や重症化しそうなリスクを持っている方々に保健指導をおこない、生活改善を促し、健康状態の改善をはかろうというものですが、なかなか思うようにいっていないのが実情です。
尼崎市は平成19年から国保加入者向けの健診率アップを目指した「ヘルスアップ事業」をスタートさせました。事業開始当初は受診率42%を超えましたが、昨年度は38%との事でした。高崎市は29%程度ですから、尼崎市の素晴らしさがわかろうというものです。
工夫している最大のポイントは、健診結果を理解しないと次のステップである生活(行動)改善に進めない、という事で通常の結果の数字の羅列に加えて、「健診結果構造図」という独自の相関関係図をA4一枚にあらわし、受診者全員に配布。どの数値が上がると血管が傷み、最終的に腎臓病に行くのか、動脈硬化に行くのか、脳卒中は、心臓病は、というのがわかるようになっていて、それを毎年、保健師さんが説明してくれる仕組みになっています。
尼崎市の国保加入者は約13万2千人いますが、12名の“熱き”保健師がハイリスク対象者を把握するために今日も頑張っているはずです。高崎市にも10万人の国保加入者がいますが、この健診業務をもっと工夫して、より良い仕組みにしていきたいと感じた次第です。

