6月通常会議 一般質問の答弁と検証〜避難行動要支援者名簿のデジタル化を問う〜
6月通常会議での私の一般質問(初問)に対する答弁書です。
今回も避難行動要支援者名簿の扱いについては残念な答弁でした。
避難行動要支援者名簿は、平時は同意を得られた方の名簿のみが地域に提供されます。同意をされていない方の名簿は、災害が発生し避難支援が必要になった場合に限り、避難支援のために提供・使用することができます。
しかし、多くの名簿が発災時に突然紙媒体で地域に提供されたとしても、数百人規模の対応をするには時間がかかります。
一方で、ケアマネジャーや相談支援専門員は、業務として利用者の安否確認を行っています。これらの専門職が把握する安否確認情報を、地域の自主防災会や民生委員と共有できれば、安否確認から避難支援までをより効果的に行うことができます。今回の質問は、こうした情報共有を運用できるシステムの整備を求めるものでした。
これに対し市は、地域提供用のデジタル共有システムについて、「平常時において秘匿性の高い個人情報をデータで提供することは情報セキュリティポリシー上厳しく制限されており、災害時であってもその後の流出等のリスクを考慮する必要があることから、現時点では困難である」と答弁しました。また、紙媒体で十分対応できるかという問いに対しては、「発災時にはインフラの状況が不明な点を踏まえると、紙媒体による提供が確実な方法である」と答弁しています。
しかし、私が求めているのは紙媒体を否定することではなく、紙とデータ提供を併用する仕組みです。データ提供が困難だからといって、紙媒体だけで安否確認情報の共有も含めて十分対応できるとする市の論理には疑問が残ります。
そもそも、データであればリスクがあり、紙媒体であればリスクがないという整理自体に説明が必要です。紙媒体であっても、紛失や誤配布等による情報流出のリスクは存在します。データと紙のリスクを比較した上での説明がなければ、納得感のある答弁とは言えません。
もっとも重要なことは、災害時にいかに早く要支援者の安否確認を行うかです。そのためには、要支援者名簿を地域の方々が平時から効率的に使える状態にしておくことを、市はあらためて検討すべきです。

所属名:福祉政策課、長寿福祉課
1 個別避難計画が未作成の避難行動要支援者に対する安否確認・避難支援等の実働体制について
(1)避難行動要支援者名簿と安否確認情報の共有の仕組みについて
①避難行動要支援者名簿の収集すべき情報の不足について市はどのように認識しているのか伺います。あわせて、同居状況や緊急連絡先を充実させた名簿づくりに向けた今後の対応をお聞かせください。
②ケアマネジャーや相談支援専門員が行った安否確認の情報を、行政や関係機関等と共有する運用ルールが本市にあるのかどうか、またあるとすればそのルールの内容について、なければルールを設ける必要性についての見解を伺います。あわせて、保健福祉支援班は具体的にどこから、どのような安否確認情報を収集し、その後、庁内の関係部署や消防などの救助機関との連携にどう生かすのか、伺います。
③行政内部で安否確認情報をデジタルで共有するシステムの構築について伺います。
(2)地域提供名簿と自主防災組織・民生委員による活用について
①避難行動要支援者名簿の受領学区をさらに広げていく取り組みについて、市はどのように考えているのか伺います。
②行政内部システムとも連動した地域提供用デジタル安否確認共有システムの構築と地域への提供について、市の見解を伺います。あわせて、安否確認等を中心となって担う自主防災組織や民生委員が、平時からこのシステムの使用方法を理解し、習熟しておく取り組みも必要と考えますが、市の見解をお聞かせください。
③仮に、デジタル共有名簿の提供ができない場合、事業所のケアマネジャーや災害対策本部などからの情報共有は難しくなります。そのような状況で、多くの避難行動要支援者の速やかな安否確認が、紙媒体の資料でも十分に可能とお考えか、市の見解を伺います。
1点目の避難行動要支援者名簿と安否確認情報の共有の仕組みについてのうち、1つ目の避難行動要支援者名簿の収集すべき情報の不足の認識についてでありますが、例えば地域への名簿提供にかかる同意確認書の緊急連絡先の欄について、頼ることができる人がいないなどの理由で未記入で提出される場合などは、名簿に空欄が生じているものと考えております。
また、名簿の充実についてですが、同居状況については、同居の方の個人情報をどの程度まで収集できるかなどの課題があると認識しておりますが、昨年度には同意確認書の様式を見直し、新たに対象となる方に送付した結果、返送のあった方の約9割が緊急連絡先を記載いただいております。今後とも、名簿の充実に向けて工夫してまいります。
2つ目の、ケアマネジャー等が行った安否確認情報を市と関係機関等が共有する運用ルールがあるのか及び安否確認情報をどのように収集し、関係機関との連携にどのように活かすのかについてでありますが、現在のところ明確な定めはございませんが、情報収集、情報提供、協力依頼等を円滑かつ適切に行えるよう、今後、防災部局や関係所属等と協議してまいります。
また、保健福祉支援班において、初動支所班や避難所の担当職員等から情報を収集し、安否確認が取れない方について、当該家屋の被災状況や、家族等との連絡の可否など、詳細な状況を聞き取り、消防局や高齢・障害分野等の関係所属と共有することで、各所属が保有する情報を活用しながら安否確認を行うことなどを検討しているところです。
3つ目の、行政内部で安否確認情報をデジタルで共有するシステムの構築についてでありますが、今後、共有する所属や情報の範囲、共有方法などについて、検討してまいります。
2点目の地域提供用名簿と自主防災組織・民生委員による活用についてのうち、1つ目の避難行動要支援者名簿の受領学区をさらに広げていく取組についてでありますが、これまでから、学区自主防災組織をはじめ各種地域団体へ説明を行ってきたところであり、今後も名簿の提供が進むよう努めてまいります。
2つ目の、地域提供用のデジタル共有システムの構築及び名簿の提供、使用方法習熟のための取組についてでありますが、平常時において、秘匿性の高い個人情報をデータで提供することは、大津市情報セキュリティポリシーにおいて厳しく制限されていることや、災害時であっても、その後の流出等のリスクを考慮する必要があることから、現時点では困難であると考えておりますが、今後、国が推奨しているクラウド型被災者支援システムを活用した取組等を調査研究してまいります。
3つ目の、避難行動要支援者の速やかな安否確認が、紙媒体の資料で十分かについてでありますが、活用時における利便性に課題があると認識しておりますが、現時点では地域へのデータ提供は困難であることや、発災時においてインフラの状況が不明な点を踏まえると、紙媒体による提供が確実な方法であると考えております。
以上、私からの答弁といたします。
所属名:危機・防災対策課
(3)避難行動支援者連絡会議と避難支援プランの実効性について
① 避難行動支援者連絡会議について、これまでどのような取り組みを行ってきたのか伺います。あわせて、関係機関との会議ではどのような意見や課題が示されてきたのかお聞かせください。
② 現在のプランの記述は、役割分担される担当課における災害時の具体的な動きの手順まで踏み込んだ内容になっているのか、市の認識を伺います。
③ 複数の主体から入手される安否情報の取りまとめについて、現在のプランの記述が、関係者が迷わず動ける具体的な内容になっているのか、市の認識を伺います。
3点目の避難行動支援者連絡会議と避難支援プランの実効性についてのうち、1つ目の避難行動支援者連絡会議のこれまでの取り組み及びどのような意見や課題が示されたかについてでありますが、平成27年3月に大津市避難行動要支援者避難支援プラン(全体計画)を作成して以降、毎年度会議を開催し、関係所属からハザードマップの更新に伴う個別避難計画の優先作成対象者の増加、避難行動要支援者名簿の地域提供に関する課題等が示されました。
2つ目の避難支援プランの記述が、具体的な手順になっているか及び3つ目の安否情報の取りまとめが、具体的な内容になっているかについてでありますが、本市が作成した大津市避難行動要支援者避難支援プランについては、避難行動要支援者の支援を行うための全体計画であるため、詳細な手順や方法は定めておりませんが、具体的な対応については、地区防災計画に定めることを促すなど、地域との連携による取組を進めてまいります。
以上、私からの答弁といたします。
管理者答弁
所属名:企業戦略・危機対策室、ガス計画整備課、ガス管理課
2 大津市ガス事業の安全・安定供給と持続可能性について
(1)ガス保安の責任体制と実効性について
①緊急時の保安・修繕業務の委託について、指揮命令系統や事故時の報告ルール、出動基準などの基本事項を、契約上どのように整理しているのか伺います。
②通報からの初動対応や現場での処置を適正に実施しているか、どのように確認しているかお聞かせください。
③市がガス事業の運営を担う新会社等に出資している場合、市は株主と監督者の二つの立場を持つこととなります。そこで、市としてそれぞれの立場をどのように整理されているのかを、外部の専門機関による監視も含めお聞かせください。
(2)技術継承と委託依存リスクの管理について
①現在、本市においてガス主任技術者免状を受けておられる方は何名で、ガス主任技術者として選任されている方は何名なのか伺います。あわせて、委託先の業務の履行が不能となった場合や契約終了時に、代わりの緊急保安体制をどのように確保する想定としているのかお聞かせください。
②委託依存が進む中で、市の側にガス保安に関する知見や判断力をどのように蓄積し、維持していくのか伺います。
③経済産業省が推進するスマート保安について、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
(3)老朽化した敷地内埋設管の安全対策について
①本市の供給区域内において、敷地内の白ガス管の腐食に起因するガス漏れは、過去3か年で何件発生しているのか、あわせて、現在残存している白ガス管の件数について伺います。また、今後のガス漏れのリスクをどのように評価しているのかお聞かせください。
②ガスメーター以降の敷地内配管について、法定点検で老朽化が確認された場合、利用者に対してどのような対応を行っているのか伺います。あわせて、点検で不具合が確認されたにもかかわらず、市民の対応が困難なケースを、市としてどのように対応しているのかお聞かせください。
③敷地内配管の改善工事について、敷地が広い場合や舗装撤去を伴う場合の自己負担が重く、またガスメーター以降の敷地内配管は補助対象外となっています。費用負担が困難な高齢世帯や低所得世帯への支援について、市としてどのように考えているのか見解を伺います。
(4)託送料金制度と事業財政の持続可能性について
①令和6年度決算では、託送供給の単価が1立方メートル当たり25.8円、原価が24.5円で、その差は1.3円でした。今後もコスト上昇が続いた場合、原価が供給単価を上回る時、どのように対応するのかお聞かせください。
②人口減少・需要減少が進む中で、長期的なガス需要の見通しを市としてどのように捉えているのか伺います。あわせて、将来的な導管の更新などについて、どのような課題を認識し、今後どのように検討していくのかお聞かせください。
(5)カーボンニュートラル・グリーントランスフォーメーションへの対応について
①本市のガス事業として、2050年カーボンニュートラルに向けた対応方針をどのように定めているのか伺います。あわせて、合成メタンやバイオガスの導入について、今後の方向性をお聞かせください。
ご質問にお答えいたします。
2項目めの1点目、ガス保安の責任体制と実効性についてのうち、1つ目の、緊急時の保安・修繕業務の委託について、基本事項の契約上の整理についてでありますが、本市の保安規程における保安組織の一部として「企業局保安センター」を位置づけるとともに、当該センター業務をびわ湖ブルーエナジー株式会社に委託し、ガス漏洩等の通報内容の緊急度や事故の規模に応じて報告及び出動することとしています。
2つ目の、通報からの初動対応や現場での処置の実施及び確認についてでありますが、修繕日報及び修繕現場において、通報内容やガス漏れの状況に応じた対応がなされていることを確認しております。
3つ目の、株主としての立場と監督者としての立場の整理についてでありますが、本市は、株主として、株主総会や取締役会等において、びわ湖ブルーエナジー株式会社の経営状況を確認しております。
監督者としては、契約書や要求水準書等に基づき、小売業務や保安、修繕業務等の実施状況について、定期的に業務報告を受け、モニタリングを行っております。
また、外部有識者で構成する検証委員会において、本市のモニタリング結果が、客観性や公平性を確保できているのか、検証及び助言をいただいております。
2点目の技術継承と委託依存リスクの管理についてのうち、1つ目の、本市におけるガス主任技術者の状況についてですが、ガス主任技術者免状の交付を受けている者は4名であり、ガス主任技術者として選任している者は1名であります。
また、委託先の業務の履行が不能となった場合や契約終了時の緊急保安体制の確保についてでありますが、まずは、委託先の業務が適切に履行され、保安体制が維持されるようモニタリングにおいて助言や指導を行っているところであり、契約終了時の緊急保安体制については、今後、委託の継続を含めて、検討していくこととしております。
2つ目の、市側にガス保安に関する知識や判断力をどのように蓄積し維持していくのかについてですが、本市職員が、大量にガスを使用する工場等の専用ガス施設の点検や、市内のガスバルブや整圧器の専門的な操作を実施していること、また、びわ湖ブルーエナジー株式会社に委託している保安業務に関して、修繕工法について協議を行い、モニタリングにおいて日報や出動記録を確認することにより、ガス保安に関する知見の蓄積等に努めております。
3つ目の、経済産業省が推進するスマート保安に関する取組についてでありますが、本市においては、既に、平成17年度にガス整圧器遠隔監視制御システムを、令和6年度に他工事受付システムを導入しております。
また、今年度、緊急保安の現場状況をリアルタイムに映像と音声で把握できる映像通話システムの整備を予定しており、引き続き、技術の進展などの動向を注視してまいります。
3点目の、老朽化した敷地内埋設管の安全対策についてのうち、1つ目の、敷地内の白ガス管の腐食に起因する過去3年のガス漏れ件数と現存する白ガス管の件数についてでありますが、令和5年度が40件、令和6年度が46件、令和7年度が32件で、現存する白ガス管の件数は、令和7年度末で約18,000件であります。
また、今後のリスクをどのように評価しているのかについては、昭和62年以前まで採用されていた白ガス埋設管は、埋設環境と経年劣化により腐食しやすいことから、早期の改善が必要と認識しております。
2つ目のうち、ガスメーター以降の敷地内配管で、法定点検において老朽化が確認された場合の対応についてですが、まずは、4年に一度の法定点検時において、敷地内に白ガス管が埋設されているお客様に対しては、全てパンフレットを配布し、早期にポリエチレン管等へ交換していただくようお願いしておりますが、その中で点検時に老朽化が確認された場合は、危険性を丁寧に説明し、速やかな交換をお願いしております。
次に、2つ目のうち、不具合確認時に市民の対応が困難なケースについて、及び3つ目の費用負担が困難な高齢世帯等への支援につきましては、敷地境界からガスメーターまでは、ガス漏れによる火災等の防止のため補助制度を設け、白ガス管の交換を促進しておりますが、ガスメーター以降の敷地内は、ガスメーターがガスを遮断し、安全を確保できることから、補助対象外としているものです。
費用負担が困難な場合は、まずは、白ガス管交換の必要性を丁寧に説明した上で、指定ガス工事店から安価な工法の提案をされているところであります。
4点目の託送料金制度と事業財政の持続可能性についてのうち、1つ目の、託送供給原価が供給単価を上回る時の対応についてでありますが、まずは、導管更新時における口径のダウンサイジングなど経費削減や、保有資産や資金の有効活用による収益向上などさらなる経営努力を行った上で、なお、持続的な事業運営に影響が生じると判断した際には、託送料金の見直しを検討することもあり得ます。
2つ目の、長期的なガス需要の見通しについてでありますが、人口減少や省エネ機器の普及、ガス機器の性能向上などにより、ガス需要は今後減少すると見込んでおります。将来的な導管の更新などについては、老朽化による更新需要の増加に対応するための人員体制の確保等が課題と考えており、引き続き、効率的な工事発注手法の検討を進めるとともに、口径のダウンサイジングを図りながら耐久性の高いポリエチレン管等への更新を行うなど、適切に課題に対応してまいりたいと考えております。
5点目のカーボンニュートラル・グリーントランスフォーメーションへの対応についてでありますが、「大津市ガス事業中長期経営計画」において、ガスの脱炭素化に向けた動向を注視していくこととしております。合成メタンやバイオガスにつきましては、国において託送料金制度との関係を含めた導入促進策の検討が進められていることから、一般ガス導管事業者として、引き続き国の動向や制度設計の状況について情報収集に努めてまいります。
以上、私からの答弁といたします。







