8月通常会議において、一般質問を行いました。
質問は、以下の4項目ですので、1項目づつ4回にわたり掲載いたします。
①高齢者など住宅確保要配慮者への居住支援について
②行政データの電子化利用環境の整備促進について
③オープンデータの推進について
④ごみカレンダーの配布について
◆高齢者など住宅確保要配慮者への居住支援について
高齢者をはじめ、低額所得者、被災者、障害者、子どもを育成する家庭その他住宅の確保に特に配慮を要する者、いわゆる「住宅確保要配慮者」の方に対して、賃貸住宅の入居に関する支援を推進すべきと考え、以下質問致します。
「住宅確保要配慮者」の民間賃貸住宅の入居については家主、賃貸住宅管理者から様々なリスクが考えられることから敬遠されることが多くあります。「賃貸住宅入居の際に、保証人がいないので貸してくれるところがなくて困っている」という相談をいただくことが幾度かありました。
こうした問題解決の後押しとなる「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」が平成19年に制定されました。
この法律には、国及び地方公共団体に、住宅確保要配慮者が民間賃貸住宅を円滑に入居できるように支援すること、情報の提供及び相談の実施などが努力義務として謳われています。合わせて、これらの必要な措置について協議するための居住支援協議会が組織できるとしています。
地域包括ケアシステムの構築に関しても、医療、介護と合わせて、地域で安心して暮らせる住まいの対応策が求められています。高齢者の安定した居住の確保がなければ、在宅医療や在宅介護は成り立ちません。さらに、高齢者のみならず幅広く住宅確保要配慮者に対する住宅政策は、社会保障制度の重要な位置付けにあるといえます。
住宅確保要配慮者の市営住宅の入居に関しては、特定目的住宅としての応募枠の拡大などを進められていますが、応募者すべてが希望したところに入居できるわけではありません。
居住地域や部屋を選ばなければ入居できる部屋があるかも知れませんが、居住選択の自由もあります。バリアフリーでない、階段を使わなければならない、交通の便が悪い、このようなところでの生活は高齢者にとって適切な住宅環境とは言えません。
したがって、住宅確保要配慮者にとって適切な住環境であること、可能な限り住み慣れた地域で暮らすことができるように、広く民間賃貸住宅の活用、居住支援を推進する必要があると考えます。
では、住宅確保要配慮者に対して家主や賃貸住宅管理者が賃貸することを断る理由、その不安要因は何であるのか。それを解消する手立てを講じる必要があります。
市内大手の賃貸住宅事業者6社にヒヤリングを行ったところ、不安要因として挙げられたのは、家賃の滞納、連帯保証人、高齢者であれば病気になった場合や緊急時の連絡先、居室内での死亡事故とその後の処理の問題などでした。
この問題を大きく2つに分けると、1つは、家賃の滞納、連帯保証人、孤独死の後の整理など金銭面の問題です。これについては、一般財団法人高齢者住宅財団でおこなっている保証制度を利用することで解決ができると考えます。
この保証制度は、高齢者世帯、障害者世帯、子育て世帯、外国人世帯等の方を対象とするもので、一般の賃貸住宅の保証制度とは違うものです。
家賃債務が保証され連帯保証人が不要となることや、入居者が死亡していた場合でも、その後の家賃保証や家財等の処理対応も可能で、保証料も2年間で月額家賃の35%でありますので、それほど大きな負担にはならないと考えます。保証制度利用には予め家主や賃貸住宅管理者が高齢者住宅財団との間で基本約定を締結しておく必要があります。
しかし、ほとんどの賃貸住宅管理者はこの制度を知りませんでした。したがって、この家賃債務保証制度を家主や賃貸住宅管理者などに周知をすることが課題となります。
2つ目の問題は、高齢者の場合、何かあったときの連絡先や地域の見守り支援を必要としていることです。このことは、すべての賃貸住管理者が重要なポイントとしていました。
この問題を解決するには、社会福祉協議会やNPOなどによる居住支援団体が必要です。滋賀県においても居住支援協議会を立ち上げてはいますが、県レベルでの支援協議会、居住支援団体では地域単位での情報交換、連携体制を継続することや、個々人に対するきめ細かな居住支援は困難であると考えます。
地域包括ケアシステムにおいても、住まいの問題は重要な位置づけとしていることからも、市レベルでの地域支援事業として地域の高齢者世帯などの見守り体制を構築する必要があると考えます。
そこで、質問いたします。
1点目は、現在大津市では、高齢者、障害者、子育て家庭の方が低所得、保証人不在などの理由により賃貸住宅への入居が困難となった場合、相談の受け入れから入居に至るまでの支援ルールはどの様にされているのか。
また、こうした入居困難者支援の課題と対策について見解をお聞かせ下さい。
2点目は、住宅確保要配慮者の居住支援として、一般財団法人高齢者住宅財団でおこなっている家賃債務保証制度について関係部局、関係事業者、地域団体などへ周知することについて見解を伺います。
3点目は、高齢者など住宅確保要配慮者への賃貸住宅居住支援や、地域包括ケアシステム構築における「安心して暮らせる住まい」を理念として、さらに幅広く高齢者等の居住支援事業をおこなうため、居住支援団体を設け、大津市の居住支援協議会を設立することについて見解を伺います。
4点目は、滋賀県の居住支援協議会「滋賀あんしん賃貸支援事業」との連携、情報提供の現状と今後のあり方について見解を伺います。
5点目は、住宅確保要配慮者に対応した賃貸住宅の供給施策について伺います。
住宅確保要配慮者への入居に関する支援と合わせて、適正な住宅の提供が必要なことから、賃貸住宅の供給を推進する必要があると考えます。
古くなった集合住宅では入居者の確保も難しくなることから、建て替えがおこなわれます。古い借家ということで、そこに住んでおられる方は、高齢者や低所得の方が多く、転居希望先の入居条件が満たせずに困っている方が増えております。
そこで近年問題となっている空き家の活用が考えられます。現在大津市においても空き家は13%弱ですが、そのうち約半分は集合住宅となっています。住宅確保要配慮者の適正な公営住宅の供給が限られている中で、民間賃貸住宅等の空き家を有効活用する事業に「住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業」があります。
この事業は、居住支援協議会に対し住宅確保要配慮者の対象住宅として情報を登録することなどの条件で、空き家等のリフォーム、バリアフリーなどの工事に補助をするものです。
そこで伺いますが、
大津市は、空き家を活用した事業などを家主や不動産業関係事業者等に積極的に周知するなど、住宅確保要配慮者への住宅供給を目的とした施策に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
また、住宅確保要配慮者の居住支援に関しては、高齢者、障害者、子育て、住宅など庁内いくつもの部署にまたがっています。今後さらに、空き家問題など多岐にわたる住宅問題を総合的に取り組むため、新たな住宅政策を所管する部署を立ち上げる必要があると考えますが見解を伺います。
(参考資料)
※居住支援協議会について
※居住支援協議会が行う民間賃貸住宅等への入居の円滑化に係る活動の支援に関する事業
※高齢者の居室内での死亡事故に対する賃貸人の不安解消調査
答弁
佐藤 弘 議員のご質問についてお答えいたします 。
(1点目)まず始めに 、高齢者、障害者、子育て家庭の方の入居困難時の対 応についてのご質問の内 、支援ルールについてでありますが 、経済 的理由により居宅での生活ができない高齢者につき ましては、養護老人ホ ームへの入所措置 、生活保護世帯につき ましては、住宅扶助 による住まいの確保 、救護施設への入所措置 、生活困窮者につきま しては、住居確保給付金による家賃補助 、低所得者に対する社会福祉協議会による生活福祉資金の貸付 、ひとり親家庭に対する転宅資金の貸付等 、個々の制度で対応しており ます。
次に、入居困難者支援の課題と対策についてですが 、課題としては、公営住宅を含め賃貸住宅への入居について 、保証人の確保がひ とつの課題となります。課題への対応策の っとして、保証人のい ない障害者に対し 、国の補助制度を活用して 「障害者居住サポ ート事業」 を実施し、賃貸住宅等への入居支援 、緊急時支援 、居住継続支援等を行 っております。 以上、私からの答弁といたします 。
2 点目の、住宅確保要配慮者の居住支援の家賃債務保証制度についてでありますが、平成 2 5 年 3 月に滋賀県が 、滋賀県居住支援協 議会を設立し 、当協議会において、家賃債務保証制度に関する普及 啓発が進められています。
本市といたしましでも、これらの住宅確保要配慮者への制度の周知 は大変重要であると考えていることから、本市ホームページへの掲載や窓口でのリー フレット配布による 、周知を図ってまいります。
あわせて、当協議会に対しま しでも、関係部局、関係事業者及び 地域団体などへの 、積極的な周知活動に取り組んで、いただくことに ついて働きかけをおこなってまいります。
3 点目の、大津市の居住支援協議会を設立することについてであ りますが、本市といたしましては 、まずは 滋賀県居住支援協議会 の居住支援事業が、円滑に推進されるよ う、当協議会との密接な協 力体制の構築が 、重要と考えております。
さらには、当協議会の会員である滋賀県宅地建物取引業協会 、全 日本不動産協会滋賀本部などの各種団体が窓 口となり、住宅確保要 配慮、者の居住支援のさらなる取り組みも必要 と考えており ます。
このことから、本市といたしましては 、当協議会を母体とした活 動への参加が最も効果的と 考えており ます。
以上のことから 、本市の居住支援協議会の設置については予定し ておりません。
4 点目の、滋賀県の居住支援協議会と の連携についてであり ます が、先に述べましたとおり 、本市といた しましては、現在、滋賀県 居住支援協議会の一員として参加しており 、当協議会が取り組んで いる事業推進に対し 、協力や支援する立場と 考えており ます。
情報提供の現状といたしま しては、当協議会が、「滋賀あんしん賃貸支援事業」 として、住宅確保要配慮者の円 滑な民間賃貸住宅への 入居が図れるよ う、インターネ ットによる情報提供をおこな ってい ます。
しかしながら、情報を提供でき る賃貸住宅が少ないことから 、現 状では住宅確保要配慮者の選択肢が限られること が、課題としてあ ります。
こうしたことから、先ほど、答弁申し上げたとおり 、当協議会を 通じ、関係事業者などへの積極的な周知活動に取り 組んでいただく ことについて、働きかけをおこない ながら、登録物件拡充に向けた 取り組みを図ってまいりたいと考えております。
5 点目の、住宅確保要配慮者に対応した賃貸住宅の供給施策につい てのうち、まず、住宅供給を目的とした施策への取り 組みについて でありますが、国の施策と して、住宅確保要配慮者への住宅供給を目的とした、空き家改修工事の助成制度がございます 。
本市といたしましては、議員お述べの住宅供給確保へ向けては 、 この制度は効果が高いものと考えていること から、今後、広く この 制度の活用が図られる よう、関係団体などへの周知に努めてまいり ます。
次に、新たな住宅施策を所管する部署を立ち上げる必要があるとのことについてでありますが、議員お述べのとおり 、今後、多岐にわたる住宅問題を総合的に取り組む必要性は 、課題と して認識して おります。しかしながら、新たな部署の立ち上げについては 、現状 では困難と考えていることから 、住宅確保要配慮者の居住支援に取 り組む関係部局との連絡を密にして 、連携して住宅問題の解決に取 り組んでまいり たいと考えております。