自治体の生成AI活用状況からー議会答弁から考えるAIと政治
総務省から、令和7年度「地方自治体におけるAI・RPAの実証実験・導入状況等調査」の調査結果が公表され、地方自治体での生成AIの導入推進や具体的な活用事例が掲載されています。
私たちの住む大津市でも、最新の調査報告を見ると生成AIの導入が進んでいることがわかります。
全国的な調査データを見ると、自治体における生成AIの活用用途のトップ3は以下のようになっています。
- あいさつ文案の作成(1,292件)
- 議事録の要約(1,131件)
- 議会の想定問答の文案の作成(1,085件)


この結果から、気になるのは、全国的に見て「議会想定問答の作成」に生成AIが活用されているケースが非常に多いのが特徴です。
大津市のデータを見ても、例規案や企画書案の作成などと並んで、やはり「議会の想定問答」での活用にチェックがついています。

ある人口約5.8万人の自治体の事例では、生成AIに過去の答弁を学習(RAG)させたことで、150問を超える質問のうち最大96%の答弁案作成や資料準備にAIを活用し、職員の深夜残業が減るなど大きな業務効率化が図られているそうです。
本市も含め、このように議会対応にAIが活用されていること自体は、職員の皆さんの負担軽減や働き方改革に繋がるため、決して否定するものではありません。むしろ、定型的な作業をAIに任せることで、より市民に寄り添った本質的な業務に時間を割けるようになる素晴らしい取り組みだと言えます。
ただ、ここで一つ感じるのは「答弁を作る側(行政)がAIをフル活用しているなら、質問をする側(議員)もAIを活用すべきではないか」ということです。
行政側が過去のデータや関連法令を瞬時に分析して精緻な答弁を準備してくるのであれば、議員側も生成AIを活用して多角的な視点から課題を分析し、より深く掘り下げた、鋭い議会質問を組み立てることがこれまで以上に重要になってくるはずです。
生成AIという強力なツールを、行政の「守り(答弁)」だけでなく、議会の「攻め(質問)」にも活かしていく。双方がテクノロジーを駆使して議論を深めることで、地方議会はより質の高い、市民にとって有意義な場へと進化していくのではないでしょうか。
これからの議会論戦が、AIのサポートによってどのように深化していくのか、一市民としても非常に楽しみです。










