大津市議会議員 佐藤弘

一人のひとを どこまでも大切に 心豊かな まちづくりを目指します

地域のつながりが「寿命」に影響する?

介護 地域活動 生活 福祉 高齢者 / 2026年6月2日

高齢化が進む日本では、「どうすれば健康に長生きできるのか」が大きなテーマになっています。
食事や運動はもちろん大切ですが、最近の研究では “地域のつながり” が寿命に関係している ことが分かってきました。

東京都足立区で行われた大規模調査(75,000人以上が参加)では、 地域の信頼や一体感が強いほど、特に男性の死亡リスクが下がる という興味深い結果が出ています。



🔍 ソーシャル・キャピタルって何?

ソーシャル・キャピタルとは、 「人と人とのつながりが生み出す力(社会的な資源)」 のこと。

この研究では、特に次の2つを測定しました。

  • 近隣凝集性(Cohesion) 近所への信頼、地域への愛着、地域の一員だという感覚
  • 近隣ネットワーク(Network) 近所の人との交流の頻度(挨拶・立ち話・相談など)

📊 7万人を5年間追跡した結果は?

🔵 男性:地域の信頼が高いほど長生き

地域の「近隣凝集性」が高いほど、男性の死亡リスクは明確に低下しました。

特に 65〜74歳の男性では、死亡リスクが17〜18%低下

地域に信頼や一体感があると、安心感やストレス軽減につながり、健康行動も続けやすいと考えられます。

🔴 女性:大きな差は見られず

女性はもともと個人のつながりが豊かで、地域差の影響が出にくいと考えられています。

🧠 なぜ「地域のつながり」が寿命に関係するのか?

研究者たちは、次のような効果を指摘しています。

  • 安心して暮らせる → ストレスが減る
  • 困ったときに助け合える → 孤立を防ぐ
  • 外出や交流が増える → 健康行動が続く
  • 地域に居場所がある → 心の健康が保たれる

特に男性は退職後に人間関係が減りやすいため、 地域環境そのものが健康を支える“土台”になる のです。

🏡 地域づくりが「健康づくり」になる時代

この研究が示すのは、 「個人の努力だけでは健康は守れない」 ということ。

地域の信頼やつながりを育てることが、 これからの健康政策やまちづくりの重要なポイントになります。

例えばこんな取り組みが効果的

  • ちょっとした挨拶や声かけ
  • 多世代が集まれる場づくり
  • 見守り活動やサロン
  • 地域イベントや交流会
  • 公園・商店街など“出会いの場”の活性化

参考:

「長寿のカギ」は、信頼し合える地域にあり!大規模データから地域のソーシャル・キャピタルが高い地域に住む男性で死亡リスクが低いことを確認

2045年の郊外住宅地はどうなる?「右肩上がり」からの脱却と次世代向け循環型モデル

まちづくり 子育て 家族 生活 高齢者 / 2026年6月1日

日本の高度経済成長期、人々の憧れであり暮らしの拠点として次々と開発された郊外住宅地(ニュータウン)。
しかし、誕生から約50年が経過した現在、深刻な構造疲労と社会情勢とのミスマッチに直面しています

こうした問題について、住宅生産団体連合会がまとめた『郊外住宅地の再生に向けた考察2045』の内容をもとに、2045年に向けた課題と、次世代(Z世代)を見据えた新たな居住モデルについて解説します

1. 迫り来る「プライマリー空き家」の危機とトリアージ

現在の郊外住宅地は、人口や世帯数の減少、高齢化によるコミュニティの活力低下といった存亡に関わる課題を抱えています。 とりわけ危惧されているのが「プライマリー空き家」の問題です

  • 子育てを終え夫婦のみとなった世帯において、やがて介護施設への入所などにより、相続発生前であっても実質的な空き家状態が生じます

  • これが放置されると、建物の劣化進行や犯罪リスクの上昇を招き、住宅地全体の価値を毀損してしまいます

すべての郊外住宅地をそのまま存続させることは難しく、1981年の新耐震基準などを指標とした客観的な「トリアージ(優先順位付けと診断)」が不可欠となっています

2. 価値観が変わる「Z世代」に選ばれる住宅地とは?

2045年に社会の主役となるのは現在のZ世代です。彼らは、かつての団塊世代のように同一の価値観で動くマス・マーケットではありません

  • 世帯所得の格差拡大や、単身・夫婦のみといった家族形態の多様化が進むと想定されます

  • 自然に親しみ自分の時間を大切にする彼らは、客観的かつ合理的に居住地を選択します

  • 郊外住宅地においては、取得可能な価格帯(300〜500万円の世帯年収層向け)の中古住宅の流通や、低所得層向けシェアハウスなど、所得と価値観に合わせた多様な受け皿と行政の支援策が求められます

3. 持続可能な「循環型居住モデル(IH2.5)」

従来のように、子育て住宅を「在宅介護仕様」にリフォームしてしまうと、次の世代が住み継ぐ際の魅力を損ない、再市場化が困難になってしまいます

そこで提唱されているのが、地域内(徒歩圏のネイバーフット)でライフステージに合わせて住み替える「循環型居住モデル」です

  • 子供が独立したシニア世代はエリア内のコンパクトな住宅へ転居し、元の子育て住宅は次のファミリー世代へ引き継ぎます

  • これにより、地域コミュニティや相互見守りの関係性を維持しながら、住宅資産を循環させることができます

  • また、単身からファミリー、シニアまで多様なニーズに壁の配置等で可変的に対応できる平屋ベースの「インクルーシブ・ハウジング2.5(IH2.5)」という新たな住宅スペックも提案されています

4. 現実と向き合い、豊かな環境を再構築する

人口・経済が縮小するフェーズに入った日本において、右肩上がりの成長幻想を捨て、適正な密度へと都市環境を再構築する時期が来ています。空地を里山に還すプロジェクトなど、かつての自然破壊を修復し、豊かな住環境を取り戻す取り組みも構想されています

最も重要なのは、住民同士が客観的なデータ(真実)を共有し、自分事としてまちの将来を議論・行動していく「当事者意識」です


手摺りのちょっとした工夫で快適に!福祉用具に利用者の本音は?

福祉 高齢者 / 2026年5月30日

「据置式の手摺りの土台プレートが眩しい」という声がありました。
そこで、歩行路に合わせてビニルのマットを敷いてみることにしました

このマットは素材が薄いのに重みがあり、少し柔らかくてゴムに近い感触なので、滑り止めとしても効果が期待できるベストチョイスでした!
加工もしやすいので、同じように据置式の手摺りを設置しているお家の参考になれば嬉しいです。
ちなみに材料費は1mあたり2580円で、今回は4.2m購入してぴったり収まりました
さて、こうした日々の環境調整を行う中で、ふと「利用者様は福祉用具の利用に対して、どう感じているのだろう?」と考えることがあります。
福祉用具の貸与(レンタル)サービスは非常に便利ですが、利用者様の視点に立つと、利用をためらったり、購入への切り替えを検討したりする「いくつかの心理的・物理的なハードル」があることが分かっています。

1. 中古品を利用することへの心理的な抵抗感
貸与品は他の人も使用したものであるため、どうしても「人が使用したものが嫌」「新品を気持ちよく活用したい」といった、中古品に対する心理的な抵抗感を持つ方がいらっしゃいます

2. 定期的な訪問や継続的な関わりへの抵抗感
福祉用具を安全に利用するためには定期的なモニタリング訪問が必要ですが、利用者様の中には「定期的に訪問されることが煩わしい」と感じるケースも少なくありません

3. 毎月継続して発生するランニングコストへの負担感

身体状況が安定しており長期的な利用が見込まれる場合、毎月のレンタル料金の支払いに負担を感じ、「長い目で見れば購入してしまった方が得である」「毎月の支払いを無くしたい」と考える利用者様がいらっしゃいます

4. 紛失・弁償への不安や手続きの煩雑さ

「物忘れなどで用具を紛失してしまったら弁償しなければならない」というリスクを避けるために最初から自分の所有物にしたいと考えるケースや、レンタル契約時の書類手続きが煩雑であることを負担に感じる方もいます
福祉用具は利用者様の生活を支える大切な存在ですが、その裏には「できれば新品がいい」「毎月の訪問は気を使う」といったリアルな本音が隠れています。
今回のように、「プレートが眩しいからマットを敷く」といった小さな配慮や環境調整が、利用者の心理的・物理的なハードルを少しでも下げることにつながればと思っています。
これからも利用者様の声にしっかりと耳を傾け、より快適で安心できる在宅生活を一緒に作っていきたいです。

高齢者ケアラーという“見えにくい支え”をどう守るか

介護 家族 福祉 高齢者 / 2026年4月14日

大津市では現在、ケアラー支援条例の検討が進められています。
ケアラーと一言で言っても、その立場はさまざまですが、今回は下記の資料をもとに「高齢者を支える家族」に焦点を当てて考えてみます。

地域の高齢者とその家族を支える市町村・地域包括支援センター等におけるケアラー支援 事例集


■ 介護は“家族の問題”になっている

日本では介護の多くを家族が担っています。
食事や通院の付き添いだけでなく、日常生活全体を支えるケースも少なくありません。

つまり介護は、特別な出来事ではなく
生活そのものに組み込まれている現実があります。


■ 見えにくい負担

ケアラーの多くは心身の負担を抱えながらも、
「まだ大丈夫」と我慢してしまう傾向があります。

その結果、

  • 介護離職
  • 孤立
  • 心身の不調

といった問題が、表面化したときには深刻化しているケースもあります。


■ 制度の限界

現在の制度は「介護される本人」が中心です。
しかし実際には、家族が支えきれなくなることで生活が成り立たなくなることもあります。

ケアラー自身への支援はまだ十分とは言えません。


■ 提言:市民のための3つの視点

① 「早期発見」から始める

  • 地域包括支援センターだけでなく
  • 医療・民生委員・自治会などとの連携

“気づく仕組み”を制度化する


② 「相談のしやすさ」を最優先に

多くのケアラーが求めているのは
「相談できる場所」と「情報」です

  • ワンストップ窓口
  • LINE・オンライン相談
  • 匿名相談

心理的ハードルを下げる設計が重要


③ 「休める仕組み」をつくる

  • レスパイトケア(介護から離れる時間)
  • 短期入所の柔軟利用
  • 地域の支え合い

「頑張らせる支援」から
「休ませる支援」へ転換


■ おわりに

ケアラーは特別な存在ではなく、
誰もがなり得る身近な存在です。

条例づくりにおいては、
「支える側をどう支えるか」という視点が重要になります。


介護保険の「住宅改修」を賢く使うために〜最新報告書から課題と対策〜

社会保障 福祉 行政 高齢者 / 2026年4月10日

「住み慣れた自宅で、いつまでも安心して暮らしたい」

そう願う多くの方にとって、手すりの設置や段差の解消といった「住宅改修」は非常に心強い味方です。

しかし、いざ利用しようとすると「何が対象になるの?」「自治体によって判断が違うって本当?」といった不安を感じることもあるかもしれません。先日、厚生労働省の事業として公表された最新の報告書「住宅改修の給付実態等の把握と指導監督のあり方に関する調査研究事業報告書 をもとに、利用者側の視点で役立つ情報を整理し、スムーズに制度を活用するためのヒントを考えてみました。

1. 「住宅改修」のイマ。みんなはどう使っている?

報告書によると、全国の住宅改修の使われ方には以下のような特徴があります。

・一番人気は「手すりの取付け」:改修全体の約8割を占めています 。転倒予防がいかに重視されているかがわかります。

・「要介護1」や「要支援2」での利用が多い:身体の変化を感じ始めた早い段階で、予防的に改修を行う方が多い傾向にあります

・改修費用は「6万円以下」が最多:20万円の支給限度額を一度に使い切るのではなく、必要な箇所を少しずつ直す賢い使い方が一般的です

2. 利用者が直面しやすい「3つの課題」

報告書では、自治体(保険者)によって給付の判断が分かれたり、迷ったりするケースが多数報告されています。利用者として特に注意したいポイントは以下の通りです。

① 「これって対象?」の境界線がわかりにくい

例えば、以下のようなケースは判断に迷いやすい事例として挙げられています。

  • 敷地内の玄関から「公道」に出るまでの手すり設置

  • 階段の踏み面を広げる工事(段差の高さが変わらない場合)

  • デザイン性や機能性が非常に高い(高価な)部材の使用

② マンションや賃貸住宅での制約

単身世帯や借家住まいの方が増える中、共同住宅の共有部(廊下など)への改修は、他の居住者の同意が必要になるなど、ハードルが高くなる場合があります

③ 事務手続きや専門性の壁

  • 自治体の窓口担当者の多くは一般事務職であり、リハビリテーションの専門職が直接審査に関わるケースは限られています 。そのため、提出する「理由書」の内容が不十分だと、本当に必要な工事でも認められないリスクがあります。


3. 【提案】納得のいく住宅改修にするための3ステップ

これらの課題を踏まえ、市民の皆様が後悔しない改修を行うための対策を提案します。

ステップ1:ケアマネジャー・専門職との「目的」の共有

「手すりが欲しい」という要望だけでなく、「一人でトイレに行けるようになりたい」「庭の手入れを続けたい」といった具体的な生活の目標を伝えましょう。自立支援につながる根拠が明確であれば、自治体への申請も通りやすくなります

ステップ2:自治体の「判断基準(事例集)」をチェック

多くの自治体では、過去の判断事例をまとめたマニュアルやQ&Aを公開しています 。工事を契約する前に、自分の希望する内容がその自治体で認められやすいものか、ケアマネジャーを通じて確認してもらうのが安心です。

ステップ3:「福祉用具」との組み合わせを検討する

工事が難しい場所や、将来的に身体状況が大きく変わる可能性がある場合は、住宅改修(固定式)にこだわらず、置き型の手すりやスロープなどの「福祉用具貸与」を検討するのも一つの手です 。どちらが自分にとって最適か、専門職のアドバイスを受けながら比較検討しましょう。


まとめ

住宅改修は、単なるリフォームではありません。あなたの「自立」を支え、ご家族の負担を減らすための大切な投資です。

もし判断に迷うような特殊なケースであれば、自治体の窓口には「専門職による助言」を求める仕組みもあります 遠慮なく相談し、納得のいく住まいづくりを進めてください。

3月2日 代表質問を行いました

まちづくり 介護 保健 子育て 教育 行政 議会 高齢者 / 2026年3月2日

本日(2026年3月2日)、大津市議会において会派を代表して代表質問を行いました。
今回の質問は、令和8年度(2026年度)予算編成の考え方と、それを支える市政運営の軸(防災・子育て・高齢者福祉・観光・働き手確保・新庁舎整備など)大きく5項目について、方針と実行性を確認するものです。

1.市長の政治姿勢と令和8年度予算編成の方針について

(1)令和8年度予算の財政規律

(要旨)

  • 事業見直しを「不退転の決意」としたが、具体的に

    • どの分野で、どんな基準で見直したのか

    • 廃止・縮小・統合など、実際に踏み込んだ事例は何か

  • 義務的経費(人件費・扶助費・公債費など)が増える中で、将来投資とのバランスをどう取るのか


(2)「防災」を新たな柱とした市政運営

(要旨)

  • 「防災」を単なる施策ではなく、まちづくりの根幹として
    市政全体にどう浸透させ、災害に強いまちを牽引するのか(市長の決意と具体)


(3)新たな財源確保(宿泊税の検討)

(要旨)

  • このタイミングで宿泊税を検討する意図

  • 導入に向けた議論スケジュール感

  • 確保した財源を市民・観光客へどう還元するビジョン


2.重点施策「ひと」:子育て支援と高齢者福祉について

(1)学校給食費の無償化(国制度活用)と今後

(要旨)

  • 国の上限額を実際の給食費が上回った場合、超過分も市が負担し、完全無償化(自己負担ゼロ)を担保できるか

  • 当初は中学校が対象外。義務教育の公平性の観点から中学校へ拡大すべきではないか

  • 無償化後も、栄養・質・地産地消を後退させず継続できるか


(2)子どもの育ちと健康を守る新たな支援(4歳・5歳相談会等)

(要旨)

  • 相談後のフォローはどの部署が主体か

  • 就学・学校教育へどう円滑につなげるか

  • 教育委員会との連携を含む具体像


(3)高齢者の社会参画と認知症施策

(要旨)

  • 大学連携の啓発など、新たな展開を通じて
    地域コミュニティや若い世代をどう巻き込むのか(具体)


3.「まち」:歴史文化資源の活用とにぎわい創出について

(1)坂本城跡の保存と活用

(要旨)

  • 保存と活用のバランス

  • 住民の生活環境への配慮

  • アクセス整備をどう進めるか


(2)広域観光・インバウンド対策

(要旨)

  • 坂本地域を「明智光秀ゆかりの地」として、比叡山延暦寺・日吉大社等とどう回遊性を生むか

  • 誘客促進と受入環境整備(多言語、交通、案内等)をどう進めるか


4.就労機会の創出と社会参加(介護人材確保等)について

(1)短期就労マッチングシステム導入

(要旨)

  • システム導入だけで終わらせず、企業開拓・周知・登録支援を含め、利用促進をどう戦略化するか


(2)いきいきライフセミナー(高齢者の社会参加)

(要旨)

  • セミナーと就労マッチングをどう連動させ、実際の社会参加へつなげるか

  • 高齢者の生きがいと労働力確保を、どう一体で進めるか


(3)農業の担い手確保と「週末農業」

(要旨)

  • モデル地区の想定と都市部住民の呼び込み方

  • 体験で終わらせず、就農や耕作放棄地解消へつなげる道筋


(4)主任ケアマネ資格取得支援、現状分析と人材確保

(要旨)

  • 必要人数をどう把握して予算編成したか

  • 主任ケアマネ増による効果

  • ケアマネの現状をどう分析し、量と質の両面でどう確保するか


5.防災と行政経営の基盤:新庁舎整備について

(1)地域防災力の強化とハード整備(体育館空調等)

(要旨)

  • 小学校体育館空調などの整備を、地域防災力向上の中でどう位置付けるか

  • 単発整備で終わらせず、災害対応力全体の底上げにつなげる戦略か


(2)介護現場のBCP実効性、要配慮者の安否確認・避難支援

(要旨)

  • 介護事業所BCPが、安否確認手順・地域連携・訓練を通じて機能する体制か

  • 市としてどんな指導・支援をしているか


(3)文書管理の適正化とペーパーレス(新庁舎整備と一体で)

(要旨)

  • 文書管理制度の見直しと削減計画が、庁舎規模・保管スペース縮減にどう反映されるのか

  • 文書量削減目標の設定と、庁舎面積への具体的な影響

  • 一過性の整理で終わらせず、継続的なペーパーレスへつなげる仕組み

  • 文書管理適正化を、庁舎ダウンサイジングや働き方改革にどう結び付けるか(戦略)

「貢献寿命」を伸ばす地域へ——瀬田学区 新年交歓会でお伝えしたこと

まちづくり 地域活動 子育て 福祉 行事 行政 高齢者 / 2026年1月10日

1月10日、瀬田学区の新年交歓会が開催され、私も挨拶の機会をいただきました。
市議会議員としてご紹介いただきましたが、同時に学区の副会長として、日頃から地域の皆さんと活動を共にしています。
来賓というより「同じ仲間の一人」として、感謝の気持ちと、これからの地域づくりへの思いをお伝えしました。

地域の支え合いを「次につなぐ」ことが課題に

全国的にも、そして私たちの地域でも、自治会加入率の低下などを背景に、地域の支え合いをどう継続し、次の世代へつないでいくかが大きなテーマになっています。
この課題に向き合う際、今日ぜひ共有したい視点としてお話ししたのが「貢献寿命」です。

「貢献寿命」とは何か

「貢献寿命」とは、東京大学の秋山弘子名誉教授が提唱されている考え方で、社会とつながり、役割を持ち、誰かの役に立つ・感謝されるといった関わりを持ち続けられる人生期間を指します。
ここで大切なのは、貢献寿命が“無理な自己犠牲”を求めるものではない、という点です。

私からは次のようにお伝えしました。
貢献寿命とは、無理な自己犠牲ではなく、挨拶や声かけ、見守りといった日々の小さな関わりを続けることです。
それは地域の安心を支えるだけでなく、ご自身の元気や健康、そして「役に立てた」という代えがたい幸福感を実感することにもつながります。

「参加したい」が届く仕組みへ

いま地域では担い手が固定化しがちです。しかし、瀬田学区には15,000人の方が暮らしています。
その中には「参加したいが、きっかけがない」「自分にできる役割が分からない」という方も少なくないはずです。

だからこそ、地域の中に

  • 人と活動(活躍の場)をつなぐ機会

  • 活動を知ってもらい、引き継ぎを進める“伝える機会”
    を増やしていくことが重要だと考えています。

行政の支援にも期待——“場”だけでなく“機会づくり”へ

当日は市長も出席され、市民活動センターを直営方式に改め、地域活動支援を強化していく考えも示されています。
行政には、単に場所を用意するだけでなく、団体同士や世代をつなぎ、引き継ぎを支える「機会づくり」への支援を、ぜひ一層進めていただきたいとお伝えしました。

「できる人が全部やる」からの転換

地域側も、参加の形を見直すタイミングです。
「できる人が全部やる」から、**「できる範囲で、短い時間でも、選べる役割がある」**へ。
そのように参加の入口を増やせば、自治会や地域団体は、もっと参加しやすく、続けやすくなるはずです。

新年交歓会は、日頃の活動への感謝を確かめ合う場であると同時に、今年の地域づくりの方向性を共有する場でもあります。
今日の出会いを大切にしながら、関わりの輪を少しずつ広げていければと思います。

本年も、皆さまと一緒に、瀬田学区の安全・安心と、温かなつながりを育ててまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

 

今年も「瀬田しじみブラス」の皆さんに懐メロを中心に演奏をしていただきました。

長寿社会の光と影:経済学者が語る、これからの「長生き」との向き合い方

生活 福祉 経済 高齢者 / 2026年1月8日

人生100年時代と言われる現代において、「長生き」は多くの人にとっての願いであり、社会全体の大きな変化でもあります。しかし、ただ単に寿命が延びれば良いというものでしょうか?

長寿社会には、光と影の両面が存在します。今回は、日本経済研究所が発表した「長生き」の価値に関する論考を参考に、経済学の視点からこれからの「長生き」との向き合い方について考えてみました。

長寿の恩恵:健康寿命の延伸と人生の可能性の拡大

多くの人が長生きを望むのは、その恩恵を享受したいからでしょう。健康寿命が延びれば、より長く活動的に社会と関わり、趣味や生きがいを見つける時間が増えます。

「長生き」の価値 | 一般財団法人 日本経済研究所 の記事では、「高齢者の健康状態が改善され、医療費の伸びが抑制される」「健康寿命の延伸は、余暇時間の充実や社会活動への参加など、個人の生活の質を高める」といった、長寿によるポジティブな側面が指摘されています。

長寿の課題:社会保障制度への影響と「長生きリスク」

しかし、長寿社会には課題も山積しています。特に顕著なのが、医療費や年金といった社会保障制度への影響です。人口が高齢化し、現役世代の負担が増加する構造は、持続可能性の観点から大きな問題です。

記事では、「医療費や介護費の増大、年金財政の悪化など、社会保障制度の持続可能性への懸念」が挙げられています。また、経済学の視点からは「長生きリスク」という言葉も注目されています。これは、経済的な備えが不十分なまま長生きすることで、老後の生活が困窮するリスクを指します。

「質の高い長生き」を実現するために

では、この長寿社会とどのように向き合えば良いのでしょうか? 単なる「長生き」ではなく、「質の高い長生き」を目指すことが重要です。

  • 健康寿命の延伸: 予防医療や健康的なライフスタイルの推進は、医療費の抑制にも繋がり、個人の生活の質も向上させます。

  • 社会参加の促進: 高齢者が社会と繋がり続け、その知識や経験を活かせる場を増やすことは、社会全体の活力維持に貢献します。

  • 経済的な備え: 年金制度への依存だけでなく、個人での資産形成や生涯にわたるキャリア形成が重要になります。

長寿は決してネガティブなものではありません。しかし、その「価値」を最大限に引き出し、同時に課題を克服するためには、社会全体で意識と行動を変えていく必要があります。経済学的な視点を取り入れながら、私たち一人ひとりが「長生き」の意味を問い直し、より良い未来を築いていくことが求められていると言えるでしょう。


 

【議会報告】「高齢者の見守り」は1年で打ち切り?居住支援を阻む「手引き」の矛盾と行政の壁

AI生成機能 生活 福祉 行政 議会 高齢者 / 2025年12月7日

増え続ける単身高齢者の住まいの確保と、入居後の安心を守るための仕組みづくりについて議論を重ねています。 先日の一般質問において、「地域居住支援事業」(高齢者等の入居後の見守りなどを行う事業)の活用について市に求めたところ、国の制度の解釈を巡る「大きな矛盾」が浮き彫りになりました。

高齢者の安心な暮らしを阻む「1年の壁」と、国の手引きの記述を盾にする行政の現状について報告します。

■ 高齢者への支援は「1年」が限界?

私は今回の議会で、令和7年4月の法改正により、これまで原則1年とされていた居住支援の期間が柔軟化され、「入居後の見守りが必要である限り、期間を延長・更新できる」旨が明確化されたことを踏まえ、市の積極的な活用を求めました。

しかし、市の答弁の趣旨は以下のようなものでした。

「地域居住支援事業は、支援期間が1年であることから、長期間、継続した支援を行っていく居住サポート住宅の受け皿として活用することは難しい」

さらに再質問で、「状況によっては継続できるはずだ」と質したところ、担当部局からは、支援を継続できない理由として、国の『居住支援事業の手引き』にある以下の記述が引用されました。

「支援を継続することも差し支えない。ただし、永続的に支援し続けることは想定していない」

つまり、市は「高齢者の見守りは、加齢とともに、より必要になるものであり、終わり(自立)がない。したがって『永続的』な支援になってしまうため、この制度にはなじまない」と判断しているのです。 さらに、「仮に延長を続けていくと、国交省の適用(補助金)から外れてしまう可能性が高い」として、財政的なリスクを理由に導入に慎重な姿勢を崩しませんでした。

■ 「自立支援」の古い物差しで、今の「高齢者」を測る矛盾

なぜ、このような食い違いが起きるのでしょうか。 それは、この制度がもともとホームレスの方などの「自立(就労して生活を立て直すこと)」を目的とした支援からスタートしていることに原因があります。

若い世代の困窮者であれば、1年間の支援で生活を立て直し、支援から「卒業(自立)」することができます。しかし、高齢者の見守りに「卒業」はありません。 国もその実情に合わせて令和6年に法改正を行い、「居住を安定して継続するための支援」へと目的を広げ、令和7年4月施行の通知では「心身の状況等を勘案して、自治体が必要と認める場合は期間を延長できる」としてはっきり方針転換を示しています。

しかし、現場の実務指針である「手引き」には、依然として「永続的な支援は想定していない」という、制度発足当初の「自立支援」を前提とした一文が残っています。 担当課自身も、答弁のあと改めて質すと「国の手引きが高齢者支援の実態と矛盾している」と漏らすほど、現場は混乱しています。

■ 「手引き」の記述よりも「市民の安心」を

行政が「手引きにこう書いてあるから」「補助金が切れるかもしれないから」といって思考停止し、目の前で困っている高齢者の支援を諦めてしまっては、本末転倒です。

今回の法改正の趣旨は、単身高齢者の増加を踏まえ、地域での安定した生活を支えることにあります。「永続的だからダメだ」と切り捨てるのではなく、「必要な支援をどうすれば継続できるか」という視点に立ち、国に対して実情に即した解釈を確認すること、あるいは市として独自の運用基準を設けることが、今まさに求められています。

公明党が推進!2026年から始まる「高用量インフルエンザワクチン」定期接種化を解説【75歳以上対象】

保健 高齢者 / 2025年11月29日

本格的な冬の到来を迎え、インフルエンザの流行が気になる季節となりました。ご自身やご家族の体調管理には、一層気を使われていることと思います。

実は、2026年10月から、日本の高齢者インフルエンザ予防接種体制が大きく強化されることをご存知でしょうか。75歳以上の方を対象に、従来よりも効果が高いとされる「高用量インフルエンザワクチン」の定期接種化が決定しました。

この新しいワクチンの導入は、公明党が一貫して推進してきたものです。 公明党は、加齢により免疫機能が低下しがちな高齢者の健康を守り、インフルエンザによる重症化や死亡リスクを少しでも減らすため、国会質疑などを通じて「より効果の高いワクチンの早期導入」を政府に強く働きかけてきました。今回の決定は、そうした長年の主張が実を結んだ形となります。

では、公明党が導入を推進してきたこの「高用量ワクチン」、具体的にどのような特徴があるのでしょうか? 普通のワクチンとの違いや安全性について、一枚の図解にまとめました。まずは下の画像をご覧ください。

なぜ「高用量」ワクチンが必要なの?

私たちは年齢を重ねると、どうしても免疫機能が低下してしまいます。そのため、現行の従来型インフルエンザワクチンでは、高齢者に対して十分な予防効果が得られないケースがありました。

そこで導入されるのが「高用量ワクチン」です。これは高齢者の免疫低下に対応し、インフルエンザの発症、そして何より怖い肺炎などの「合併症・重症化」を防ぐことを最大の目的としています。

従来型と何が違う?驚きの効果

高用量ワクチンの最大の特徴は、その名の通り有効成分が従来の4倍含まれている点です。

これにより、体内でより強い免疫反応が誘導されます。具体的な効果として、以下のようなデータが報告されています。

  • 発症予防効果が向上: 75歳以上では、従来型に比べて効果が約**24.8%**高いとされています。
  • 重症化を予防: インフルエンザによる入院リスクを減らすなど、重症化予防への寄与が期待されています。

気になる副反応と安全性

「成分が4倍」と聞くと、副反応が心配になるかもしれません。

確かに、接種した場所の痛みや腫れ、頭痛、発熱といった副反応は、従来型ワクチンと比べて発生頻度が高いという報告があります。

しかし、これらはあくまで一時的(一過性)なものであり、安全性に重大な懸念はないとされています。高い重症化予防効果と、一時的な副反応のバランスを理解しておくことが大切です。

いつから?対象者は?

国の専門部会による費用対効果の分析の結果、最も導入メリットが大きいとされる「75歳以上」の方が対象となります。 開始時期は「2026年10月」からの予定です。

まとめ

高齢者にとってインフルエンザは、決して油断できない病気です。

公明党の推進により2026年から始まる高用量ワクチンは、特に75歳以上の方々の命と健康を守るための強力な選択肢となります。少し先のスタートとなりますが、皆様の安心な暮らしを守るための大切な制度変更ですので、ぜひ今後の情報にもご注目ください。