2012年7月4日、IT戦略本部は「電子行政オープンデータ戦略」を決定した。戦略の目的は、国民共有財産である公共データの活用を促進し、我が国の社会経済全体の発展に寄与することである。
そこで、当戦略策定に携わった佐賀県特別顧問の川島宏一氏と、諸外国のオープンデータ動向に詳しいNTTデータ企画調整室の高木聡一郎氏との、オープンデータの電子行政推進における意義と今後の展望についての概要を紹介する。
以下は、「オープンデータが実現する新しい社会」からの抜き書きである。
行政における情報は、経営資源である人、モノ、カネ、情報の4つのうち、ただ一つ残された自由度の高い資源として、その価値が期待されている。
行政情報をオープンにすることで、行政内部の合意形成にも効果があると言われている。
なぜかというと、特に自治体の場合、全体の作業時間量の7~8割ぐらいが、プランの内容を組織内でオーソライズすることに使われており、それらのコストを下げることができれば、住民をはじめとする受益者に対する実サービスの提供時間を増やすことができる。
さらに、公務員のモチベーションを維持し、向上させることができる。
そもそも人の役に立ちたい、という思いで公務員を選んだ人たちが、日々の業務に忙殺される中で、モチベーションを維持することが難しい状況になっている。そこで、自治体職員が公共サービスに携わることの喜びや誇りを取り戻すためには、オープンデータをフルに使うことだ。
自らが携わる仕事、日々生み出している情報を外部に広く公開することによって、あなたはこんな良い仕事をしている、こういう価値を生んでいる、ここで人助けをしている、ということが意識できるようになれば、これは本当に意味のあることではないでしょうか。
それまで全体の歯車の一つとして機械的にこなしていた仕事が、具体的に誰かに喜んでもらえている様子がわかれば、ボーナスや表彰とは違う形での価値や手ごたえが感じられるようになるでしょう。
人事部局の方だけではなく、各部門の管理者の方も、オープンデータ戦略をぜひそういう観点で捉えて欲しいと思う。
オープンデータの実現は、住民の利益を生むだけではなく、一緒に働く職員のやる気を生み出すことにつながります。ぜひ多くの自治体の方に、取り組んで頂きたいと願っている。