大津市議会議員 佐藤弘

一人のひとを どこまでも大切に 心豊かな まちづくりを目指します

地域を支える「民生委員」の担い手不足をどう乗り越えるか

ボランティア 人権 地域活動 生活 福祉 / 2026年5月1日

民生委員の担い手不足が全国的な課題となる中、厚生労働省の補助を受けた一般財団法人日本総合研究所が令和8年3月に公表した「持続可能な民生委員制度の構築に向けた調査研究事業報告書」を読み、私も民生委員推薦会のメンバーであったことから、本市の状況はどうなのかと気になり、担当課に確認しました。
今年度の本市の状況は、664人の定数のところ、5月1日現在で645人、19人の欠員が生じています。滋賀県の充足率は91.6%となっています。
また、民生委員推薦会では、退職者友の会・ケアマネージャー・介護事業所・学校(校長)など、従来の自治会・町内会ルート以外にも幅広く候補者の発掘に取り組んでいただいていると担当課から伺いました。関係者の皆様のご尽力に、あらためて感謝申し上げます。


民生委員とはどのような存在か

民生委員は、民生委員法に基づいて厚生労働大臣から委嘱される特別職の非常勤地方公務員です。報酬はなく、年10数万円の活動費が支給されるボランティアとして、高齢者・障害者・子育て家庭などの相談に応じ、行政や専門機関へつなぐ「地域のパイプ役」を務めます。全ての民生委員は児童委員も兼務しており、妊娠中の不安や子育ての悩みにも対応します(出典:厚生労働省ウェブサイト)。

年間の総活動件数は約3,385万件にのぼり、うち相談支援活動は717万件超。1人あたり月平均11日活動し、訪問・連絡調整だけで月約20件をこなしています(出典:厚生労働省「民生委員・児童委員の活動内容」)。


全国で深刻化する「担い手不足」

厚生労働省が2026年2月に公表した令和7年度一斉改選の結果によれば、全国の定数24万971人に対して委嘱者は22万880人にとどまり、欠員数は2万91人と初めて2万人を超えました。充足率は91.7%で、前回2022年度改選時から約2ポイント低下しています。 Nippon.com

民生委員の定数はこの20年で約8,000人増加していますが、これは高齢者の増加に伴う見守り・相談ニーズの拡大が背景にあります。一方で委嘱者数はほぼ横ばいで推移しており、充足率は2007年の97.9%から一貫して低下し続けています。 Nippon.com


なぜなり手が集まらないのか ― 3つの構造的課題

① 活動範囲の拡大による負担増

民生委員の職務は制度発足当初の生活保護世帯への相談・支援から、在宅高齢者の生活支援・児童の健全育成・子育て支援・障害者の自立生活支援など幅広い分野へと拡大しています。活動範囲が広がるほど負担感が増大し、私生活とのバランスが保てなくなるため、1期3年で退任する例も増えています。 Ncs-gakkai

② 高齢化と候補者層の変化

厚労省によると、2022年時点の民生委員の年齢構成は70代以上が37%、60代が46%で、60歳未満の委員は全体の約2割にすぎません。企業の定年延長により、かつて退職後に担い手となっていた60代前半が在職中であるケースが増えており、従来の推薦候補者層が縮小しています。 Nippon.com

③ 地域コミュニティの希薄化

厚生労働省の令和5年度委託調査研究では、地域住民とのつながりが希薄化したことで担い手候補者にアプローチすることが難しくなっており、町会など既存の推薦候補者の輩出母体に固執するために地域活動の縮小とともに候補者が見つけにくくなっているという課題が指摘されています。 Ministry of Health, Labour and Welfare


求められる対応策

① 推薦ルートの多元化

本市で既に取り組まれているように、退職者友の会・ケアマネージャー・介護事業所・学校(校長)など、多様なネットワークを通じて候補者を探すことが有効です。同調査研究では、充実した民生委員が多い地域では肯定的な口コミが広がり、自発的に推薦したい人を探し出す動きにつながっていることも報告されています。「やりがい」の見える化と積極的なPRが重要です。 Ministry of Health, Labour and Welfare

② 活動負担の軽減

厚生労働省の検討会(2024年6月始動)では、民生委員の在り方そのものも含めた制度改革の議論が進められており、制度の持続可能性を高めるための改革が求められています。活動のデジタル化(報告書類のオンライン化等)や、行政・社会福祉協議会との役割分担の見直しも重要な論点です。 Tokyo Nikkei

③ 選任要件の柔軟化

厚生労働省は「民生委員・児童委員の選任要件に関する検討会」を設置し、要件の見直しについて検討を進めています。働く世代が担えるよう、活動時間帯の工夫や複数人での担当区域のカバーなど、弾力的な運用を可能にする仕組みが求められます。


おわりに

一人暮らしの高齢者が増加し、国が在宅医療・介護を推進する方向にある中、民生委員の存在意義はむしろ高まっています。しかしその基盤はじりじりと弱まっており、欠員が増え続けると行政の福祉サービスが行き届かず、感染症流行時や災害時の支援体制も脆弱になる恐れがあります。 Nikkei

本市の充足率は全国・県平均を上回っているとはいえ、19人の欠員という現実は重く受け止めなければなりません。民生委員の方々が安心して活動を続けられる環境整備と、地域全体でこの制度を支えていく意識の醸成が急務です。引き続き議会でも取り上げてまいります。


【主な参考資料】

  • 厚生労働省「令和7年度民生委員・児童委員の一斉改選結果」(2026年2月公表)
  • nippon.com「民生委員:25年度の一斉改選で初の欠員2万人超え 充足率91.7%」(2026年2月5日)
  • 厚生労働省「民生委員・児童委員の活動内容について」(厚労省ウェブサイト)
  • 厚生労働省委託「令和5年度民生委員・児童委員の担い手確保の推進に関する調査研究報告書」(2024年3月)
  • 参議院常任委員会調査室「民生委員制度の現状及び今後の課題」(立法と調査 2019年11月 No.417)

制度で給付されない支援機器は、どうすれば本人に届くのか

福祉 / 2026年4月28日

制度で給付されない支援機器は、どうすれば本人に届くのか

⑧ALSに負けるな!(再掲)

― 調査の趣旨と具体事例から見える、実用化までのアプローチ

公的制度で給付される補装具や日常生活用具だけでは、障害のある人の暮らしを十分に支えきれない場面があります。近年は、スマートフォンアプリ、ゲーム用アクセシビリティ機器、一般製品の工夫的活用、ICT・AIを活用した機器など、制度の対象外でも生活の質を大きく高める支援機器が増えてきました。今回の調査は、そうした**「制度で給付されない支援機器」**が、実際にどのような経路で障害当事者に届き、購入・活用に至っているのかを明らかにするために行われたものです。調査では、障害当事者19名、支援者6名へのヒアリング、支援機関等3件の現地調査を通じて、情報収集から継続使用までの流れと、その途中にある障壁が整理されています。日本総合研究所 報告書

参考図版として、調査元の記事には「制度対象外の支援機器が当事者に届くまでの一連の流れ」を示した図が掲載されています。全体像をつかむのに非常に分かりやすい図です。
障害当事者に制度対象外の支援機器が届くまでの一連の流れ
日本総合研究所 コラム記事

この調査の趣旨は、「機器があるのに、必要な人に届かない」実態を可視化すること

この調査のポイントは、単に「便利な機器を紹介する」ことではありません。むしろ重要なのは、制度の対象外であるために、機器の存在を知ること、相談すること、試してみること、買って使い続けることのすべてが、本人や家族の自助努力に大きく依存しているという現実を明らかにした点です。報告書では、制度外の支援機器が確実に当事者のもとへ届き、有効に使われるための普及啓発方法を検討することが調査目的だと示されています。日本総合研究所 報告書

「制度で給付されない支援機器」とは何か

報告書では支援機器を、障害当事者の生活を支援する幅広い範囲の機器の総称として捉えています。そのうえで、今回の調査対象には、福祉機器に限らず、一般製品やユニバーサルデザイン製品、障害者向けに開発されたが給付制度の対象外となっている製品などが含まれています。たとえば、スマートスピーカー、ゲーム用アクセシビリティツール、食事介助ロボット、歩行支援スマートフォンアプリ、会話可視化ツール、認知行動療法アプリ、軽い力で使えるハサミ、スマホ用首下げストラップなどが該当します。つまり、制度外支援機器とは「高価な専用機器」だけを指すのではなく、本人の困りごとを具体的に解決するものであれば、一般製品の工夫的利用も含まれるというのが重要な視点です。日本総合研究所 報告書 日本総合研究所 ストーリー集

活用に至るまでの流れは、一直線ではなく「気づき」から始まる

調査では、支援機器が本人に届くまでの流れを、概ね「きっかけ」「情報収集」「機器選定」「購入」「使用」「適合・継続使用」という段階で整理しています。最初の出発点は、本人や家族が困りごとに気づく場合もあれば、支援者の助言、SNSや動画、当事者コミュニティ、展示会、店舗で偶然見かけることがきっかけになる場合もあります。その後、インターネット検索、口コミ、実演動画、相談支援、試用体験などを通して、「これは自分の生活に本当に合うのか」「お金を出す価値があるのか」を見極め、ようやく導入に至ります。つまり制度外機器の普及では、製品そのものの性能だけでなく、“出会い方”と“試せる機会”が極めて重要だということです。日本総合研究所 報告書 日本総合研究所 コラム記事

具体事例1:発達障害のある子どもが使う「布張りの箱型筆箱」

ストーリー集で印象的なのは、発達障害のある子どもの筆箱の事例です。本人には「周囲と同じような見た目の布製筆箱を持ちたい」という思いがある一方で、実際には物の配置が分かりやすく整理しやすい構造が必要でした。そこで選ばれたのが、外見は周囲と馴染みやすく、中は整理しやすい布張りの箱型筆箱でした。この事例が示しているのは、支援機器の価値は「機能」だけでは決まらず、本人が受け入れやすい見た目や、学校生活の中で浮かないことも同じくらい重要だということです。支援とは、できることを増やすだけでなく、本人らしさや尊厳を守ることでもあります。日本総合研究所 ストーリー集

具体事例2:ALSのある人が使う「フットスイッチ付きドライヤー固定台」

ALSのある人の事例では、本人が日常の不便さを「当たり前」と受け止めてしまい、困りごととして自覚していなかったところに、支援者の問いかけが入りました。その結果、ドライヤーを自分で使いにくいことが課題として浮かび上がり、固定台とフットスイッチを組み合わせることで、自分で操作しやすい形が実現しました。さらにその工夫は、別のスイッチ操作にも応用されていきました。この事例から見えるのは、支援機器の導入は「本人が最初から欲しいと言っていたものを買う」だけではなく、支援者が潜在的な困りごとを一緒に言語化することで始まる場合が多いということです。日本総合研究所 ストーリー集

具体事例3:脳性麻痺のある人が見つけた「軽い力で使えるハサミ」

脳性麻痺のある人の事例では、「軽い力で使えるハサミ」が必要になり、本人がインターネット検索や動画、口コミを通じて情報を集め、価格と使い勝手を比較しながら購入に至っています。ここで注目したいのは、制度外機器の導入では、動画などで実際の使用場面を見られることが購入の後押しになる点です。福祉機器に限らず、使っている姿がイメージできることは、「自分にも使えそうだ」という納得感を生みます。日本総合研究所 ストーリー集 日本総合研究所 コラム記事

具体事例4:導尿道具のために選ばれた「一般のポーチ」

胸髄損傷のある人の事例では、導尿に必要な道具を持ち運ぶために、いわゆる福祉用具ではなく、一般の雑貨店で見つけたポーチが活用されていました。サイズ感や使いやすさに加えて、「いかにも福祉用具に見えないこと」が大きな価値になっていた点が特徴です。この事例は、制度外支援機器の世界では、一般製品の中から本人の生活感覚や美意識に合うものを見つける視点が非常に大切だと教えてくれます。日本総合研究所 ストーリー集

具体事例5:精神障害のある人が使う「認知行動療法アプリ」

精神障害のある人の事例では、リワーク施設などで認知行動療法に触れたことをきっかけに、複数のアプリを試しながらセルフケアの手段を探していった経緯が紹介されています。制度では給付されにくいデジタルアプリも、本人の生活に合えば日々の自己管理や心理的安定を支える重要な道具になります。この事例は、支援機器を「モノ」に限定せず、アプリやソフトウェアも含めて生活支援の手段として捉える必要性を示しています。日本総合研究所 ストーリー集


一般論として見えてくるアプローチ手法

では、制度で給付されない支援機器を本人に届け、活用につなげるには、どのようなアプローチが有効なのでしょうか。今回の調査から見えてくるのは、単に「情報を並べる」だけでは不十分で、発見から継続使用までを段階的に支えることが必要だという点です。日本総合研究所 報告書

まず重要なのは、本人が必要性に気づく“きっかけ”を増やすことです。本人や家族が困りごとを言語化できていない場合も多いため、医療・教育・就労・相談支援の現場で、日常生活の小さな不便さに目を向ける対話が欠かせません。支援者が「こういう方法もあるかもしれません」と選択肢を示すこと自体が、導入の出発点になります。日本総合研究所 報告書

次に必要なのは、情報を本人に届く形に翻訳することです。制度外機器は、製品名やスペックだけ見ても価値が伝わりにくいことが少なくありません。本人にとっては、「何ができるか」よりも「自分の暮らしのどの場面がどう楽になるか」が分かることのほうが大切です。そのため、実演動画、活用事例、当事者の口コミ、失敗例も含めたリアルな情報提供が効果的です。日本総合研究所 コラム記事 日本総合研究所 報告書

さらに、試用や伴走支援の仕組みも不可欠です。制度外機器は、買って終わりではなく、「自分の身体や生活に本当に合うか」を使いながら確かめる必要があります。試せる機会、調整を相談できる相手、導入後の困りごとに対応できる場があるかどうかで、継続使用のしやすさは大きく変わります。本人の状態変化や環境変化に合わせて見直せる支援があってこそ、活用は定着します。日本総合研究所 報告書

また、今回の事例からは、“福祉機器らしさ”にとらわれない発想も重要だと分かります。本人が使いたいと思えるデザイン、周囲に溶け込む見た目、一般製品の応用、アプリやソフトウェアの活用など、選択肢を広く捉えることが、結果として本人の自立や参加を支えます。支援機器とは、特別な製品の名前ではなく、その人の生活課題を解決する手段そのものなのだと考えることが大切です。日本総合研究所 ストーリー集 日本総合研究所 報告書

最後に、支援を個人の熱意や偶然の出会いに委ねないためには、地域差を減らす仕組みづくりが求められます。報告書でも、医療機関、教育機関、就労先、相談窓口など、本人や家族が必ず関わる場での情報提供体制や、全国どこでも一定水準の支援が受けられる仕組みの必要性が指摘されています。制度外機器の普及に必要なのは、製品の開発だけではなく、知る・試す・相談する・使い続けるための社会的な回路を整えることです。日本総合研究所 報告書


まとめ

この調査が教えてくれるのは、制度で給付されない支援機器の問題は、単なる「自己負担の問題」ではないということです。本当に大きいのは、必要な人が、必要なタイミングで、その機器の存在を知り、試し、納得して使い始め、使い続けられるかどうかです。支援機器を本人に届けるには、製品の良し悪しだけでなく、気づき、情報提供、試用、調整、継続支援までをつなぐアプローチが必要です。制度の内か外かではなく、その人らしい暮らしを支えるかどうかを基準に支援を考えることが、これからますます重要になるでしょう。日本総合研究所 コラム記事 日本総合研究所 報告書


「認知症の人をケアする家族等を取り巻く認知症施策のこれから」政策提言から

政治 社会保障 福祉 / 2026年4月28日

認知症の人を日々支える家族の負担は、制度が整ってきた今もなお大きく、見えにくいまま残されています。 特に、診断直後の不安、情報の届きにくさ、働きながらの介護、心理的負担、地域の支え合いの弱体化など、家族を取り巻く課題は多岐にわたります。

こうした現状を踏まえ、日本医療政策機構(HGPI)は2026年4月に 認知症の人をケアする家族等を取り巻く認知症施策のこれから」政策提言 を公表しました。

本記事では、この提言の中核となる 「7つの提言」 を、

  • なぜ必要なのか(課題)
  • 何を目指すのか(必要性)
  • どんな内容なのか(提言の内容) を、わかりやすい図解で整理して紹介します。その下にもテキストで一覧表にしました。

提言 課題 必要性 提言の内容
① オンライン・リンクワーカー 診断直後に情報が届かず家族が迷子になる 初期の不安・孤立を防ぎ、早期支援につなぐため 全国共通のオンラインナビサイトを整備し、診断直後から情報をプッシュ通知。相談窓口・地域資源へ確実に接続
② 家族支援の「報酬化」 家族支援が制度で評価されず、現場の善意に依存 支援の質を安定させ、継続的な家族支援を可能にするため 医療・介護で家族支援を報酬化。アセスメント〜支援〜再評価を加算として評価
③ 選べる認知症カフェ(機能タグ化) カフェの内容が分かりにくく参加しづらい 孤立防止の場として活用しやすくするため カフェに機能タグを付与し、自治体・医療機関が紹介しやすい仕組みを整備
④ 職域から届く家族支援 働きながら介護する人が職場で孤立 企業が早期発見・相談につなぐ役割を担うため 保険者単位で相談機能を整備し、企業がゲートキーパーとして地域につなぐ
⑤ 家族への心理支援の標準化 家族のうつ・疲弊が深刻だが支援が標準化されていない 心理的負担の軽減がケアの質向上につながるため CBT等の科学的根拠に基づく心理支援を標準化し、アクセス経路を整備
⑥ つながるケアDX 医療・介護・家族の情報がつながらず家族が“情報の運び屋”に 空白期間の孤立防止や早期対応のため 医療・介護・家族が共有できる情報基盤を整備し、継続的支援を実現
⑦ 未来に届く互助システム 地域の支え合い活動が担い手不足で持続困難 制度だけでは支えきれず地域の互助が不可欠 地域の相互扶助活動を継続できる財源・人材・運営の仕組みを整備

「孤独でいる権利」と「介入の正当性」——孤独・孤立対策の前に立ち止まって考える

人権 生活 福祉 / 2026年4月21日

孤独・孤立の問題には何とか対応してあげたい——そう思い続けてきた。しかし支援する側の「善意」が、当事者の権利を侵害することにならないか。東京財団の最新論考をきっかけに、この問題を根本から考え直したい。

現状:孤独は世界的な公衆衛生課題

39.3%
孤独感が「ある」国民
内閣府・令和6年全国調査
+29%
社会的孤立による死亡リスク上昇
Holt-Lunstad 2015
+31%
孤独感による認知症リスク上昇
Luchetti 2024
87万人
孤独関連の年間死亡推計(世界)
WHO報告書 2025

20〜50歳代が高齢者より孤独感が高く、暮らし向きが「大変苦しい」層では14.2%に達する。社会経済的格差との強い相関も確認されており、80・50問題に象徴されるように孤独は中高年にも深刻に広がっている。


問い直し:孤独はすべて「解消すべき問題」か

哲学者ハンナ・アーレントは、孤独を「solitude(内省的孤独)」「loneliness(望まない孤絶)」「isolation(社会的排除)」の三つに区別した。J.S.ミル『自由論』(1859年)が示すように、他者に危害を及ぼさない限り個人は主権的であり、本人の選択に基づく孤独への介入の正当性は自明ではない。

劇作家・平田オリザ氏も『わかりあえないことから』(2012年、講談社現代新書)で、「つながりは善、孤独は悪」という二項対立を超え、バラバラな人間がうまくやっていく「社交性」の文化的基盤を問うている。


核心:「見守り」はどこから「介入」になるのか

孤独・孤立対策推進法(令和5年法律第45号、2024年4月施行)は国・自治体の責務を定めるが、個人への介入の法的根拠や限界は必ずしも明確でない。ウェアラブルデバイスで孤独感を検出するデジタルバイオマーカー技術は、日本国憲法第13条が保障するプライバシーの権利の核心に触れる。

善意に基づく「見守り」が監視構造を帯びるリスク——この問いを政策設計の中心に置く必要がある


考える三つの原則

対策を進める際には、①本人同意の確保、②テクノロジーデータの利用目的の限定と透明性、③「孤独でいる自由」を尊重しながら助けを必要とする人が声を上げやすい環境の整備——この三点が不可欠だと考える。

「loneliness(望まない孤絶)」への対処は社会的公正の課題であり続ける。しかしそれは、一切の孤独を画一的に解消しようとすることとは根本的に異なる。この違いを政策の言葉に落とし込む作業を続けていきたい。

※主な参照:東京財団政策研究所・藤田卓仙「孤独に寄り添う社会的処方やAIを含むテクノロジー」2026年4月20日公表
https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=4942

こどもを守る新たな枠組み:「児童育成支援拠点事業」と「入所希望児童支援」の可能性と課題

人権 子育て 家族 教育 福祉 / 2026年4月15日

近年、育児の孤立化や児童虐待の相談対応件数の増加などが社会問題となる中、こどもや家庭に対する新たな包括的支援が動き出しています
本記事では、令和6年度から創設・拡充された「児童育成支援拠点事業」と「子育て短期支援事業における入所希望児童支援」について、その必要性や経緯、課題、そしてヤングケアラー問題への対応策としての可能性について解説します。

1. 事業に取り組む経緯と必要性

こどもを取り巻く環境が複雑化する中で、関係機関が連携し、こどもの声を直接拾い上げる仕組みの必要性が高まっています。
児童育成支援拠点事業の創設 令和6年度より創設された本事業は、不適切な養育環境にあるこどもや学校に居場所のないこどもを対象に、安全・安心な居場所や食事、学習支援などを提供するものです。国の「こども未来戦略」においても、虐待の未然防止に資する重要な家庭支援事業の一つとして位置づけられています
「入所希望児童支援」の拡充 令和4年の児童福祉法改正に伴い、令和6年度から子育て短期支援事業において「入所希望児童支援」が拡充されました
これは、保護者の育児放棄や過干渉などにより、こども自身が一時的に家庭から離れることを希望した場合に、こどもの意向を尊重して児童養護施設等で短期入所を受け入れる制度です

こどもが主体的にサービス利用を希望できる点で「子どもの権利条約」に基づく意見表明権を保障する大きな意義を持っています

2. ヤングケアラー問題への一つの対応策として

これらの事業は、近年クローズアップされている「ヤングケアラー」問題への対応策としても大きな期待が寄せられています。
児童育成支援拠点事業を導入した熊本市の例では、ヤングケアラーの実態調査から、「困窮度がこどもの学習状況や家庭環境に影響すること」や、「ヤングケアラーのニーズとして学習支援や気軽に立ち寄れる居場所の確保が必要であること」が浮き彫りとなり、常時開設する居場所の整備に至りました
同事業のメリットとしても「ヤングケアラーに対する支援として活用可能」であることが明記されています
また、入所希望児童支援においても、こどもからの利用相談理由の中に「ヤングケアラー」が含まれており、日常的に家族のケアを担い負担を抱えるこどもたちが、一時的に家庭を離れて休息(レスパイト)できる安全な環境を提供する手段となり得ます

3. 実施に向けた現状の課題

こどもを守るための重要な制度ですが、全国的な普及に向けては現場で多くの課題が山積しています。
  • 人材と施設の不足 養育環境に課題を抱えるこどもへの対応には一定の専門性が求められますが、対応できるスキルを持った人材(支援員やソーシャルワーカーなど)の確保が極めて困難です。また、受け入れ可能な事業者や施設そのものが地域に不足しているという根本的な問題もあります
  • 保護者の同意取得の難しさ 特に入所希望児童支援においては、こどもの希望で施設を利用する際、保護者への説明や同意の取得が必要となりますが、これが大きなハードルとなっています。保護者の理解が得られず、支援に繋がらないケースも懸念されています。
  • 自治体の体制と予算 新しい事業であるため、類似事業との棲み分けの整理や必要性の説明が難しく、自治体内で予算を獲得することや、学校や児童相談所などの関係機関との連携体制を構築することに苦労している自治体が多く見られます

4. おわりに

「児童育成支援拠点事業」や「入所希望児童支援」は、声なきこどもたちのSOSを拾い上げ、必要な支援を直接届けるための重要な一歩です。専門人材の育成や保護者の理解促進など課題は多いものの、ヤングケアラーを含むすべてのこどもたちが「安心できる居場所」を持てるよう、地域全体での体制づくりと継続的なサポートが求められています。

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参照資料URL
本記事の作成にあたり、以下の資料を参照しています。

高齢者ケアラーという“見えにくい支え”をどう守るか

介護 家族 福祉 高齢者 / 2026年4月14日

大津市では現在、ケアラー支援条例の検討が進められています。
ケアラーと一言で言っても、その立場はさまざまですが、今回は下記の資料をもとに「高齢者を支える家族」に焦点を当てて考えてみます。

地域の高齢者とその家族を支える市町村・地域包括支援センター等におけるケアラー支援 事例集


■ 介護は“家族の問題”になっている

日本では介護の多くを家族が担っています。
食事や通院の付き添いだけでなく、日常生活全体を支えるケースも少なくありません。

つまり介護は、特別な出来事ではなく
生活そのものに組み込まれている現実があります。


■ 見えにくい負担

ケアラーの多くは心身の負担を抱えながらも、
「まだ大丈夫」と我慢してしまう傾向があります。

その結果、

  • 介護離職
  • 孤立
  • 心身の不調

といった問題が、表面化したときには深刻化しているケースもあります。


■ 制度の限界

現在の制度は「介護される本人」が中心です。
しかし実際には、家族が支えきれなくなることで生活が成り立たなくなることもあります。

ケアラー自身への支援はまだ十分とは言えません。


■ 提言:市民のための3つの視点

① 「早期発見」から始める

  • 地域包括支援センターだけでなく
  • 医療・民生委員・自治会などとの連携

“気づく仕組み”を制度化する


② 「相談のしやすさ」を最優先に

多くのケアラーが求めているのは
「相談できる場所」と「情報」です

  • ワンストップ窓口
  • LINE・オンライン相談
  • 匿名相談

心理的ハードルを下げる設計が重要


③ 「休める仕組み」をつくる

  • レスパイトケア(介護から離れる時間)
  • 短期入所の柔軟利用
  • 地域の支え合い

「頑張らせる支援」から
「休ませる支援」へ転換


■ おわりに

ケアラーは特別な存在ではなく、
誰もがなり得る身近な存在です。

条例づくりにおいては、
「支える側をどう支えるか」という視点が重要になります。


介護保険の「住宅改修」を賢く使うために〜最新報告書から課題と対策〜

社会保障 福祉 行政 高齢者 / 2026年4月10日

「住み慣れた自宅で、いつまでも安心して暮らしたい」

そう願う多くの方にとって、手すりの設置や段差の解消といった「住宅改修」は非常に心強い味方です。

しかし、いざ利用しようとすると「何が対象になるの?」「自治体によって判断が違うって本当?」といった不安を感じることもあるかもしれません。先日、厚生労働省の事業として公表された最新の報告書「住宅改修の給付実態等の把握と指導監督のあり方に関する調査研究事業報告書 をもとに、利用者側の視点で役立つ情報を整理し、スムーズに制度を活用するためのヒントを考えてみました。

1. 「住宅改修」のイマ。みんなはどう使っている?

報告書によると、全国の住宅改修の使われ方には以下のような特徴があります。

・一番人気は「手すりの取付け」:改修全体の約8割を占めています 。転倒予防がいかに重視されているかがわかります。

・「要介護1」や「要支援2」での利用が多い:身体の変化を感じ始めた早い段階で、予防的に改修を行う方が多い傾向にあります

・改修費用は「6万円以下」が最多:20万円の支給限度額を一度に使い切るのではなく、必要な箇所を少しずつ直す賢い使い方が一般的です

2. 利用者が直面しやすい「3つの課題」

報告書では、自治体(保険者)によって給付の判断が分かれたり、迷ったりするケースが多数報告されています。利用者として特に注意したいポイントは以下の通りです。

① 「これって対象?」の境界線がわかりにくい

例えば、以下のようなケースは判断に迷いやすい事例として挙げられています。

  • 敷地内の玄関から「公道」に出るまでの手すり設置

  • 階段の踏み面を広げる工事(段差の高さが変わらない場合)

  • デザイン性や機能性が非常に高い(高価な)部材の使用

② マンションや賃貸住宅での制約

単身世帯や借家住まいの方が増える中、共同住宅の共有部(廊下など)への改修は、他の居住者の同意が必要になるなど、ハードルが高くなる場合があります

③ 事務手続きや専門性の壁

  • 自治体の窓口担当者の多くは一般事務職であり、リハビリテーションの専門職が直接審査に関わるケースは限られています 。そのため、提出する「理由書」の内容が不十分だと、本当に必要な工事でも認められないリスクがあります。


3. 【提案】納得のいく住宅改修にするための3ステップ

これらの課題を踏まえ、市民の皆様が後悔しない改修を行うための対策を提案します。

ステップ1:ケアマネジャー・専門職との「目的」の共有

「手すりが欲しい」という要望だけでなく、「一人でトイレに行けるようになりたい」「庭の手入れを続けたい」といった具体的な生活の目標を伝えましょう。自立支援につながる根拠が明確であれば、自治体への申請も通りやすくなります

ステップ2:自治体の「判断基準(事例集)」をチェック

多くの自治体では、過去の判断事例をまとめたマニュアルやQ&Aを公開しています 。工事を契約する前に、自分の希望する内容がその自治体で認められやすいものか、ケアマネジャーを通じて確認してもらうのが安心です。

ステップ3:「福祉用具」との組み合わせを検討する

工事が難しい場所や、将来的に身体状況が大きく変わる可能性がある場合は、住宅改修(固定式)にこだわらず、置き型の手すりやスロープなどの「福祉用具貸与」を検討するのも一つの手です 。どちらが自分にとって最適か、専門職のアドバイスを受けながら比較検討しましょう。


まとめ

住宅改修は、単なるリフォームではありません。あなたの「自立」を支え、ご家族の負担を減らすための大切な投資です。

もし判断に迷うような特殊なケースであれば、自治体の窓口には「専門職による助言」を求める仕組みもあります 遠慮なく相談し、納得のいく住まいづくりを進めてください。

がん相談支援センターをもっと身近に

医療 環境 生活 社会保障 福祉 / 2026年4月9日

がん相談支援センターをもっと身近に

― 国の協議会で“認知度低下”が指摘。大津市として何ができる?

厚生労働省の第93回がん対策推進協議会(議事録)では、 「がん相談支援センターの認知度が後退傾向」 という重要な指摘がありました。

がん相談支援センターは、 治療・仕事・お金・家族の悩みまで無料で相談できる“がんの総合窓口”。 しかし「そもそも存在を知らない」という市民が多いのが現状です。

大津市でも、

    • がん患者数は増加傾向
    • 高齢化率が高く、家族の支援力が弱まりやすい
    • 若い世代はSNS中心で、病院の掲示物が届きにくい という地域特性があります。

だからこそ、“知らないまま困る人”を減らす周知が急務です。


がん相談支援センターとは?(大津市の市民向けにやさしく)

がん相談支援センターは、 全国のがん診療連携拠点病院に必ず設置されている無料相談窓口です。

大津市から利用しやすいのは

    • 滋賀医科大学医学部附属病院(草津市)
    • 大津赤十字病院(大津市)
    • 近江八幡・長浜など県内の地域拠点病院

通院していなくても利用できます。

相談できる内容

    • 治療のこと(説明が難しい、医師に聞きづらい…)
    • 仕事と治療の両立
    • 医療費・生活費の不安
    • 家族の悩み
    • AYA世代(15〜39歳)の就学・就労
    • 在宅療養や介護サービスの相談

専門の看護師・医療ソーシャルワーカーが対応します。


なぜ認知度が下がっているのか(国の議事録より)

協議会では、次の課題が指摘されました。

    • 病院内での案内が十分でない
    • 初診〜治療開始までに紹介されない
    • 若い世代は制度を知らないまま困難に直面
    • 情報が医療者から患者に届いていない

つまり、 「必要な人に情報が届いていない」 という構造的な問題です。


大津市の地域性を踏まえると、課題はさらに深い

大津市は

    • 通院先が市外に分散しやすい(草津・守山・京都など)
    • 高齢者が多く、情報源が“紙中心”
    • 若い世代は“病院の掲示物を見ない”
    • 湖西・南部・中心部で生活圏が異なる

という特徴があります。

そのため、 「病院に掲示しておけば届く」では不十分 なのが大津市の現実です。


【大津市版】市民に届けるための周知方法は

大津市の実情に合わせて、行政・医療機関・NPOがすぐに実行できる施策を整理しました。

1. 市役所・地域包括支援センターでの“見える化”

    • 介護保険窓口
    • 地域包括支援センター
    • 市民部窓口(転入者向け案内)
    • 子育て総合支援センター

がん相談支援センターの案内カードを常設 → 高齢者・家族・若年層に自然に届く導線をつくる

2. 大津市内の医療機関での“統一掲示”

    • 大津赤十字病院
    • 市内クリニック
    • 調剤薬局

統一デザインのポスター・リーフレットを市が作成し配布 → どの医療機関でも同じ情報が得られる状態に

3. 公共交通 × 周知(大津市ならでは)

    • 京阪電車
    • 近江鉄道バス
    • コミュニティバス

車内広告・デジタルサイネージで短いメッセージを流す → 通勤・通学者に届く

4. AYA世代向け:大学・高校との連携

大津市は大学・高校が多い地域。

    • 大学の保健センター
    • 高校の保健室
    • キャリアセンター

「若い世代のがんと支援制度」ミニ冊子を配布 → 就学・就労の悩みを抱えるAYA世代に直接届く

5. SNSでの短い発信(若年層向け)

    • Instagram
    • X(旧Twitter)
    • LINE公式アカウント(市のアカウント)

「がんの不安、無料で相談できます」という短いメッセージを定期発信 → 若い世代は“短い・画像中心”が効果的

6. 地域のつながりを活かす

    • 民生委員
    • 自治会
    • 公民館
    • 市民活動センター

地域の支援者が“相談先を知っている”状態をつくる → 高齢者・独居世帯に届きやすい


きこえない人ときこえる人を“電話”でつなぐ 電話リレーサービスとは?

福祉 / 2026年4月2日

はじめての方向け電話リレーサービス制度のまとめ

はじめに

「電話リレーサービス」という言葉を初めて聞く人は多いと思います。 実はこのサービス、聴覚障害者・難聴者・発話困難のある方が、電話で社会とつながるための“公共インフラ” です。

しかし、仕組みが少し複雑で、私も、制度を理解するのに時間がかかりました。

  • どう使うのか
  • 料金はどうなるのか
  • どんな場面で必要なのか
  • 公的機関から電話が来るのか など、初めての方には分かりづらい点が多くあります。

そこでこの記事では、総務省の「電話リレーサービスの在り方に関する検討会 報告書」 をもとに、 制度の全体像をやさしく要約し、よくある疑問をQ&A形式でまとめました。

【制度の要約】

■ 電話リレーサービスとは

聴覚障害者・難聴者・発話困難のある人と、きこえる人の間に 通訳オペレータが入り、「手話・文字」と「音声」を双方向に通訳するサービスです。

  • 24時間365日利用可能
  • 緊急通報(110・119・118)にも対応
  • 公共インフラとして国が制度化
  • 運営は「日本財団電話リレーサービス」

2025年からは

  • ヨメテル(相手の声を文字化)
  • 手話リンク(HPから手話で問い合わせ) も開始され、対象が広がっています。

【Q&A:初めての人がつまずきやすいポイント】

Q1. どんな目的で電話リレーサービスは使われるの?

A. 普通の電話と同じです。相手に用事があるから電話します。

特に多いのは:

  • 病院・介護施設の予約
  • 行政手続きの問い合わせ
  • 金融機関の本人確認
  • 宅配・タクシー・飲食店の予約
  • 家族への連絡
  • 緊急通報

FAXやメールでは代替できない“リアルタイムの会話”が必要な場面で使われます。

Q2. 聴覚障害者はどうやって話すの?

A. スマホで「手話」または「文字」を使います。

  • 利用者 →(手話/文字)→ オペレータ
  • オペレータ →(音声)→ 相手
  • 相手 →(音声)→ オペレータ
  • オペレータ →(手話/文字)→ 利用者

発話できなくても、会話は完全に成立します。

Q3. 相手が文字で返せるなら、サービスは不要?

A. いいえ。社会の多くは“電話前提”で動いています。

  • 病院予約
  • 行政手続き
  • 金融機関の本人確認
  • 緊急通報

これらは 文字チャットでは対応不可。 だからこそ電話リレーサービスが必要です。

Q4. 公的機関から電話リレーサービス経由で連絡が来ることはある?

A. あります。

本人が連絡先として電話リレー番号を登録していれば、 市役所・病院・学校などから電話リレー経由で連絡が来ます。

ただし、 相手側がサービスを知らずに“迷惑電話”と誤解して切られる問題が依然としてあります。

Q5. 利用料は誰が負担するの?

A. 利用者本人が、日本財団電話リレーサービスに支払います。

携帯会社から請求されるわけではありません。

料金(全国共通):

  • 固定電話:16.5円/分
  • 携帯電話:44円/分
  • 月額178.2円の割引プランもあり

Q6. 滋賀県は利用料を負担している?

A. いいえ。滋賀県は利用料を負担していません。

利用者が全額負担です。

※鳥取県のみ「地域登録制度」で県が全額負担(利用者無料)。

Q7. 困りごとがあって「どこに電話すればいいか分からない」場合、探してくれる?

A. いいえ。電話リレーサービスは“電話をつなぐ”サービスであり、相談先を探すサービスではありません。

相談先の案内は

  • 行政窓口
  • 聴覚障害者情報センター などが担当します。

Q8. 初めての人や高齢者には難しくない?

A. 難しいという声は多く、報告書でも課題として明記されています。

  • スマホ操作が難しい
  • マイナンバー登録が大変
  • 料金が高い
  • 050番号で切られやすい
  • ヨメテルの機械音声が迷惑電話に聞こえる

制度の周知不足と、利用者支援の不足が大きな課題です。

【制度の課題(報告書の整理)】

総務省の検討会報告書では、次の課題が明確に示されています。

■ 利用者側の課題

  • スマホ操作の難しさ
  • 料金負担の重さ
  • 高齢者への普及不足
  • 050番号で切られる問題
  • 登録手続きのハードル

■ 相手側(きこえる側)の課題

  • サービスの認知不足
  • 公的機関・医療機関での理解不足
  • 冒頭アナウンスで誤解される
  • 迷惑電話と誤認される

■ 制度側の課題

  • オペレータ不足
  • 技術仕様(番号の問題)
  • 利用できない番号がある
  • 料金体系の見直し
  • 法人利用の少なさ

制度は大きな価値がある一方、改善すべき点も多いことが報告書で整理されています。

【参考:総務省「電話リレーサービスの在り方に関する検討会 報告書」】

(PDF) https://www.soumu.go.jp/main_content/001062982.pdf

※この記事の内容はすべてこの報告書をもとに作成しています。

ICTってこんなに役立つ!障害のある方の支援に広がる可能性

ALS ICT活用 介護 医療 福祉 / 2026年3月20日

【障害のある方のICT活用支援】(「ALSに負けるな⑧再掲)

地域での支援を広げるためのシンポジウムが開催され、 アーカイブ動画(手話・字幕付き)当日資料が公開されています。

今回のテーマは、 「ICTで広がる支援の可能性」 — 当事者であり医師でもある髙尾洋之氏による基調講演。

主な内容

  • ICTが障害のある方の社会参加をどう広げるか
  • 地域での支援者(自治体・福祉・医療・学校・NPOなど)に役立つ実践事例
  • AI時代のアクセシビリティの未来
  • Q&Aでの具体的な相談・事例紹介

こんな方におすすめ

  • 自治体職員(意思疎通支援・社会参加支援など)
  • 医療・福祉・リハビリ関係者
  • 特別支援学校・地域包括・社協・NPO
  • ICT支援に関心のある方全般

資料・動画

  • アーカイブ動画(手話・字幕付き)
  • 当日資料(通常版/テキスト版)※令和8年3月31日までDL可

詳細はこちら

内容の詳細や資料は、 NTTデータ経営研究所|障害者ICT活用支援シンポジウム詳細ページをご覧ください。

以下よりダウンロードが可能となっております。

(※ダウンロード可能期間:令和8年3月31日まで)

【通常版】

https://drive.google.com/drive/folders/1KifOmxaR35nBJlObmK4g51p7UPrlLKGg?usp=sharing 

【テキスト版】

https://drive.google.com/drive/folders/10f7mCuGK-1HYN8tqGawia0HgEDw3CGZr?usp=sharing