9月通常会議の一般質問は28人の議員が行いました。
4日目の本日、27番目に登壇、質問しました。
質問は以下のとおりです。
今回の質問は大津市が取得した、隣接国有地の庁舎整備を土砂災害警戒区域にどう対応するのか、私案も投影して説明しながら、その方針について質しました。
最終は市長判断で決めることだと考えますが、市長答弁からは市民の声が気になるようでした。

◇ 旧国有地の庁舎整備と土砂災害の対応について
1,土砂災害に対応した庁舎整備方針について
旧国有地については、土砂災害警戒区域の想定がされるなか、「建築への制限はない」との見解から庁舎整備用地として取得されました。
平成28年3月30日に熊野川流域が土砂災害警戒区域に指定され、平成28年11月通常会議の総務部長答弁では「建築への制限はありませんが、市庁舎は災害応急対策に必要な施設であることから、土砂災害警戒区域への対応とあわせて、庁舎整備のあり方について慎重に検討してまいりたい」とのことでした。
しかし、平成29年7月11日の総務常任委員会で「庁舎整備基本方針策定業務」について報告のあった翌日、新聞には基本方針策定業務には「新庁舎を旧国有地に建設しないことも選択肢に入る」と報道がされました。
また、庁舎整備基本方針策定の業務内容には土砂災害警戒区域への対応についての検討事項は含まれていませんでした。
そこで、1点目に「庁舎整備基本方針」に旧国有地に庁舎を建設しない選択肢があるのか、あるとすれば庁舎建設を目的とした庁舎取得方針に想定外のことが起きたのか、他にどの様な理由が考えられるのか伺います。
2点目に、土砂災害警戒区域における建築の法的制限はないことから、「庁舎整備基本方針」策定に土砂災害警戒区域指定を踏まえた、庁舎建設、敷地利用の検討をする必要がないと考えているのか見解を伺います。
3点目に、市当局は警戒区域からの解除について県に打診しましたが現実的に不可能との結論になりました。しかし、警戒区域指定は想定されていたことであり、庁舎の建設は法的にも問題はありません。とは言え、市民に理解を求めることも重要です。そこで極力、土石流の影響を考慮した庁舎の配置、建築構造を検討すべきと考えます。
例えば、土石流を考慮した配置計画の案ですが、敷地利用については土石流の直進方向は避けるため北駐車場を撤去して、出来るだけ南東側に寄せ、そのスペースには窪地(土石流ポケット)を造り、植栽をするなどで土石流の緩衝帯としての役割を持たせ、合わせて活断層も避けられます。
建築物については建築基準法施行令の特別警戒区域の規定に準じて、土石流の高さ・作用力に応じた建築物の外壁構造にするか、同様の構造方法を用いた耐力を有する塀を設置すれば、土石流に対する安全性は確保できることになります。
そこで、土砂災害警戒区域内の「庁舎整備基本方針」の策定については、法的に建築の制限はないものの、市民の理解を得るためにも、土石流が庁舎に与える影響評価をおこない、それらの評価に対して適切な対策を加えて検討すべきと考えますが、見解を伺います。
2,熊野川に係る防災対策について
土砂災害特別警戒区域の指定を受けたことで、熊野川分流施設の対策が必要であると考えます。当施設は下流の河川において想定される水量を流すだけの水路断面が不足しているため、施設の上流から流れてくる雨水をすべて他流域の河川に流すために設置されたものです。ところが、熊野川特別警戒区域の指定で当施設が特別警戒区域内に位置することとなったことから、土石流で埋まり、分水機能を発揮できなくなる可能性が高くなったと考えられます。というのもこの分流施設は雨水に対しては対応出来ますが、土砂の流入に対応する構造にはなっていません。この点については、平成28年9月通常会議で指摘すると「土砂流出防止施設等の設置が必要である」と答弁されたとおりです。
また、平成29年6月19日施行の「水防法等の一部を改正する法律」第15条の11に「市町村長は(略)過去の降雨により当該河川が氾濫した際に浸水した地点、その水深その他の状況を把握するように努めるとともに、これを把握したときは、当該河川において予想される水害の危険を住民に周知しなければならない」とあります。この熊野川の災害履歴については、滋賀県災害誌(昭和41年発刊)に「昭和16年6月25日~29日まで梅雨前線の活動により大雨が降り、大津市山上町で、三井寺法明院北谷川の氾濫で山津波が起こり、人家7戸が流出している」と記されています。この北谷川とは、住民の証言から、今の熊野川と考えられるものです。
そこで、1点目に、市当局は特別警戒区域にある分流施設の機能保全のための「土砂流出防止施設等の設置が必要」としていますが、検討状況と今後の取り組みについて見解を伺います。
2点目に、土砂流出防止施設等が出来ないことにより、下流域の住宅や庁舎に災害が発生した場合の行政責任について見解を伺います。
3 点目に、分流機能が働かなくなった場合、河川の状況からして最も流れが悪くなるのが第2別館近くであることが想定されます。第2別館の前の河川水路は急勾配で流れが速く、ほぼ直角にまがり暗渠になっていますから、土石流が発生すると流木で暗渠は塞がれ、第2別館に災害をもたらす可能性は高いと考えられます。これらのことから、第2別館は大津市の情報システム機器を管理している重要な建物でありながら、土砂災害警戒区域のなかでも最も危険な場所にあると考えます。
そこで、庁舎整備方針に第2別館機能移転・撤去を盛り込むべきと考えますが見解を伺います。
4 点目に、第2別館が撤去された場合、敷地内に水路を付け替えて折れ曲がった水路線形を緩和し庁舎敷地への影響が小さくなるように、水路改修の検討をすべきと考えますが見解を伺います。
5点目に、「水防法等の一部を改正する法律」第15条の11には過去の浸水実績等を住民に周知することになっているが、法律に照らして熊野川の過去の水害実績をどの様に扱うか見解を伺います。
3,中消防署の新設位置について
中消防署の新設位置については、土砂災害警戒区域の指定を受けたことを理由に最適地ではないとの判断から、他に適切な場所を探しています。このことは、庁舎用地として取得しておきながら、他に建設する庁舎よりも消防署の方が防災上、安全性が優先される考え方でこれには納得できません。
これから「庁舎整備基本方針」が策定され、窓口機能や執務室も検討されます。新庁舎にはバリアフリー化やワンストップサービスが可能となるように1階に福祉子ども部や健康保険部、市民部など市民が最も使いやすく窓口・執務室が設けられることが考えられます。仮に、多くの市民が使用するフロアーと消防署フロアーに土砂が流入した場合、どちらが市民の生命を脅かし、市民生活に影響を及ぼすかを考えると、単純に守る側の優位性は断定できません。
土砂災害警戒区域指定を受けたから即座に、消防署として適地でないとするのではなく、土石流の影響を評価し、対応策も合わせて判断すべきと考えます。
先ず、警戒区域としての土石流の影響については、仮に新たな消防署を既存の中消防署と同じように道路に面した位置で北駐車場の入口あたりに配置すれば出入り口は警戒区域には入りません。警戒区域に入っている範囲でも、土石が流入してくる上流側に庁舎が配置されれば影響は僅かであると考えられます。
また、対応策について言えば、北消防署の設置をするときも、前面道路が100年確立の降雨により0.5m~1.0m浸水することが予測されていました。この点について、平成24年12月定例会での藤井議員からの質問に、総務部長は「北消防署に浸水のおそれがあると判断した場合には、必要により消防車両等を隣接の署所に分散配置させるなどの対策を講じてまいりたい」と、浸水想定区域でも対応は可能であると答弁しております。したがって、中消防署も同様の対応が可能と考えますし、現在の中消防署跡地が空き地になれば、必要に応じてここに消防車等を配置することも可能です。
また、平成28年11月通常会議で「最適地と言えない」との答弁で示された根拠は、平成12年消防庁告示第1号、消防力の整備指針第25条第1項から、庁舎は「浸水による被害に耐えうるもの」と解釈し理由にあげていますが、その条項は「風水害時等において災害応急対策の拠点としての機能を発揮するため、非常用電源設備を設置する」とあり、これも対策が必要であることを示しており、警戒区域であることが即、告示に反することにはなりません。
そこで、中消防署の最適地確保が困難な状況から、隣接用地に設置することについては、土石流の及ぼす影響や他庁舎との配置を考慮するなど実質的な安全性の検証と対応策を講じるなど総合的に判断して、結論を出すべきと考えますが見解を伺います。
4,熊野川の砂防指定と砂防堰堤設置の推進について
熊野川の土砂災害警戒区域内にある住宅および旧国有地に計画する庁舎を土砂災害から守るためには砂防堰堤を設置することが最も重要であると考えます。その砂防堰堤を設置するための手順として先ずは、砂防指定を受けることが前提条件になります。このことは、1年前の平成28年9月議会で砂防堰堤の設置を滋賀県に要望すべきではとの質問に対して、建設部長からは「現在熊野川は砂防指定区域ではないので、滋賀県に対し区域指定を要望するとともに、砂防堰堤の整備についてもあわせて要望していく」との答弁でした。
砂防堰堤を設置することで旧国有地の警戒区域の指定解除はなくなることはありませんが、特別警戒区域の指定は解除されることになります。たとえ、警戒区域の指定は残っても実質的に土石流の発生する可能性を押さえることとなり、市民にも庁舎に対する安全性の理解はいただけると考えます。
そこで、1点目に、平成30年度県予算編成の要望書に項目としては掲げていますが、この1年間具体的な協議は進んでいないと聞いています。
特別警戒区域内にある分流施設の問題や過去に山津波による災害が発生したことを考えると砂防堰堤設置の必要性、優先度は高いと考えられることから、熊野川流域の砂防指定と砂防堰堤設置について強く要望をすべきと考えます。この1年間、砂防指定の申請が進展しなかったことから、改めて市当局の砂防堰堤設置についての見解と今後の取り組みについて伺います。
2点目は、砂防指定地の申請業務や砂防堰堤事業に関する費用等は国と県の負担ですることになります。
そこで、大津市としても単に事業の要望をするだけでなく、例えば砂防指定地申請業務を大津市の業務として受け入れることなど、事業を早急に進めるため、県への協力体制についても検討すべきと考えますが見解を伺います。
◇ 水害・土砂災害の対策について
1,避難情報の提供から避難について
1点目は、避難情報の提供のあり方についてですが、平成29年8月7日21時10分、台風5号の大雨による河川の氾濫の恐れがあるため、田上学区、上田上学区の大戸川流域の対象者に避難勧告が発令されました。避難勧告のあった学区の大戸川流域とはどの様な区域になるのか、住民は避難勧告の対象となっていることを知っていたのでしょうか。
テレビやメールで避難勧告を知ったとしても対象区域であることを知らなければ避難行動に移ることはないでしょう。これまでも避難勧告が発令されてもほとんどの人は避難していません。それは、避難勧告の範囲が広く実感が伴わないこともあり、自分の家は大丈夫な所にあると勝手に判断していることもあるでしょう。怖いのは、自分の想像以上の災害が押し寄せた場合です。
消防団による各戸訪問での呼びかけも、浸水深さの情報から判断して優先して伝達すべき住居があると考えます。
そこで、1点目は、避難勧告の発令等については、あらかじめ対象区域の設定・周知をすることや、避難情報提供のあり方、発令基準の設定などの体制整備をしておく必要があると考えますが見解を伺います。
2点目は、地区防災計画の作成についてですが、例えば、避難所は知っているが、避難所に向かう途中浸水想定区域の道路を通らなければならない計画になっていると、その該当者にすると形だけの計画かと思われてしまうでしょう。
確かに、避難準備情報と避難勧告が出て災害が押し迫った状況とでは避難路の状況が変わりますから、タイミングによっては問題ないこともあります。また、おなじ警戒区域でも自宅からの避難路は居住場所によって違ってきます。
そこで、河川氾濫の浸水想定区域や土砂災害警戒区域に居住者のある地域の地区計画の作成については、警戒区域の理解、避難情報の伝達方法、避難路、避難所など、きめ細かく自治会単位で地区防災計画を作成し、さらに対象となる居住者一人ひとりの避難に関する理解が進むように支援すべきと考えますが見解を伺います。
2,夜間の防災訓練と災害対策について
1点目は、夜間の防災訓練について
これまで災害発生の時間帯が夜間になっていることが多くあります。このことからも夜間の災害対応策についても検討すべきではないでしょうか。
地域住民にも夜間の避難訓練などを通して昼の避難では気づかなかった課題を見いだすことが出来るのでないでしょうか。
そこで、大津市が夜間の総合防災訓練を実施することについて見解を伺います。
2点目に、洪水氾濫や土砂災害の現場には豪雨は付きものですし、昼夜も問いません。特に夜間に、こうした危険箇所の巡視パトロールや災害救助に向かう場合の対策が必要と考えます。
そこで、カラー映像の撮影・伝送が可能な暗視カメラを搭載した全天候型ドローンを使用することは夜間の防災活動に非常に有効で二次災害を防ぐことになります。さらに、赤外線カメラを搭載すれば、人の体温を捉えるので人命救助にもつながることからも、夜間の災害や河川氾濫、土砂災害の確認に有効な全天候型ドローンと暗視カメラ、赤外線カメラを導入することについて見解を伺います。
3,要配慮者利用施設の避難確保計画について
平成29年6月19日に水防法と土砂災害防止法が改正され、浸水想定区域や土砂災害警戒区域内に立地し、かつ市町村地域防災計画に定められている要配慮者利用施設の管理者等には、「避難確保計画」の作成・避難訓練の実施、市町村長への報告が義務づけられました。また、市町村長は管理者等が同計画を作成していない場合、必要に応じて必要な指示をすることが出来ます。
大津市の災害時要援護者関連施設は「大津市地域防災計画・大津市水防計画」の資料によると、土砂災害(特別)警戒区域内に20箇所、土砂災害危険箇所内60箇所、琵琶湖浸水想定区域内には64箇所、大戸川浸水想定区域には1箇所で合わせると145箇所となっています。
そこで、1点目に、水防法・土砂災害防止法による「避難確保計画」の対象となる「要配慮者利用施設」と、大津市地域防災計画に定められた「災害時要援護者関連施設」は同じ意味の施設となるのか、法律の運用面も含めて見解を伺います。
2点目は、水防法・土砂災害防止法では要配慮者利用施設の対象は土砂災害警戒区域内の施設としていますが、大津市地域防災計画に定められた「災害時要援護者関連施設」には、まだ未指定の土砂災害危険箇所も含まれています。そこで「避難確保計画」に土砂災害危険箇所を対象にするのか見解を伺います。
3点目に、「避難確保計画」と「地先の安全度マップ」の浸水区域について
滋賀県が平成25年までに、大河川だけでなく中小河川があふれた場合の浸水状況について表現した「地先の安全度マップ」における浸水区域は、大津市地域防災計画の浸水想定区域の指定・公表に位置付け、同法等の「避難確保計画」等の対象とするのか見解を伺います。
4点目に、要配慮者利用施設の管理者等には、「避難確保計画」の作成・避難訓練の実施、市町村長への報告が義務付けられています。これに対して市当局は、「避難確保計画」作成義務のある施設の指定、周知、説明、作成支援、報告受付け、未提出者への指示、計画実施の確認など、関係部局で連携して対応する必要がありますが、どの様な体制で行われるのかお聞かせ下さい。